最近話題になっている人気漫画、東京卍リベンジャーズ。

中学時代不良だった主人公が当時にタイムリープし、ヒロインの事故死の元凶となる暴走族グループを変えていくという現代版不良漫画です。

作中では不良漫画の定番であるバイクも鮮明に描かれています。
今回は無敵のマイキー、こと佐野万次郎が乗るバブをご紹介します。

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当時、時代の最先端だったバイク


バブの正式名称はホンダのCB250T HAWKというバイクです。
発売されたのは1978年なので今で言う旧車と呼ばれるジャンルでしょう。

族車に詳しい方だとホークIIという名前は聞いたことがあると思います。
ホークIIはCB400T、バブはCB250Tなので兄弟車という扱いです。

バブと呼ばれるようになった由来は排気音が「バブーッ!!」と聞こえるという単純な理由…。
超低速での徐行が楽気になったところで止まって見てみる、なんて使い方がめちゃくちゃしやすいんです。

最初に登場したのはホークIIで、当時のホンダ最新技術の結晶でした。
エンジンは超ショートストロークのパラレルツイン。
カムの駆動はOHCですが吸気のみを2バルブとした3バルブ。低回転から太いトルクを発生し最大出力はクラス最高の40馬力。

同じ時期発売されていた2ストロークのRD400でさえ38馬力なので、ホークIIがどれだけ高性能だったか分かります。
ただし、250ホークは同じ車体で排気量だけを小さくした為、最大出力も26馬力。
スムーズで乗りやすかったものの動力性能では高くありませんでした。

車体回りにも先進の技術


ホイールはホンダが独自に開発したコムスターホイール。

この頃、各メーカーがデザインやメンテナンスフリーのメリットを追求してキャストホイールを採用し始めていましたがスポークに比べて硬い感じがすると言われていました。
ホンダのコムスターは適度なシナリを持たせていました。

フレームはエンジンを強度メンバーと考えたダイヤモンドタイプ。
アンダーチューブはご覧のようにエンジンの前側で切れています。

車重は181kgと特に軽いわけではありませんが、マスの集中化を徹底的に図った結果、軽快なハンドリングと様々路面に対応するマルチパーパス性能を発揮。オフロードもソコソコに走ることができると言われていました。

78年以降はリアショックがFVQダンパーになります。

作動速度に応じてダンピングを変化させる画期的なリアショックでした。

外から見えない部分に排気のサブチャンバーを装備したのもミドルクラスではこのマシンが初。
高い消音性とパワーを両立しています。

今では旧車として知られるバブですが、ホークシリーズ全体を通して当時の最新技術が詰め込まれたバイクだったんです。

個性的なデザインも人気の秘密


バブはそれまでのパイクとは違った個性的なデザインだった為、色々なパーツにニックネームがつけられました。
ちなみにマフラーは「タヌキのシッポ」


ホークIIの初期型は丸みを帯びたタンクで「ヤカン」と呼ばれていましたが、78年以降のモデルとホーク250Tからは角張ったデザインに変更されました。


シートも初期型は「ザブトン」と呼ばれるほど厚みがありましたが78年以降のモデルとCB250Tでは写真のようにスマートなデザインに変更されています。


当時のライダーがホークIIで口にしていたのはステップがすぐに接地するということ。
最もステップ自体は跳ね上がるので路面に引っかかるようなことはありませんでした。

逆にステップが接地してバンクセンサーから火花が飛び散る様子を喜んでいたライダー達も少なからずいたくらいです。

当時のライダー達から見たホークIIとホーク


一発試験しかなく大型免許が格段に難しかったこの当時、400は実質的に一般ライダーの最大排気量だったので、そこで最もパワーを発揮していたホークIIはかなりのヒット作となりました。
乗りやすかった為、教習車としても採用されていきます。

一方でホークCB250Tは、アンダーパワーな為、人気は今ひとつでした。
ちなみにバブという愛称がつけられたのは最近のことに。

ホークシリーズは80年代に入っても進化を続け、ヨーロピアンスタイルのホークIII CB400N、CB250Nが登場します。
ただ、79年にカワサキから発売された4気筒モデル、Z400FXが空前の大ヒットとなり、ホンダも4気筒マシンを開発。

遂にCBX400Fが登場することになります。
作中ではパーちんが乗っているバイクですね!
次回はCBX400Fを詳しく解説していきます!

筆者プロフィール

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