勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★★☆
  • 天空感
    ★★★★☆
  • 潮風感
    ☆☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★★☆
  • 根性感
    ★★★★★+
  • 開放感
    ★★★☆☆

白銀の大雪山系を一望!
難関、道内最高地点を越す

 夏は大雪山一望の絶景が魅力の糠平国道。北海道のガイドでは、必ず掲載されている定番の観光ロードだ。十勝方面と上川方面を連絡しており、物流の面でも大変重要な位置を占めている。人家は皆無。これぞ、まさに北海道。白樺の原生林を貫く一本道が果てしなく続き、秘境ムードは抜群。野趣満点の雰囲気が魅力の道だ。
しかし、冬季の表情は一変。吹雪と共に襲う-20℃を越す極低温は、容易にライダー達を寄せ付けない。ただ走る事ですら、非常に厳しい環境下に豹変するのだ。
路面は基本的にアイスバーン。極低温により強固に氷結しており、スパイクタイヤ無しでは絶対に走行不能だ。その上、大雪山脈直下で風雪も非常に強い為、ただ走行するだけでも非常に神経を使う路線だ。しかし、道内屈指の大動脈の為、冬季でも大型車両の交通量は多め。しかも交通の流れは制限速度上限。ヨタヨタと走っていると、後方より跳ね飛ばされかねない、バイクにとっては悪魔の様な世界である。
また、極低温の為、ヒーター装着等の対策を施していないキャブ車は、ほぼ間違いなくアイシングを起こしストップ。周辺に人家は一切なく、トラブルの際には生命の危険が容易に訪れる。装備・知識・技量共に高いレベルを要求され、無謀な挑戦を挑むライダーには死亡の危機が訪れる街道なのである。
まさに選ばれし者のみが走破できる道。日本のツーリングロードの中ではトップクラスの超ハイレベルな道だ。しかし、その悪魔的環境だからこそ、その風景は驚嘆に値する。
白銀の原野に林立する白樺の森。その幹は雪よりも白く、周囲は純白の巨人達のカーニバルといった様相。まれな晴天時は、白と青がモザイク状に入り乱れ、絵本のような幻想的な風景があちこちに出現する。また、道内最高所を越す三国峠からは十勝方面が一望。白銀に染まる、地平線の果てまで続く壮大な原生林と青空のコラボレーションは、この景色を見る為だけに命をかける価値がある。
原野に浮かぶ赤い鉄骨が独特の雰囲気を醸す事で人気のあるこの場所も、冬季の人気は皆無。エンジンを止めると、風の音と動物のざわめきしか聞こえない孤独のポイントだが、これぞ究極の絶景ロード。敷居は非常に高いながら、苦労に見合う以上の感動を感じられる。
ただし、それは天候が穏やかであればの話。暴風雪時の視界はほぼ2m。生命の危機を感じる程、激荒れするポイントでもある。装備・知識・技量はしっかり磨いた上で挑戦をして頂きたい。スパイクタイヤは必須。-20℃の暴風雪が吹き荒れる原野で一晩過ごせる程度の装備は最低限でも必要だ。また、スライドコントロール技術も必須。2輪ドリフトをマスターしていない方は走行をお勧めできない。生命だけは大事にして挑んで欲しい。

標高1139m。北海道一の標高を誇る三国峠は、南側への展望が大変雄大。眼下には一面の原生林。ここまでの苦労も一気に吹き飛ぶ絶景だ。昼間の気温は氷点下10℃前後。体感温度は-30℃程度にまでなる。

十勝地域は冬季でも比較的天候の穏やかな地域だ。晴れの日も多く、特に抜けるような青に染まる独特の青空は“十勝ブルー”と呼ばれ、ファンも多い。冬季北海道旅の初心者にもお勧めの地域だ。

北海道の道路は、概ね除雪が行き届いており、バイクでも何とか走行可能な場合が多い。しかし、凍結した轍や氷塊に乗ると容易に転倒する。最低限の技量はマスターして訪れて欲しい。

夏場の観光客は見向きもしない生活道路も、冬場はその表情を一変させる。木漏れ日の差す木立のトンネルは氷点下の気温にもかかわらず、身体の芯をほんのり暖める不思議なパワーを持っている。

十勝と言えばもちろん豚丼。真冬と言えど、元気いっぱいに営業中だ。逆に冬は観光客が少な目な為、行列のできる有名店を訪れてみる良い機会かもしれない。

冬の糠平国道のオアシスがこの幌加温泉だ。自噴自家源泉の上、大量湧出のかけ流し。泉質の異なる源泉浴槽が複数ある、温泉マニアでなくても狂喜する極上温泉。氷点下の気温の中で楽しむ露天風呂は、格別の趣だぞ。

マップ

  • 43.528750, 143.134002
  • 8
  • 18
  • 11
  • 43.572042, 143.132597

    【北海道】~国道273号糠平国道~

  • 43.470392, 143.127129

    幌加温泉

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

全面凍結した冬季とは言え、大型トラックが頻繁に行き来する大動脈路線。丁寧な除雪が成されており走り易いが、暴風雪下では細心の注意が必要だ。

路面

気温の低さもあり、路面は概ねアイスバーン。轍も少ない上、路面露出も少な目。スパイクタイヤには絶好のコンディションだが、動物の飛び出しには注意しよう。

■筆者プロフィール

神田 英俊
MOTOツーリング誌編集長
内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。
個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。
バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。