走行中や発進時にエンジンが止まってしまうエンストはバイク初心者の方が最初につまずきやすいポイントです。
操作に慣れていないことからエンストしてしまうことが多いですが、それとは別に意図しないタイミングで頻繁にエンストを繰り返す場合は、バイクに不具合が起きている可能性があります。

普段は大丈夫でも、雨が降ったあとや洗車のあとにエンストする場合は電装系、走り出してエンジンが高温になったときのみエンストする場合は冷却系を疑ったり、エンストする状況によって判断できるポイントがいくつかあります。

重度故障の場合はプロにお任せするのが安心ですが、今回はプロに依頼する前に参考として見ておきたいセルフメンテナンスのチェック項目として解説していくので、愛車の不調が当てはまった方はぜひその部分を重点的にチェックしてみてください。

運転技術が原因でエンストする場合はこちらの記事で詳しく解説しています。

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メンテナンス不足によってバイクがエンストする原因は?

バイクは機械部品の集合体です。
不調や故障が自然治癒することはなく、定期的なメンテナンスが必要な乗り物なので、日々のメンテナンスが重要になってきます。

今回紹介するのは基礎的なポイントが多いですが、しっかり定期的にメンテナンスされている車両には当てはまりにくい項目も混ざっています。

エンストは不調の中でもかなり重度の症状であることもあるので、これを機にしっかり自分でメンテナンスするか、プロにメンテナンスをお願いするようにしましょう。

エンストが頻発する場合のチェックポイントは?

エンストが頻発する場合、どのようなシチュエーションで起こりやすいかを確認することである程度原因を絞り込めます。

走っている最中や発進するときにエンジンの元気がなくなってエンストする場合は燃料系や吸気系が疑わしいポイント。
車体が濡れているときや大きな振動のあとに起こる場合などは電装系も疑わしいです。

他にもエンジン本体の問題や駆動系の問題など、エンストひとつ取っても原因は様々ありますが、エンストするシチュエーション次第で絞り込んでいけるので、どういうときにエンストするのかをまずは確認してみましょう。

その上で原因を解決していくのが一番近道です。
判断ができないという方は以下紹介していく項目で近いと思われる項目を探してみてください。

まずはランプ類の確認

最初に確認すべきなのはランプ類から。
FIランプやエンジン警告灯などが点灯している場合、電装系や制御系にトラブルが起きている可能性があり、メンテ上級者でもセルフで直すのは至難の業です。
その場合はいろいろ自分でやってみるよりもバイク販売店やバイク用品店に持ち込んで修理するのが結果的に費用を抑えられる場合があります。

この際に無理してお店まで乗っていくのはおすすめしません。
少しでも停まって動けなくなる危険があるなら販売店や用品店に電話で相談し、お店によっては車で引き取りに来てくれる場合もあります。
その際に電話で対応可否だけでなく概算の料金もチェックしておくのがおすすめです。

燃料系

ガソリンの劣化

ガソリンは生ものと言えるくらい、鮮度があります。
給油してから長く放置されたガソリンは酸素に触れて酸化していくことで劣化し、着火してパワーを生み出す能力が低くなっていきます。

現在タンクに入っているガソリンが古いもので、エンジンは掛かっても調子が悪く、アイドリングしなかったり、アイドリングしても元気がない場合は疑わしいポイント。

ガソリンスタンドに行って古いガソリンを抜いてもらい、新しいガソリンを給油してみてください。

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ガソリンキャップ

タンクの上についているガソリンのタンクキャップにはエア抜き穴が付いており、これが詰まるとガソリンが下に落ちていかずに燃料不足になり、エンストを引き起こす場合があります。

もしこれが原因だとしたら、キャップを開けた状態で症状が変わるか確認できる場合もありますが、燃料漏れや火気の危険があるため安全を確保して行い、不安な場合はバイクショップに相談すると安心です。

