バイク業界のよりよい未来を考え、新しい価値を調査し、分析した内容を広く社会に発信することを目的に活動を行うバイク未来総研(運営:株式会社バイク王&カンパニー)は、2024年9月~2024年11月の期間を対象に、「再び売却した際、高値の付くバイク」=「“リセール・プライス”の高いバイク」上位10車種を『Bike Life Lab supported by バイク王』に発表いたします。

『“リセール・プライス”の高いバイク』は、需要の高いバイク、つまり『人気のあるバイク』と言い換えることもできます。

52 回目となる今回は第 49 回・第 50 回と首位を獲得し、前回僅差で2位となった「ホンダ・X-ADV」が首位に返り咲きました。

ホンダ X-ADV

※本調査結果を転載される際は、
「バイク未来総研(運営:バイク王)調べ( https://www.8190.jp/bikelifelab/bikefuture/resale-ranking/newest/ ) 」
とご明記ください。

バイク未来総研とは

バイク業界のよりよい未来を考え、新しい価値を調査し、分析した内容を広く社会に発信することを目的に発足。
国内外のレースで輝かしい成績を挙げ、現在も多方面で活躍する宮城光氏を所長に迎え、バイクライフの楽しさやバイク王が持つバイクに関する独自データ分析などの情報発信に加え、ライダーやバイク業界がこれから描く「未来」に切り込んだコンテンツを順次発信します。

総合ランキング

順位 メーカー・車種 リセール・プライス
1 ホンダ・X-ADV 119.1 Pt
2 カワサキ・XZ900RS SE 113.9 Pt
3 ホンダ・ADV160 111.9 Pt
4 カワサキ・ELIMINATOR 106.2 Pt
5 ヤマハ・MT-09 SP ABS 101.3 Pt
6 カワサキ・ELIMINATOR SE 98.6 Pt
7 ホンダ・Gold Wing Tour 98.5 Pt
8 ホンダ・スーパーカブ C125 94.0 Pt
9 ホンダ・CRF1100L Africa Twin 92.1 Pt
10 ホンダ・CBR650R 91.3 Pt

『リセール・プライス』とは

バイクを再び売却(=リセール)するときの価格(=プライス)を指します。
2025年1月現在で新車で購入が可能なバイクを対象とし、オークションで売却した際の落札金額の平均値と新車販売価格を基に『リセール・プライス』をポイント化。
ポイント数が高いほど、『リセール・プライス』が高いと想定できます。

本指標は、中古バイクの年間取扱台数10万台以上の『バイク王』が取り扱うデータを基に、バイク未来総研が独自に集計したものであり、バイクユーザーが新車あるいは中古バイクを購入する際の参考情報として活用されることを目的としています。

算定基準

・国内主要4メーカーが、国内で販売しているバイク(2025年1月現在・逆輸入車を除く)
・新車販売価格は2025年1月現在の価格を基準。カラー等により価格が複数ある場合は、最安値を基準に算定
・モデルチェンジが実施された場合は、最新モデルのみを対象とする
・期間内に、バイク未来総研独自の規定台数に達する流通があるバイクを対象とする

首位に返り咲いた、X-ADV。最新モデルの発売が影響?

昨年、年間を通してランキング上位の常連となったX-ADV。
国内では街乗りからツーリング・アウトドアレジャーまで汎用性を求めるユーザーからの支持を集め、海外でも人気が高いX-ADVは、前回より9.9ポイントアップし、前回首位のカワサキ・Z900RS SEとの差を拡げました。
X-ADVは2024年12月12日に2025年モデルが発売となり、集計対象期間が2024年12月~2025年2月の3ヶ月であったため、発売直後で特に注目度が上がり、価格に影響したものと思われます。

3位は前回8位よりランクアップ!『ホンダ・ADV160』

今回、3 位にランクインしたホンダ・ADV160 は、ADV150 の後継モデルで2023年1月に発売されました。
新エンジンeSP+の搭載による走行面での進化や、後輪のスリップを抑制する HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)の実装による性能の向上、さらに、ウインドスクリーンの形状変更による防風性能の向上など、高速道路の走行を含む遠距離移動に対応した設計となっています。

160cc クラスという絶妙なサイズ感は、その小回りがきく特性を活かして街乗りを得意とする一方で、高速道路の走行もできるためツーリングでも活躍。
さらに未舗装路でも走りやすく、アウトドアレジャーにも適応した汎用性の高さが人気の要素のひとつとなっていると思われます。
また、首位のX-ADV同様、スクーターでありながら、永らく一定の人気を誇るアドベンチャーのテイストをミックスした“遊び心”こそ、唯一無二の“アドベンチャースクーター”として国内外から注目を集める要素となっていると思われます。

ホンダ・スーパーカブ C125、8位に初ランクイン!物価高騰が続く中、コスパ面が影響?

