バイクのカラーリングには様々な種類があります。
単色のものもあれば、複数の色が組み合わされて使われているものもあり、中にはメーカーを代表するようなカラーリングもあったりと様々。
特にホンダはバイクの歴史も深く、特別カラーが豊富にあるメーカーです。

今回はホンダのバイクに採用された特別なカラーリングについて詳しく解説していきます。

ホンダを代表するカラーや懐かしのカラーなど、バイク好きなら痺れるカラーリングのバイクが見つかるかもしれません!

レプソルカラー

オレンジがメイン色となっている印象的なレプソルカラーはホンダを代表するカラーリングといっても過言ではないでしょう。
スペインの石油会社「Repsol」がホンダ(HRC)とスポンサー契約にある時期のレーシングマシンに採用され、その後市販車でもレプソルカラーのレプリカモデルが販売されました。

オレンジのバイクといえばKTMをイメージする方も多いですが、レプソルならではのオレンジはホンダの情熱が秘められたカラーなので、ロードレース好きにはたまらない特別色となっています。

レプソルカラーの中でも有名なのはCBR1000RRの純正カラーとして採用されたレプソルカラーではないでしょうか?

また、現行モデルではインドネシアホンダの限定車ですが、CBR250RRにもレプソルカラーがあり、日本国内でも輸入されたモデルが存在します。

昔は250ccクラスにも多く限定レプリカカラーが存在しましたが、現在の250ccクラスでは希少な存在となっています。

実はそれ以前にも1996年に発売されたNSR250Rシリーズの最終型、MC28にもレプソルカラーの仕様があります。
こちらはオレンジが差し色になっていてメインカラーは暗いグリーンとなっており、他のレプソルカラーに比べて希少で人気も高い傾向にあります。

トリコロールカラー

ホンダのバイクのカラーリングの中でも知名度が高いのが赤・白・青のトリコロールカラーです。
元々はアメリカホンダのモトクロスチームが採用していたウェアの色から来ているもので、アメリカの星条旗をモチーフにカラーリングしたものです。

その後デイトナ200やボルドール24時間耐久レースなどのオンロードレース、パリダカールなどのオフロードラリーなども含め、様々なレーシングモデルに採用され続けたことでブランドイメージとして定着していきました。

レーシングモデルだけには留まらず、市販車のカラーリングにも採用されました。
代表的なのがCB400SF/SB、CB750などで、こちらは青をメイン色としたトリコロールカラーとなっています。

比較的新しいモデルではCBR250RRやCBR1000RR-R SPなどでは赤をメイン色としたトリコロールとなっています。
同じトリコロールでも時代によってイメージが違うのが面白いポイントです!

赤をメインとしたトリコロールはカラーリング上では「グランプリ・レッド」と表現されており、ただの赤ではなくグランプリで戦った赤として多くのファンを魅了しています。

オフロードではパリダカールラリーで活躍したCRF450RALLYをモチーフにデザインされたレプリカモデル、CRF250RALLYにもトリコロールを採用されています。

CRF1000Lアフリカツインでは白を基調としたトリコロールカラーが採用されています。(カラーの名前はパールグレアホワイト)

メインカラーやデザインは違えど、トリコロールのバイクはオンオフ限らずホンダ車を象徴するカラーリングとなっています。

ロスマンズカラー

ホンダの昔のバイクを知っている方なら一度は見たことがあるであろうロスマンズカラーのNSR250R。
ロスマンズとは英国のタバコメーカーで、ホンダが2ストロークエンジンで世界と戦っていた頃にメインスポンサーだった会社です。

GPマシンにもロスマンズカラーが採用されたことから人気が高まり、市販車のNSR250Rにも採用されました。
ロスマンズカラーのNSRは現在でもかなり人気が高く、純正カウルで状態の良い個体は高値で取引されることも珍しくありません。

実は250ccクラスだけでなく、NSR50/80などの小排気量モデルにも採用されており、こちらも同じく現在でも高い人気があります。

純正で採用されたのが少ないカラーリングということもあり、カウルのグラフィックをカスタムして自前でロスマンズカラーを再現する猛者もいるため、30年ほど前のカラーでも今後伝説的なカラーとして語り継がれていくことでしょう。

テラカラー

主にNSRシリーズに採用され続けたテラカラー。
赤や青や銀などがあり、赤テラ、青テラ、銀テラなどと旧車好きの間で呼ばれています。

そもそもテラとはなんなのか、それは当時味の素から発売されていたスポーツドリンク「TERRA」にありました。

レースのスポンサーとなっていた味の素のTERRAをアピールするため、レーシングモデルにはTERRAの名前が入っていましたが、市販モデルには入っておらず、カラーリングのみが市販車に採用される形になりました。

