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今回も登場するバイクを詳しく紹介していきます。

これまでマイキーのバブ、ドラケンのゼファー、パーちんのCBX、三ツ谷のインパルスを紹介してきました。

今回は東京卍會の創設メンバー、羽宮一虎の愛車、KH400をご紹介します!

2ストトリプル、KHのルーツとなるSSシリーズ


カワサキのKHシリーズは70年代中期から80年代前半発売され、若いライダー達を中心に高い人気を誇っていたマシンでした。
KHのことを説明するには、そのルーツとなるSSシリーズに遡ります。

KHのエンジンは2スト3気筒エンジン。
これを搭載した最初のマシンは、69年に発売された500SS、マッハⅢです。
当時としては画期的な60馬力を発生。
ゼロヨンは12秒台というハイパフォーマンスを誇り、世界中で大きな人気となりました。

フロント荷重が低いこともあってウイリーしやすく、高速安定性にも若干欠ける点がありましたが、それもまたマッハの伝説となって語り継がれていくことになります。

カワサキは72年、500SSに加えて250SS(マッハⅠ)、350SS(マッハⅡ)、750SS(マッハⅣ)を発売。
2ストトリプルのラインナップを充実させます。

マッハというペットネームをつけるだけあって、どのモデルも過激。
750SSは当時、世界最速、最軽量を誇り、3500SSも公称(当時はメーカーが最高速、ゼロヨンなどを発表することも少なくありませんでした)最高速176km/h ゼロヨン13.6秒を叩き出しました。
もちろんクラス最速です。


SSシリーズは、素晴らしい走りのマシンとしてライダーに認知されるようになるのですが、70年代に入ってからはバイクの性能だけでなく、乗りやすさや信頼性、燃費性能なども求められるようになっていました。

その為にSSシリーズもパワーダウンして完成度を高める改良が加えられていきます(この傾向は他メーカーの2ストでも見られました)。

そして76年、SSはKHへとバトンタッチすることになります。
2ストトリプル(単気筒エンジン搭載のKH90とKH125もありました)はKH250,KH400,KH500となりましたが、KH500は70年代後半で姿を消し、KH250とKH400が80年代前半まで発売され続けたのです。

過激かつエキサイティングだったエンジンフィーリング


KH400になってから最大出力は38ps/7000rpm 3.9kgm/6500rpmと初期型350SSに比べればスペックは大人しくなっていましたが、パワーバンドに入ってからの加速はライバルと比べても遜色ありませんでした。

速度はパワー、加速はトルクによって決まりますが、82年に登場してクラス最速と呼ばれたCBX400Fの最大トルクは3.4kgm/9000rpm。
KH400はこれを超えていたのですから、どれだけ元気の良いマシンだったか分かります。


参考までに現行のCB400スーパーフォアは最大出力56ps/11000rpm、4.0kgm/9500rpmです。
さすがにKH400はこれにおよびませんが、350SSは45ps/8000rpm、4.25kgm/7000rpmですから、スーパーフォアを超えるトルクを低い回転で発揮していたのです。

スプリンターぶりが評判だったKH400に対し、KH250の動力性能はどちらかというと凡庸なものでした。
これは当時の250の多くが、400と車体を共用していたので重くなってしまったこと。


そしてKHのベースとなった250SSが350のエンジンのボアだけを小さくしたでロングストロークになっていたことなどによるものでしょう。

それでも250のライバルと比較すれば十分対等な走りが可能で、独特のエンジンフィーリングが多くのファンを魅了したのです。

ちなみにマッハやKHシリーズはハンドリングや高速での安定性が良くないようなイメージを持っている人も少なくないようですが、これは初期の500SSだけのこと。
KHシリーズは安定性やハンドリングも悪くありませんでした。

ヤンチャな若者に今もなお人気のKH


KH250、400の魅力は、なんといっても2スト3気筒のフィーリング。
パワーバンドに入った瞬間、排気音が甲高くなり、エンジンの振動も強くなって、猛然と加速していく時は実際より数段速く感じるほどエキサイティングなものでした。

この排気音は、当時のヤンチャな若者も夢中にさせていました。
KHシリーズが誕生した70年代中盤は暴走族が増えつつあった頃。
また、自動二輪免許に中型限定ができて、大型バイクに乗るのが難しくなったことから中型のKH250と400に目を向ける若いライダーが多かったんです。

このように色々なヒストリーを辿り、数多くの伝説を作ってきたカワサキトリプルの最後を飾ったのがKH250と400です。70年代の国産車には、メーカーの独自性が強く感じられるモデルが多いのですが、その中でも極めつけに個性的。
現在のモデルでは、到底得られない刺激的なフィーリングのマシンなのです。

現在でもKHはヤンチャな若者ライダーの中で伝説的なバイク。
東京リベンジャーズに登場するのも納得のバイクです。

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