KAWASAKI マッハⅢとは?

カワサキが北米市場からの「安くて速いバイクが欲しい」という要求で開発したのが500SSマッハⅢです。
元気の良い走りで知られていた350cc2気筒のスポーツバイクA7を3気筒にして120度クランクとしたエンジンを搭載し、最高速度は当時の市販車としては異例の200km/h、ゼロヨン12秒台を誇り、世界中のライダーを驚かせました。

激しいフィーリングがライダーを夢中にさせる

排気音とフィーリングもマッハを一躍有名にした要因です。

キーをオンにすると市販車初のCDIのイグナイターからキーンという音が微かに聞こえてきます。

チョークを引いてキックをすると今まで聞いたことがないような甲高い金属音。
スロットルを開ければ凄まじいレスポンスでタコメーターの針が跳ね上がります。
スタートする前からライダーは圧倒されてしまうのです。

現行車ではありえないほどピーキーな特性

60年代後半の2ストロークスポーツバイクの多くには、ピストンバルブという吸気方式が採用されています。

非常にシンプルですが逆流を防止するリードバルブがないので混合気の吹き返しが多く、パワーバンドが狭いという欠点がありました。

マッハⅢも低回転では振動もなくスムーズですが、力強さはありません。

それがパワーバンドに入った瞬間、排気音と吸気音が一気に高まり、3本のマフラーから大量の白煙を撒き散らしながら猛然と加速していきます。

振動が突然増えてハンドルはビリビリと振動し、フロント荷重が低いこともあり、低いギアではフロントタイヤを高々と持ち上がることもありました。

それまでのバイクでは体感したことがない加速感とエキサイティングなフィーリングで数々の伝説が生まれることになりました。

パワーに追いつかなかった車体と足回り

マッハⅢが伝説化されていたのは、その加速だけが要因ではありません。

フロント荷重が低く、当時のタイヤも信頼性(テスト当初はパワーと速度に耐えられずダンロップが専用タイヤを開発しました)や安定性、サスペンションや車体などの完成度があまり高くなかったことから、高速ではヨーイングが発生することもあり、ドラムブレーキの制動力も十分ではありませんでした。

色々と未完成だったのですが、皮肉なことにそんな未完成な部分に惹かれるライダーも多かったのです。

マッハ系のマシンは、噂が噂を呼んで、伝説が勝手に膨らんでしまっています。

確かにエキサイティングかつ過激なマシンですが、整備されたマシンに乗ると予想外に乗りやすいと感じるライダーも少なくないようです。

後期モデルでは完成度と乗りやすさがアップ

当時の2ストロークマシンは初期型が最も激しく、年式が新しくなっていくに従って穏やかになり、全体的な完成度や信頼性を向上させていく傾向にありました。

マッハⅢも例外ではありません。
モデルチェンジごとにエンジンの特性は扱いやすく穏やかになり、耐久性や信頼性を向上させる為の変更が加えられました。

車体も改良されてフロント荷重が高くなり、ディスクブレーキが採用されるなどバイク全体の完成度が年々上がっていったのです。

マッハの維持は難しい?

しっかりと整備されたマッハは一般的に言われているほど壊れるマシンではありませんが、やはり同時期の4ストロークマシンほどの信頼性があるわけではありません。

また、整備や調整に若干のコツが必要です。
その為に純正部品が入手しにくくなってからは修理が難しいと言われていましたが、現在では様々なショップからリプロパーツも販売されるようになり、旧車を得意とするショップも増えました。

同時期のマイナー車に比べたら逆に維持しやすいマシンだと言う人もいるくらいです。

今後個体数が増えることはありませんから、もしもマッハに興味があるのなら、早いタイミングで入手された方が良いかもしれません。

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