バイク王絶版車館とは?

「バイクのことならバイク王~」のフレーズの通り、バイク王はもはや買い取りだけではなく販売やバイクライフ全般についても多角的にサポートしてくれる会社となった。
とはいえ、「絶版車」となるとバイクの中でもなかなかハードルが高いイメージもあるだろう。
しかしバイク王はそんな絶版車に向き合い、茨城県つくばみらい市に絶版車専門店の「つくば絶版車館」をオープンさせ、恐れることなくこの魅力的な世界を楽しんでもらおうと取り組んでくれているのだ!
 

絶版車の難しさ

一般的な中古車と、絶版車と呼ばれる車種の境目はなかなか難しい。
旧いバイクで絶対数が減り、入手が困難にもかかわらずその車種を欲しがる人が多く、価格も相応に高くなるといわゆる絶版車ステータスを得ると言えるだろう。
70年代、80年代の車両にこういったものが多く、中には価格が高騰しているものもあるし、それにもかかわらず活発に流通している車種は「王道絶版車」などと呼ばれることがあるようだ。

一方でこういった絶版車市場とは別に、単に旧くなってくると各部のヤレが進み、それにもかかわらずパーツの入手が思うようにできなくなり、維持が難しくなってくるのはどの車種も同じ。
このような車両を安心して販売するには相応の手間やコストをかけなければならないため、結果として販売価格も上昇し、徐々に絶版車的な扱われ方になっていくのが現状だろう。

 

中古車と絶版車の境目は15年?

その境目はおおよそ販売から15年だ、と筆者は感じている。
15年ぐらいならばそんなに重整備を必要とせず、簡単な消耗品交換で中古車として販売することがしやすいのではないだろうか。
一方で15年を過ぎると、ステムベアリングやピボットベアリング、ホイールベアリングといった部品の交換が必要になったり、インシュレーターといったゴム部品が硬化・ひび割れを起こしたり、前後のサスペンションがオーバーホール時期となっていたり、と、もう一歩踏み込んだ整備が必要になってくる頃合いに思うのだ。

よってあまり難しいことを考えずに乗れる「中古車」と捉えられるのは15年落ち車両まで、逆に15年を過ぎると手間をかけなければならない部分が増え、相応に販売価格も上昇し、維持管理にも気を付けてあげたい「絶版車」として、ちょっと特殊な付き合い方が必要になってくると言えるだろう。

この時にそこまでの手間やコストをかけてでも走り続けさせてあげたい!と思ってくれる市場があれば、その車両は絶版車として生きながらえ、そこまでの手間やコストをかけてもそれを求める市場がなければ……忘れ去られていく車種となっていく、という分かれ道に思う。

「絶版車」と言えば、CBやZ、マッハといった印象もあるかもしれないし、絶版車系ショップがこういった王道の車種をメインで扱ってきてくれたおかげでこれだけ現存しているというのもある。

しかしバイク王つくば絶版車館ではこれら王道系に加え、もっと幅広く様々な絶版車(≒15年以上過ぎている、ある程度人気・ニーズのある中古車)を扱ってくれているおかげで、「絶版車」の意味合いをグイッと広げてくれた。
一部の人のコアな趣味、というイメージもあった絶版車を、もっと多くの人が楽しめるバイク趣味の一つとして提案してくれているのだ。

 

誰でも楽しめるワイドレンジラインナップ

つくば絶版車館在庫ラインナップの一部

スチールのフェンダーや主張する空冷エンジン、いかにも鉄でできています!感を醸し出す70年代王道絶版車こそがいわゆる「絶版車」と言われた時のイメージかと思うが、バイク王つくば絶版車館に入ると最初に目に入るのは大量のNSR250Rだ。
NSRも今や絶版車として相当なステータスを得た車種であるが、しかし入店してすぐ、最初に見せる車種がNSRという所にこれまでの絶版車ショップとは違うアプローチが見える。
「絶版車イコールおじさんの懐古的趣味」的なイメージが一部にはあるかと思うが、NSRやTZRがメイン商品として展示されていると、今40代のユーザーにもしっかりと刺さってくるだろう。

店内を見回すと、さらに90~00年代の大排気量スポーツや同年代の400cc~リッターオーバーのネイキッド群、NinjaやKATANAといった80年代車両、ビラーゴやエリミネーター、Vツインマグナといった小排気量クルーザー、ホーネットやジェイドといった250cc4気筒たち、NチビやTZRといった50ccクラスのレプリカやKSRなど元気な2スト、SRやGBなどのシングル、そしてもちろん王道のCBやZも相当数をラインナップしている。
加えてCXターボやMVX250Fといったレア車も展示しているのだ。

このラインナップを見ると、前述したように本当にバイク王つくば絶版車館は「絶版車」という言葉・カテゴリーを次のレベルに持って行ってくれたな、と感じるのだ。
というのは、40代前半の筆者はもう20年近く絶版車に関わっているにもかかわらず、いわゆる70~80年代はリアルタイムではなかったため、コアな話になればなるほど、例え知識や情熱があってもどこかに疎外感のようなものがあったのだ。
しかしNSRやXJR400、もしくはテンプター、CBR1100XXブラックバードといった車種ならばしっかりとリアルタイム。それこそ情熱をもって観て、話して、盛り上がれるわけだ。

