ツーリングはバイクを楽しむ醍醐味。
人にもよりますが、日帰りツーリングの場合200kmや300km程走ることも多く、泊まりのツーリングとなると500km以上を走ることもあります。

長距離を走るのであれば400ccや大型クラスのほうがパワーがあり快適性も高いのですが、用途に合ったバイクの選び方をすれば250ccクラスのバイクでも長距離ツーリングを楽しむことができます。

今回は長距離ツーリングを楽しむことができるおすすめのモデルに注目して250ccのバイク10選を紹介します!

250ccバイクの長距離ツーリングで重要なポイント

ライディングポジション

長距離走行する際にライディングポジションは重要です。
ライディングポジションはバイクタイプによって変わりますが、ポジションのきついバイクで長時間走行すると疲労感の蓄積や腰痛に繋がります。

アップライトなポジションのほうが長距離ツーリングは楽になる傾向が高いため、選ぶ際は目当てのバイクのライディングポジションが前傾すぎないか確認し、可能なら実際に跨ってみて長時間ライディングポジションをとってもきつくないか試しておきましょう。

防風性能

バイクは生身で走るため前方から走行風を受けますが、長時間走行風に当たり続けると体温を奪われたり、疲労の蓄積にも繋がります。
走行風によって服がバタついて体が引っ張られることで力が入ってしまい、余計に疲れてしまうということも。

長距離ツーリングでは防風性能の高さも重要になってくるポイントです。
フルカウルは走行風は軽減できますが前傾姿勢のバイクが多いため、比較的前傾が穏やかなモデルを選んだり、ある程度走行風を逃がしてくれるハーフカウルのバイクを選ぶのがオススメです。
走行風を直接体にあたらないようにして逃がすウィンドスクリーンというパーツも快適性を高めてくれます。

積載性能

バイクは車と異なり積載スペースがほとんどない乗り物です。
特に泊まりの長距離ツーリングでは宿泊の荷物も必要となるため、積載性能も重要です。
リュックなどを背負って走る方法もありますが、1日走り続けると背負っているのがかなり大きな負担となってくるため、バイク側に積載することで負担を減らすことが快適性向上のポイント。

バイク側に積載ができれば長距離ツーリング時以外でも雨具や工具なども積むことができるため、日常使い面でも安心です。

ジャンルである程度特性が分かれる

これまで紹介してきたライディングポジション・防風性能・積載性能の3点はバイクのジャンルによって大きな差が出るポイントです。
パーツを取り付けることである程度快適性を高める事ができますが、それぞれの車種ごとにある程度ベースは決まっているため、カスタムで大きく覆すことは難しいというのが現実でしょう。

そのため自分にとって何が重要か、どんなバイクライフを楽しみたいかをある程度明確にしたうえでバイク選びを行うと失敗しにくいでしょう。

250ccで高速道路を使い続けるのは疲れる

これは250ccという排気量の特性として理解しておいた方が良いことです。

250ccクラスのバイクは高速道路を走行することができますが、一般道と異なり高回転域を多用することで振動が多くなり、疲労感が蓄積して疲れやすくなります。
特に単気筒エンジンの250ccのバイクは100km/h巡航でも高回転域までエンジンが回るため、振動がより強く出る傾向にあります。

基本的に楽に長距離ツーリングがしたいなら排気量は大きければ大きいほど快適性は高まる傾向にあります。
そのため、250ccクラスは排気量の大きなバイクと比較して、高速道路を使い続ける長距離ツーリングの快適性は低いということは認識しておきましょう。

ですが、250ccクラスのバイクは軽量で扱いやすく、初心者でも比較的簡単に扱うことができるモデルが多いのは確かですし、法定速度内でエンジンを回して走れるのも250ccクラスの特権です。

これは400ccや大型クラスのバイクでは中々味わうことのできない感覚ですので、まずは250ccを楽しんでみて、より快適性が欲しいと思ったら上の排気量クラスへステップアップするのも一つの手段です。

高速道路を長時間走行する場合はこまめに休憩をとるようにしたり、一般道も混ぜたルートにするなど工夫するのがオススメです。

疲労が蓄積すると判断ミスにつながり事故を起こす可能性も高まります。決して無理はせずに余裕とゆとりを持った運転を心がけるようにしましょう。

長距離ツーリングが楽な250ccネイキッドバイク

ここからは前述のポイントを踏まえた上でジャンル別におすすめの250ccを紹介していきます!

