絶版車との出会いは様々。憧れのマシンを想い続けやっと入手することもあれば、思わぬところから手に入ることもあることだろう。

あるいは新車から乗っていて、大切に乗り続けているうちに結果として絶版車となっていたというパターンもあるかもしれない。

筆者が最近入手したCB72について書く、近代バイク史に残る名車を語るシリーズ番外編のまた番外編をお送りする。

シービーナナニー

CB72と言われたって、なんだそりゃ? という人も多いかと思う。
いわゆる絶版車のボリュームゾーンは70~80年代の中排気量車以上が中心であり、CB72はそこから外れてしまっているのである。

絶版車のツートップと言えばCB750フォアとZ1(Z2)だろう。
レースシーンで言えばヨーロッパの耐久レースやアメリカのAMAスーパーバイク。そういった背景に憧れる人も多いと思う。

華やかなこの時代、CB750フォアの鮮やかなキャンディカラーがそんな時代を物語っているように思えるため、筆者は勝手にCB750フォア以降のバイクを「カラー期」そしてそれ以前のバイクはほとんど黒いカラーリングだったことから「モノクロ期」と呼んでいる。

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そのCB750フォアの登場は1969年、そこから遡ることさらに9年、1960年にホンダ初の本格的スポーツバイクとも言えるCB72スーパースポーツが登場したのだった。

CB72は排気量250ccで、高回転志向とされた180°クランクの「タイプワン」そしてより低中回転域が得意とされた360°クランクの「タイプツー」が設定されていた。レースシーンで言えばマン島TTや浅間火山レースの時代である。



CB72は180°クランクの「タイプワン」と360°クランクの「タイプツー」が存在。馬力は同じだが最高速はタイプワンが少し高いとされ、今もタイプワンの方が人気だとか。個人的には360°クランクが大好きのため、タイプツーにもぜひ乗ってみたい。

まぁ、詳しいことは割愛させていただこう。
時代背景や車体についても、今やあまりに旧い話であり専門店や一部マニアでなければちゃんとは把握していないと思う。
オーナーだからと言ってヘタなことを言って墓穴を掘りそうな怖さもあるため、ここはご勘弁願いたい。

ナナニーのイメージ

何故本稿を書いているかと言えば、バイク王つくば絶版車館で行われたイベントに筆者のCB72を持って行って展示したことがきっかけだ。
担当者が「ノアさん、ずいぶん旧いのを持ってるんですね。どういういきさつで乗ることになったのか書いてください」となったわけだ。

確かに、CB72となると一般的な「カラーになってからの」絶版車と比べて入手ルートが難しい車種。
どうやって手に入れるのか、そもそもなんで欲しくなるのか、手に入れてコレで何をするのか、乗ってみてどうだったのか、……旧すぎてなかなか実体験としてCB72を知っている人は少ないことだろうからそんな興味もわく。

筆者も例にもれず、CB72というバイクの存在は知っていたし、スポーツバイクとしてのCBというアイコンの出発点のようなものとして憧れてはいた。
ただ旧過ぎるし、一般的なルートで売っているものでもないし、まぁ、機会があればいっぺん乗ってみたいな、程度の認識で所有しようという気はなかったのだ。

ところが全く予想していなかったところから、「ノア君、ウチにバイクあるんだけど、いらない?」と声がかかり、それがCB72だったのだ。

出会い

子供の頃、柔道を習っていた接骨院の先生がいて、大人になって腰痛に悩まされている今、もう40年来の付き合いとなるその接骨院に今も通っている。
その先生がその昔バイクに乗っていたのは知っていて、施術中はなんとなくバイクの話をすることもあったが車種までは知らなかった。

40年前の時点で柔道の先生だったのだから今はそれなりに歳を重ね、「もう乗らないな」と言っていた。
「まだガレージにしまってあるよ。ノア君、乗らない? シービーナナニー」。
えぇっ!? ナナニーなの?? 「そう、タイプワン」……ときたもんだ。


30年以上ガレージで寝てたCB72。海外ではこういうのを「バーンファインド」(バーン:納屋 ファインド:見つける)と言うらしい。本当の納屋ではなくコンクリート敷のガレージだったからこその状態の良さだろう。