バイク王つくば絶版車館ではワイドレンジな年式の絶版車が揃っているため、お客様の年代に関わらずそれぞれが盛り上がれる車種が必ずあるはず。
ここならば親子で来ても、もしくは兄弟や先輩・後輩と来ても、それぞれがリアルタイムに感じていた車種に必ず出会えるだろう。よっぽどのバイクビギナーでない限り、年齢にかかわらず誰でも疎外感を感じずに目いっぱい楽しめるわけだ。

 

全ての絶版車はこれから徹底整備


絶版車に慣れ親しんだ人ならば、その車種・車両が旧ければ旧いほどに徹底整備が必要になることは良く良く理解しているだろうが、このつくば絶版車館に来るお客様はまだ絶版車というバイクの楽しみ方の入り口に立ったばかりという人も多いはず。
「絶版車って……安心して乗れるのかな?」といった疑問もあるだろう。
事実つくば絶版車館に展示されている販売車両はどれも販売が決まってから整備が始まるため、現状ではエンジンがかからない車両がほとんど。
一般的な中古車を購入する際、「とりあえずエンジンはかけてみて、嫌な音やオイル漏れがないかを確認する」といった指南書みたいなものもあるが、そもそもそれができないのだ。
だからこそ絶版車ショップは技術と信頼が大切なわけなのだが、特に絶版車初心者にとっては不安もあることだろう。

つくば絶版車館の一階の奥には広大な整備スペースがあり、そこには敏腕メカニック8名がフル回転でこれら絶版車の整備をしている。

以前にお邪魔したことがあったが「今、このバイク納車整備中なんです」と指さした先に……バイクはなかったのだ。
「え、え?」と返すと、「いや、コレ」と示したのはエンジンまで完全にバラバラのパーツ群。もはや車両のカタチはしておらず、本当にフルレストアのレベルで「バッラバラ!」だったのだ。

「一度ウチでこうして整備したものならば安心ですが、絶版車は何があるかわかりませんし、長い年月の間どんな整備履歴があるかもわかりません。なのでこうしてフルレストアに近い徹底整備をして、お客様もこちら側も安心できる状態で納車しているんです」
という話を聞けた。

つくば絶版車館に並ぶ絶版車は近年高騰している絶版車市場と照らしても「お買い得」の部類には入らない値札が下がっているわけだが、こうした、本当に「徹底した」納車整備を見れば、手に入らない絶版車が・ほぼフルレストア状態で納車される、ことを思えばむしろお買い得感すらある。
もう一つ大切なのは、年間10万台以上の圧倒的な買い取り実績を持つバイク王だからこそ、この絶版車館に並ぶのはその中からも厳選された、超エリート車両であること。分母が大きいからこそ、これだけタイムスリップしたような車両がここに並んでいるのだ。

 

アフターサービスの安心

絶版車の不安事と言えば、走り始めた時は好調でも、何かがあった時にどうしよう……というものだろう。
旧い乗り物に共通することだが、思わぬトラブルや故障、そしてそれを修理するためのパーツ入手の難しさなどが安易に想像できる。

つくば絶版車館はそういったアフターはどうしているかというと……
まずは納車時の徹底整備内容が車両ごとにカルテに保存され、それが全国のバイク王店舗と共有されているため、もしもの時には過去にどのような整備がされてきたかを把握でき、よってトラブルシューティングがしやすいことがある。

加えて、例えば純正ではない部品を使ってのアップグレードやトラブル対処をした場合なども全てこのカルテに書き込まれていくため、履歴がはっきりしているからこその安心感があるのだ。

また旧い車両ほどパーツの安定供給は不安な所だが、バイク王は膨大な買い取り台数、取扱台数を持つためその都度パーツやドナー車を用意でき、対処していくことが可能なのだ。

「まずは上質なベース車両を用意できること、そしてあらゆる整備をしっかりと記録すること、さらに迅速なパーツ確保と修理」により多くのお客様に満足いただけているようです。バイク王という大きな看板の元でやっているというのも安心感があるようですね。おかげさまでリピーターさんも多いんですよ」
という話も聞けた。

 

絶版車に実際に乗れる!


旧いバイクに憧れはあっても、高価であることも多くなかなか踏み込めないという人もいるだろう。
もしくは「昔乗ってたけど、今乗ったらガッカリしちゃうかな……」という不安もあるかもしれない。
そんな人にはなんと、バイク王で絶版車の試乗車を用意しているのだ。
ZやCB、マッハといった王道系から、RZなど小排気量も、そして今回はNS400Rという変わり種にも特別に乗らせていただいたが、本当に好調の絶版車を試乗車として用意していることに頭が下がる。ただこの試乗会は不定期開催のためHPを確認のこと。
憧れの絶版車、高価な買い物をする前にどんな乗り物なのか味見をしたい人にピッタリだろう。
貴重な絶版試乗車を用意するのは、いかにバイク王が絶版車に本気かの証明にも思えたのだった。

 

ピックアップ! こんなバイクがあったよ!