そのためTERRAの存在を知っている方は当時のレプリカブームを経験している世代の方に多く、よほどマニアックじゃないとこのカラーの意味を知っている方は少ないでしょう。

モリワキカラー

MORIWAKIは日本のチューニング、レースで活躍する企業でレース好きなら一度は耳にした事があるブランドです。
マフラーやバックステップなど、様々なカスタムパーツを販売しているので、パーツを調べていて知ったという方もいるかもしれません。

歴史は古く、1970年代からレース活動を開始し、多くのバイクのチューニングや製品開発を行ってきました。

そんなMORIWAKIをフィーチャーしたカラーリングがCBR250Rで採用され、現在でも中古市場で取引されています。
MORIWAKIのコーポレートカラーである青と黄色が採用され、これまでMORIWAKIが手掛けてきたレーシングマシンたちのカラーリングが再現されているのがわかります。

レプソルカラーと同時期に販売されたため埋もれがちですが、乗っていたらシブい!そんなカラーリングです。

無限カラー

無限はホンダ車のチューニングやパーツ開発など、レースシーンを通して活躍してきたブランドです。
現在ではバイクの世界からは撤退していますが、車の方では現在も活躍中。
様々なホンダ車のチューニングに携わり、レースシーンでも活躍し続けています。

そんな無限のパーツが装着され、純正から無限仕様のモデルが存在しています。
CBR250Rはマフラーやカラーリングが無限になったモデルを発売。

無限仕様のCBR250Rは今となってはレアな存在だと言えるでしょう。

他にもビッグスクーターのフェイズにも無限仕様が存在します。

CB400SF、CB1100も無限仕様があり、こちらも高い人気があります。

少し古いバイクに乗っている方は中古パーツで無限の名前を見たことがあるかもしれません。
パワーの出るレーシングパーツや、より扱いやすくなる公道用パーツが多くラインナップされていたため、現在でも中古パーツとして取引されています。

パッと見はシンプルなバイクですが、細かいところに無限のアツさが詰まったバイクなので、分かるひとには分かる渋さがあるカラーリングです。

コニカミノルタカラー

コニカミノルタは日本の企業で、複合機や計測機器、過去にはカメラなども開発していた企業です。
そんなコニカミノルタがホンダのスポンサーとなり、コニカミノルタ ホンダチームとしてMotoGPに参戦していたことがありました。

そこで当時活躍していたRC211Vをモチーフに、2007年にCBR600RRの特別仕様車を販売しました。

カウルの細かいデザインから足回りのカラーリングまで、細かく再現されています。

コニカミノルタカラーのバイクはこの型のCBR600RR唯一のもので、他には存在しません。
また、500台の限定販売だったということもあり、コニカミノルタカラーのCBR600RRは希少で人気が高く、「このカラーだから買った」というオーナーも多く存在します。

コニカミノルタカラーの配色とカラーセンスは他のバイクでは味わえないものがあります。
この時代のレース好きはもちろん、バイクを知らない方でもコニカミノルタなら知ってる!という方もいるので、幅広い人気があるカラーだと思います。

パールグレアホワイト

パールグレアホワイトという名称のカラーリングが施されたバイクは現在でも存在しますが、この時代のパールグレアホワイトカラーは独特な魅力があります。

1992年、Firebladeシリーズの第一弾として発売されたCBR900RRは白を基調に刷毛塗りのようなタッチで青と赤がペイントされ、先述したトリコロールの一種ではありますが、このカラーだけは他のトリコロールとは一味違った味があり、刷毛塗り色を意味する「ブラッシュカラー」などと呼ばれることもあります。

同時にCBR250RR(MC22)にも同カラーが採用され、人気を博しました。
後の方の年式になると青から紫に近い色に変わっており、これもまたこの時代にしかない、味わい深い魅力となっています。

生産終了後も高い人気があったカラーであり、それを汲み取ってか2022年に初代モデルの発売から30周年を記念して、当時のカラーリングを現代のCBR1000RRに落とし込んだSP 30th Anniversaryが発売されました。

カウルデザインは違えど、時代を超えて愛されるカラーリングは発売当時の想いの強さが伺えます。

スペンサーカラー

スペンサーカラーとはGP時代に6冠王者に輝いたフレディ・スペンサーが乗ったCB900Fベースのレーシングマシンに施されたカラーリングのこと。
ゼッケン19番の伝説は今でも語り継がれています。

