バッテリーはバイクに乗る上で重要なパーツです。
使用頻度や保管状況にもよりますが、一般的には2年〜3年が交換の目安とされています。

バイク屋さんに依頼して交換してもらうこともできますが、多少整備の知識がある方ならそこまで難しい作業ではありません。
ですが手順やコツがあるので、今回はバッテリー交換をする際のやり方と注意点を解説していきます!

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準備するもの

まずはバッテリー交換作業に必要なアイテムから紹介していきます。
用意するのは主に6つ。

新しいバッテリー

バッテリーの型式によって形や容量が違うので車種に適合したものを選びましょう。

工具

バッテリーを車体から取り外すためのプラスドライバー、外装を外すために必要な工具を準備してください。

トレー

取り外したネジ類を無くさないために置いておくトレー。
マグネット付きトレーがおすすめです。

ゴム手袋

手を保護して感電を防止するためのゴム手袋。
もしなければ厚みのある軍手でも大丈夫です。

ウエス

バッテリー周りや、車体のいつもの洗車では拭けない部分の汚れを拭き取りましょう。

ブラシ・ヤスリ

バッテリーの端子、もしくは配線の端子が錆びていた場合に使います。
600番などの紙やすりや、真鍮ブラシがあればOKです。

バイクのバッテリーの外し方

準備が整ったらバッテリー交換を進めていきます。
「バッテリーの端子を外す際は必ずマイナスから外す」などルールがあるため、順を追ってトライしてみてください。

バッテリーの位置を確認する

最初にバッテリーの位置を確認します。
大体はシート下のスペースか、サイドカバーを外したところにあることが多いですが、車種によって違うため、事前にネットでバッテリーの位置を調べておくと作業がスムーズです。

スーパーカブ110はシート下のカバーを外したところにありました。

バイクのキーを抜く

バッテリーの位置を確認したらバイクのキーを抜いておきます。

OFFの状態なら問題ありませんが、何かの拍子で作業中にONになってしまった場合、ショートしてしまう可能性があるため、抜いておくのが安心です。

バッテリーへアクセスする

次に外装パーツ、カバーを外してバッテリーにアクセスしていきます。

外した外装パーツは足元やシートの上などではなく、平で落下の心配のない少し離れたスペースに置いておくと整備の邪魔になりません。

端子カバーを取り外す

バッテリーの端子に取り付けられている端子カバーを外します。

スーパーカブ110はプラス端子のみカバーがあり、マイナス側はありませんでした。

ゴム状のカバーがかかっていることが多いので、取り外す、もしくは端子に工具がアクセスできるようにスペースを確保しましょう。

マイナス端子を外す

バッテリーを取り外す際は必ずマイナス端子から外します。
外す際はマイナスから外すというのは鉄則で、仮にマイナスを外さずにプラスから外そうとした場合、プラス端子に触れている工具がフレームに触れてしまうとショートが起き大変危険なためです。

プラス端子を外す

マイナス端子を外し終えたら次にプラス端子を外していきます。

マイナスを外しておけばショートすることはないですが、稀になにかの拍子でマイナス端子に配線が触れてしまって接続されてしまう事があるので、触れないようにしっかり注意して作業しましょう。

