ツーリングライダーの聖地、信州。
魅力抜群のスポットや絶景が各地に点在する見どころの多い地域である。

定番の有名スポットへは当然立ち寄っておきたいが、ちょっとマイナーな穴場スポットにも注目しておきたい。
地元民のみぞ知る激穴スポットながら、深淵&迫力抜群の場所が沢山あるのだ。

次の目的地へ移動のついでに一寸立ち寄ってみれば、キミのバイク旅がさらに深みを増す事間違いなし!
スポットによっては主役級の迫力と見応えを誇る場所も!

穴場は穴場の魅力が凝縮。
キミの信州旅のエッセンスとしてぜひチェックしておいて欲しい。

関連記事

日本唯一!?足湯のあるコンビニがあった!

ファミリーマート 信州上山田温泉店 
長野県千曲市上山田温泉1-31-1 TEL:0262-61-0018
足湯利用時間(10:00~19:00 ※11月~3月は~18:00)

上山田温泉は千曲川流域の温泉街。
対岸の戸倉温泉と共に“戸倉上山田温泉”と称される。

明治中期に開湯。
以来、善光寺参りの参拝客をはじめ多くの湯治客が訪れる一大温泉街へ発展した。

現在は昭和レトロな雰囲気が味わえる温泉街として人気。
共同浴場も複数あり、立ち寄り利用でも楽しめる。

その温泉街中心部に、何と日本唯一足湯を備えたコンビニがあるのだ。
好意により“陽だまりの湯・街の縁側”として開放されており、自由に利用可能。

当然、全量かけ流しだ。
温泉大国信州が誇る究極の湯もてなし。
激レアな銘湯至福を存分に楽しもう。

場所は上山田温泉街の一角。
見慣れたあのファミマの看板の下に何か見慣れない施設が建っている中々シュールな光景だ。

ゆったりとした足湯浴槽はお弁当やスイーツを頂くにも最高!
地元利用も大変多く地域で愛される場所だ。

絶叫絶景!継子落としの崖が凄すぎる!

継子落としの崖 
長野県北安曇郡池田町会染

池田町の山中にある驚愕の穴場歴史&風景スポット。
その名も“継子落としの崖”。
名称からしてミステリー感抜群のスポットだが、それ以上に様相が凄すぎる。

現地は城跡。
そして落差100m近い断崖絶壁。
ダイナミックさを通りこし、絶景ならぬ絶叫スポットでもあるのだ。

名の由来は鎌倉時代。
ここ田ノ入城で継母が自分の子を跡継ぎとさせるため継子をこの崖から突き落とした故事が由来とされている。
城そのものは崩落にて大部分が消失しているが、名称由来の崖は当時よりエキサイティングになっている。

柵など安全設備皆無のため、落ちたら死亡必至。
激マイナーではあるが絶叫必至。
ある意味恐怖の絶景スポットだが、見応えは抜群。
地図にも載らない場所な上、狭路険路だがバイクなら行ける。
ただし、安全には十分注意して頂きたい。

目指すは鎌倉時代初期の城跡“田ノ入城跡”。
城郭の大部分は崩落のため消滅している。

観光施設ではなく、落差約100mの大断崖ながら柵等は一切無し。
直近まで接近すると崩落に巻き込まれる恐れが高く要注意だ!

信州の土柱が予想以上に土柱だった!