燃料ポンプや燃料フィルターやホース系

ガソリンタンクからガソリンを送っているのが燃料ポンプ。
その間には燃料フィルターや内部に燃料が通っているホースもあります。

これらのパーツにトラブルが起きるとエンストが起こる場合があります。

燃料ポンプが動いていない場合はエンジンがそもそもかからないことが多く、燃料フィルターやホースのトラブルならエンジンは始動できても吹け上がりが悪くなります。

この場合、特にインジェクションのバイクは自分で直すには専門技術が必要なので、販売店や用品店に修理を依頼しましょう。

インジェクター

インジェクション式のバイクにはガソリンと空気を混ぜ合わせた混合気をシリンダー内部に噴射するインジェクターというパーツが付いています。

タンク内部や燃料フィルターが汚れていて、ゴミがインジェクターを詰まらせることがあり、正しい量のガソリンを噴射できずにエンストするケースがあります。

この場合も専門技術が必要なので、販売店や用品店に修理を依頼しましょう。

吸気系

エアクリーナー

ガソリンと混ぜる混合気を作るためのきれいな空気をろ過して取り込んでいるのがエアクリーナー。
ここが汚れて目詰まりしているとガソリンが濃くなり、エンストを引き起こす場合があります。

エアクリーナーは、一般的に10,000〜20,000kmごと、または2〜3年に一度の交換が目安とされています。ただし、車種や使用環境によって異なります。

エアクリーナーが原因のエンストだとしたら、一時的にエアクリーナーを外してエンジンをかけたら問題なく吹け上がるはずなのでテストはできるかもしれません。
ただしその状態で走行するとエンジンにダメージが加わる可能性があるため、やるにしてもほんの一瞬テストするくらいに留めておきましょう。

インマニ

正式名称はインテークマニホールド、略してインマニは、キャブレターやインジェクション本体とエンジンを繋ぐゴムパーツです。

ここにヒビが入ると予期せぬところから空気を吸ってしまい(二次エア)、エンストが起こることがあります。

まずは目視で確認し、ヒビがありそうなら交換、もっと詳しくテストしたいならエンジンをかけた状態でインマニのヒビあたりに潤滑剤を吹き、エンジンの回転数が変化したら故障の可能性があり、変化しなければ別の原因が考えられますが、メンテに自信がある方のみできるテスト方法です。

点火系

プラグ

点火プラグは1気筒あたり1〜2本取り付けられています。
一般的には3,000〜5,000kmごとの交換が目安とされますが、車種やプラグの種類によって異なり、プラグがダメになると点火が弱くなってエンストを引き起こすことがあります。
調子の悪いバイクは最初にプラグを変えて様子を見るというのはバイクショップもよく使う手法です。

プラグ交換は中級者レベルのメンテナンスなので簡単ではありませんが、メンテ経験があればチャレンジできるものです。
難しいと感じた場合は販売店や用品店に交換を依頼しましょう。

プラグキャップ、プラグコード系

点火プラグの頭にかぶさるように取り付けられているのがプラグキャップ、プラグキャップの後ろに付いているのがプラグコードです。

ここが不調の場合もエンストの原因になることがあります。

交換するのが一番ですが、こちらもそう簡単には交換ができず、スペアパーツがないとチェックするのも難しいので、販売店や用品店に修理を依頼しましょう。

電装系

バッテリー

通常バイク用バッテリーの電圧はエンジン停止時(12.8V以上)と始動時(13.5V〜14.5V)と正常値が定められており、バッテリーが劣化することでこの電圧よりも低くなっている場合はエンストを引き起こすことがあります。

電圧計を使ってバッテリーの電圧をチェックし、基準値よりも低い場合は新しいバッテリーに交換するようにしましょう。

CDI

CDIはキャブレターのバイクに装備されている主に点火を制御する装置。
これがダメになるとエンストはもちろん、原因不明の不調が相次ぎます。

色々やってみたけど直らず、最後にCDIを変えたら直った、というのは旧車界隈ではよくある話。

これを直すのはメンテナンス上級者でも対応はかなり難しく、電気基板などの専門知識が必要になるため、専門の業者に依頼するか、原因を断定するためにスペアのCDIを持っている販売店や用品店に相談しましょう。

