信州は北海道と双極を成すライダーの聖地。
中でもビーナスラインを擁する信州中央部と志賀草津道路を擁する北信~群馬県境は、信州を旅するライダーにとって最も人気のエリアだ。

どちらにも共通する事は国内屈指の山岳地帯だという事。
しかも標高2000mに達する天空世界。

しかし、風景・魅力共にそれぞれ特徴があり様相が被る事もない。
信州の人気を不動のものとしている要因の一つと言えるだろう。

ここではその2ヶ所に重点を絞って特に魅力のあるおすすめスポットをピックアップ。
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ビーナスライン おすすめツーリングロード

ビーナスライン本線


国内屈指のライダーの聖地。全国のツーリングファン憧れの絶景道だ。
概要としては林間区間・高原区間・山岳区間の3ステージで構成されており風景変化が非常に多彩。
信州屈指の山岳地帯を抜けるが、高規格に整備されており線形も良好。

また、タイトコーナーが少なく初心者でも比較的気軽に楽しめる。
だが、全ルートの標高差は500m以上ある上、最低標高の白樺湖の高さが既に1420mもある。
真夏でも寒を感じる場合もあり天候変化も著しい。晴天予報でも防寒具や雨具等の入念な準備を忘れずに。

裏ビーナスライン(美ヶ原公園沖線)

ビーナスライン最北端の美ヶ原高原の更に奥に位置する高原ルート。通称“裏ビーナスライン”とも呼ばれる秘密の絶景道だ。
うつくしテラスへ至る約5kmのピストンルートのため、アクセスが良いとは言えないが、北アルプスの山稜と高原風景がパノラマで広がる感激の展望が楽しめる。

ビーナスラインからのアクセスルートは1.5車線の狭路の上、路面も荒れ気味。
初心者ライダーには若干ハードルは高めながら、裏ビーナス本線は高規格2車線の快走路。
ビーナスラインの感激の総仕上げ!絶対に走っておきたいルートだ。

ビーナスライン沿線特選ツーリングスポット5選

標高1500~2000mの山岳高原を抜けるため、信州らしい高原風景を楽しむのが最もおすすめ。
信州屈指の観光道路でもあり、多くの観光スポットが充実しているもの特徴だ。
大多数のライダーが一気に通過する場合が多いが、様々なスポットに立ち寄る事でより味わい深いビーナスラインの魅力を堪能できるぞ。

車山山頂(スカイパノラマ山頂駅)


長野県茅野市北山車山
霧ヶ峰ビーナスより8km/12分 ※リフト乗り場駐車場

車山山頂は白樺湖や蓼科山を一望する大展望!車山展望テラスへは専用リフトにて約15分でアクセスできるため登山装備は不要。
非常に気軽に感激の山岳風景を堪能できる見逃せない絶景スポットだ!特に初訪問の方は絶対に行く事をおすすめする。

八島ヶ原湿原


長野県諏訪郡下諏訪町
霧ヶ峰ビーナスより4.6km/6分

信州のほぼ中央に位置する国内屈指の高層湿原だ。
日本の高層湿原の南限であり、植生の貴重さや風景の美しさから昭和14年に国定天然記念物の指定を受けた。
周囲には遊歩道が整備されており、ハイキングルートとしても人気だ。

三峰山山頂


長野県小県郡長和町和田唐沢
霧ヶ峰ビーナスより13km/25分

ビーナスライン山岳区間ではライダー定番の休憩所である三峰茶屋直上の絶景スポット。
三峰茶屋より徒歩約15分のハイキングが必要だが、山頂からは諏訪湖やアルプスまで遠望できる360°のパノラマが楽しめる。感激間違い無し!

美ヶ原高原(道の駅美ヶ原高原)


長野県上田市武石上本入
霧ヶ峰ビーナスより27km/40分

美ヶ原高原の最上部、標高2000mに位置する天空のビュースポットだ。
アルプス連山を遠望する展望と同時に名物なのが雲海。
気象条件次第ではアルプスまで連なる雲の海を楽しむ事ができる。
美ヶ原高原美術館が併設されており見どころも多い。

王ヶ鼻(美ヶ原高原)


