バイクのバッテリーは走行することでエンジンから発電された電気を使用して充電することができます。

しかし、長期間乗らない期間が続くとバッテリーが蓄えている電気を放電してしまい、いざ乗ろうと思ったときにはキーを回しても反応しない、セルモーターが回らないなど、バッテリーが原因の不調で乗れなくなってしまうことも。

頻繁にバイクに乗れれば問題ありませんが、人によってはバイクに乗る時間を必死に捻出して乗る方もいるので、そういった方にはバッテリー充電器を使用してバッテリーのメンテナンスを行うのがおすすめです。

本記事ではバイクのバッテリー充電について紹介していきます。

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バッテリー充電器の使い方

バイクに乗らずにバッテリーを充電するためにはバッテリー充電器を使用します。
今回使うバッテリー充電器はOptiMate 4 Quad Program。
バイクはもちろん、ジェットスキーやスノーモービル、ATVなどバイクと同クラスのバッテリーに対応している充電器です。
12Vの鉛バッテリー、12.8V / 13.2VリチウムLFP、BMWのCAN-BUS(キャンバス)システム搭載車への充電に対応しています。

中身はこのようになっています。
充電器本体はかなり小さく、このクラスのバッテリー充電器の中ではかなりコンパクトなサイズ。
ワニ口のバッテリー接続コードが付いており、BMWのCAN-BUS(キャンバス)システム搭載車のコードが付属しています。

地味なポイントですが、本体の裏側にゴム製の足が付いているため、置き場所を傷付けず、本体が机から滑って落ちてしまうことも起こりにくくなっています。

充電器本体の下部に充電プログラムの切り替えボタンがあり、今回は鉛バッテリー(Pb)なので一番左のPbが青く光っているのが正しいプログラム。
コンセントを入れた状態で最初からこのモードが選択されていました。

バッテリーへの接続はプラス、マイナスそれぞれの端子にワニ口クリップを繋ぐだけ。
挟み込めば自動で充電が始まります。

最初に現在のバッテリーの状態を表示してくれます。
今回のバッテリーはそこまで弱っていなかったので一番上のマーク、最も弱っているバッテリーでは一番下が赤く光りました。

バッテリーの状態で左右されますが、今回は30分ほどで充電が完了しました。
充電が完了するとバッテリー診断が行われ、結果を表示します。
一番右側の緑のマークなのでバッテリーの状態は良好。

充電はできてもバッテリーの状態が悪いと自然と放電されてしまい、常に12Vの電圧を保つことができなくなってくるため、充電したうえで現在のバッテリーの状態を教えてくれるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

車体からバッテリーを取り外す方法、取り付ける方法に関しては別記事で詳しく解説しているので、こちらを御覧ください。

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バッテリー充電器使用時の注意点

バッテリー充電中にワニ口グリップが外れてしまったり、別の金属と触れてしまうとエラーが起こる可能性があるため、安全な場所で充電しましょう。

途中でトラブルによって充電が止まると、再度接続した際にまた最初から充電になってしまう充電器もあるので注意が必要です。

電流はバッテリー容量の10分の1が目安

充電する際に流す電流はバッテリー容量の10分の1が目安となっており、電流が大きすぎるとバッテリーの破損や発火などに繋がる危険性も。
逆に電流が小さすぎると、満充電までに時間がかかるため、適正な電流に自動で調整しながら充電してくれる充電器がおすすめです。

今回使っているOptiMate 4 Quad Programは接続時に適正な電流に調整しする電子保護機能がついているため、繋ぎっぱなしでも大丈夫なようになっています。

バッテリー充電器の選び方

バッテリー充電器は高価な物が多いですが、一度購入すればほぼ一生物と言えるくらい使うことができます。
バイクに長く乗る方なら持っておいて損はないと思います。
特に寒冷地に住んでいて雪などでバイクに乗らない期間がある方や、複数台バイクを所有している方にはおすすめ。