エンジン

エンジンオイル

エンジン内部を潤滑させるために必要なエンジンオイルを長期的に交換していなかったり、量が足りていないとエンストの原因になることがあります。

ただし、これが原因でエンストが起こっていたとしたらエンジン内部にダメージが加わっている可能性が高いため、専門業者に見てもらうのが安心です。

そうならないためにも、3,000km〜5,000kmの定期的な交換とオイル量の確認が重要です。

アイドリング

インジェクションのバイクは関係ありませんが、キャブレター式のバイクはアイドリング回転数を自分で調整することができます。

キャブレターの周辺にある調整ネジを回すとアイドリングが上下するため、今設定しているアイドリング回転数が低すぎてエンストの原因になっているかもしれません。

上げ過ぎもよくありませんが、回転が安定するところを調整しながら見つけてみてください。

圧縮低下

エンジン内部のピストンやバルブ系が傷んでいると、正規の圧縮量が得られずエンストに繋がることがあります。
この場合は内部パーツ交換が必要になるため、専門業者への依頼が必要です。

圧縮が全く無かったらエンジンがそもそもかからないため、販売店や用品店などに依頼してエンジンの圧縮を計測してみてください。
正しい数値はエンジンごとに違うため一概には言えませんが、単気筒以上のバイクならそれぞれの気筒の圧縮値が合っているかどうか確認するだけでも原因特定に繋がるかもしれません。

クーラント

エンジン内部やラジエーターを循環して冷却するクーラントが足りていない場合もエンストの原因になることがあります。
この場合はエンジンが冷えているときにクーラントのリザーバータンクを確認して、正規の量が入っているかどうか見てみてください。

クーラントが足りないまま走っているとエンジンが焼き付いてしまう危険性も考えられます。

駆動系

チェーンの張り

エンストにはあまり繋がりにくい部分ですが、エンジンの駆動を後輪に伝達するチェーンが張りすぎていたり、ゆるゆるになっていることで振動やショックが起こり、エンストの原因になることがあります。

チェーン遊び量は車種ごとに規定値があり、一般的にはチェーンの下部中央を指で上に押して遊びが2〜3cm程度ある状態が目安とされます。
それよりも過度に張りすぎていたり、緩みすぎていたりする場合は調整してみましょう。

クラッチの遊び

クラッチレバーの遊び調整が不十分で、レバーを離し始めるとすぐにクラッチがつながってしまうバイクも少なくありません。
これが原因でクラッチのコントロールがうまくできず、エンストに繋がることがあります。

レバー付け根の調整ネジを回して遊びを調整できるので、コントロールしやすく、半クラッチ領域を多く使える位置に調整してみてください。

クラッチワイヤー

こちらは稀ですが、クラッチワイヤーを長いこと交換していなかったり、内部のワイヤーが劣化していると、本来の操作ができずにクラッチレバーを握っているのに弱々しくエンストしていくことがあります。

これが原因だとしたらエンストしそうになるときに半クラッチになるため、バイクが前に進もうとします。

上記のレバーの遊び調整とは別に、ワイヤー側でも調整ができるので正規の位置に調整し直すか、ワイヤー自体を交換してみてください。

バイクのエンストはメンテで防げる

操作技術に原因がある場合と、バイク本体に問題がある場合の大きく2パターンがあります。

今回はバイク本体に問題がある場合に疑わしいポイントを紹介してきましたが、これらのポイントはよほど旧いバイクでない限り、定期的にバイクショップにメンテを依頼していたらまず起こりにくい部分です。

それくらいバイクにおいてメンテナンスは重要で、メンテ不足だと気持ちよく走れなくなるだけでなく、エンストや最悪の場合事故に繋がる危険性もあります。

普段から乗りながら正しい数値からはみ出さないようにチェックしておくのが安心ですが、ライダー全員が簡単にできることではないため、少しでも自信のない方はバイク販売店や用品店に作業を依頼するようにしましょう。

正しくメンテしていくことで、予期せぬエンストを防ぐことができます。
ぜひチェックしてみてください!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

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