長野県松本市入山辺
霧ヶ峰ビーナスより55km/90分

北アルプス連峰と松本平を一望する大展望を楽しめる美ヶ原高原屈指の絶景スポット。
ビーナスライン側から徒歩でのアクセスが一般的だが、少々歩くため割愛する方も多い。
しかし、裏ビーナスラインからだと大幅な近道かつお手軽にアクセス可能だ。

志賀草津道路 おすすめツーリングロード

国道最高所渋峠付近


志賀高原を経て草津温泉へ至る国内屈指の山岳絶景路。ピークの渋峠は2172mと国内の国道最高所だ。
信州側の山岳高原地帯と群馬側の荒涼とした火山風景の2ステージ構成で、多彩な風景変化が特徴的。
志賀高原の白樺林と草津白根火山の迫力が、豪快なアップダウンと共に山岳絶景に彩りを添える。
全体的に走りやすいが、積雪・落石の影響で舗装の痛みも多く初心者は要注意!
また、途中にガソリンスタンドは皆無。準備は入念に。
2000mを越す標高のため夏場でも寒い上、天候変化も激しい。防寒・雨具装備は忘れずに。

信州側志賀高原付近


志賀草津道路は信州側と群馬側でその様相が大きく異なる。
群馬側が草津白根火山の醸す荒涼とした風景が特徴的なのに対し、信州側は白樺林が林立する高原風景が美しい。
ダイナミック感のある山稜展望は群馬側に軍配が上がるが、信州側の爽やかな高原風景も魅力抜群だ。
また、湯田中・角間・地獄谷・熊の湯といった銘湯が沿線に点在している事も信州側ルートの大きな魅力。
群馬側特有の天空感抜群な定番絶景ポイントは当然素晴らしいが、隠れた魅力が満載の信州側ルートも存分に楽しもう。

志賀草津道路沿線特選ツーリングスポット5選

山岳トラバースルートの断崖風景や天空感抜群の展望が志賀草津道路の人気ポイントだ。アップダウンの激しいルートながら、標高の植生に応じた多彩な風景変化が楽しめるのが魅力。沿線を眺めるだけでなく、休憩も兼ねて立ち寄りポイントを巡る事がよりこのルートを楽しむ秘訣の一つと言えるだろう。

田ノ原湿原


長野県下高井郡山ノ内町平穏
道の駅北信州やまのうちより17km/35分

かつての志賀湖が干上がり、湖底部分が現在は高層湿原となっている。
県の天然記念物に指定されており、湿原周囲には遊歩道(木道)が整備済。
ヒメシャクナゲやヒオウギアヤメ・ワタスゲといった貴重な植物の観察が可能な事で人気だ。

横手山ドライブイン


長野県下高井郡山ノ内町平穏
道の駅北信州やまのうちより25km/50分

志賀草津ルート沿線のドライブイン。ライダー定番の休憩スポットだ。
“のぞき”と呼ばれる標高2100mから下界を一気に展望できる景色は必見!横手山山頂へはココからアクセスするのがおすすめ。
駐車場が傾斜しており、駐輪時には要注意。

横手山山頂(横手山ビューテラス)


長野県下高井郡山ノ内町平穏
道の駅北信州やまのうちより25km/70分 ※内リフト等20分程度

標高2300mを越す本物の天空山岳世界ながら、リフトにて手軽に訪れる事が可能。
彼方には北アルプス連山、眼下には志賀高原を一気に一望。ダイナミックな眺望と感動のパノラマが楽しめる。
雲海スポットでもあり、初訪問の方は絶対に外せないポイントだ。

渋峠 日本国道最高所(芳ヶ平の展望)


群馬県吾妻郡中之条町入山
道の駅北信州やまのうちより27km/55分

標高2172m、日本国道最高所を越す志賀草津道路のハイライトゾーン。
眼下には芳ヶ平の湿原風景を望みつつ、草津温泉街や白根火山を遠望。
澄んだ晴天時には富士山まで望める天空パノラマスポットだ。展望台もあるがバイクからでも楽しめるスポット。

草津道山田峠


群馬県吾妻郡中之条町入山
道の駅北信州やまのうちより30km/60分

観光車道として志賀草津道路が開通後は一気に廃れ、一時期廃道化したが現在は再整備された古い徒歩峠道。
写真の場所はかつて物流拠点として重要な役割を果たした街道の交差点だったのだ。
現在は百番観音像と踏跡がひっそりと残る。避難小屋裏に駐車場あり。

筆者プロフィール

英俊神田

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。