大型バイクのなかでも屈指の人気モデルであるカワサキのZ900RS。
400cc以上のモデルで見ると新車販売台数はデビューイヤーの2018年度から7年連続でトップ。
2024年は2位とは3000台以上の差をつけているところからも、その人気の高さは推して知るべしと言ったところです。

KAWASAKI Z900RSってこんなバイク

1970年代の名車900スーパー4(Z1)のフォルムを再現したネイキッドスポーツであるZ900RS。
Z1譲りの精悍なスタイルに、エンジン、車体、電子制御デバイスなどの洗練された現代メカニズムを投入し、大型バイクとしてはコンパクトな車体に俊敏な乗り味を再現しています。
ビッグバイクビギナーからベテランまで扱いやすさとオートバイらしい4気筒のフィーリングが味わえるモデルです。
現代的な高い信頼性と扱いやすさに加え、名車Z1のDNAが融合したモデルとして近年の大型モデル市場を支えています。

初登場したのは2018年モデル

スタンダードなネイキッドモデルのZ900RSの初代は2017年12月に発売された2018年モデル。
2018年3月にはZ900RSをベースにフロントカウル、低めのハンドルバー、シングル風シートなどの専用装備を施したカフェレーサースタイルのZ900RS CAFEもラインナップされました。

Z900RS キャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジ
2017年12月1日発売 型式:2BL-ZR900C

Z900RS メタリックスパークブラック

Z900RS CAFE ヴィンテージライムグリーン
2018年3月1日発売 型式:2BL-ZR900C

Z900RS CAFE パールストームグレー

2022年モデルからZ900RS SEを追加

2022年モデルからは新たに、リアサスペンションに高精度なオーリンズ製のS46ユニットを装着し、フロントブレーキキャリパーはブレンボ製M4.32ラジアルマウントモノブロックを装備した、上級グレードのZ900RS SEを追加しています。

Z900RS SE メタリックディアブロブラック
2022年1月21日発売 型式:2BL-ZR900C

オーリンズ製リヤショックに合わせたゴールドカラーのアウターチューブとフロントサスペンションセッティングを施し、レバー操作時のリニアな動きを実現する小径のニッシン製ラジアルポンプ式マスターシリンダーとステンレスメッシュブレーキホースを採用。
サスペンションとブレーキがハイグレードになったことで一段階上の走りを求められるモデルとなりました。
アクセントになっているゴールドパーツによって仕上げられたカスタムモデルのような外観で、購買意欲を高めてくれるモデルです。

Z900RSは初めての大型バイクで選んでも大丈夫?

大型バイクの新車販売台数で7年連続トップセールスということで、Z900RSは幅広いユーザーに支持されているわけですが、初めての大型バイクとしてはどうなのか車両の特徴から見ていきましょう。

キャラクター・スタイリング

Z900RSのベースとなっているZ900は、スタイリングはアグレッシブながら身軽で取り回しやすく、クセのないハンドリングが評判でスポーツモデルとして強力なパワー・加速力も併せ持ち、使い勝手がよいアッパーミドルクラスのストリートファイターとして欧州を中心に人気モデルです。

そのZ900をベースに、エンジンはより扱いやすい特性に、ハンドルはアップライトなものに変更し自由度のあるライディングポジションを形成。
90年代ビッグネイキッドブーム時代に人気だったCB1300SFやXJR1300と比べると車体は一回り小さく、日本人ライダーにとっては親しみのあるベーシックな4気筒ネイキッドモデルです。

Z1ルーツのクラシックなデザインは、ライディングウエアが選びやすいのもポイント。
カジュアルなスタイルも似合うので、ウエア選びの観点でも大型ビギナーにとっても選びやすいオートバイです。