ネイキッドのバイクはカウルがほぼ無く、フレームやエンジンがむき出しになっているバイクタイプ。
ライディングポジションも程よく楽で、癖が少なく扱いやすいモデルが多い傾向にあります。

積載スペースの確保や増設も他に比べてやりやすく、バイクの中で一番スタンダードなので万人におすすめできるのがネイキッドタイプの魅力です。

ロングツーリングでは防風性能も重視すべきポイント。
ビキニカウルやハーフカウル付きのモデルは防風性能が高いためオススメです。

ホンダ VTR250

HONDAの250ccバイクの中でも人気が高いVTR250。
水冷V型2気筒エンジンを搭載しており、一般ライダーだけでなくバイク便ライダーからも愛されたロングセラーモデルです。

VTR250のV型2気筒エンジンは低回転からパンチ力があり、100km/h前後の高速走行時も高回転まで回りすぎず、多少の余裕を感じさせてくれます。

ビキニカウルを取り付けて防風性能を上げ、トップケースを装着して積載力を上げるなどカスタムしていくことで長距離ツーリングも楽に行うことができます。

純正からハーフカウルが装着されているVTR250Fもラインナップされています。

バイク初心者が初めてのバイクとして乗るなら2009年以降のフューエルインジェクション採用モデルがおすすめです。

スズキ GSR250

SUZUKIの現代的なネイキッドとして人気なのがGSR250。
水冷並列2気筒エンジンを搭載しており、他社のスポーツ志向のエンジンと比べるとパンチに欠けますが、走行時の安定感という意味では光るものがあります。

ラインナップは全てフューエルインジェクションを採用しており、エンジンも低中速域で扱いやすい特性なので、初心者の方でも安心して乗れるバイクです。
エンジンからの振動が比較的少ないため、長距離ツーリング時も重宝することでしょう。

同年代の他社250ccネイキッドと比べて車体本体価格が安い傾向にあり、車体本体価格を抑えてカスタムに費用を回すという乗り方も現実的。
ハーフカウルを装着したGSR250S、フルカウルのGSR250Fもラインナップされています。

ネイキッドに近いGSR250やGSR250Sであればシンプルにトップケースを付けて積載性を上げ、フルカウルのGSR250Fであればパニアケースを取り付けてツアラー風にカスタムしていくのもおすすめです。

長距離ツーリングが楽な250ccアドベンチャーバイク

アドベンチャーバイクは長距離ツーリングに特化したバイクカテゴリーで、250ccクラスで長距離ツーリングの快適性を求めるのであればアドベンチャーを選ぶと失敗が少ないと言えるでしょう。

ライディングポジションは直立に近く、カウルやスクリーン付きのため防風性能にも優れています。

純正でパニアケースが付いているモデルや、タンク容量が大きく長距離でも給油回数が少ないというツーリング特性が強い反面、オフ走行も考慮されているアドベンチャーの特性上足つきが悪いモデルもあるため注意が必要です。

ノーマル状態で既にツーリングに適しているモデルが多くありますが、収納を追加して積載性を向上させ、スクリーンやロングシールドなどで防風性能を高めればツーリングが更に楽に楽しめます。

中古で選ぶ場合もアドベンチャーの特性上ツーリング性能を高めてくれるカスタムを施された個体も多く流通しているため、中古の在庫もチェックしてみてください。
新車で購入してオプションパーツを取り付けるよりも総額で見てお得な車体が見つかるかもしれません。

スズキ Vストローム250

250ccクラスのアドベンチャーモデルで2025年11月現在も新車販売されているバイクです。

ネイキッドで紹介したGSR250と同系統の水冷並列2気筒エンジンを搭載しており、長距離での高速走行でも安定したパワーでサポートしてくれます。

純正でキャリアが装着されている点や、パニアケースなどのオプションパーツ、アフターパーツも充実。
250ccクラスの現在販売されているアドベンチャーモデルの中で最も人気と言っても過言ではないバイクと言えるでしょう。

カワサキ ヴェルシスX250TOURER

カワサキのNinja250に搭載されている高回転型エンジンを搭載したアドベンチャーモデル、ヴェルシスX250。
既に生産終了しており、中古でしか購入できないモデルとなります。

