バイクのタイプはネイキッド、フルカウル、アメリカンを始め、様々なタイプがあります。

今回紹介するのはバイクの中でも少し変わった立ち位置にいるスクランブラー。
基本はオンロードベースですが、時にはオフロードも走れるというハイブリッドなバイクタイプです。

そんなスクランブラーはどうして生まれたのか、どういうものをスクランブラーと呼ぶのか、今から乗れるスクランブラーの人気車種紹介など様々解説していきます!

スクランブラーとはどんなバイク?


スクランブラーが生まれたのはオフロードバイクというオフロード専門のバイクタイプがまだ無かった時代まで遡ります。

当時のバイクはオンロードのバイクしか無く、どうにかオンロードバイクでオフロードを走れないかとカスタムされたのがスクランブラーの始まりとされています。

その後オフロードを走る専門のオフロードバイクというバイクタイプが生まれ、スクランブラーは徐々に姿を消していきますが、近年のレトロブームもあって復活して今となっては様々なバイクメーカーから純正でスクランブラータイプのバイクが発売されています。

スクランブラー最大の特徴はタイヤとアップマフラーというのが一般的でしょう。

タイヤはブロックタイヤ、もしくはブロックパターンのタイヤを装着していること。

また、オフロード走行に必要な最低地上高がしっかり確保されており、マフラーが通常のダウンマフラーではなく、エキパイが車体サイドを通ってリアの高い位置にマウントされるアップマフラーを装着していること。

他にも幅広ハンドルや前後タイヤのインチサイズなども挙げられますが、各メーカーごとに多少特徴は違っており、中にはアップマフラーを採用していないスクランブラーもラインナップされています。

ここからは今からでも現実的に乗れる中古・新車を含めたスクランブラーの車種を紹介していきます!

人気のスクランブラー原付バイク

ホンダ ベンリィCL50

50cc原付にもスクランブラーは存在しており原付免許・普通自動車免許で乗る事ができます。
ベンリィCL50は1968年に発売されたバイクですが、その後1997年に復活して合計2度ラインナップされたバイクです。

エンジンはスーパーカブでお馴染みの横型エンジンで、アップマフラーが装着されています。
最低地上高もしっかり確保されていて、オンロードでの移動やショートツーリングだけでなく、そのままオフロードも行ける原付スクランブラーとして今なお愛されているバイクです。

ホンダ CT125 ハンターカブ

CT125 ハンターカブは小型自動二輪免許、AT限定免許でも乗ることができるスクランブラーです。
元々はCT110ハンターカブとして1981年に発売されましたが、これを元に2020年に復活したのがCT125 ハンターカブ。

2025年現在でも新車で発売されている現行車種で、スーパーカブの軽快感はそのままに、オンロードだけでなく未舗装路の走行も想定して純正でブロックパターンのタイヤを装着し、アップマフラーが採用されています。

決してオフロード専用マシンというわけではなく、日常使いもしっかりできるので、気軽にスクランブラースタイルを楽しみたい方におすすめです。

人気のスクランブラー250ccバイク

ホンダ CL250

CL250という名前のバイクは過去にもラインナップされていましたが、ここで紹介したいのは現行モデルとして販売されているMC57型のCL250。

レブル250と同系統のエンジンや車体設計となっていますが、CL250はブロックパターンのタイヤにアップマフラーを純正で装着したスクランブラースタイルの250ccとなっています。

搭載されている水冷単気筒エンジンはツーリングからオフロード走行まで幅広く対応。
純正オプションパーツとして、よりスクランブラースタイルに仕上がる外装キットや、社外からも専用のオフロード系パーツがラインナップされているのも魅力的なポイント。

スクランブラースタイルに憧れて初めての1台を探している初心者ライダーの方には特におすすめしたいバイクです。

ヤマハ ブロンコ

ブロンコは1997年に発売されたレトロ・クラシックスタイルのスクランブラー。
発売されてから年数が経っていますが、未だに根強いファンを多く持つバイクです。

ベースはオフロードバイクのセロー225となっており、本格的なオフロード走行も可能なスペックとなっています。
他車のスクランブラーはオンロード車をベースにスクランブラーを作っているモデルが多いのに対し、ブロンコは元々がオフロードのバイクをベースに市街地やツーリングでも楽しめるバイクに仕上げているため、オフロード走行性能のクオリティは一級品。