固定バンドを外す

バッテリーが固定バンドなどで車体に取り付けられている場合は、端子の取り外しが終わったこのタイミングで固定バンドを取り外しましょう。

これでようやくバッテリーの取り外しができます。

取り外す際も端子がフレームなどに当たらないように注意しながら外しましょう。

バッテリー収納ケースを清掃する

バッテリーがあった収納ケースをよく見て汚れていたら掃除しておきましょう。

普段の洗車ではアクセスできない場所なので、キレイなバイクでもここが汚れていることはよくあります。

端子の状態を確認する

取り外しが終わったらバッテリーの端子の状態を確認しましょう。

明らかにオイルやゴミなどで汚れている場合は清掃が必要、錆びている場合は紙やすりか真鍮ブラシで磨いておきましょう。

バイクのバッテリーの取り付け方

次に新しいバッテリーを取り付けていきます。

取付の場合は取り外しと逆で、プラス端子からという鉄則があります。

バッテリーを設置する

まずはバッテリーの設置。

先ほど掃除したバッテリー収納ケースに新しいバッテリーを収め、サイズが間違っていないかなど、端子を取り付ける前に確認しておきましょう。

固定バンドを取り付ける

バッテリーを固定するバンドがある場合は、このタイミングで取り付けて、バッテリーを固定していきます。

プラス端子を接続する

次にプラス端子から接続していきます。

これもマイナスから取り付けてしまうと、プラス端子を取り付ける際にショートする危険があるため、必ずプラスから取り付けましょう。

マイナス端子を接続する

プラス端子を付けたらマイナス端子を接続していきます。

本締めをする

問題なく接続できたら端子を本締めしてしっかり固定してください。

端子との接続が緩すぎると放電の原因になったり、火花が飛んで発火する危険もあります。

ガタついたりしないようにしっかりとした固定が必要です。

端子カバーを取り付ける

確認ができたら端子カバーを取り付けていきます。

端子をしっかり保護できるよう、定位置に取り付けてください。

外像パーツを取り付ける

取り外した外装パーツを戻していきます。

バッテリーが正しい位置でしっかり固定できていないとカバーがはまらなかったり、シートが変に付いたりするため、問題がないかどうか確認しながら取り付けましょう。

エンジンの始動確認を行う

最後にキーを回し、エンジンの始動確認を行います。

交換前より元気にセルモーターが回っているんじゃないでしょうか?!

問題がなければバッテリー交換作業はこれで完了です。

使用済バッテリーの処分方法

交換していらなくなったバッテリーはそのままゴミ箱に捨てることはできません。
次の方法で処分しましょう。

ゴミとして処分しない

バッテリーは危険物に指定されており、バッテリー内部に入っているバッテリー液が人体に有害で、衝撃などによって発火や爆発につながる危険性があるため、家庭ごみとして出すことはできません。

大体はバッテリーを購入したお店で処理してくれることが多いですが、バイク販売店や一部ガソリンスタンドで引き取ってくれる場合もあるため、処分先をリサーチしておきましょう。
処分費用は捨てる場所によってそれぞれですが、無料で引き取ってくれるところもあるため高額な費用が発生するケースは比較的少ないでしょう。

バッテリーの処分を受け付けてくれる場所の例

・バッテリーを購入した店舗
・バイク販売店
・バイク用品店
・自動車用品店
・有人で整備ピットのあるガソリンスタンド
・廃品回収業者

保管に気をつける

取り外したバッテリーは早めに処分する必要がありますが、すぐに処理できずに保管する場合は次のポイントに注意してください。

端子に絶縁テープを貼って事故を防止します。
エンジンのセルモーターを回す力は残っていなくても、微弱な電力が残っているため、端子が露出していることによってショートや発火の危険があります。

発火するおそれがあるため、キッチンのガス台の近くやストーブの近くなどの温度が上がる場所や、服や毛布など燃えやすいものの近くには置かずに保管しましょう。

バッテリーの中に入っている液体は人体にとって有害なため、決して分解せず正しく処理しましょう。

バッテリー交換の注意点

交換時に気をつけておきたい注意点を解説していきます。
このポイントだけは最低限覚えておいてください。

必ず手順を守る

バッテリー着脱の際は必ずマイナスから外し、プラスから付けるというのが鉄則です。
ルールで決まっているわけではなく、その順番でやればショートする危険が最も少ないためです。
バイク用バッテリーでも強大な電力を蓄えており、やり方を間違えれば非常に危険なものなので、ここだけでは最低限注意しておきましょう。

素手で作業しない

交換時に感電してしまったら大きな事故になります。
最悪の場合死に繋がる可能性もゼロではないため、自らが感電しないように絶縁グローブを使ったり、厚手の軍手を使うなど、作業中に直接端子に触れてしまわないように気をつけましょう。

バッテリーの取り扱いに注意する

交換前の新品バッテリーや、交換後の廃バッテリーは衝撃を与えると発火、爆発する危険性があります。
他にもバッテリー内部に入っている液体が肌に触れてしまうなどもNG。
人体に有害なものなので、極力触れないように取り扱いに注意しましょう。

ターミナルナットをなくさない

バッテリー交換でよくあるのが、この端子の奥に入っているターミナルナットを作業中になくしてしまうこと。
このバッテリーは落ちないように対策されていましたが、バッテリーを横に傾けたら端子の脇から落ちてしまう事があるため、端子が外れるバッテリーは車体から外したらターミナルナットも取り外してトレーなどで保管しておくのが安心です。

バッテリーを正しく交換して快適なバイクライフを

バッテリー交換は取り外して新しいものを取り付けるだけなので、それだけ聞くと簡単な作業のように聞こえます。
ですが、感電やショートの危険があるため、エンジンオイルの交換等よりも危険度の高い整備になります。

最悪の場合ショートしてヒューズが切れるだけならマシですが、他のパーツに電気が流れて壊れてしまうということも考えられます。

自分で交換する場合は手順を正しく守り、メンテナンスに自信がない方はバイク販売店やバイク用品店に依頼するのもおすすめです。
チャレンジする場合は正しい知識を持ったうえでチャレンジしてみてください!

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筆者プロフィール

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