名勝 鴻の巣 
鴻ノ巣公園 長野県上田市富士山1778

阿波の土柱が信州にもある!?
そんな噂を聞き付けて訪れたのが上田市。

現地は塩田平の東側に位置する丘陵地。
“名勝”との名はあるが、観光客は皆無の超穴場なスポットだ。

しかし、ここが中々スゴイ。
阿波の土柱ほどの規模ではないが、異世界感と迫力は意外と侮れない。
また、直下まで歩いてアクセスできるため、直に触れる事も可能なのだ。

これはフォッサマグナがまだ海底にあった頃堆積した地層。
現在も化石が発見される事もあり、地球創成期をこの目で観察できるジオスポットでもあるのだ。

また、近隣には戦時中の松根油採取跡が残る松も点在。
その他、情報量が若干多めだが意外と楽しめるスポットなのだ。

ただし、地面斜度がキツイ上に地質は脆く滑りやすい。
見学時はマナーと同時に細心の注意が必要だ。

この絶景地には大戦中の爪痕が密かに残されている。
それはV字の溝が刻まれた松の木。

これは大戦後期に代替燃料の原料として松根油を採取した跡なのだ。

上田市一帯ではかつて松根油の採取が盛んで、同様の傷跡が付いた松が点在している。
戦時中の記憶を伝える生きた証人だ。
位置を記載した簡単な看板があるのみだがぜひ見ておきたい。

犀川沿線を見渡す穴場展望が凄すぎた!

生坂スカイスポーツ公園
長野県東筑摩郡生坂村北陸郷12295

犀川沿いの国道19号は安曇野市と長野市を連絡する主要街道。
風景変化豊かな上、信号が少なく快走できるため、高速を使わずこちらを走るライダーも多い。

しかし峡谷沿いを走るため、展望スポットは皆無だ。
だが、生坂村に犀川を見下す超穴場な展望スポットがあったのだ。

場所は池田町と生坂村を南北に隔てる丘陵地帯。
パラグライダーの離陸上として整備されている生坂スカイスポーツ公園だ。

山中の林間狭路から突如開ける大展望!
眼下に犀川と生坂村のパノラマが広がる穴場絶景を望める。

アクセス路も池田町と国道19号を連絡する近道でプランにより効率良く楽しむ事が可能だ。

直下は道の駅いくさかの郷。
人気の灰焼きおやきを製造販売している事で大人気の道の駅だが、こちらも時間帯により同時に楽しめるのだ。

また生坂ダムも一望。
恐らく生坂ダムが最も映えるスポットだろう。
一度で4度オイシイお得な絶景スポットなのだ。

展望スポットまではバイクでそのまま行く事が可能。
眼下には蛇行する犀川と生坂村を一望!
池田町より国道19号への裏道としても有効だ。

意外と攻めてる江戸時代の道祖神

池桜の接吻道祖神 
長野県安曇野市明科東川手8989

道祖神とは村境や辻等に置かれた石像の事。
悪霊退散や旅の安全を祈念したもので特に安曇野市は道祖神の聖地。
市内だけでも400を超す道祖神が設置されているが、その中に攻めまくった道祖神がある。

江戸中期制作と言われており、かつてパリで開催された拓本展にも出展された文化財だが、何とベロチューをしているのだ。
ある意味目のやり場に困る位の攻めた意匠だが、市の文化財にも指定されたガチの歴史遺産。
砂岩製のため風化で表情が分かりにくいが、レプリカが龍門渕公園に展示されている。

仲睦まじき事は大変良き事かな。
現地は急峻な狭路だが、かつての地方街道沿線。
旅人達の足跡を偲びつつ江戸期の逸品を見学してみよう。

長野県安曇野市明科中川手3913

接吻道祖神を忠実に再現したレプリカが龍門渕公園に展示されており、実物の表情が再現されている。
絡む舌がリアルである。 
 

甲州街道に唯一完全現存の一里塚がある!

御射山神戸一里塚 
長野県諏訪郡富士見町富士見御射山神戸43

一里塚とは昔のキロポストの事。
発祥は平安期と言われているが、江戸期に各街道への本格的整備が行われ、一里(約4km)ごとに2基を一対として街道の両脇に設置された。

しかし、近代以降の道路開発によりその殆どは消滅してしまった。
だが、その貴重な一里塚が甲州街道に完全オリジナルとして現存しているのだ。

当然2基セット。
現国道20号は旧街道と若干離れた場所に開削されており、舗装されてはいるが甲州街道の旧線形もそのまま残存。

西塚は植樹された木まで建造当時のままで、そのまま江戸時代に触れられる大変貴重な遺構。
バイクと共にぜひ訪れてみよう。

一里塚に植えられたケヤキは樹高約25m、幹囲7.1m、樹齢約400年の大木。

慶長年間に植えられて以来、当時のままの樹木だが、看板の設置されている東塚の木は明治初期に枯れてしまい、現在の木は明治期に植樹された。

手掘り切通しの圧倒感が凄い!

