漫画からスタートし、アニメ、実写映画化もされ人気を博している東京卍リベンジャーズ。

不良漫画らしくバイクもしっかり細部まで描かれているため、登場したバイクの価格が高騰するなんてことも…。

今回は東京卍リベンジャーズに登場するイヌピーこと乾青宗の愛車のRZ350ご紹介します!

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1980年代前半、ミドルクラス最速だったのがRZ350。
峠やサーキットではビックバイクも置き去りにしてしまうほどのパフォーマンスを発揮しました。

一体どのようなバイクだったのでしょうか?

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最初はRZ250だった

RZが爆発的な人気になるキッカケは1980年代に登場したRZ250です。
市販レーサーTZの技術をフィードバック、モノクロスタイプのリアショックや水冷エンジン、チャンバー風のエキゾーストなど、当時としては画期的なメカニズムを多数取り入れてマシンでした。

RZ250にライダー達が熱狂していた時、追い打ちをかけるように「RZ350が登場するかもしれない」という噂が流れました。
「250ccでも凄いのに、350ccになったら、どうなるのか」ライダー達の間ではその話題で持ちきりになりました。

RZ250は、東京リベンジャーズの「スマイリー」こと、東京卍會肆番隊隊長の河田ナホヤの愛車となっています。

そして翌81年にRZ350がリリースされます。
その走りは当時のミドルクラスで文句なしに最速。

サーキットテストでは最新の750ccさえも大きく引き離すという俊足ぶりでした。

なぜ350だったのか

RZ350のエンジンは、RZ250のボアを54mmから64mmに拡大したことで排気量を100cc増大させています。
クランクケースやクランクシャフトなどはRZ250と同じ。

その為にシリンダー、ビストン、ヘッドを交換することでRZ250をボルトオンで350化することが可能でした。

RZ350の前、ヤマハはRD400SPという空冷2ストロークのスポーツバイクをラインナップしていました。
RZ350が開発される時も、排気量を400ccにすることが検討されたといいます。

しかし400ccにしてしまうと低回転からトルクが出て、乗りやすくなり過ぎてしまいます。
当時のユーザーが2ストに求めているのは乗りやすさではなく刺激的なバイクでした。

色々な検討が行われた結果、パワーバンドに入ってからのエキサイティングな加速を演出するには350ccが最適だと判断されたのです。

市販レーサーTZの血を受け継いだバイク

RZ250とRZ350はTZレプリカと言われましたが、実際にRZ350のエンジンは、同時期に発売されていた市販レーサーTZ350と共通点が多数あります。

クランクシャフトやシリンダー、ピストンなどは、互換性があり、クロスミッションや乾式クラッチ、マフラーやキャブレターなども加工すればTZのものを取り付ける事ができました。

そのために国内外のレースではTZのパーツで武装したRZが多数出場して大活躍し、RZを更に有名にしていくことになったのです。

RZ250とはどこが違うのか?

エンジン以外で目立つ違いは、なんといってもホワイトにブルーのラインが入ったカラーリングでしょう(後期になると250と350は同じカラーリングになります)。

ソノートヤマハレーシングチームのカラーと同じ配色だったことから、当時のスポンサーの名前をとってゴロワーズカラーと呼ぶ人もいました。

パワーアップに対してフロントブレーキはダブルディスク化され、ホーンも低音、高音のダブルになっています。

その他は同じように見えますが、実はキャブレターやマフラーもRZ350専用品。
リアホイールにはハブダンパーが追加されていて、リアのスプロケットの歯数が違います。タイヤにも250とは違った銘柄が追加されました。

他にもメーターの表示が違うなど、細かく見ていくと色々と異なる点があります。

現代でも十分にエキサイティングな加速とハンドリング

同じ車体のRZ250と乗り比べるとRZ350は下からトルクがあるのでストリートではとても乗りやすく、パワーバンドに入るとハイパワーで強烈な加速。
時にはフロントタイヤを持ち上げてしまうような獰猛さはRZ350ならでは。
ハンドリングに関しては基本的には素直かつ俊敏。

ハイグリップラジアルタイヤを履いた現行マシンにはない鋭さがあります。
RZ350の場合はダブルディスクの影響で、シングルディスクのRZ250に比べるとステアリングのレスポンスが若干重くなっていましたが、それでも驚くほどシャープにバンクし、鋭くコーナーに飛び込んでいくことができます。

今がRZ350に乗るチャンスなのかも

車検があったのでRZ250ほど爆発的なセールスにはなりませんでしたが、RZ350は、この時期の2ストスポーツとしては最大排気量、最速のマシンとして多くのライダーの注目を集めました。

一時はRZ250にエンジンパーツやブレーキを移植する為のドナーマシンになっていたこともありましたが、その後名車として大事にする人が増えたことで、現在でも程度の良いマシンが残っています。

また、多くのパーツをRZ250共用し、後に発売されたRZ250RやRZ350Rなどの部品にも使えるパーツがあるので、同じ時期の旧車よりは維持、整備がしやすいというメリットもあります。

ただ、パーツの供給も少しずつ悪くなっていくことは間違いありません。
ナナハンキラーの刺激的な走りを味わうのは、今がチャンスなのかもしれません。

筆者プロフィール

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