最近、ミドルクラスのバイクが少しずつ存在感を増してきています。
昔から海外、特にアメリカやヨーロッパではミドルクラスが最も実用的で楽しい排気量帯と考えられてきました。

日本では中途半端な排気量と見られていた感もあるミドルクラスですが、ちょうど良いサイズ感やパワーである事が知られてきて、各メーカーから様々なマシンがラインナップされるようになり人気が上昇中。
今回はそんなミドルクラスについて解説していきたいと思います。

バイクのミドルクラスとは?

法律や免許区分ではミドルクラスという区分は存在しません。
一般的にミドルクラスのバイクとは大型クラスの500cc~900ccくらいの排気量帯のバイクのことを指します。

日本でミドルクラスというと、以前は250ccから400ccクラスをイメージする方が多かったかもしれませんが、欧米ではこれくらいの排気量を以前からミドルクラスと呼んでいたのです。

ミドルクラスは扱いやすい車体サイズで、スポーツライディングにも不足ないパワーがあり、コスパに優れるカテゴリーとして、特にヨーロッパ各国では人気の激戦区。
各メーカーが力を入れたことから魅力的なバイクがたくさん登場しました。
これらのバイクの評価が高かったことから日本でもミドルクラスが人気になってきたのです。

ミドルクラスの特徴

ミドルクラスは重すぎずちょうどよいサイズであるため扱いやすく、バイク初心者やリターンライダーにもオススメの排気量帯です。
400ccよりもパワーに余裕があり、物足りなさを感じることもほとんどありません。
海外で競争が激しいことから、コストパフォーマンスに優れたモデルも多くラインナップされています。

ここからはそんなミドルクラスに関して、バイク初心者向けに2026年時点で新車が購入可能な現行モデルを中心に具体的な説明をしていくことにします。

ミドルクラスのネイキッドバイク人気モデル

ミドルクラスのネイキッドはバリエーションが豊富。
パフォーマンスを追求したものからテイストを重視したものまでラインナップされています。

カワサキ Z900RS

70年代に世界を席巻したカワサキのZ1をイメージしたデザインと走行フィーリングを感じさせながら、装備と走りは最新というのがZ900RSの魅力。
ミドルクラスのバイクの中でもトップクラスの人気を誇っています。

Z900RS SEはハイグレードバージョン。
フロントのブレーキキャリパーとディスクがブレンボになり、ブレーキホースはメッシュタイプ。
リアショックにはオーリンズが採用されています。

スズキ SV650

コスパに優れて高性能なバイクがSV650。
バイクに強いこだわりを持つ人が多いヨーロッパでも評価が高く、長い間人気のバイクとなっています。
Vツイン650ccエンジンは低中速から十分なパワーを発揮し、高回転では気持ちよく伸びていくフィーリング。
乗ってみれば、すべてが「ちょうどいい」と感じるはず。

その乗りやすさから初心者にオススメのマシンですが、スポーティーな走りも得意でベテランからも高く評価されています。

ホンダ CB650R

並列4気筒エンジンを搭載したミドルクラスのスポーツネイキッドとして世界各国で高い人気を誇っているのがCB650Rです。
最高出力は12000rpmで95psを発揮。気持ちの良い吹け上がりと排気音は4気筒エンジンならでは。

ホンダ独自のEクラッチモデルも設定されていて、こちらはクラッチレバーを使わなくても発進、変速、停止が可能。
どんなときでも最適なクラッチワークを自動で行ってくれます。

ライダーの負担を減らすだけでなく、スポーツライディングでも走る楽しさを増大させてくれるシステムです。

ヤマハ MT-07

コスパに優れていて扱いやすく初心者にオススメなマシンがMT-07。
並列2気筒270度クランクエンジンは心地よい鼓動感と気持ちの良い吹け上がりを実現。
スポーツ派のライダーも十分に満足させるパフォーマンスを持っています。

ヤマハ独自の自動変速システムY-AMTモデルもラインナップ。
クラッチやシフト操作不要でツーリングからスポーツライディングまで対応します。

カワサキ W800

クラシカルなデザインとシリンダーが直立しているバーチカルツインエンジンがW800の特徴。
低中速で非常に力強いパワーを発揮し、加速時には心地よい排気音を奏でます。

ハンドリングは安定感が高く、どんなときも安心してライディングできる性格。
町中やツーリングでノンビリ走りたいというライダーたちから人気のバイクです。

ヤマハ XSR900

888cc 3気筒エンジンの力強いフィーリングと迫力ある排気音がXSR900の魅力。
クイックシフターやクルーズコントロールなどの装備も充実。
6軸IMUがマシンの姿勢を感知してコーナーリング中でもトラクションコントロールやABSを制御。
ライダーの操作をサポートします。