ライディングポジション・足つき性

大型初心者であれば、より乗車姿勢や足つき性に不安がないものを選びたいものです。
Z900RSはハンドルは少し広めで高さもあるので上体は起き、前傾姿勢にはなりません。
下半身はホールドしやすいため、ハンドルに手を添えるだけの気軽なライディングポジションとなります。
足つき性は平均的な体重で身長170cmあれば両足のかかとが浮く程度で、かかとが高めなライディングブーツならほぼべったりなことが多いです。
身長175cmもあれば両足はべったりとついて余裕があるケースも多く、大型モデルとしては足つき性は良好なモデルと言えるでしょう。

エンジン

948cc水冷4ストローク並列4気筒エンジンはZ900RS用にセッティングされています。
最高出力は111PS/8,500rpm、最大トルクは10.0kgf・m/6,500rpm。
専用エアクリーナーボックスやファンネル、カムプロファイルの最適化によって低中回転域の力強さを重視したもので、街乗りからツーリング、ワイディングとあらゆる場面で扱いやすく、大型初心者にとっても扱いやすいセッティングです。

一方で、どの回転域からでも粘りと瞬発力が共存したエンジンなので、回転数を上げた時にはリッターエンジンらしいパワーが感じられ、高速走行であっても力強さも十分に感じることができるエンジン特性を持っています。

燃費性能

カワサキが発表している数値を見ると定地燃費値は28.5km/L (60km/h、2名乗車時)、WMTCモード値は18.8km/L (クラス3-2、1名乗車時)です。
定地燃費値とは、平坦な直線の舗装路を走行して計測する燃費のことで()内にあるように時速60kmで2名乗車した状態で走行し計測しています。
原付一種モデルの試験条件は時速30km、1名乗車時になります。
WMTCモード値はGTR(世界統一基準)で制定されている走行モードで発進・加速・停止など、多彩な走行パターンを含んだ実際に使われる状況に近い計測方法です。
排気量と最高速度によってクラスを分類、クラス1は主に原付一種・二種、クラス2(2-1、2-2)は主に軽二輪、クラス3(3-1、3-2)は主に小型二輪です。


Z900RSの場合、クラス3-2ですので、最高速度140km/h以上で定義されています。
値をみると定地燃費値では28.5km/Lと好燃費ですが、実際の使用状況に近いWMTCモード値は18.8km/Lです。
いわゆる「急」がつく急発進・急停止、街乗りなどで頻繁なストップ&ゴーを繰り返す走行、高回転域まで回し続けるような運転ではこの値よりも燃費は悪くなってしまいますが、逆にそのような運転をしなければ20km/L以上も可能です。

Z900RSの燃料タンク容量は17Lなので、高速道路など一定の速度で長距離を走るツーリングなどでは満タンで350〜400km走行することも可能です。
エンジン構造上、2気筒エンジンなどよりも燃費が悪くなってしまう4気筒エンジン搭載のビッグバイクの燃費としては良好と言えるでしょう。

ただし、Z900RSは無鉛プレミアムガソリン(ハイオクガソリン)車なので、レギュラーガソリンと比べると高くなります。
とはいえ、最近は差額が1Lあたりで数円程度になっているので、そこまで気にならないでしょう。

Z900RSはリターンライダーでも安心して乗れる?

もう一度乗りたいとバイクの世界に戻ってきたリターンライダーの中には、大型二輪免許取得してZ900RSを購入候補として考えている人も多いと思います。ここではモデルカテゴリーの観点からリターンライダー向けかどうかを考えていきます。

ネイキッド

英語で裸を意味するネイキッド(naked)。
元々はレーサーレプリカブームでフルカウルモデルが主流だった時代にカウルを外してエンジンを丸出しにしたモデルを指して生まれた言葉で、最初にカタログに使われたのはFZ400RのカウルなしモデルであるFZ400N(1985年)。NはネイキッドのNです。


