バイクに“箱”を付けるのが嫌だったあの頃

トップケース。

積載性を拡張し、雨に強く、バイクの利便性を高める魅力的な装備ですよね。

一方で、操作感・スタイリングの面で、大きな箱を装着することに抵抗感を覚えるライダーも少なからずいるのではないでしょうか?

かつては筆者も“箱アンチ”のライダーの一人でした。

バイクのスタイリングを損なうようなものを、なんでわざわざ付けるのだろう?

もちろん、アドベンチャーモデルのパニアやトップケースの取り付けはそれも含めてのカッコよさだと思っていましたし、キャンプツーリングに際にはホームセンターの箱を加工して取り付けなどはしていました。

それでも常時使用することは考えられませんでしたね。

そんな私ですが、2年ほど前にひとつのトップケースが手元に転がり込んできた事をきっかけに、試しに装着してみることに。

そして取り付けたら最後、この2年はトップケース無しのバイク移動が考えられない生活に……⁉

トップケース装備で得られたメリット

トップケースを付けてみようと思った理由は主に2つ。

ひとつ目は、毎日がバイク通勤になったこと。
そして二つ目が、ツーリングに出かける頻度が減ったことです。

学生の頃や社会人になりたての頃は、時間があればどこかに走りに出かけていましたが、最近では生活も変化し、バイクの主な使用用途はツーリングより通勤が主になりました。

「道具」としての側面が大きくなってきたこともあって、トップケースの装着を存外すんなりと受け入れられました。

年齢を重ねたことによる思考の変化に寂しさも感じますが、これも成長なのでしょう(笑)

少し脱線してしまいましたが、ここからは“箱アンチ”だった私が実際にトップケースを装着して生活してみて体感したメリットを、ひとつずつ紹介します!

「背負わない」で通勤が超快適!

最大のメリットは、荷物を背負わなくてよくなったこと!

以前は仕事道具を入れたリュックサックを背負って通勤していましたが、荷物を背負って片道3、40分の通勤をするのは疲れます。

1日ツーリングに比べたら短い時間ですが、出勤するだけで肩が痛くなるのも考え物。背負わずに通勤できるようになったのは大きな変化でした。

私のトップケースは大きいので、多少荷物が増えても入ってしまうのが好印象です。

また、身体の動きを邪魔するものがないと、通勤での決して面白くはない都市部の走行も、楽しく感じられるようになりました!

帰り道の買い物でたくさん買える!

二つ目のメリットは退勤後や普段の生活の中での買い物。

今までバイクでは持ち運べる荷物の都合上なかなか大掛かりな買い物ができなかったけれど、トップケースの採用でかなり生活が一変しました。

特に、飲料系をはじめとした重たいものを買った際のありがたみがすごいです。

加えて、地味にうれしいポイントが「お弁当」が運べるようになったことです。

今まで傾けられずリュックにも入らないお弁当は買えなかったのですが、今ではご飯を手軽に済ませたい日には、気軽にお弁当を手に取れるようになりました。

正直、ここまでは「トップケースつけたんだから当たり前じゃん」って内容ですが、今までは、「会社帰りにお弁当を買う」って当たり前すらしづらかったんです。

便利じゃない部分を楽しむのがバイクではありますが、やっぱり便利に越したことはないですね(笑)

レインコートやヘルメットを入れておける

荷物が入るならこれらが入るのは当たり前ですね!

毎日通勤していると、朝は降っていなかったのに帰りは雨、なんてこともありますし、急な雨に備えてレインコートを備えておけるのは便利です。

ヘルメットに関しては、ヘルメットホルダーはあるものの、やはり駐輪場でヘルメットをむき出しで吊るしておくのは様々な意味で怖いので、しっかり保護できるトップケースは心強い味方。

また、タンデム用のヘルメットの持ち運びができるのもうれしいポイントです。

バックレストでタンデムライダーも安心!

そんなタンデムを想定した場面でも、トップケースは大きな役割を果たします。

それがタンデムライダーのバックレストとしての機能です。

バイクに慣れていない人は、加速の際に不安を感じることが多いですが、トップケースを付けているとバックレスト代わりになり、加速の際にストッパーになってくれます。

実際に私のトップケースは、バックレストがついて加速の際には背中をしっかり受け止めてくれます。キャリアステーがグリップ代わりになることもタンデムライダーにとっては安心感につながりますよ。

また、タンデムライディング時にはバッグの行き場がなくなるのが常でしたが、トップケースを取り付けたことでリュックやボディバッグがあっても気にせず乗れるようになりました。

最近ではロングツーリングにでかけることこそ減りましたが、家族を乗せての市街地走行は多くなりました。

「安心して乗れる」と言ってもらえることが、実は一番のメリットだとも感じています。

趣味が広がる!

そして、トップケースを付けたことによるメリットが趣味の拡張です。

ライダーの中には、バイクだけでなく様々な趣味を持っている方もいると思いますが、バイクの積載性を拡張することで遊びの幅が広がります。

特に、荷物が多い、または大きい趣味の方はトップケースを付けると利便性が大きく上がると思います!

