バイクのカラーリングにはメーカーが考える様々な意味が込められています。
各社過去の歴史的モデルや自社ブランドのカラーをアピールするグラフィックの車両を販売していますが、中でもスズキはそういったモデルが比較的少ないメーカー。

しかし、スズキが出す一部のバイクのカラーリングには深い歴史を持つモデルや、レースが盛んだったバイク黄金期ならではのエピソードが込められたモデルが散りばめられています。

今回はそんなスズキから発売されたバイクの歴史的なグラフィックについて解説していきます!

エクスターカラー

エクスターカラーはスズキのGSXシリーズでよく見られるカラーリング。
エクスターはスズキの純正オイルの名前からきていますが、このグラフィックはMotoGPに参戦したワークスチーム「チーム・スズキ・エクスター」のマシングラフィックをモチーフにデザインされています。

主に2015年以降のモデルに採用されることが多く、フルカウルだけでなくネイキッド系のGSX-Sシリーズにも採用されています。

青ベースの車体に白字でSUZUKIの文字、黄色い差し色が特徴的です。

2020年以降のモデルでは青色にスレートシルバーを合わせるスズキ創立100周年を記念したエクスターカラーもラインナップ。

これは1960年代にレースで活躍していたレーシングマシン「RT67」のカラーリングをモチーフにしたもので、時代を超えて再びこのカラーでレースを盛り上げています。

GSXシリーズは年式によって他にも様々なカラーリング、グラフィックがありますが、エクスターカラーはひと目で「SUZUKIのバイクだ」と伝わる代表的なカラーだと言えるでしょう。

クーリーカラー

一昔前のスズキのネイキッドでこのカラーリングを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
特にGSX400インパルスで印象的なカラーです。

クーリーカラーはAMAスーパーバイクで2度のチャンピオンに輝いたウェス・クーリー選手が乗っていたGS1000Sのカラーリングから来ています。

青と白のシンプルなデザインでありながら、しっかりクラシックレーサーらしい雰囲気も感じさせてくれるこのカラーリング。

当時から人気だったということもあり、GSX400インパルスで再び世に登場し、特徴的なビキニカウルの形も忠実に再現されました。
その人気からインパルスカラーと呼ぶ人もいるほど。

その後2004年、GSX1400で100台限定でクーリーレプリカが販売されました。

ヨシムラカラー

スズキとヨシムラの関係は深く、これまで様々な伝説や歴史的なマシンを作り上げてきました。
そんなヨシムラとの親和性を感じさせるのがヨシムラカラー。

黒と赤のツートンが主軸で、時代によってはゴールドカラーのホイールなど、黒・赤・金で構成されています。

ヨシムラの耐久レーサーを象徴するカラーリングで、鈴鹿8時間耐久ロードレースで活躍した油冷のGSX-R750もこのカラーで有名なバイクです。

これ以外にも時代を超えて様々なバイクでヨシムラカラーが再現されており、GSX-R1000やGSX-S1000でもヨシムラカラーのモデルが販売されました。

写真のGS1200SSもその一つで、当時のレーサーらしい大型フロントカウルがこのカラーリングによって更に映えています。

先述したGSX400インパルスでも赤黒のヨシムラカラーが発売されています。
単色の地味なカラーよりもどこか戦っているような、戦闘力が高そうなスタイルに仕上がるレーシングカラーです。

ウォルターウルフカラー

紺色ベースの車体に赤いラインが特徴的なこのカラーはウォルターウルフカラー。
ウォルターウルフとは主に石油で富を得たカナダの実業家で、当時スズキとのスポンサー契約があったことでこのカラーリングのRG-Γ500が誕生し、その後市販車のRG250Γ、RG400Γ、RG500Γなどで再現されました。

どのバイクとも似つかない特徴的なカラーリングは現在でも多くのファンがおり、年式の新しいバイクをウォルターウルフにカスタムペイントする方もいるほど。

公式ではこの後このカラーが再現されて別のバイクで発売されたことはありませんが、Γの存在もあって伝説的なカラーリングとなっています。

ハーベーカラー

ドイツのタバコブランドとして知られていたHB(ハーベー)カラーのバイクは世界GPの頂点、500ccクラスでチャンピオンに輝いたΓを記念してRG250Γ、GSX-R400などでハーベーカラーのモデルが発売されました。

ハーベーカラーはGS1000をベースとした耐久レーサーXR41でも使用されています。
こちらは市販化されていませんが、昔の耐久レース好きからするとハーベーはΓよりもXR41のほうが印象が強いかもしれませんね。

ウォルターウルフほど有名ではありませんが、独特の魅力が溢れるカラーリングです。

ラッキーストライクカラー

90年代前半、メーカー同士がしのぎを削って戦っていた時代、RGV250Γにタバコのラッキーストライクのグラフィックをあしらったモデルが登場します。
ケビン・シュワンツのGPチャンピオン獲得を記念して発売されたモデルでした。

赤白ベースの車体にゴールドの差し色というのはラッキーストライクのパッケージそのままのデザイン。
バイクのカウルにデザインを落とし込むと、元とは少し違ったデザインになることもありますが、ラッキーストライクは忠実に再現されていました。

当時はNSRやTZRなどハイパワー、高スペックマシンが数多く生み出され、競争が激化していた時代。
しかしこの数年後には2ストロークエンジンが排ガス規制により終わりを告げ、今考えるとこのあたりの年式の2ストモデルが最後の力を振り絞ったモデルだったと言えるでしょう。

このカラーはファンが多く、後にGSX-Rや隼などをラキストカラーにカスタムペイントする人もいるほど。

昨今の情勢を考えてもタバコメーカーがバイクレースのスポンサーになることは考えにくいため、歴史的なカラーリングだと言えるでしょう。

ペプシカラー

バイクのグラフィック=タバコを想像するライダーも多いですが、実は炭酸飲料ペプシのグラフィックをあしらったモデルもあります。

ペプシがスポンサーとなり、ケビン・シュワンツが駆るRG-Γ500のグラフィックのRGV250Γが発売されました。

白ベースに赤、青が混ざったカラーリングのインパクトは強烈で、ペプシという名前は一般の方にも浸透しているだけあって、走っているのを見たら思わず振り返ってしまう目立ちぶり!

見た目はPOPで可愛らしくも見えますが、元ネタのケビン・シュワンツの豪快なライディングを知っている方からすると別の意味で熱狂してしまうはず。

このカラーも後に別のモデルでペプシカラーが再現されることはありませんでしたが、今も色褪せない、レアでPOPなカラーです。

スズキのバイクカラーは戦いの歴史が詰まっている

スズキは他のメーカーに比べて特別なグラフィックが少なく、その後の復活もそれほど多くありません。

しかし特徴的なカラーのスズキのバイクにはレースで戦い抜いた様々な歴史が詰まっており、「単にかっこいいから」という理由ではなく、記念すべきモデルだからこそ出したという熱い想いを感じ取ることができます。

後にも先にもオンリーワンのカラーが多いメーカーなので、これには乗っておきたい!というモデルが見つかったらぜひバイク王の中古在庫情報もチェックしてみてください!

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