XSR900GPは80年代のレーシングシーンを彷彿させるデザインが話題となった派生モデル。
ポジションは前傾がキツめですが、ワインディングが非常に楽しいバイクになっています。

ミドルクラスのアメリカンバイク人気モデル

ミドルクラスではアメリカンタイプのバイクを選ぶこともできます。
人気のハーレースポーツスターに対して、ライバルは違った走りの楽しさを提案しています。

カワサキ バルカンS

個性的で近未来を感じさせるデザインの車体にNinjaシリーズと同じ649cc並列2気筒エンジンを搭載したアメリカンバイクがバルカンSです。
ERGO-FITポジション設定機能により、ライダーの体格や乗り方に合わせたライディングポジションに調整することが可能。

パンチのあるエンジンと軽快なハンドリングで、アメリカンらしからぬスポーティーな走りをすることもできるパフォーマンスクルーザーです。

ヤマハ BOLT Rスペック

ボルトは、ボバースタイルを取り入れたアメリカンバイク。
市街地でも楽しく走れることを考えて設計されていて、空冷の60°Vツインエンジンが心地よいツインの鼓動と排気音を楽しませてくれます。

ボルトRスペックは、ボルトをベースにリザーバタンク付きのリアショック、切削ホイール、バックスキン調のシートを採用したモデルです。

ハーレー XL883N

ハーレーの中でもスポーツスターはスリムで軽快な走りが持ち味。
スポーツスターには色々なモデルがありますが、その中でも人気が高いのがXL883Nです。

同じハーレーのビッグツインのようなパワーはありませんが、素直で乗りやすく低いシート高のおかげで足つきも良好。
美しいスタイルと存在感はライバルの追随を許しません。

非常に高い人気を誇ってきたスポーツスター883シリーズですが、生産終了となったために現在購入できるのは中古車のみ。
生産終了から年数が経つにつれ程度の良い個体も減少傾向にあるため、興味がある場合は早めに検討することをオススメします。

ミドルクラスのスポーツバイク人気モデル

性能と日常での扱いやすさがバランスしている傾向はスポーツバイクでも同じ。
アグレッシブなデザインとは裏腹に長時間の走行でも快適にこなすことができます。

ホンダ CBR650R

今回紹介しているミドルクラススポーツバイクの中で、唯一並列4気筒エンジンを搭載しているのがCBR650Rです。
スムーズなフィーリングと気持ちの良い高回転の伸びは4気筒ならでは。

ルーツは1987年に海外で登場したCBR600Fで、それ以来ツーリング、街乗り、サーキットまでこなせるオールラウンドスポーツとして進化を続けてきました。

ホンダ独自のEクラッチ搭載モデルもラインナップ。
スタート、変速、停止の全てで最適なクラッチ操作を自動的に行います。

カワサキ Ninja650

カワサキは1980年代後半から「ミドルクラスは2気筒がベストバランス」という考えを元にしたスポーツバイクを作り続け、現在のニンジャ650まで進化させてきました。
2気筒エンジンは実用回転域の力があるので、ストリートやツーリングで使いやすい特性。
もちろんスポーティーな走りも得意。
ニンジャシリーズに共通するデザインも魅力です。

ヤマハ YZF-R7

1990年代のYZF-R7は4気筒エンジンを搭載してレースを強く意識したスパルタンなモデルでしたが、2022年から登場したYZF-R7は名前こそ同じものの性格は別物です。

新しくなった現行のYZF-R7はヤマハのスポーツネイキッドMT-07の車体と2気筒エンジンを使ったカウル付きスポーツバイクで、スポーツ性だけでなくストリートでの扱いやすさを重視。
サスペンションの特性やハンドリングも穏やかなので、ビギナーでもコーナーリングの楽しさが感じられるフレンドリーなスポーツバイクになっています。

スズキ GSX-8R

GSX-8Sのフルカウルバージョンとして登場したのがGSX-8Rです。
エンジンは775ccの並列2気筒DOHC4バルブ。
パワーモードセレクターやトラクションコントロール、セルボタンをワンプッシュするだけでエンジンが始動するまでスターターが回転するイージースタートシステム、クラッチレバーを離すと回転が上がってスタートを補助するローRPMアシストなど装備も充実。

ライバル達と比較して排気量が大きめなのでクルージングなどでもパワーに余裕が生まれます。

ミドルクラスのスーパースポーツバイク人気モデル

600ccクラスは世界各地でレースが盛んだったことから競い合って性能が向上し、高性能なスーパースポーツが登場しました。
現在このクラスのスーパースポーツを販売している国内メーカーはホンダとカワサキだけですがパフォーマンスの高さは健在。
ただ、サーキット走行ではマシン以上にライディングスキルが重要となることは認識しておくべきでしょう。