バッテリー充電器は様々あるので、欲しい機能に合わせて選ぶことが重要です。
ここからはバッテリー充電器を選ぶ際に注目しておきたいポイントを解説していきます。

バイクでの使用が可能な製品を選ぶ

バッテリー充電器にはバイク用もあれば車用もあります。
どちらも同じバッテリー充電器ですが、仮に車用のバッテリー充電器で適正電圧に関係なく充電してしまうものに繋ぐと、最悪の場合バッテリーが壊れてしまうことも。
充電できたとしてもバッテリー自体の寿命が縮んでしまう可能性もあります。

バイク用バッテリーの充電にはバイク専用のバッテリー充電器を使いましょう。

使用しているバッテリーに適合したものを選ぶ

バッテリーには主に鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーがあり、充電器によってはどちらかしか充電できない物もあります。
適合していないバッテリー充電器を使用してしまうと、破損や発火の可能性もあるため、使用しているバッテリー、充電しようとしているバッテリーに適合した充電器を選びましょう。

有名メーカーの商品を選ぶ

Amazonでは有名メーカーよりも安価なノーブランドのバッテリー充電器も販売されていますが、有名メーカーが販売する充電器には品質や性能で劣る部分があります。

筆者の個人的な経験ですが、一度ノーブランドの激安充電器を使用したことがあり、本来長くても数時間で終わる充電が2日かかっても満充電にならない、ということがありました。

安価な充電器を使用してバッテリー本体にトラブルが発生し、バッテリーを交換する事になってしまうと、最初から有名メーカーの充電器を使用した場合と比べてトータルで損をしてしまうことも考えられます。

そのため、多少値が張ったとしても、高い品質で保証付きの充電器を選ぶほうが安心・安全かつ長い目で見ておすすめできます。

サルフェーション除去機能

バッテリーの内部は電極となる板が入っており、その周りが電解液で覆われています。
サルフェーションというのは過度な放電を行ったり、長期間放電状態のままで放置すると、内部の電極に硫酸鉛の結晶が張り付いてバッテリーの性能を低下させてしまうこと。

このサルフェーションを充電しながら除去してくれる「サルフェーション除去機能」が搭載されたバッテリー充電器があり、長く使うならこの機能が付いた充電器がおすすめです。

具体的にはパルス充電と呼ばれる電気的振動を送ることで内部の結晶を本来の形に戻し、バッテリーの状態を回復させてくれるというもの。
有名メーカーの充電器には搭載されていることが多い機能です。

フロート充電機能

iPhoneの充電で例えると、バッテリーが100%充電された後でも充電ケーブルを繋いでおけば100%は保たれていると思います。

フロート充電機能とはバッテリーが満充電になったら充電を停止し、内部の電圧が低下したら自動で検知して再び充電を開始するというもの。
この機能があれば前日の夜に繋いで翌朝、翌日の夜でもしっかり充電された状態で使用できるため、バッテリー充電器には欲しい機能の一つです。

トリクル充電機能

トリクル充電機能はフロート充電機能と似ていますが少し違っていて、トリクル充電の場合はバッテリーが満充電になっても微粒な電流を流すことで常に100%の状態を保つことができ、長時間繋ぎっぱなしでも機能的には問題がないという充電機能です。

満充電になったら一度停止して下がったらまた充電を始めるフロート充電機能と比べ、常に100%を維持できるのでトリクル充電機能付き充電器のほうが高価な傾向にありますが、充電器を長く使用される、頻繁に使用される場合はトリクル充電機能付きがおすすめです。

正しいバッテリー充電で長持ちさせよう

バッテリーの寿命は2年〜3年とある程度決まっていますが、正しいバッテリー充電を行うことでバッテリーの寿命までの期間でパフォーマンスを向上させることができます。
マメな方は少しでも乗らない期間はバッテリーを取り外してすぐに充電し、乗る際はバッテリー100%で乗れる、というライダーもいるので、そういったマメに管理されたバッテリーは寿命が長い傾向にあります。

バッテリーの充電は多少のメンテナンス知識があればできる作業ですが、取り外しの際の手順や充電手順を間違えると感電してしまったり、ショートを起こしてしまう危険もあります。

メンテナンスに自信がないという方はバイク販売店、バイク用品店に依頼するのもおすすめです。

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筆者プロフィール

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