生産終了から年数が経過しているものの今なお人気が高いモデルなので、程度の良い個体を見つけるのは難しく、探すのであれば焦らず時間をかけてゆっくりと自分の理想のブロンコと巡り会えるように、こまめに中古バイク情報をチェックするのがおすすめです。

スズキ バンバン200

バンバン200はスクランブラーというよりストリートバイクの要素が強いですが、極太ブロックパターンのリアタイヤやアップマフラーなど、スクランブラーとしての特徴もしっかり捉えたバイクです。
搭載された空冷単気筒エンジンはオンでもオフでも幅広く楽しませてくれます。

元々は2002年に発売されたバイクで、その後小変更されながら2017年まで発売され続けたロングセラーモデル。
発売期間が長いだけあって2025年時点でも現実的に中古購入が可能となっています。

250ccクラスのネイキッドバイクの中でも比較的安価に乗ることができるので、このスタイルが気に入った方はぜひ好みのバンバンを探してみてください。

人気のスクランブラー400ccバイク

トライアンフ スクランブラー400X


トライアンフはこれまで基本大型モデルしかラインナップしていませんでしたが、スクランブラー400Xの登場によって普通自動二輪免許クラスでも運転できるモデルができました。

スクランブラーらしい装備としてナックルガードやヘッドライトガードが純正で装着されており、ハンドルもオフロード走行を考慮した幅広タイプ。
アップマフラーではありませんがしっかり最低地上高を確保しており、マフラーが下で当たらないようにサイドに逃されているなど、一見ネイキッドですがよく見るとしっかりスクランブラーらしいスタイルのバイクです。

水冷単気筒エンジンは国産車にはない味を持っていて、外車デビュー1発目のバイクとしてもおすすめできます。
「スクランブラーというおしゃれなバイクの使い方をするなら外車でしょ!」という方や、400ccクラス1台で様々なことにチャレンジしたい方におすすめです。

ハスクバーナ スヴァルトピレン401

こちらも外車メーカーハスクバーナから発売されているスクランブラーモデルのスヴァルトピレン401。
普通自動二輪免許で乗ることができ、オンロードからオフロードまでパワフルな走りを楽しむことができます。

ベースとなっているのはKTMの390DUKEとなっており、スヴァルトピレン401ではスクランブラーとしてブロックパターンのタイヤ、幅広アップハンドルなど、様々なオフロード装備が備わっています。

とにかくスタイルが他では見ない独特で洗練されたデザインとなっているので、他の人と被らないバイクや現代的なスクランブラーが欲しいという方におすすめです。

DUCATI スクランブラーsixty2

こちらはDUCATIから発売されている400ccクラスのスクランブラーsixty2。
大型クラスにもラインナップされている同社のスクランブラーシリーズの400ccクラスバージョンとなっています。

搭載されているのはDUCATI恒例の空冷Lツインエンジン。
パラツインでもVツインでもないレイアウトなので、独特なサウンドと低速の粘り強さが特徴的です。

スクランブラーとしてはブロックパターンのタイヤとアップハンドルなど、他社のスクランブラーに比べてそれらしい装備は少ない印象がありますが、それでもこの流れるような滑らかさがあり、かつクラシックな雰囲気はドゥカティ・スクランブラーならではのもの。

外車は高いというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、中古では案外お手頃価格で乗り始められることもあるので外車でスクランブラーを楽しみたいという初心者の方にもおすすめです。

人気のスクランブラー大型バイク

ヤマハ SCR950


一見アメリカンのようなどっしりとしたスタイルに見えますが、実はスクランブラースタイルとして仕上がっているのがSCR950。
同社のアメリカンバイクであるBOLTがベースとなっているため、フォルムはアメリカンですが、よく見るとスクランブラーらしいスタイルに仕上がっています。

SCR950のモチーフになっているのは1960年代のオフロード専用マシンがまだ無く、オンロードマシンをベースにオフロードカスタムマシンを作り上げていた時代のスクランブラー。
そのためアメリカンがベースですが、ブロックパターンのタイヤやゼッケン風のサイドカバーなど、オールドスクールなスクランブラースタイルとなっています。

大型アメリカンモデルでスクランブラーというのは珍しく、国産メーカーでは唯一と言ってもいい存在のスタイルなので、このスタイルがしびれた方はぜひ一度実車に跨ってみてください。

BMW RnineT スクランブラー


BMWにはアドベンチャーバイクの王様的存在のGSシリーズがありますが、水平対向ボクサーツインエンジンでオフロードを楽しむならRnineT スクランブラーも外せません。

同社のクラシックネイキッドモデルRnineTをベースに、メーカーが公式でスクランブラーカスタムを施したのがRnineT スクランブラー。
幅広アップハンドルにアップマウントのマフラーを装着し、RnineTのイメージはそのままに、不整地を走って探検するスクランブラーとしても活躍してくれます。
オフロード専用車が生まれる前のスタイルのスクランブラーなので、新しいバイクでもクラシックな雰囲気を感じさせてくれるのも特徴の一つ。
BMWらしいボクサーサウンドをオフロードの上でも楽しみましょう!

