ここ数年、インナープロテクターが人気です。
普段着の下に装着することで、ライディングファッションの自由度と安全性を同時に高められるのです。
オシャレで安全なライダーを目指すなら要チェックですね!

インナープロテクターってどんなもの?

簡単に言うと、アウターウェアの下に着るプロテクターです。
長袖、半袖、ノースリーブといったシャツにプロテクターを内蔵したようなものです。
アウタープロテクターよりもスリムで軽く作られていて、体への密着性が高いため、転倒時でもプロテクターが大きくズレることがなく安心感も高いのです。

 

また、そのスリムさを活かして、インナープロテクターの上にカジュアルウェア(普段着)やワークウェア(仕事着)を着る方も増えているようです。

通勤・通学など日常的に使うことができれば、より安全性を高められそうです。

 

なお、アウタープロテクターと言えば、モトクロス競技を思い出される方も多いと思います。

かつては、モトクロスジャージの上に鎧のようなチェストプロテクターを着ていましたが、現在ではシャツの下にインナープロテクター(ブレストガード)を着込むライダーも増えているそうです。

上写真は、100%社の「Tarka Longsleeve(ターカ ロングスリーブ)/S、M、L、XL/税込32,450円」です。

肘(エルボープロテクター)、膝(二―プロテクター)、腰(キドニーベルト)といった各部個別のインナープロテクターもたくさんありますが、今回は、性能の向上が著しい上半身に装着するタイプに絞って紹介したいと思います。

 

 

プロテクターを進化させた衝撃吸収素材の凄さ

アウタープロテクターからインナープロテクターへ。こうした流れを加速させたのは、衝撃吸収素材の進化です。

 

かつてのプロテクターはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)やポリプロピレンといった硬くて重いプラスチックで構成され、ゴテゴテとして大柄でした。

 

しかし、近年は3DF、D3O®、SmartShock®、SAS-TECといった新素材フォーム・プロテクターが開発され、ハードな成型パーツと組み合わせる場合でも、その厚さを薄く、軽くできるようになるなど、プロテクターのスリム化や軽量化に貢献しています。

フォーム素材自体も様々な形状に成型できるので、複雑な形状のプロテクターにも対応できます。

 

こうした衝撃吸収素材は、転倒時などに受けた衝撃を吸収・分散し、さらには元の形状に戻っていくという驚きの性能を持っています。

さらには、通気性を備えたものも多いので、インナーとして着てもムレにくく、汗も乾きやすいといった特徴を持っています。

 

JMCA規格は欧州CE規格に準拠しています。JMCAでは★1つより★2つが、CEではレベル1よりレベル2が、より安全基準が厳しくなって衝撃吸収性が高まっています。

 

インナープロテクターのメリットとは?

では、インナープロテクターのメリットとは何でしょうか。大きくは3つあります。

 

どんなアウターで走っていても安心

インナープロテクターなら、極端にスリムなラインでなければ、様々なアウターを着用できます。
いわゆる「バイクウェア」でなくても、ファッション性の高い、好きな服装で走ることができ、なおかつ安全性を損なわないので安心です。

 

フィット感が高く、ズレない

ライディングジャケット・パンツに内蔵されたプロテクターは、ウェアのサイズが合っていないと、衝撃を受けた際にズレてしまい、十分な性能を発揮できないことがあります。
インナープロテクターは体に密着しているので、万が一の時でもズレずに安心です。

 

着ていて軽く、疲れにくい

衝撃吸収フォーム素材などの採用によりアウタープロテクターよりも軽いものが多いので、日常的な使用やツーリング時でも疲れにくいのが特徴です。

 

インナープロテクターのデメリットとは?

逆に、インナープロテクターにはどんなデメリットがあるでしょうか。

 

モノによっては窮屈

衝撃吸収フォームの上にハードプロテクターが重ねてあるタイプだと、着用時にかなり窮屈に感じるものもあります。
また、アウターはワンサイズ大き目が必要になることもあります。
サイズ調整できるものもありますが、インナープロテクターを購入する際は、なるべく試着することをお勧めします。

 

一度着たら気軽に脱ぎ着できない

インナープロテクターにはロングスリーブタイプ(袖部が長い)、ショートスリーブタイプ(袖部が短い)、ベストタイプ(袖部がない・ノースリーブ)がありますが、どれも上半身に密着しており、出先で気軽に脱ぎ着することはかなり面倒です。

 