その後、80年代終盤になると空前レプリカブームにも陰りが見え始め、1989年に登場したカワサキのゼファーがネイキッドブームを作り、一般化させました。
カウルがなく、エンジンやフレームがむき出しになっているタイプのバイクで、オーソドックスなスタイルのオートバイ。
乗車姿勢が前傾にならずハンドルも高め。ポジションが楽チンで取り回しもしやすいので、「もう一度バイクを乗りたい」と思うリターンライダーからすると安心できる要素が多いタイプです。
もし、大型免許の教習車がCB750だった人は、乗り慣れていることもあるので、最初の大型バイクとしてネイキッドバイクが最有力候補となるでしょう。

スーパースポーツ

レースから生まれた「レーサーレプリカ」ではなく、ライダーに操る悦びを授けるために作られた高性能モデルが「スーパースポーツ」。
1992年に俊敏なハンドリングを魅力の核とする大型フルカウルスポーツとして誕生したのが初代ファイアーブレード・CBR900RRで、「スーパースポーツ」というジャンルを開拓しました。

そのような誕生の経緯もあって以前はリッタークラスの高性能モデルにしか使わなかった「スーパースポーツ」というジャンルは、その後のフルカウルスポーツブームにより、「軽二輪スーパースポーツ」や「600ccスーパースポーツ」など、クラス毎に使われたり、スタイリングを指す言葉としても使用されるようになりました。フルカウルでハイスペックなスポーツバイクなので、セパレートハンドルの前傾姿勢が基本。
各メーカーとも大型モデルは超高性能で高額車両、性能を引き出すにはサーキット走行でないと不可能と言えます。
久しぶりのバイクとしては候補に上がるのは難しいでしょう。

アドベンチャー

海外での人気が特に高いアドベンチャーモデル。
どこにでも行けそうなまさに冒険の相棒として頼りがいのある大きな車体や最新装備のバイクに憧れる人も多いと思います。
1000kmクラスの長距離走行を可能にする装備やキャンプツーリングにもマッチする積載性、最新電子制御デバイスが生み出す乗り心地の良さや未舗装路をものともしない走破性、さらに長時間のライディングでも疲れにくいポジションなど、近年のオートバイとして最も進化したカテゴリーです。


ただし、メリットは時にデメリットにもなります。長距離を走ってこそ真価を発揮する車体の大きさや、装備の充実からくる車体の重さ、足つき性の悪さから乗るのを諦めているライダーも多いカテゴリーなので、大型バイクにまだ慣れていないリターンライダーへのオススメ度は低いです。

クルーザー

堂々としたライディングスタイルで老若男女問わず人気があるカテゴリーのクルーザー。
その代表的なブランドであるハーレーダビッドソンは、これに乗りたくて大型免許を取得したという人や、いつかは乗ってみたいと考えている人が多い人気ブランドです。
シート高が低いため足つき性が良く、乗車姿勢が前傾にならないのはバイクを乗り込んだ人でなくても安心して乗れる大きな要素です。
大型二輪免許を取得したことを存分に感じさせてくれる大排気量エンジンも魅力。所有欲を満たしてくれます。

その一方で、デメリットはというと、何と言っても車体の重さです。
カウルやサイドバッグなどついたツーリングモデルになると他のカテゴリーとは比較にならないくらい車両重量があります。車体も大きく、取り回しの悪さは苦労する点として挙げられます。大きな車体を乗りこなすのもクルーザー乗りの醍醐味ですが、気軽な気持ちで近所にプラっと乗るということは難しいので、自分の楽しみ方にマッチしないとデメリットが際立ってしまいますので、選ぶ際には注意が必要です。