トップケースの注意点

このように多くのメリットがある一方で、もちろん注意したいポイントもあります。

スタイリングを損なう可能性

 

ひとつ目はもちろん、私がトップケースの装着を避けていた理由である“見た目”の話。

アドベンチャーモデルやツアラーモデルであれば、装着してもスタイリングを損なわないオプションやアフターパーツが用意されていることもありますが、スポーツタイプのスーパースポーツやネイキッドモデルは、野暮ったさが出てしまうのも否めません。

近年ではスタイリッシュなデザインのトップケースも増えていますが、大きな箱はデメリットになってしまうかもしれません。

重心の変化による操作フィールの変化

スタイリングの問題を気にしないのであれば、一番の注意点はトップケース装着による車両重心の変化です。

リアキャリアとトップケースによる単純な重量増加も気を付けたいですが、重いものが高い位置に配置されることで、取り回しや運転時の操作感が変わります。

また、リア荷重が増えることでハンドリングにも影響が出るため、トップケースを装着する際には操作フィールの変化に気を付けましょう。

前後長や高さが変わる

トップケースを装備すると、車種によっては前後長が長くなり、駐輪場の枠やカバーのサイズが合わなくなる可能性があるため注意しましょう。

鍵閉じ込めに注意!

意外とやりがちなミスが、トップケース内への鍵の閉じ込めです。

ロックするまで鍵が抜けないタイプの製品なら、まず鍵の閉じ込めが起こることはありません。ですが、ロック前にキーが抜けてしまうタイプで鍵を中に入れっぱなしにしてしまうと、キーシリンダーを破壊して取り出す羽目に……。

また、バイクの鍵と一緒に閉じ込めてしまうと、出先で不動になるという最悪の事態も予想されるため、鍵の管理には十分注意が必要です。

鍵締め忘れに気を付けて!

鍵の閉め忘れは、内容物の盗難などに繋がるので常にロックすることがおすすめですが、気を付けてほしいのが、走行中の鍵の閉め忘れです。

実体験として、トップケースの鍵を閉め忘れたまま高速道路に乗ってしまった際、風圧でフタが勢いよく開き、そのフタで背中を叩かれてびっくり、という経験があります。

物を落とさなかったからよかったものの、何か落としていたら自分だけでなく、後続の車両にも危険を与えかねません。

こういった理由から、なるべくトップケースの鍵はロックする癖をつけたほうが良いでしょう。

おすすめのトップケースの特長

ここからは、私がトップケースを装着して生活してみて感じたことをもとに、おすすめのキャリアボックスのタイプについて解説します。

取り外しが楽

まず重要性を感じたのが取り外しのしやすさ。

基本的にはつけっぱなしなのですが、いざツーリングに誘われた際ボタン一つでサッと取り外せるものだと、素早く身軽な状態にできるため、脱着のしやすいタイプがおすすめです。

ロックするまでキーが抜けない

上述した通り、トップケースの仕様において、鍵の閉じ込めは致命傷です。

ロックをかけるまで鍵が抜けないタイプのトップケースを選ぶと、鍵の閉じ込めが無いので安心して使用できます。

ただし、今度は「トップケースに鍵を挿しっぱなし」という事態も発生するため、鍵の管理には一層注意したほうが良いでしょう。

ヘルメット+αくらいの容量

 

容量に関しては、それぞれ必要なサイズが違うため、一概にコレがおすすめ! と言い切ることはできませんが、個人的な意見としては「ヘルメット+α」くらいの容量が入ると頼もしく感じると思います。

ヘルメット一つに加えちょっとした空きがあれば、タンデムライダー用のヘルメットとプロテクターを収納したり、レインコートやちょっとした荷物を入れておけます。

また駐輪の際にレインコートなど常備しているものに加えてヘルメットを収納できるので、駐輪場でスムーズに装備を整えることができます。

バックレストがついている

タンデムライディングを想定するならば、バックレストがついているものがおすすめ。

加速の際に背中に当たる部分がしっかりしていれば、タンデムライダーも安心して乗ることができます。

実用性重視なら□より〇!

カッコいいトップケースと言えばアルミ製の四角いトップケースですが、実用性を重視するならば、実は角が丸いタイプのものがおすすめ。

各辺が膨らんでいるほうが、案外たくさんの荷物が収納できます。

上手に使い分けてバイクをもっと便利に、もっと楽しく!

以前は「自分は一生アレを付けることはないだろうな」なんて思っていたトップケースですが、使用してみるとコレの無い事が想像できないほど生活に馴染んでいます。

私の場合、毎日の通勤などで使用する頻度が多いということもありますが、操作フィールを気にしなければツーリングの際にも心強い味方になるはずです。

最近ではカッコよく、バイクに馴染むデザインのケースも増えているため、積載性で悩んでいる方やタンデムライディングの安心感を高めたい方は、是非採用を検討してみてはいかがでしょうか?

バイクという乗り物がもっと便利で楽しく感じられるかもしれませんよ!

筆者プロフィール

webオートバイ×BikeLifeLab

webオートバイは現存する日本の二輪雑誌の中で最も古い歴史を持つ月刊「オートバイ」の公式ウェブサイトとして、2010年よりバイクに関する幅広い最新情報を日々更新しています。
新型モデルの速報はもちろん、用品、パーツ、ツーリング、カスタム、レースなどバラエティ豊かなコンテンツを多数用意。
また、SNSやYouTubeチャンネルでのライブ配信企画や試乗動画配信など、ウェブならではのオリジナルコンテンツも展開しています。