Triumph スクランブラー900

スクランブラー900は水冷並列2気筒エンジンを搭載しており、スクランブラーらしい装備としてサイド出しのアップマフラーとエンジンの下部を保護する大型のアンダーガード、ブロックパターンのタイヤなど、イメージするスクランブラースタイルそのままに表現されています。

やはり昔からスクランブラーを作ってきただけあってクオリティは抜群!
独特なスタイルではありませんが、実車を見るとトライアンフにしかできない、本場のスクランブラーとしての心意気を感じさせてくれるバイクです。

Triumph ストリートスクランブラー


ストリートスクランブラーは後にスクランブラー900へと繋がっていく前身モデル。
ストリートスクランブラー登場の1年前にトライアンフは空冷エンジンから水冷エンジンへと置き換わりました。

基本装備はスクランブラー900と同様となっており、スクランブラーらしい雰囲気はこのモデルでも十分感じる事ができます。

他社のスクランブラーは最低地上高確保のためシート高が高い傾向にありますが、ストリートスクランブラー、スクランブラー900も同様にシート高が790mmに設定されており、足つきが良いという点もこのバイクを選びやすいポイント。

中古バイク市場でもある程度の流通台数があるモデルなので、トライアンフスクランブラーシリーズの集大成に乗るなら今かもしれません。

DUCATI スクランブラーアイコン

2014年に登場したDUCATIスクランブラーシリーズのスタンダードモデルといっても過言ではないのがスクランブラーアイコン。
DUCATIの一部ではありますが、独立したブランドとして確率されているドゥカティスクランブラーはライフスタイルの提案も含めてその後様々なバリエーションを展開しました。

搭載された空冷Lツインデスモドロミックエンジンはドゥカティらしいサウンドを奏で、扱いやすさと安定性に優れたフィーリング。
それはオンロードだけでなく、オフロードでも良さを感じさせてくれます。

ツーリングしている最中に見つけたオフロードスポットへ気軽に入っていけるラフさと、外車らしい洗練されたデザインは唯一無二のもの。
初めての大型バイクとしても親しみやすいバイクだと思います。

DUCATI スクランブラーナイトシフト

ナイトシフトはスクランブラーらしい力強さを残しつつ、「夜」にフォーカスしたスタイルに仕上げることで、より自由な雰囲気となったモデル。
2021年から追加されたモデルで、幅広のフラットバーハンドル、バーエンドミラー、ショートフェンダーなど、スクランブラーが持つオフロードライクな雰囲気を都会の夜に落とし込んだカスタムモデルです。

アイコンを買ってカスタムしたいのなら、最初からカスタムされたナイトシフトもおすすめしたいモデルです。

DUCATI スクランブラーデザートスレッド

ドゥカティスクランブラーシリーズの中で最もオフロードバイクに近いスタイルなのがデザートスレッド。
車高が高めに設定され、サスペンションも前後ともストロークの長いタイプとなっています。

フロントホイールは19インチとなり、アイコンに比べてより本格的なブロックパターンのタイヤを装着しているのもデザートスレッドの特徴。

オフロードバイクに乗ったことがないという方は選びづらいかもしれませんが、ある程度排気量の大きいオフロードバイクに慣れている方には最高のスクランブラーになると思います。

スクランブラーで自由なライディングを楽しもう

スクランブラーはバイクの中で最も自由度が高いバイクジャンルと言っても過言ではありません。
オフロードだけで言えばオフロードバイクが当然一番ですが、スクランブラーはオフロードだけでなくオンロードでの性能や快適性も追求されているため、走る場所を選ばずに様々なライディングを楽しむ事ができます。

これからもっと伸びていく可能性を秘めたバイクジャンルなので、いつかオフロードを走ってみたいと思っている方は、スクランブラーから始めてみるのも良いかもしれません。

それぞれの排気量クラスで注目のスクランブラーモデルがあるので、気になった方はぜひ実車を見てみてください!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

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