ツアラー

90年代に起こったメガスポーツブームで、各メーカーがビッグツアラーを充実させ大人気のカテゴリーとなりました。
ZZR1100、CBR1000XX、GSX1300ハヤブサが最高速の称号を手に入れるためにしのぎを削った時代です。
かつてのような盛り上がりを見せるカテゴリーではありませんが、ビッグバイクらしい大柄な車体構成に最新鋭の電子制御デバイスが導入されて、より快適なツーリングを提供してくれるモデルとして、ロングツーリング派のライダーには根強い人気があります。
ただし、前述したように大柄な車体がウリでもあるツアラーなので、足つき性や取り回しに対してネガティブなライダーにはオススメできません。
フルカウルの上に最新鋭の電子制御デバイス導入モデルとなると車重は260kgを超えてきますので、ツーリング先でのちょっとした取り回しに慣れていないと立ちゴケの心配も。
大きいだけでなくバイクとしてもハイスペック、ライダーにとっては憧れのカテゴリーとも言えるので、大型バイクに慣れてから選ぶことをオススメします。

旧車・絶版車

昔、憧れた、乗ってみたかったバイクを年を重ねてから所有するというのは、ある意味ライダーの浪漫と言えるでしょう。
特に、Z1、Z2、CB750Fourなど、日本を代表する名車たちは特に人気が高いこともあり、価格が高騰。最近ではその高額も見慣れてきたほどです。
きっと、憧れを手に入れた購入者のなかにはリターンライダーもいらっしゃるでしょうし、大型免許を取得しての初めての大型バイクとして乗っている方もいらっしゃるでしょう。


ですが、リターンライダーの最初のバイクとしては旧車はオススメできません。
旧車に乗るために知識と経験は重要ですが、それ以上に旧車に乗るにはそれらを埋めるほど「古いバイクに乗るんだ」という覚悟が必要になります。
古いバイクは新しいバイクと比べて壊れる可能性が高い、これは当たり前です。
ですので、自分がどんなバイクに乗ったらいいのか悩んでいるリターンライダーには、まずは扱いやすいバイク、壊れる心配が少ないバイクを選ぶことをオススメします。

それぞれのカテゴリーを見てきましたが、スタンダードなバイクと言えるネイキッドはリターンライダーにもオススメできるカテゴリーです。
スーパースポーツのように乗車姿勢のキツさや、アドベンチャーのようなサイズの大きさや足つき性への不安が少ない車体構成は、リターンライダーにとって選ぶ大きな要素となります。
また、長きにわたり教習車のメインバイクとして活躍してきたという点からも、ネイキッドが乗りやすさに長けていることも分かります。


確かに、クルーザーは足つき性が良いですが軽快さに欠け、取り回しなど走行中以外のちょっとした機会に苦労します。
先進の電子制御デバイスや装備が充実した最新ツアラーやアドベンチャーモデルは高速もワインディングも快適な走りが期待できますが、車体サイズが大きく重量もあるので、バイクの取り扱いに慣れていないとツーリング先での苦労が想像されます。
取り回しに慣れているベテランライダーにとっては気にならない要素ですが、リターンライダーにとっては乗り続けられるかどうかの大きなポイントとなります。


旧車に関しては、ある程度の知識と覚悟がないと乗り続けられないですし、モデルによっては価格高騰で購入候補としては非現実的です。
ただし、旧車のようなスタイリングのバイクに乗りたいというのではれば、Z900RSはZ1ルーツのクラシックなスタイリングのネイキッドながら中身は高性能な現行モデルなので、スタイル的にも価格的にも有力な候補と言えるでしょう。

7年連続トップの新車販売台数だから中古車も多数!

新車販売台数の多い人気車の場合、納車までに時間がかかってしまうのが気になるところ。
特に人気のカラーなどになると数ヶ月待ちなんて話も珍しくはありません。
その一方で、デビューイヤーから7年連続販売台数トップの大型モデルのZ900RSであれば中古バイク市場にも多く流通している上に、最も古い年式であっても2018年モデルですのでタイミングが良ければ低走行車両に出会える可能性もあります。
そのうえ、中古車であれば人気高騰で新車販売時には買うことができなかった人気カラーや記念モデルだって買うことができるかもしれません。