今回つくば絶版車館にお邪魔したのは2022年6月の下旬。
YouTube配信の撮影のために行ったのだが、いやはや、膨大な在庫は本当に目の保養だ。
そのYouTube動画の撮影中に「これは!注目!」と思った車両をピックアップしておこう。

■レブル250


なんという綺麗さ! 今、現行車のレブル250が大人気だが、こちらは旧レブル。
パラツインエンジンを搭載したクルーザーで、しかもこれはあらゆるところにゴールドメッキや特殊な塗装がなされた「スペシャル」だ。
メチャクチャレアだし、こんなきれいなレブルスペシャルは見たことがない!
このカテゴリーはやはり人気だそうで、すぐ隣にはやはりとても綺麗なエリミネーター250があった。「このカテゴリーはもう現行ではないので、ビラーゴ250やVツインマグナなども人気です」とのこと。


レブルの中でも「スペシャル」はあらゆる部分にゴールドメッキがちりばめられた仕様。それがくすんだりサビたりせずに綺麗に残ってるのが信じられない!

■インパルス

これは珍しい! 水冷インパルスは前期型と後期型があるが、前期型にあったヨシムラカラーではなく、これは後期型の、しかも空冷FSインパルスカラー。
そもそも作られた台数も少ないはずだから現存数は極小のハズ、かつこの綺麗さはあり得ない。筆者のようなアラフォー世代にはたまらない一台。
他にもこのカテゴリーで人気のゼファーやXJR、そしてレアになってきた初期型スーパーフォアなども在庫する。


インパルスは初期の空冷FSインパルス、そして東京タワーと言われたハーフカウル(?)がついたインパルス、そしてカタナ400と同じエンジンのこのインパルスと実はかなり色々ある。
このカラーリングはFSインパルスのオマージュ!

■MVX250F

NSRシリーズが年式問わずに人気絶版車ステータスを得ているが、他にもRZ系やRZR系なども人気。加えて現役時代には不人気車種だったと言わざるを得ないMVXのような珍しい車両も複数台ラインナップしているバイク王。こんなコンディションの車両を見つけてくる買い取り能力に驚く。
MVXは2ストロークV型3気筒という独特なエンジン構成のため、ある意味NSRなどよりもメカニズム的には希少性が高い。


V型3気筒の、しかも2ストというエンジン形式のレア度はそうとうなもの! 今絶版車の王道を行く空冷4気筒よりも、メカニズム的にはある意味よっぽど貴重な機種だろう。青春の一台、のべ3台所有しましたね。

■TDR80

KSRの50や80も在庫していたが、レア度で言えばこのTDR80だろう。まだモタードという言葉がなかった当時、「スーパーバイカーズ」というカテゴリーが盛り上がりこのミニサイズでモタード的なレースが行われたりした。
オンロード向けのミニバイクレーサーたちも魅力的(Nチビの在庫も豊富!)だが、こういった一風変わった、元気な2スト原付二種モデルも今乗ったら楽しめることだろう。他にモンキー・ゴリラ系なども充実していた。


TDRの国内ランナップはパラツインの250、DT系水冷シングルの80/50があった。
80/50は小さいながらも立派なハーフカウルを備え、前後ディスクブレーキなどかなり本格派! ……これも50を持ってて、かなり楽しんだ思い出アリ。

■Z1000J


絶版車の王様と言えばZだろう。Z1・Z2共にかなり価格も上昇し、高根の花となってしまった人もいるかもしれない。
しかしZらしさを持ちつつもZ1・Z2と比較するとまだ価格が落ち着いていて、かつ快適で速いバイクと言えばZ1000J。

特にこのタンクの丸いアメリカ仕様はポジションもリラックスしたもので、ツーリングも楽チン。
私的には一番お薦めのZである。この他Z1やマーク2、Z1-R、FXといった人気Zから、Z1000LTDなども含め様々なZが多数ラインナップされていた。


Z1系に比べると大柄に見えるためちょっと構えてしまうが、実はZ1よりも軽くて速くて振動が少なくて快適。負圧キャブでアクセルも軽いしブレーキも効くし……私的ベストZ!

まとめ

旧車入門はまずバイク屋探しから、と言いますがそこまでサポートしてくれるのがバイク王 つくば絶版車館。

憧れの車種や気になる絶版車があるライダーは絶対目を輝かせてしまうラインナップなので、まずは博物館に行く気分で見てみてください!

バイク王つくば絶版車館 店舗情報

営業時間:10:00~19:00
定休日:木曜日
住所:〒300-2445 茨城県つくばみらい市小絹120

 

こちらの記事もよく読まれています

筆者プロフィール

ノア セレン

絶版車雑誌最大手「ミスターバイクBG」誌編集部員を経たフリーランスジャーナリスト/ライター。
現在も同誌で毎月絶版車を試乗し、走りの印象や取り巻く環境を発信している。
バイク王つくば絶版車館にはプライベートでも目の保養にちょくちょく訪れる。