大切通し 
長野県東筑摩郡筑北村坂北3573

切り通しとは地盤を開削して造成した道の事。
現代ではありふれた道路風景の一つだが、ここに安土桃山時代そのままの様相で現存する岩山の切り通しがあるのだ。

深さ約6m、幅約3.3m、長さ約26mにもなるこの一枚岩の切り通しは全て人間が手作業で開削したもの。
時代を超えて江戸期まで3回もの掘り下げ普請が行われ現在に至るが、各所に石ノミの痕跡が残っており、想像を絶する作業が偲ばれる。

また、周辺に祀られた無数の石仏も当時よりこの街道往来の安全を祈念して置かれたもの。
穴場ながら異世界感抜群の風景と共に情緒深い名スポットなのだ。

擁壁の両側には現在も石ノミの痕が残る。
安土桃山時代に開削されて以来、約230年に渡り3回の切り下げ掘削が行われた。

原爆の生き証人が信州にあった!

蒸気機関車D51-483号機 
長野県安曇野市穂高有明 

美しい田園地帯の広がる一角に展示された一両のD51型蒸気機関車。
この車両は昭和20年8月6日、広島にて被爆した言わば原爆の“生き証人”だったのだ。

このデゴイチ483号は昭和15年に国鉄小倉工場にて製造。
昭和19年より広島第一機関区にて従事中に被爆。
後、昭和23年より北海道へ移動し、昭和51年に廃車。

その後、この地にてアルプスを眺める余生を送っている。
原爆では死の灰を浴びたものの損傷はなく戦争で破壊される事なく生涯を全うした幸運な一両。

信州との縁は好意による偶然だったものの、原爆を生き延びた貴重な一台なのである。

運転台周辺は当時の計器や補器も多数残されており比較的状態は良い。
屋外展示ながら目立った腐食は少な目で見応えは十分だ。

生きたまま三途の川を渡れる場所がある!?

満願寺 微妙橋
長野県安曇野市穂高牧1812(満願寺所在地) TEL:0263-83-2088

北アルプスの麓にある古刹に、何と現世にいながら三途の川を渡れる場所がある。
この満願寺は奈良時代に創建、坂上田村麻呂や木曽義仲とも所縁がある歴史深い寺だ。

寺が建つ栗尾山全体を極楽浄土と見立てて建立されており、この微妙橋が架かる川こそが三途の川とされている。
つまり橋を渡る事で生きたままあの世へ行ける訳である。

現在の屋根付橋は明治39年に再建されたものだが、120年もの時を実感できる貴重な歴史的木橋だ。
名称は“微妙”ながら全く微妙ではない文化財。
付近には人気の銘水も湧いており、夏にぜひ訪れたい清涼スポットなのだ。

微妙橋の目前には豊富な湧水が湧き出す採水場が。
無名の超穴場湧水だが地元ではまろやかで美味い水として密かに有名な場所。
汲水をする人々が列を成す事もあるぞ。

御朱印が貰えるガススタがある!?

awara松川 
長野県北安曇郡松川村細野6623

安曇野市と大町市を連絡する大通り、国道147号沿線に御朱印を頂ける全国でも珍しいガソリンスタンドがある。

それは松川村にあるawara松川。
様々な経緯を経て鈿女神社の神社事務所を兼ねており、鈿女神社参拝時の御朱印もこちらで頂くのである。

これだけでもレアながら鈿女神社自体も祭神の天鈿女命を本殿に祀る稀有な神社。
“おかめ様”の愛称にて信仰を集めており、かつて現在の北細野駅は“おかめ前駅”と称されていた程なのだ。

現在も天照大神を天の岩戸より誘い出した芸能の神、日本最古の踊子神として深い信仰を集めている。

鈿女神社は決して大きな社ではないが、天鈿女命を本殿に祀る神社だ。
天鈿女命は舞を披露する事で天照大神を天の岩戸より誘い出した神。
ここではおかめを象徴とした芸能の神としても信仰を集めている。

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。