8位には、原付二種の排気量ながらホンダ・スーパーカブ C125 が初のランクイン。
スーパーカブC125 は、初代のスーパーカブC100を現代風にアレンジしたデザインで、滑らかなフォルムと美しい塗装の風合いが高級感漂う仕上がりとなっています。
懐かしさを感じさせるデザインでありつつ、フル LED とした灯火類やスマートキーなどは現代の装備となっており、クラシックとモダンが絶妙に調和されたバイクである点が、多くのライダーの所有心をくすぐる要素となっていると思われます。

今回、ランキングに原付二種のバイクがランクインしたのは「コストパフォーマンス」が重要な要
素となっていると考えられます。
原付二種のバイクは、軽二輪以上のバイクと比較した場合、車両本体価格が安価で、かつ良好な燃
費となることが多く、購入費用と維持費を抑えることができます。
また、原付二種は、自動車を保有
していれば自動車の任意保険に付帯できるファミリーバイク特約など安価な任意保険などが存在し、
さらにコストを下げる余地があります。

また、カブシリーズは、頑強さにおいて国内外で一定の評価を得ている人気のバイクです。
長く乗り続けることが期待できる点も、さらにコストパフォーマンス面においてプラス要素となりま
す。
昨今の物価・燃料費が高止まりするなか、コストを抑えられ、所有心をくすぐるスーパーカブC125は、時勢とライダーのニーズに合ったバイクの一台であると言えます。

年間約10万台を取り扱うバイク王では人気のある良質な在庫を確保し、豊富な車種・車両を全国のバイク王で販売しております。
今後も国内ライダーの皆さまの期待にお応えしてまいります。
前回に続き、5 車種が 100pt 越えを果たした第 52 回の『リセール・プライス』ランキング。次回のランキングの動きにもご注目ください。

バイク未来総研所長 宮城光のココがポイント

ホンダ・X-ADV がふたたび首位に返り咲き、また 3 位にホンダ・ADV160 がランクインしたのは興味深い。
諸説あると思うが、X-ADVをスクーターと見る場合、アドベンチャースクーターというジャンルが人気と言うことができる。
未舗装路でも活躍できるスペックから、海外でも一定の需要はあるだろうし、国内では近年流行のキャンプツーリングなどもこなしつつ、160cc の車格なら国内外問わず街乗りも難なくこなせると言ったところだろう。クルマでも SUV が人気でいざとなったら道なき道もいける!的な汎用性の高さが昨今求められているのかもしれない。
排気量を問わない総合ランキングの 8 位に、原付二種のスーパーカブC125 がランクインしたのも実に興味深い。
モデルとなった初代のスーパーカブ C100 は、言わずと知れたホンダの名車で日本のみならず、世界の後進国の高度経済成長を支えたといっても過言ではない、知名度抜群のバイクだ。バイクに詳しくない人でも一度は聞いた事があるだろう。そんなスーパーカブシリーズが現代風にアレンジされたとあれば、一人のライダーとしては興味をそそられる。排気量のアップに加えてディスクブレーキやキャストホイルの採用は現代の交通環境にマッチしたアップデートと言える。
ここ数年、物価の上昇に所得の上昇が伴わない事がメディアで報じられるなか、ライダーとしては、できるだけ燃料費などバイクの維持費を抑えたい。となると、燃費効率が良い低排気量で維持費を抑えられ、且つ現代風のカラーとフォルムのバイクで所有心をくすぐる、時勢を反映したライダーが好むバイクの一台なのかもしれない。

排気量別ランキング上位5位

原付一種・二種

順位 メーカー・車種 リセール・プライス
1 ホンダ・スーパーカブ C125 94.0 Pt
2 ホンダ・モンキー125 85.7 Pt
3 ホンダ・PCX125 81.1 Pt
4 ホンダ・CT125・ハンターカブ 75.6 Pt
5 ヤマハ・シグナス グリファス 74.6 Pt

 

軽二輪

順位 メーカー・車種 リセール・プライス
1 ホンダ・ADV160 111.9 Pt
2 ホンダ・FORZA 81.8 Pt
3 カワサキ・Ninja ZX-25R SE 80.9 Pt
4 ホンダ・CRF250L 78.4 Pt
5 ホンダ・レブル250 76.1 Pt

 

中型

順位 メーカー・車種 リセール・プライス
1 カワサキ・ELIMINATOR 106.2 Pt
2 カワサキ・ELIMINATOR SE 98.6 Pt
3 カワサキ・ZX-4R SE 84.5 Pt
4 カワサキ・ZX-4RR 84.4 Pt
5 ホンダ・GB350 80.2 Pt

 

大型

順位 メーカー・車種 リセール・プライス
1 ホンダ・X-ADV 119.1 Pt
2 カワサキ・Z900RS SE 113.9 Pt
3 ヤマハ・MT-09 SP ABS 101.3 Pt
4 ホンダ・Gold Wing Tour 98.5 Pt
5 ホンダ・CRF1100L Africa Twin 92.1 Pt

 
※過去のランキングはこちらからご覧ください。

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筆者プロフィール

宮城光

1962年生まれ。2輪・4輪において輝かしい実績を持つレーサーとして名を馳せ、現在ではモータージャーナリストとしてMotoGPの解説など多方面で活躍中。2022年、バイク未来総研所長就任。