ホンダ CBR600RR

様々なレースで鍛えてきたノウハウが注ぎ込まれたスーパースポーツがCBR600RRです。
テールカウルの下から出ているセンターアップマフラーが個性的な外観を作り出しています。

並列4気筒エンジンは最高出力121psを発揮。
最新の電子制御技術が使われていて、6軸IMUによりコーナーリング中もABSやトラクションコントロールを正確に制御。

リッタークラスのスーパースポーツと比べると車体が軽くてハンドリングが俊敏。
パワーを使い切ることができるところもライディングの楽しさにつながっています。
速さを追求したバイクですが、ストリートも考えたポジションになっているのもポイントです。

カワサキ ZX-6R

1995年に初代モデルが発売されたZX-6Rはレース指向が強いスパルタンなマシンでした。
基本的に海外のスポーツ派ライダーに強く支持されてきましたが、現在販売されているZX-6Rは600ccまでというレースのレギュレーションを捨て、ストリートでの楽しさを追求して排気量が636ccに拡大されています。

最高出力ではライバルのCBR600RRとほとんど互角なのですが、排気量の違いにより、加速力に影響するトルクがCBR600RRの63Nmに対して69Nmと大きく、しかも低回転から力強いのがポイント。
ストリートからサーキットまで、スポーツライディングを楽しむために作られたスーパースポーツです。

ミドルクラスのアドベンチャーバイク人気モデル

人気が高いアドベンチャーバイクですが、リッターオーバーのバイクは車体が大きすぎる、なんていう声を聞くことも少なくありません。
ミドルクラスのアドベンチャーバイクなら車体も一回りコンパクト。
日本人の体格にあったモデルもあります。

スズキ Vストローム650

スポーツバイクSV650のVツインエンジンを搭載したアドベンチャーバイクがVストローム650です。
動力性能は十分すぎるほどに高く、扱いやすいサイズ感とコスパの良さが特徴。
どちらかというとオンロード性能に比重を置いていますが、多少のオフロードであればこなせてしまう走破性も持っています。

Vストローム650XTはオフロードイメージを強くしたモデル。
前後ホイールがワイヤースポークになり、アンダーガードやナックルガードを装着しています。

ホンダ NC750X

NC750Xの前身となったNC700Xは、ストリートを走るために余分なパフォーマンスを潔く切り捨てて必要とされる性能と機能に特化。
そのために高コスパを実現して大ヒットしました。

現在のNC750Xにもこの考えは受け継がれています。
ストリートでは非常に乗りやすく、価格は以前より上がったものの、それでもコスパの良いバイクです。

ホンダ独自のDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)搭載モデルもラインナップされていて、クラッチ操作、シフトチェンジをすべて自動で行ってくれるのでイージーなライディングが可能です。

ヤマハ TRACER9 GT

MT-09トレーサーは、888cc3気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッドのMT-09をベースにしたアドベンチャーモデルです。
フロントに17インチのオンロードタイヤを装着していることからも分かるようにオンロードよりの性格で、ハンドリングは軽快かつスポーティー。

カメラによって周囲の状況を検知してヘッドライトの照射範囲を自動で調整するマトリクスLEDヘッドランプを採用。
走行する状況によって自動的に調整を行う電子制御サスペンションなど最新の電子装備が満載です。

ヤマハの自動変速システムY-AMTモデルもラインナップ。
市街地からスポーティーな走行まで、最適なタイミングで変速してくれます。

ホンダ XL750トランザルプ

トランザルプは、そのデザインからアドベンチャーバイクに分類されているのですが、正確に表現するとオンロードとオフロード、両方の性能を追求したデュアルパーパスです。
搭載しているのは754cc2気筒エンジン。
ワインディングの走りも軽快で俊敏にコーナーをクリアすることができます。

フロントに21インチ、リアに18インチタイヤを装着していることもあって、ミドルクラスとしては車体サイズが大きめになっています。

ホンダ X-ADV

スクーターの利便性、快適性とアドベンチャモデルの走りを融合させた唯一無二のマシンがX-ADVです。
745cc2気筒エンジンを搭載し、ホンダ独自の自動変速システムDCTを組み合わせているので走りはパワフルかつイージー。

クラッチレバーがないので、AT限定大型二輪免許でも運転が可能です。
高いコーナーリング性能とオフロードの走破性も併せ持っていて長距離の移動もこなす万能バイクだと言って良いでしょう。

ミドルクラスで等身大のバイクライフを

ミドルクラスに魅力的なバイク数多くラインナップされています。
一見すると中途半端な排気量のように感じられるかもしれませんが、それは性能や大きさのバランスを追求して行き着いた結果なのです。

今回は現行モデルを中心に紹介してきましたが、生産終了したモデルにも魅力的なバイクがたくさんあります。
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筆者プロフィール

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