高回転型でスポーツ志向のエンジンを搭載しているため、アドベンチャーモデルではありますが、Vストロームと比較すると運動性能は高い傾向にあります。

長距離ツーリング時も高速巡航やワインディングを楽しむことができ、TOURERはパニアケースやエンジンガードが標準搭載されています。

トップケースを取り付けてフルパニア仕様で積載性を高めるカスタムや、純正オプションのフォグランプを付けて走行時の視認性を高めるなど、250ccクラスと言えど大型アドベンチャーバイク並みのカスタムができるのも魅力の一つです。

長距離ツーリングが楽な250ccフルカウルスポーツバイク

車体全体がカウルで覆われ、防風性能が高いフルカウルスポーツバイク。
新車ラインナップも豊富で、人気の排気量とバイクジャンルの掛け合わせのため中古在庫も豊富で選びやすい傾向にあります。

250ccクラスの場合「高速道路を使用して長距離を楽に速く」という思考はフルカウルスポーツバイクとの相性が良く、防風性能の高さとスポーツエンジンのメリットを活かすことができます。

しかし、防風性能の高さでは長距離ツーリング向けではありますが、セパレートハンドルを採用しているスポーツバイクはほとんどが前傾姿勢になることが多く、ライディングポジションのキツさが目立つモデルも。

ですが、250ccフルカウルスポーツバイクの中でもスポーツ性能に特化しているモデルとツアラー性能に特化しているモデルがあるため、同じジャンルの中でも性格は別れています。

積載性はほぼ無いためシートバックやパニアケースを取り付け、スクリーンをロングスクリーンにして更に防風性を高めるというのがツーリングユースの定番カスタム。

快適性を重視してゲルサブを使用してシートのクッション性を上げたり、ハンドルスペーサーを使ってハンドルの位置を高くしたり、バーハンドルに変更してポジションを楽にしていくカスタムを施すオーナーも少なくありません。

ホンダ CBR250RR

本気の250ccフルカウルスポーツバイクとして人気のCBR250RRは、水冷並列2気筒エンジンを搭載したモデルです。
高回転型のスポーツエンジンとなっており、スロットルワイヤーを介さない電子スロットルのスロットルバイワイヤや、シュチュエーションに合わせてエンジンフィーリングを変更できるライディングモードなど、250ccクラスとは思えないハイテクさを誇ります。

スポーツフィールの高回転型エンジンは加速面でもサウンドでもライダーを昂らせ、長距離ツーリングでも楽に高速巡航を可能とします。

ですが、他の250ccフルカウルスポーツと比較してポジションがかなり前傾。
この点は長距離ツーリングには向かない要素でもあるため、腰痛持ちの方やポジションが気になるという方は実車にまたがっての確認がおすすめです。

トップケースを装着して積載性を向上させたり、延長スクリーンを使用することでツーリングの快適性を高めることができます。

ヤマハ YZF-R25

250ccクラスのスポーツバイクはスポーツ性能に振ってあるか、快適性に振ってあるか様々ありますが、その両面でバランスに優れているのがYZF-R25。

水冷並列2気筒エンジンを搭載しており、低速域から高速巡航まで幅広く対応してくれます。
フルカウルではありますが、ライディングポジションがそこまでキツくないというのもポイントの一つ。

年式によってスペックだけでなくデザインも大きく変わるため、中古で検討している場合は好みのスタイルのYZF-R25を探してみてください。

サイドバッグを使用することで比較的見た目を損なわずに積載性能を向上することができるため、フルカウルスポーツの定番ツーリングカスタムとなっています。

スズキ GSX250R

250ccフルカウルの中でコスパに優れているのがGSX250R。
水冷並列2気筒エンジンは低中速域にトルクがあり、ストリートで扱いやすいフィーリングです。
高速巡航時は多少パワー不足を感じる一面もあるかもしれませんが、振動の少なさ、巡航時の安定感があるため多くのライダーに愛されています。

他の水冷2気筒フルカウルと比較して車体本体価格が安い傾向にあり、車体価格を抑えてカスタムパーツで好みのスタイル、長距離ツーリング仕様に仕上げたい、という方にもおすすめです。

スクリーンをロングスクリーンに交換することで走行風の影響を減らし、快適性を向上することができます。

カワサキ Ninja250

フルカウル好きなら一度は名前を耳にしたことがあるであろうNinja250。
仕様変更はありつつも長く愛されているロングセラーモデルで、搭載されている水冷並列2気筒エンジンは高いスポーツ性能を誇ります。
ただNinja250の凄いところはスポーツ性能がありながらも、ツーリングもサポートしてくれるというトータルバランスに優れているということ。