アウターによってはシルエットがくずれる

ソフトタイプのインナープロテクターなら、シャツやカジュアルジャケットなど幅広いアウターにマッチしますが、それでもスリム系のアウターを着てしまうとシルエットがくずれてしまいます。
ワイシャツだと厳しい場合もありますが、シャツジャケットなら大丈夫といった感じです。

 

 

オススメのインナープロテクター


それでは、オススメのインナープロテクターを紹介します。
上写真は、デイトナの「HBP-018 HPPE耐切創インナープロテクター/S、M、L、XL/22,880円(税込)」です。

デイトナ「HBP-018 HPPE耐切創インナープロテクター」

国内大手用品メーカー、デイトナのアパレルブランド「ヘンリービギンズ」にラインナップしているインナープロテクターです。
摩耗に強く切れにくい特殊生地「HPPEマテリアル」を腕と背中に採用しています。
その他の部位にはストレッチ生地を使い、衝撃を受けた際に瞬間的に硬化する素材「SAS-TEC(サステック)」を使用したプロテクターを胸部・ひじ・肩・背中に装備しています。
体にフィットしたソフトな装着感と安全性を両立させたインナープロテクターです。

DATA

価 格:22,880円(税込)
カラー:グレー×ブラック、ブラック
サイズ:グレー×ブラック(本項写真)/S、M、L、XL ブラック/S、M、L、XL、WF(レディースサイズ)
規 格:胸・肩・背中はSAS-TEC製プロテクターでCEレベル1、肘はCEレベル2
URL:https://www.daytona.co.jp/products/series-S25033-genre

 

 

HYOD(ヒョウドウ)「D3O® AIR PROTECT SHIRTS (separate)」


すべてのプロテクションに、通気性に優れた「D3O® AIRチェストプロテクター」を使用したフルスペックモデル。
胸部にはセパレートタイプ(左右分割式)の「D3O® AIRチェストプロテクター」を採用し、センターファスナーによりよりスムーズな着脱を可能としています。
フィット感と通気性に優れたメッシュ素材によりシャツ本体の伸縮性も高いので、運動性と快適性を両立しています。

DATA

価 格:37,290円(税込)
カラー:ブラック(本項写真)、ブラック×オレンジスティッチ
サイズ:S、M、L、LL、3L
規 格:肩・肘・胸・背中ともD3O®製プロテクターで、全てCEレベル1
URL:https://shop.hyod-products.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=HRZ913D

 

 

LEATT(リアット) 「3DF AIRFIT LITE TEE」

LEATT(リアット)社が独自開発した新素材「3DF」は、衝撃が加わるとフォーム内で分散、緩和、すばやく元の形状に戻る性質を持っています。
本製品には「3DF AIRFIT ソフトインパクトフォーム」が採用され、従来品より軽く柔軟で運動性に優れるほか、「NEWエアメッシュベンチレーションシステム」により通気性にも優れていて、装着時の快適性が向上しています。
本製品は半袖タイプですが、長そでタイプ(ひじプロテクターも有り)もラインナップしています。

DATA

価 格:34,650円(税込)
カラー:ブラック
サイズ:S/M (160~172cm)、L/ XL(172~184cm)
規 格:胸・肩・背中とも3DF AIRFIT ソフトインパクトフォーム製プロテクターでCEレベル1
URL:https://shop.westwoodmx.jp/shopdetail/000000000485/60438/page1/recommend/

 

 

100%(ヒャクパーセント) 「Tarka Vest(ターカ ベスト)」

オフロードゴーグルNo.1ブランドの100%社からリリースされているプロテクターが「Tarka(ターカ)」です。ロングスリーブ(長袖)、ショートスリーブ(半袖)、ベストと3タイプ揃っており、全てMFJプロテクター着用規定適合品です。
どれもメッシュボディを採用し、通気性や運動性に優れ、抗菌性と吸湿発散性を兼ね備えています。
胸部、背面、肩、肘にはCEレベル2のSmartShock®認定プロテクターを備えています。

「Tarka Vest」は胸部と背中を守り、動きやすさを重視したベストで、わずか750gと軽量です。オフセットされたフロントジッパーで着脱もしやすくなっています。

DATA

価 格:19,800円(税込)
カラー:ブラック
サイズ:S、M、 L、XL
規 格:胸・背中ともSmartShock®認定プロテクターでCEレベル2
URL:https://shop.westwoodmx.jp/shopdetail/000000005552/ct2416/page1/recommend/

 

 

いかがでしたか。衝撃吸収素材の進化が目覚ましいインナープロテクター、これからも注目したいアイテムですね!

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筆者プロフィール

田中淳磨

二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。