人気が高い往年のZに採用されたカラー&グラフィックを知っておこう

2017年末にデビューしたZ900RSは、その古典的ネイキッドスタイルに合わせて、かつてのZ1を想わせるカラーリングを採用してきました。
ここではZ1・Z2で採用してきたカラー・グラフィックをモチーフしているZ900RSを紹介します。
カラーリングは中古車選びの重要ポイント。新車で買うことができなくなったカラーリングも中古車なら探せるので、人気のカラーリングは覚えておきましょう。
 

火の玉カラー

デビューモデルで火の玉カラー採用はZ1、Z2以外では初の試み

Z900RS キャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジ
2017年12月1日発売 型式:2BL-ZR900C

Z1(900 SUPER4)、Z2(750RS)の初代モデルで採用され、50年以上の長きにわたって継承されているカラーが火の玉カラーと呼ばれる配色。
Zを象徴するこの火の玉カラーですが、初代モデルで採用したことがあるのは、Z1、Z2、そして、Z900RSのみ。
Zの系譜と言えるZEPHYRシリーズでは10周年記念やファイナルエディションなど、節目のモデルに使われており、Zシリーズ通して人気の高いカラーリングです。国内では2019年モデルまで採用されました。

特別な塗装を施したZシリーズ50周年記念モデル
Z900RS 50th Anniversary キャンディダイヤモンドブラウン
2022年2月1日発売 型式:2BL-ZR900C

2022年はカワサキ「Z1」が登場して50年という節目の年。
この時、カワサキは数々のZブランドで50周年記念車をラインナップしましたが、そのひとつがこの「Z900RS 50th Anniversary」で、伝説の始まりとも言えるZ1を象徴するファイヤーボールカラーを採用しています。

象徴と言えるキャンディーカラーはこのアニバーサリーモデルのためにだけ開発された特別な塗装工程で重ね塗りされたもので、その艶やかで深みのあるフューエルタンクはレトロスポーツモデルとしての存在感を引き立てる美しさを持っています。
フューエルタンクの上部にはZ50周年のロゴが入り、サイドカバーや左右のエンジンカバーには専用のエンブレムを採用。
シートは専用のシボ入り表皮を使用して上質感を高めたもので、標準装備されたZ1風グラブバーと共に記念モデルを表現するポイントとなっています。
上質なカラーにマッチするゴールドカラーに塗られたホイールと合わせて、伝統と現代的な技術が融合したZ900RSとしての魅力を際立たせている特別な記念モデルです。

イエロータイガーカラー

Z900RS キャンディトーングリーン
2019年8月1日発売 型式:2BL-ZR900C

2018年モデル・2019年モデルは1973年型・初期型Z1を模した、いわゆる「火の玉」カラーを採用しましたが、2020年モデル・2021年モデルでは1974年型のZ1風「タイガーカラー」を彷彿させるカラーが登場しました。
曲線で描かれる火の玉カラーと違い、タンクからテールカウルにかけて直線的なラインで描かれているのが特徴です。

玉虫ブルー

Z900RS キャンディトーングリーン
2021年9月1日発売 型式:2BL-ZR900C

1975年モデルのZ1B、通称「玉虫ブルー」をモチーフとしているのが2022年モデル・2023年モデルで採用されているキャンディトーンブルー。
ただし、Z1Bの玉虫カラーはテールカウルのストライプがエンドに向かって中心に伸びていくデザインですが、Z900RSの場合は直線的なラインでデザインがされています。ですので、玉虫ブルーをモチーフにしたイエロータイガーカラーの色違いと言えます。

イエローボール

Z900RS SE メタリックディアブロブラック
2022年1月21日発売 型式:2BL-ZR900C

SEの専用カラーとして登場したのが往年のZ1を彷彿させる「イエローボール」をベースとしたグラフィックモデルで、1973年型の欧州仕様として登場したカラーリングが「イエローボール」の元祖です。
欧州向けとしてグリーンにイエローのグラフィックが採用されて、グラフィックパターンがいわゆる「ファイアーボール(火の玉)」と同じだったことから「イエローボール」と呼ばれています。