低中速域からしっかりトルクがあって扱いやすく、高速巡航時は伸びのある高回転型のエンジンが安定したフィーリングを発揮してくれます。

見た目は完全なスポーツバイクですが、ハンドルはアップライトでライディングポジションもそこまでキツくないため、街乗りから長距離ツーリングも含めてシュチュエーションを限定せずに楽しめるバイクです。

ロングスクリーンに交換して走行風の影響減らし、トップケースを取り付けて積載性を向上させればロングツーリング時のみならず普段使いでの利便性も向上することでしょう。

長距離ツーリングが楽な250ccアメリカンバイク

車高が低くゆったりとしたライディングポジションで運転できるアメリカンバイクは足つき性に優れたモデルが多く、初心者や女性の方にもおすすめできるバイクタイプです。

アメリカンの特性上、「高速道路を使用して長距離を楽に速く」というよりは「長距離を自分のペースで景色も楽しみながら余裕を持って」というライディングスタイルに向いており、ネイキッドと比較してゆったりとしたポジションも相まって長い距離のツーリングもライダーのペースに合わせてサポートしてくれます。

サドルバックとの相性が良く、見た目を損なわずに積載力を上げられるというのもアメリカンのメリット。
カウルなどは無くネイキッドに近いスタイルですが、ウィンドシールドなどの後付けパーツでカスタムすることで、防風性能や快適性を高めることができます。

ホンダ レブル250

今の時代に馴染む新しいアメリカンとして愛されているレブル250は、2025年11月現在も新車が販売されており、新車・中古車ともに在庫が豊富で選びやすいバイクです。
とにかく足つき性が良く、搭載されている水冷単気筒エンジンは扱いやすいので多くのライダーにおすすめできます。
形はアメリカンですが、ステップ位置からライディングポジションは比較的ネイキッドに近い体勢になります。

長距離ツーリング仕様にするためにはトップケースやサイドバックで積載を増やし、シールドを取り付けて防風性能を高めるのがオススメ。
車体が低くローなスタイルなので、サイドバックとの相性は抜群です。

街では扱いやすい単気筒エンジンですが、高速巡航時などは回転が上がるため長時間の走行をする場合はグリップやバーエンドによる振動対策も効果的と言えるでしょう。

ヤマハ ドラッグスター250

クラシックスタイルのアメリカンバイクとして人気なのがドラッグスター250。
既に生産終了しており中古でしか購入できないモデルです。

現代的なレブルとは対象的にクラシック感が強く、ハーレーのようなザ・アメリカンなスタイルが好みならオススメのバイクです。

レブル250と同じようにシールドとサイドバックを取り付けてカスタムしていくとガラッと雰囲気を変えることもできます。
またレブルと比較してステップが前に出ているため、足を前に出して乗るスタイル。
好みもありますが、長距離ツーリングでも楽なポジションだと言えるでしょう。

エンジンは空冷V型2気筒エンジンが搭載されており、水冷に性能は劣りますが、迫力のあるサウンドと粘り強いフィーリングを楽しむことができ、長距離ツーリング時もサポートしてくれるバイクです。

250ccでも長距離ツーリングはできる!

長距離ツーリングが楽な250ccバイクを10車種紹介しました。
今回紹介したモデルの中に好みの250ccバイクはありましたか?

今回紹介したバイクはほんの一例なので、ぜひ他のバイクにも注目してみてください!

また、長距離ツーリングの快適性向上のポイントとなるのはやはりカスタム。
ライディングポジションがアップライトになるようなカスタムや、防風性能・積載性能を向上させるカスタムを施すことで、さらに長距離ツーリングの快適性が高まる事でしょう。

ですが、バイクのカスタムパーツは意外といい値段がするもので、取り付けにあたっても工賃が発生します。
複数のカスタムを施して理想の状態にするためには多額の費用が発生することでしょう。

ここでポイントとなるのが、中古バイクは前オーナーがカスタムを施した状態で市場に流通している事が多いということ。
ノーマルの個体を購入してカスタムを施すよりも、あらかじめカスタムが施された個体を購入し、自身で最終調整する方が総額で安くなるケースも考えられるのです。

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筆者プロフィール

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