勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★★☆
  • 天空感
    ★★☆☆☆
  • 潮風感
    ★☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★★☆
  • 根性感
    ★★★☆☆
  • 開放感
    ★★☆☆☆

日本屈指の酷道地帯を横断!快走路の連続で初心者でも安心

幽玄の山々が連なる紀伊山中は“酷道”の宝庫。
しかし、このルート(国道311号)は、ほぼ全線2車線に線形改良されており、初心者ライダーでも幽玄の紀伊半島を気軽に体験できる貴重な快走ルートだ。

そもそも、この“中辺路・伊勢路”は、あの世界遺産でもある熊野古道のひとつ。
熊野本宮大社を核としつつ、世界遺産の道をトラバースしながら幽玄山中の絶景を楽しむ事が可能な、一粒で二度・三度美味しいバイクロードなのだ。

もちろん、このルートは観光ガイドブックにもあたりまえに掲載されている、国内でも超メジャーな観光ルートだ。
しかし、殆どのガイドは熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社を主眼とした観光紹介。
ここでは主にルートに寄ったガイドを解説しよう。

中辺路のスタートは西海岸の和歌山県田辺市。
ここより内陸中央部の熊野本宮大社を経由し、東海岸の三重県熊野市へ至る行程が全概要だ。

ルート総延は約93km。
国内屈指の山中を横断しつつも、整備された快走路の為、所要時間は片道約3時間程度。
熊野古道や瀞峡・丸山千枚田を観光しつつゆっくり走っても日帰りで往復可能な距離の為、近畿圏のライダーにとっては定番のツーリングルートでもある。

ハイライトは熊野本宮大社を中心とした半径約15kmの区間だろう。
…といっても、全線が緑の美しいルートの為、ある意味、景観的には全線で大きな変化は無い。

しかし、山間部で蛇行を繰り返す美しい北山川・熊野川を眺めつつ、峡谷や里山風景の中を爽快に走るこの区間は走り応えや見どころ、そして銘湯の事を考慮すると一番抑えておきたいスポットだろう。
休日や、特に紅葉シーズンは大人気のエリアながら、メジャー観光地の駐車場界隈以外は渋滞が発生する事もまれな為、一度は訪れておいて損はない。

また、少々穴場的な絶景の宝庫でもあると同時に、西日本屈指の温泉地でもあるのだ。
湧出量・泉質共にマニア垂涎の湯も多く、世界遺産唯一の公衆浴場といった激レアな湯も存在する。

走り良し。観光良し。アクセス良し。
3大条件の揃った好立地ながら、観光客にまみれず、充実感のある様相が魅力の絶景ロード。
この秋、ぜひ走ってみては?


吊橋は谷合の集落において最もメジャーな橋。
バイクで通行可能な橋も多くあり、格別の非日常的な雰囲気を楽しめる。
すれ違い困難な場合もあり、通行の際は細心の注意を!


豪快な北山川の蛇行様相を一望できる秘密の絶景スポットが木津呂集落の展望風景。
徒歩約2時間の本格トレッキングながら、秘境感抜群の絶景を楽しめる。


北山川きっての景勝地、瀞峡を渡る山彦橋は、全長85m高さ25mにもなる迫力抜群の吊橋。
もう一つの熊野古道と呼ばれる“筏師の道”の道程にあり、アクセスも悪くない。


古来よりの熊野本宮大社があった場所は大斎原と呼ばれ、現在は高さ約34mの大鳥居が建つ。
明治22年の大水害にて社殿を現在の場所に移築した。


安土桃山時代には検地の記録が残る、歴史ある棚田。
その数実に1340枚!国内トップクラスの規模を誇っている。
農道の一部はバイクでの通行も可能。


発祥は不明ながら、一説には縄文期以前に端を発する国内最古級の温泉と伝わる、湯の峰温泉のつぼ湯。
世界唯一の世界遺産となった共同浴場でもある。入浴も可能だ。

ロードデータ

交通量

国内でも有数の観光地を継いで走るルートながら、意外と交通量は少なく快適な走行が可能。但し、観光バスやマイカーも混走しており、周囲には気を配って走ろう。

路面

幽玄の山間部とは言え、ほぼ大半は幅広2車線に線形改良されており、快適な走行が可能。しかし、荒天後は落石や崩落も頻発する為、事前に道路情報をこまめにチェックしておこう。

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。