中古バイク減少中……?今ならまだ狙える90年代レーサーレプリカモデル紹介
公開日:2025.12.26 / 最終更新日:2025.12.26
メーカーが過去に販売し、現在は生産を終了しているモデル。俗にいう「絶版車」。
中には「Z1」「NSR250R」「RZ250」のように、過去に高い人気を博したことで、現在はかなり価格が高騰しているモデルもあります。
バイク王ではそんな「絶版車」も多数取り扱っていますが、バイク王絶版車館で得た情報によると、どうやら最近90年代のスーパースポーツモデル、俗にいう「レーサーレプリカ」の人気が再燃しているようです。
「レーサーレプリカ」と聞くと、80年代の2ストロークモデル「NSR250R」や「TZR250」などを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、それらは現在、中古市場で価格が高騰しており、扱いの難しさやパーツの減少により、なかなか手が出しにくいのが現状です。
そこで注目されているのが、90年代の4ストローク・レーサーレプリカです。
調べてみると、この年代のモデルはまだ手の届きやすい現実的な価格帯の個体が残っています。それでいて、現行モデルにはない過剰なまでのハイスペック装備や、独特の乗り味を持っており、絶版車を所有する満足感を十分に満たしてくれます。
今回は、今ならまだ手に入る、90年代のレーサーレプリカモデルをいくつかピックアップしてご紹介します!
【1990年】ホンダ CBR250RR
1990 Honda CBR250RR前モデル「CBR250R」からフルモデルチェンジし、1990年に発売されたモデル。「カムギアトレーン」を採用した水冷並列4気筒エンジンは、初期型で最高出力45PSを発揮。レッドゾーンが19,000回転からという、超高回転型エンジンでした。
車体には低重心化を図ったアルミ製ツインチューブフレームと、特徴的な「ガルアーム」を採用。深いバンク角でのマフラー干渉を回避しつつ、排気管長の確保とマスの集中化を実現しています。
1994年のモデルチェンジで自主規制変更に伴い最高出力が40PSへと引き下げられましたが、足つき性の良さやシート下の収納など実用性も高く、2000年の生産終了まで大きな外観変更なしに愛され続けました。
現在も比較的中古台数が多く、100万円を切る個体もまだ見受けられるため、普通二輪免許で乗れる90年代レーサーレプリカとしては、まさに狙い目の1台です。
【1989年~】ヤマハ FZR250R
1991 YAMAHA FZR250R「FZR250」の後継機として1989年にモデルチェンジし、1994年頃まで販売されたヤマハの250ccスポーツモデル。
4ストローク250ccクラスで初めて排気デバイス「EXUP(エグザップ)」を採用し、高回転型エンジンの課題である中低速トルクを改善しています。なお、1990年モデルでバルブスプリング等の細部改良が施され、フロントマスクのデザインが変更されました。1993年モデルでは出力自主規制に対応し、40PS化が行われています。
フレームには剛性の高いアルミ製デルタボックスを採用し、フロントには大径ダブルディスクを装備。プロジェクター方式の丸目2灯ヘッドライトと、フラッシュサーフェイス化された近未来的なカウルデザインは、3LN型の大きなアイデンティティとなっています。
2025年12月現在の中古価格帯は50万円程度から100万円前後と、CBR250RR同様に普通二輪免許で乗れる絶版モデルとしては、比較的手の届きやすい価格帯となっています。
【1990年】スズキ GSX-R400R
1990 SUZUKI GSX-R400R「GSX-R400R(GK76A)」は、1984年から続くシリーズの最終形態として1990年にフルモデルチェンジし、1995年頃まで販売されました。
このGK76A型から車名に「R」が追加され、当初は59PSを発揮しましたが、1993年のマイナーチェンジで自主規制に対応し53PSへと変更されています。
最大の特徴は、押し出し材を用いたリブ付きのアルミ製ダブルクレードルフレーム。ステアリングヘッドからピボットまでが一体化した高剛性な車体です。足まわりには倒立フォークや水冷式オイルクーラーを標準装備。透明カバー付きのスラントノーズ形状など、空力特性を追求した独特のスタイリングを持っています。
球数は少なめですが、現在でも70万円程度から中古車が流通しているため、こちらも今ならまだ手に入る絶版車のひとつです。
【1989年~】カワサキ ZXR400
1990 Kawasaki ZXR4001989年にH型が登場し、1991年のフルモデルチェンジでL型へと進化した「ZXR400」。1999年頃まで販売されました。
