オートバイの駆動方式はチェーンによるものが一般的です。
しかし他にシャフトとベルトを使ったものがあります。

今回はその中からベルトで駆動するものを取り上げて、チェーンとの違いを説明することにしましょう。

静粛性が高いベルトドライブ


ベルトドライブの利点の一つは静粛性。
音が非常に静かです。

チェーンは金属同士が接触するため、どうしても噛み合いの時に音が出ます。

バイクの騒音規制が厳しくなった時は、このチェーンの噛合音の為に騒音規制をパスできないなんてこともありました。
純正でスプロケットにゴムを張ったバイクがありますが、これはチェーンの噛み合い音対策です。

チェーンは騒音対策で不利


ホンダはチェーンのローラー部に樹脂ローラーを組み合わせたサイレントクロスチェーンを開発。
VFRやCBR954RRなどに採用しました。

VFRではサイレントクロスチェーンに加え、ドライブスプロケットのダンパーもチェーンプレートに合わせた形にして1.0dbの消音に成功しています。

それくらいチェーンの消音にはどのメーカーも気を使っていたのです。
その点、ベルトは金属でない為にスプロケットと接触する音もほとんどありませんでした。
チェーンの音がなければ、他の部分の音対策が楽になるわけです。

ベルトはメンテナンスが少なくて済む


もう一つの利点はメンテナンスが楽なこと。

チェーンのようにオイルを注油する必要がありませんし、伸びもほとんどないので日常で使っているだけなら整備はほとんど必要ありません。


また、オイルを使わないため車体やホイールが汚れないというメリットもあります。

ホンダのカブシリーズはチェーンドライブですがフルカバードされています。
これはチェーンの騒音や油汚れを防止するためです。

ただしチェーンの寿命が向上するわけではないので、カバーしても耐久性ではベルトに軍配が上がります。

ベルトの整備はどれくらいの頻度で行う?


ベルトドライブはチェーンに比べると耐久性も高く、BMW F800Sの場合、点検が10000キロ毎。

交換は40000キロに指定されています。


耐久性が高いといっても完全にメンテナンスフリーというわけにはいきません。
古くなってくると経年劣化で切れたりする恐れがありますし、異物が噛み込んだ時も切れやすくなります。

ある程度走った車両は洗車の時などにベルトの状態を確認しておいた方が良いでしょう。
また、古いマシンの場合は、販売店やディーラーなどに相談して、トラブルが起きる前に交換しておくことをオススメします。

ギア比の交換が難しいベルトドライブ


デメリットの一つはチェーンのように簡単にファイナルレシオ、つまりスプロケットを簡単に交換することができないことです。

チェーンのように長さを調整することができず、プーリーも大きさが限られてしまうからです。
また、ベルトはチェーンに比べるとテンションが低くなった時、歯飛びする可能性が高くなります。

スイングアーム式のリアサスは、ホイールのアクスルシャフト、スイングアームピポット、スプロケットが一直線になった時、ベルトの張りがもっと強くなり、スイングアームが垂れてくるとベルトの遊びが増えてきますが、遊びが増えるとベルトはチェーンよりも歯飛びしやすいのです。


ハーレーはベルトドライブを採用していますが、運動性を高くする為に車高を上げていくようなカスタムをすると、あるところからベルトの歯飛びが発生する為、こういう場合はチェーンに交換することになります。

スポーツバイクにベルトドライブが使われないのは、こういった理由があるからなのです。

チェーンもベルトも長所、短所があります。
それぞれのバイクの用途などを考慮して、どちらを採用するべきか決定されているのです。

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