銀色のボディをベースに2色の異なる青色のラインが入ったカラーで、かなり渋めのカラーとなっています。

市販車として採用されたのは主にCBシリーズでCB400SF、CB750、CB1300SF/SBなど。
最近では発表されたばかりのCB1000Fにも採用されました。

筆者は教習所の教習車だったCB400SFがこのカラーだったことで知りました。
現在は教習車もNX400に置き換わっていき、若い世代が触れ合う機会も少なくなっているかもしれません。

それでも色褪せない良さがあるカラーリングなので、今後も受け継がれていってほしいカラーです。

CBXカラー

CBX400Fというバイクを知っている方も多いでしょう。
漫画やアニメにも登場することが多かったことから伝説的な人気と知名度を誇っているバイクです。

CBXカラーはそんなCBX400Fのカラーリングを再現したカラーです。

赤と白を基調に黒のラインが入っており、このカラーにしかない迫力があるカラーです。
後に採用されたのは後継モデルであるCB400SF/SB、CB750、モンキーなど。

一般的に言われるCBXカラーは赤白黒のカラーですが、実はCBXカラーにはもう一つ、CBX1000のカラーもあります。

空冷6気筒エンジンを搭載したCBX1000は現在では伝説的なバイクとなり、程度の良い個体は高額で取引されることも珍しくありません。
このCBX1000のカラーがCB750スペシャルで再現されました。

シルバーベースのカラーと赤メインのカラーの両方が販売され、昔のCBX1000を知るファンたちから人気となりました。

CBXシリーズには深い歴史があり、それはレースシーンだけでなくストリートシーンでも語り継がれていること。
この人気は現代でもしっかり残っているため、今後の復活に期待が高まります。

インターセプターカラー

インターセプターカラーとはホンダのV型4気筒エンジンを搭載したVF750Fがアメリカのレースシーンで活躍していた頃、アメリカで呼ばれていたトリコロールカラーの別称。
赤白青というカラーリングは同じでしたが、他のトリコロールに比べて少し濃い青が使われていました。

後に後継モデルのVFR750Fにもこのカラーが採用され、レーシングライダーであるウェイン・レイニーが乗ってチャンピオンを獲得したことで一気に人気が高まります。

近年では同じくV4エンジンを搭載した後継モデルVFR800Fに採用されていました。

特別なカラーリングを施したV4という今では珍しいエンジンのバイクなので、乗っていたら思わずファンを唸らせるバイクだと思います。

くまモンカラー

ホンダは熊本県でHonda熊本製作所を営んでおり、それもあってか熊本県とのコラボによって生まれたのがくまモン仕様のバイク。

主に小排気量系に多いですが、単なる「くまモンカラー」ではなく、「くまモン仕様」と言っても過言ではないクオリティーの高さを誇ります。

一般的に特別カラーは外装色を変えることが多いですが、くまモンカラーを採用するバイクは専用エンブレムが採用されていたり、くまモンの足跡が各所に施されたり、ホイールだけでなくヘッドカバーまで赤の結晶塗装にしたり、単にカラーリングという表現では済まされないくらい徹底的なこだわりを感じ取ることができます。

クロスカブ50/110もくまモン仕様があり、可愛らしさから現在でも多くの人たちに愛されています。

ジョルノのくまモン仕様も抜かりはなく、専用エンブレムに各所に散りばめられた赤いパーツなど、ホンダの熊本への愛を感じる1台です。

可愛い原付が欲しいなら、可愛さだけじゃなく情熱も込められたくまモン仕様車はいかがでしょうか?

ホンダの特別カラーのバイクは様々

ホンダには長い歴史があり、歴史を積み重ねてきた分だけ様々なバイクが生み出されています。
しかしそれはホンダ1社が成し遂げたものではなく、他ブランドとの協力や、名だたるレーサーたちと一緒に作り上げてきたもの。
そんな歴史を感じさせてくれるのが特別カラーのバイクです。

バイクを選ぶ際に見た目やカラーだけでなく、そういった背景も含めて選んでみるのはどうでしょうか?
今よりももっと広い目線で気に入るバイクが見つかるかもしれません。

特別カラーのバイクは基本的に中古が多いので、バイク王の中古バイク情報もぜひチェックしてみてください!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

~バイクがあれば もっと楽しい~
すべてのライダーに贈るバイクコンテンツサイト「Bike Life Lab」では、お役立ちコラムからおすすめバイクロード、Bike Life Lab研究員によるお楽しみコンテンツまで幅広く掲載中。