 

Z900RS Yellow Ball Edition キャンディグリーン
2023年7月15日発売 型式:8BL-ZR900K

2024年モデルにはZ900RS Yellow Ball Editionがラインナップしました。
より当時の色合いに近いキャンディグリーンにイエローボールの配色に、ヘリテージKAWASAKIロゴのタンクマーク、Z1イメージのサイドカバーマーク、パルシングコイルカバー・ジェネレーターカバーに配された「DOHC」マークなど、細部を変更しています。純正アクセサリーであるクロームメッキ仕上げのサイドグリップも標準装備されて、スタンダードとはひと味違うドレスアップ的要素を盛り込んだモデルです。

年式で違う型式の違い「2BL-ZR900C」と「8BL-ZR900K」

バイクはモデルチェンジによって型式変更されますが、Z900RSの場合、2018年モデルからスタートして、現在までにカラー&グラフィック以外で変更されたのは2023年モデル。型式がそれまでの「2BL-ZR900C」から「8BL-ZR900K」へと変更されています。
型式の「2BL」の部分は「平成28年排出ガス規制」に適合した二輪車を表していて、「8BL」は「平成32年(令和2年)排出ガス規制」に適合した二輪車を表しています。
つまり、排ガス規制対応するためのモデルチェンジを2023年モデルでおこなっているということが分かります。

基本的なスペック等に変更はなく、「新排出ガス規制適合」「カワサキケアモデルの設定」の2点が主な変更点。
Z900RS、Z900RS SEに関してはカラーもグラフィックも継続設定で、2022年モデルと2023年モデルは同色なので外観で見分けるのは正直難しいです。
ちなみに、Z900RS CAFEの場合はどちらの年式も「メタリックディアブロブラック」ですがグラフィックの変更はされています。
ただ、どのモデルも2023年モデルで新車販売価格は変更されているので、中古車にもその影響はあると考えるのが一般的です。
また、マフラーカスタムを希望している人は、型式に合った対応マフラーを選ばないと装着できないので、車両の年式に合わせたパーツ選びが必要です。

年間10万台取り扱うバイク王はZ900RSの中古車在庫も豊富!

年間約10万台の中古車を取り扱っているバイク王ではもちろん多くのZ900RSの中古車を取り扱っています。
新車の場合、購入できるのはカワサキ正規取扱店のカワサキプラザのみですが、Z900RSのような人気車種になると店舗によっては展示車も置けていない状況もあり、実車を確認せずに購入する可能性もあるということです。
その点、バイク王の中古車の場合は店頭在庫なので実車確認が可能ですし、ある程度乗り込んだ一般的な中古車だけでなく、走行距離が1000km程度で慣らしが終わった程度の新車に近い状態の車体もや、運が良ければ走行距離10km未満の「ほぼほぼ新車」のような車両が見つかることも。

更にバイク王では、車両の状態によっては最長7年の長期保証も用意されている点も見逃せません。

2年以内の年式で走行距離5000km以下なら最長7年保証も!

中古車だと保証が気になる人もいるかもしれませんが、バイク王の中古車には長期保証を用意しています。
保証期間は車両によって異なりますが、中古車選びの大きな安心と言えます。具体的な内容を見ていきましょう。

バイク王の車両保証

バイク王の車両保証はバイク王で購入した車両が受けられる保証で、以下の内容が明記されています。

「バイク王が納車整備を実施し、販売した車両を構成する各部品のうち、後述の保証対象部品について不具合が発生した場合に限り、保証期間とその他条件に従って、これを無償修理(以下「保証修理」)する。保証修理は部品交換あるいは補修によりおこなう。なお交換により取り外した部品はバイク王の所有物となる」