初期はシリンダーヘッドへ走行風を送る冷却機構「K-CAS」を採用していましたが、1993年のL3型からは吸気システム「ラムエア」へと変更。同時に最高出力が自主規制に対応した53PSへ引き下げられています。
市販車ベースのレースでの勝利を目的とし、クラス初となる倒立フォークや、トルクロッド付きユニトラックサスなど豪華装備を採用。タンクからカウルへ伸びる2本のホース(ダクト)は、ZXRを象徴するデザインとして最終型まで継承されました。
見かける機会は多くありませんが、70万円前後から中古車が残存しており、現在の絶版レーサーレプリカとしては手の届きやすいモデルといえます。
【1994年~】ホンダ RVF400
1994 Honda RVF400ベストセラー機「VFR400R」の後継として1994年に登場し、2001年頃まで販売されました。すでに400ccクラスの出力規制が53PSとなった時期のデビューだったため、年式による大幅なスペックの変化がないのが特徴です。
ワークスマシン直系の360度クランク水冷V型4気筒エンジンに、独自の片持ちスイングアーム「プロアーム」を組み合わせた車体構成は非常に豪華。倒立フォークの採用や吸気系の熟成により、馬力規制を感じさせない高い運動性能と、工芸品のような完成度を誇りました。
高い性能から現在も人気が非常に高く、中古車価格は100万円から150万円前後と高めですが、流通数は比較的安定しています。
ちなみに、モデルチェンジ前の「VFR400R」もおすすめのモデル。RVFに比べてやや価格帯が低く、人気モデルだけにコンディションの良い個体も多く生き残っているようです。
【1992年~】ホンダ CBR900RR ファイヤーブレード
1994 Honda CBR900RR Fire Blade1992年に登場したCBR900RR(写真は1994年モデル)は、「大排気量車は重い」という当時の常識を覆し、現代のスーパースポーツの礎を築いた名車です。「トータルコントロール」を掲げ、400ccクラス並みの軽量な車体にパワフルなエンジンを搭載したパッケージは世界中に衝撃を与えました。
独立丸目2灯の初期型から「タイガーアイ」へと進化したSC28型、そして排気量を918ccに拡大し熟成を極めたSC33型まで、90年代を通じて進化。特に1998年モデルではパーツの8割を新設計するなど、キャブレター仕様の完成形ともいえる仕上がりを見せました。
現在の中古価格は50万円台から150万円前後とコンディションにより幅広く、在庫は減少傾向にあります。扱いやすさと刺激を両立した伝説の「初代RR」を味わうなら、今がラストチャンスかもしれません。
【1993年】スズキ GSX-R1100
1993 SUZUKI GSX-R1100長年の油冷エンジンから脱却し、1993年に水冷エンジンを搭載して登場したモデル(通称:水冷W)。1998年の生産終了までラインナップされました。1995年にはマイナーチェンジが行われ、スイングアームの変更や軽量化が図られています。
高剛性アルミダブルクレードルフレームに、輸出仕様で155PS(参考値)を誇るハイパワーな並列4気筒エンジンを搭載。大柄な車体による直進安定性と、倒立フォークなどの足まわりによるコーナリング性能を両立させました。
現在の中古市場では、価格は40万円程度から200万円超までコンディションにより幅広く、球数も決して多くはありません。「GSX-R」といえば750や1000が注目されがちですが、今あえて狙う絶版大排気量車として非常に魅力的な1台です。
絶版車に向き合う覚悟があれば、カッコよくて個性的なモデルがたくさん!
今回ご紹介したモデルのほかにも、90年代に登場したモデルで年式・価格的に狙い目なレーサーレプリカは多々あります。「人とは違ったバイクに乗りたい」「あの頃の熱狂的なスポーツバイクに憧れている」という方にとって、これらは他にない個性を持ったカテゴリーでしょう。
ただし、絶版車かつ高性能なスポーツモデルを選ぶ際には、維持費、パーツ確保、メカトラブルなど、覚悟しておかなければならない点も多々あります。
そのうえで「これだ!」と思う一台が見つかったときは、絶版車が軒並み値上がっている昨今、現実的に手に入れる最後のチャンスになるかもしれません。
バイク王「絶版車館」では、膨大な車両・パーツ在庫と信頼できるメカニックにより、あなたの絶版車ライフをサポートしています。購入を検討している方は、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。









