エンジンの異常現象で「ノッキング」という言葉を聞くことがあります。
文字通り何かが叩かれているような音のことです。

これはいったいどのような症状なのでしょう?

ノッキングの原因は大きく分けて二つ


ノッキングが聞こえてくるのは主にエンジンで、ほとんどは異常燃焼によって発生します。
異常燃焼は大きく分けて2つあります。

一つはプレイグニッションです。
正常なエンジンの燃焼はプラグの着火によって始まりますが、混合気が圧縮されると温度が上昇する為、プラグの着火前に燃焼が始まってしまうことがあります。
これが早期着火、プレイグニッションと呼ばれる症状です。

もう一つはデトネーションです。
燃焼はプラグによって着火したところから周囲に広がっていく為、燃焼室の端の方の混合気は燃焼によって圧縮されて温度が上がります。
正常な燃焼が広がっていく途中で、この圧縮された混合気が燃焼をはじめてしまうのがデトネーションです。

ノックするような音の正体


正常な燃焼と異常燃焼。
二つの燃焼が衝突し、衝撃波が発生してピストンやシリンダーヘッドにぶつかります。
これがノッキングのカリカリという音の正体です。

この衝撃波はピストンやヘッドに強いダメージを与えるので、そのまま走り続けているとピストンやヘッドを溶かして小さな虫食いのような細かい穴を開けたり、燃焼室の端、角部を溶かしてしまったりします。

こういった状態になったらピストンの交換や燃焼室の修復など、ダメージを受けた部分を修理しなくてはならなくなります。

ノッキングはなぜ発生するのか


正常なエンジンであればノッキングはしないように作られています。
しかし例えば長く乗ったバイクで燃焼室内にカーボンが大量に溜まっていたりすると圧縮比が上がって異常燃焼が発生しやすい状態になってしまいます。

点火時期の調整が間違っていても異常燃焼は発生しますし、チューニングエンジンなどで圧縮が高められている場合も異常燃焼が発生する確率は高くなります。

また異常燃焼は年式が古いバイクに出やすい症状です。
これは現行モデルほど点火時期の制御が細かく行われていないことや整備によって点火時期が狂ってしまったりする可能性がある為です。

70年代前半までは有鉛ガソリンをが一般的だったので現在のようなガソリンの使用が考えられていないということもあります。
旧車に乗っていて、どうしてもノッキングがおさまらないという場合はノウハウを持っている専門店に相談してみると良いでしょう。

四輪の省エネエンジンやハイパワーエンジンにはノッキングセンサーが装着されていることが多く、異常燃焼を感知すると点火時期をコントロールしてエンジンにダメージを与えないようにしています。

バイクにもノッキングセンサーを装着しているものがありますが、ノッキングセンサーのないバイクの方が多いので、そういったマシンでは整備やガソリン、乗り方などでノッキングしないようにする必要があります。

ノッキングを防止するには


ガソリンにはレギュラーとハイオクがありますが、オクタン価の高いガソリンは異常燃焼が発生しにくい為、レギュラーからハイオクに変えるだけでノッキングが収まることがあります。

長く乗っているエンジンの場合は、カーボンが蓄積している可能性もあります。
カーボンによってノッキングが発生しているようだったらカーボンの除去が必要になります。

ガソリンにカーボン除去剤を混ぜる方法が最も簡単ですが、大量にカーボンが溜まっていたら短時間で除去することはできません。

走行距離が多いようであればエンジンを分解してカーボンを除去しヘッド周りのオーバーホールやピストン、あるいはリングなどの交換も同時に行って快調な状態にするのがベストな方法でしょう。

異常燃焼でノッキングを起こすのは、ほとんどが加速中です。
もしもカリカリという音が聞こえたらスロットルを戻し気味にしてエンジンにかかる負荷を減らすということを忘れないように。

エンジン自体の温度が高くなっても異常燃焼は発生しやすくなりますから、走行中に症状が酷くなってきたようなら、少し休んでエンジンの温度を下げるという方法もあります。

2ストエンジンを低回転で長時間走らせていたり、4ストでもオイルが燃えて白煙が出ているような状態で走らせ続けているとカーボンの付着は極端に増えてしまいますので、普段から愛車のコンディションに気を配り、異常燃焼などが発生しない状態を維持しておきたいものです。

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