保証料:不要 保証期間:Aタイプ(7年)〜 Iタイプ(1ヶ月)の9種類


つまり、保証期間は条件や車体の状態によって分かれ、保証の継続をするための条件はありますが、基本的にバイク王で購入された中古車は無料で車両保証がついてくると言うことです。
高年式で低走行の車両であれば最長7年保証が受けられる場合もあり、バイク王で購入する時点で初年度登録(または製造年)から「2年以内・走行距離5,000km未満・排気量126cc以上」の車両が7年保証となります。
Z900RSの場合、新車を購入するか中古車を購入するかで悩んでいる人も多いので、新車で購入した場合の保証ととバイク王で中古車を購入した場合の保証を比較してみましょう。

購入例

あくまでも保証期間が継続した場合となりますが、新車で購入した場合よりも高年式・低走行距離の中古車をバイク王で購入した方が保証期間は長くなります。ディーラーで新車購入するよりも長期間の保証をつけて販売してくれるというのは、大きな安心感になります。

保証対象となる部品と保証対象外の部品は以下の通り明示されていますが、消耗品以外の部分となりますので、理解しておきましょう。

保証対象部品一覧

保証対象外部品一覧

加えて、車両保証を継続的に受けるには以下のような注意点もあるので必ず理解しておきましょう。

  • バイク王または、認証工場で車検を含む法令に定められた点検整備(法定点検)を受ける。
  • バイク王以外の認証工場で法定点検を受けた場合は整備内容が記録された点検記録簿が必要。法
  • 定点検は各点検期日の前後1ヶ月以内に実施し、法定点検実施日から1か月以内に点検記録簿をバイク王の担当部署までメールまたは郵送で送付する。
  • 走行距離が30,000km以上となった場合は、販売時の走行距離に関わらず保証の継続はできない。

詳しい保証内容や保証条件はコチラ

カスタム車も選べるのが中古車のポイント

ルーツであるZ1/Z2もカスタムが大人気なこともあり、Z900RSはカスタムパーツが充実していることも人気の理由のひとつに挙げられます。
バイクのカスタムでレーシング要素を加えるのは定番の手法で、Z900RS用マフラーもレーシングイメージで生み出されているものが多く、形状だけでなくサウンドもレーシーにセッティングされたものが豊富にラインナップされています。
ここではタイプ別に最新のカスタムマフラーを見ていきましょう。

●クラシックな雰囲気の車体にレーシングイメージをプラス
Z900RS/CAFE用ワイバンクラシックRマフラーは、大幅な軽量化とパワー&トルク向上を実現。
車検対応ながらレーシーなサウンドで、刺激的な加速を体感できます。
Sタイプ・UPタイプは「ラウンドショート」サイレンサーを採用し、クラシカルなZ900RS/CAFEのフォルムと走りを引き立てます。

ワイバンクラシック R UPタイプ フルエキゾーストマフラーチタンドラッグブルー ¥291,500(税込)

Z1/Z2時代の伝統的なマフラーでクラシックイメージを強調

伝統のアルミモナカ形状を現代に継承したマフラーで、よりクラシックなレーシングスタイルを生み出してくれます。
太径フロントパイプとサブサイレンサーで、デザイン性と機能性を両立。法規制に準拠しつつ、抜けの良いパワフルなサウンドと効率的なパワー供給を実現します。
伝統のモナカマフラーをそのままではなく、現代のバイクに合わせたデザインバランスも追求されています。

Full Exhaust MONSTER ¥335,500(税込)

ラグジュアリーな雰囲気をプラスして高級感をアップ

ダイヤモンドライクコーティング(DLC)が可能にした黒鏡面はラグジュアリーな雰囲気をプラス。
「4-1集合の突き抜けるようなピーク特性」と「4-2-1集合のオールラウンドな扱い易さ」の融合を目指して開発されたノジマの「スパイラルコレクター」は、中速域から全域に渡ってかつて無い高いパワー特性を得る事を可能に。伝統のノジマサウンドも継承されています。

GT手曲 DLCチタンフルエキゾースト ¥294,800(税込)

