バイクはカスタムで楽しもう!
公開日:2018.03.11 / 最終更新日:2021.05.01
今はまだ寒いけど、この春からはバイクライフを満喫してやるぞ!という初心者ライダーのみなさん。
春からのバイクシーズン突入に向けて、とりあえずなにをするかというと、「そりゃカスタムでしょ♪」と意気込む人は多いはず。でも、いざ始めようと思っても、「どこからいじっていいかわからない…」なんていう人もいるのでは?
そんなアナタにまずお奨めするのが「マフラー交換」だ。
とりあえず目立つし、これだけでなんとなく自分的にも周りから見ても“バイクいじってる感”を醸し出せる。
だからカスタム初心者はまず、マフラーから始めるのが手っ取り早い。
でもマフラーの場合は、カスタムによってさまざまな機能を付加できるパーツだけに、ちゃんと規格に則ったモノを着用しないと、違法改造車になってしまうので気をつけよう。
バイクカスタムの王道ともいえるマフラー交換は、見た目以外にもライダーにとって素敵なメリットがいっぱいあるので、まずはそれを紹介しよう。
■ マフラーをカスタムするとどんな風に変わるの?
GOOD LOOKING!! (見た目がかっこよくなる!)
せっかく手に入れたお気に入りのバイクでも、やはりパーツとして大きな面積を占めるマフラーは、好みが分かれるところだろう。純正だとなんかダ○イ…と感じる人もいるかもしれないし、中古バイクでは前オーナーの好みでカスタムされたマフラーがイマイチ自分の好みとは合わない…なんてこともあるだろう。そんなときは、見た目の第一印象がガラリと変わるマフラー交換で、自分好みのバイクに仕上げよう!
LIGHTNESS!! (軽さを体感できる!)
純正マフラーは、基本的に社外マフラーよりも重い。社外マフラーの最大の利点のひとつは、チタンやカーボンなど、素材によって劇的に軽くなること。マフラー交換で車体全体が軽くなることによって取り回しが楽になり、加速・減速がスムーズに。軽さを体感できる。
SOUND!! (心地よいサウンド!)
もうひとつのマフラーの魅力といえば、やはりサウンドだろう。エキゾーストノート(マフラーから聞こえる排気音のこと)は、マフラーの材質やサイレンサー構造、またメーカー(ブランド)によって大きく異なる。まずは自分にとって心地よいエキゾーストノートを動画などで探し出し、どんな音が好みなのかを見極めるのがいい。好みの音のマフラーがどんな材質・ルックス・メーカー・価格帯なのかを知って、自分のバイクとの相性を探ったり、お財布との相談をしていくのが現実的だろう。
POWER!! (パワー!)
ノーマルマフラーに比べて、社外マフラーのパワーが大きいのは、排気効率が格段に良くなる(ことが多い)から。車体メーカーで製造するノーマルマフラーは、本来の性能にプラスして騒音基準や環境性能を重視しており、排気効率については正直犠牲になることも多い。それに比べ、社外マフラーはまず排気効率を重視するため、エンジンのパワーを存分に引き出せる性能になっている。
ただし、中には耐久性に問題のある社外パーツや、保安基準に適合していない規格のものもある。このように魅力もあればリスクもあるのが社外マフラー。安い買い物ではないので、購入の際には十分に検討してマフラー選びをしよう。
■ マフラーの規格作りに取り組む、JMCAとは?
ところで、マフラーのパーツをよく見ると、こんなプレートが貼ってあるのをご存知だろうか?
これはJMCA(一般社団法人 全国二輪車用品連合会)といって、当団体の加盟会社により製造されるマフラーのうち、第三者機関※の公的試験を受け、法規制値より低く定められた基準値をクリアした製品にのみ取り付けを認められた「JMCA認定プレート」を指す。
誤解を恐れず端的にいうと、このプレートが付いていれば「車検に通るマフラー(≒マフラーの違法改造には当たらない)」ということになる。
※財団法人 日本車両検査協会
■ JMCAのマフラー認証ってどんな基準なの?
ここでは、JMCA認定・認証マフラー試験がどのように行われているのかについて説明しよう。
毎月のようにデイトナテストコース(静岡県森町)を使って実施されている認証試験は、大きく分けて「騒音試験」と「排ガス試験」の2つに分かれている。
騒音試験については「近接排気騒音値」と、「加速騒音試験」に分かれている。
① 近接排気騒音値
停車した状態で排気流方向より45°外側50cmのところにマイクを設置し、最高出力回転数の1/2の回転数における騒音値。
② 加速騒音試験
車両毎に定められた進入速度と測定ギアで、20mの区間を全開で加速走行して測定した値。
また、排ガス試験についても「二輪車モード」「アイドリングモード」があり、以下のようになっている。
① 二輪車モード
標準的な実用レベル市街地走行状態での排ガス量。(これを実際にはシャシーを使って模擬的にこの状態を作り計測している)車検場での測定不可のもの。
② アイドリングモード
車輌を走行させないアイドリング状態での排ガス量。車検場で測定可能。
JMCAの公式サイトでも、認証試験の模様は詳しく説明されているので確認してみるといい。
環境問題に対する業界の取り組みや社会的責任から、規制値は年々厳しくなっている。これらの試験を通して規制値をすべてクリアしたものにのみ、JMCA認証プレートは与えられる。毎回の試験で約30~70本超のマフラーがこの認証試験を受けるが、加盟会社の製造マフラーによる受験であっても、認定資格をクリアしないこともある、厳密な基準なのだ。
社外パーツは、見た目や機能面の充実も大事だけれど、これからの長いバイクライフを考えれば、やはり安全で快適なのがいちばん。JMCA認定マフラーで、バイクライフを快適に楽しもう!
■ JMCA(一般社団法人 全国二輪車用品連合会)について
JMCAは、その昔、全国各地で暴走族、騒音問題が一挙に社会問題として広がっていた平成元年(1989年)に設立された。バイクパーツを主体とした二輪車用品のメーカー、卸・小売ショップなどが加盟しており、健全な業界の発展とモーターサイクルスポーツ、モーターサイクルライフを楽しむ善良なライダー育成のための広範囲な活動に取り組んでいる団体だ。マフラーの騒音問題・排出ガス問題の解決だけでなく、不正改造車排除の推進や優良部品の推奨、そのなかでも最近では特に「胸部プロテクター」でもJMCA規格を設けるなど、活動の分野を広げている。