バイクのカスタムとしては定番と言えるマフラーカスタムですが、Z900RSのような大型四気筒モデルのフルエキゾーストマフラーは高価格帯のアイテムと言えます。
性能面やサウンド、デザイン形状やブランドルーツなど、自分が欲しい1本を求めて研究していくのも楽しみ方のひとつです。
注意点としては、販売しているマフラーの中にはレース専用もあるので、公道で走る場合は必ず車検対応のマフラーかどうかを確認して装着しましょう。
また、そこまでこだわりはないけどマフラーは替わっていて欲しいという人は、カスタム済みの中古車を選ぶのが良いでしょう。

人気のカスタムが施された中古車はお得!

ツーリングユーザーの定番となっているスマートフォンホルダーやドライブレコーダーなど、近年になって増加しているカスタムは高年式の中古車に装着済みの可能性も高く、中古車購入の大きなメリットです。

ドライブレコーダー
ラインナップも増え、危機意識の向上で装着率も高まっているドライブレコーダー。
高価格帯のアイテムに加え、装着する際に配線関係を触らないといけないので初心者には難易度が高く、工賃も安くはありません。
中古車に装着されていたらお得であることは間違いないですが、壊れていたら元も子もないので動作確認は必ず行うことにしましょう。

スマートフォンホルダースマートフォンをナビゲーションとして使う人も多く、近年、スマートフォンホルダーは必要不可欠なパーツとなってきました。
充電しながら使用できるタイプになると配線も触らないと装着できないので、こちらもカスタムの経験がない人だと装着自体が難解。
また、高額な商品になると2万〜3万円のアイテムもあるので、装着されている中古車はお得です。

フェンダーレス写真左がノーマルで、写真右がパーツ装着後。リア周りのすっきり感が格段に変わる人気のカスタムです。
車種専用パーツキットで販売されているので取り付けは比較的簡単ですが、テールランプは車検に関わるパーツなので影響しないように注意して作業しましょう。
基本的にドレスアップパーツなので便利になるとか音か変わるとかはありませんが、スタイルが好きな人にとってはカスタムされていたらお得です。

新車購入後に上記3つのパーツを取り付けることを考えるとパーツ代、工賃代がプラスされて、数万円から十数万円かかりますし、パーツを揃えて、装着する日数も必要になります。
「新車+カスタム費用」と「装着済みカスタム中古車の価格」、それに実際に乗れるまでの日数も比較して、自分が満足できる車両選びをしましょう。

カラーやカスタムにこだわって好みに合ったZ900RSに選ぼう!

発売から8年目をむかえたZ900RSですが、カラーの違いはあっても基本的なデザインに変化はなく、仕様の違いが少ないモデルです。
一方で、カラーリングや仕様の好みで選べるほど中古車在庫が増えており、新車と程度の良い中古車が購入対象として比較されるようになってきました。

中古車であれば現行モデルでは選べないカラーリングも選べますし、納車されるまでの期間が比較的短い上に、バイク王なら長期車両保証で安心感があります。
使い方やデザイン、機能・装備、アフターサポートなど総合的に判断して、自分に合った車両を選び、充実したバイクライフを楽しみましょう。

重要なのは自分の好みにマッチする1台を見つけること!
まずはバイク王のZ900RSの在庫から自分の1台を探してみましょう!!

筆者プロフィール

webオートバイ×BikeLifeLab

webオートバイは現存する日本の二輪雑誌の中で最も古い歴史を持つ月刊「オートバイ」の公式ウェブサイトとして、2010年よりバイクに関する幅広い最新情報を日々更新しています。
新型モデルの速報はもちろん、用品、パーツ、ツーリング、カスタム、レースなどバラエティ豊かなコンテンツを多数用意。
また、SNSやYouTubeチャンネルでのライブ配信企画や試乗動画配信など、ウェブならではのオリジナルコンテンツも展開しています。