ナナニーは僕にはちょっと荷が重いか、とは思ったもののとりあえず見せてもらうと、欠品はないしギアを入れて後輪を回せばエンジンもとりあえず回る。
タンクもサビてはいるもののグズグズではないし、時間とお金をかければ十分復活できそうな状態だ。
ううーん、乗ってはみたいが、手に入れるほどではない。
そもそもこんなクラシック、ちゃんと愛で続けてあげなければいけないという責任が伴う。

「ノア君が乗っても良いし、誰が欲しい人がいれば」とのことで、ここはだれかマニアに繋いであげて、復活したらちょっと乗らせてもらおう、という結論に至った。

ところが「ナナニーがあるけど」と聞いてまわっても筆者と同じ感覚の人が多いことに気付いた。
乗ってはみたいけど所有するってなると……というスタンス。

結局、こういった旧いホンダが好きなショップの店主が手を挙げたものの、接骨院の先生は「お店ではなくて、エンスーな個人に譲りたい」とのことだったためそれもご破談。
いよいよ覚悟を決める時が来たか?

ついに心を決めて入手する

腰の治療に行くたびに「どう? 誰かいない?」と言われ続け、ついに「よし、わかった、じゃあ僕が買いますよ!」となった。
保管されていた場所はコンクリート敷のガレージだったからこれだけ良い状態で保たれていたわけだが、やはりこういった貴重な旧車は保管の環境が大切だと改めて思った。

その点、筆者も田舎に引っ越してからはコンクリート敷のガレージを手に入れていたため、すぐに復活させなかったとしても自分のタイミングで取り組めるまで安全にガレージにしまっておけるというのも入手に踏み切った要素の一つだろう。

いよいよ30年近く眠っていたであろう接骨院のガレージから引っ張り出し、陽の光を浴びたナナニーは旧くて使い込まれてはいるものの、やはり名車とされる「ナナニー」である。
車体は小さいのにそのプレゼンス(存在感)はグッとくるものがあった。

メーターを覗くとスピードとタコがそれぞれ逆方向に振れていく「喧嘩メーター」。


タコが時計回り、スピードが反時計回りに振れていく、通称「喧嘩メーター」。オドメーターが縦というのも面白い。トリップメーターはなく、右上の赤いライトがニュートラルランプだ。

走行距離は約2万キロ。よくよく見るとウインカーは後付けされた他車種のものになっていて、また前後のホイールリムが社外に変わっているのに気付いたが、それ以外はほぼ完全ノーマルと言えたし欠品も見当たらない。原石としては申し分ない。

フレームナンバーがCB72から始まるかと思っていたら、この個体はそうではなく、あれ? ということはCBMという別の車種なのかな? とも思ったが、古い「別冊モーターサイクリスト」を引っ張り出してみたらナナニーでも車体番号がCB72から始まらないのもあったとか。

ちゃんと登録できるように書類と車体が合ってるか見ようとしたらなんと先生「あれ? 書類がないな」と言い出して肝を冷やしたものの、奥様が「これじゃない?」と見つけてきてくれて一安心(笑)。
キーは純正ではなく複製だったのが残念だったが、だいぶすり減っているようだったのにメインもハンドルロックもちゃんと回ったのにはホッとした。

コッチから提案した買い取り価格は新車の125ccスクーターが買えるぐらいの値段。
30年以上不動の旧車、しかも復活にはそれ以上のお金が確実にかかることを考えると、その値段が適正かどうかはわからない。
新車の125スクーターを買ったほうが幸せかも??という気持ちをグッと抑えトランポに積み込んだ。
よし、ナナニーよ、ウチにおいで!

眺めて磨く期

働き盛りの40代、正直言うと旧車のレストアなどしている時間はない。
自宅へ運んだナナニーはとりあえずエアーで細かいところまでホコリを吹き飛ばし、手の入る範囲で拭き上げ、サビが浮いている所にはそれ以上進行しないようにオイル布で撫でてあげて、タイヤに空気を入れてひとまずガレージにしまった。

30年ガレージで眠っていたナナニーは、違うガレージに引っ越しをしただけというわけだが、アッチのガレージで行く末がわからないのと、コッチのガレージでレストアを待つのでは意味合いが違う。
すぐに走るようにはしてあげられないけれど、たまに車体に被せているシーツをとって、眺めて、磨いて、という時期がしばらく続いた。

しかしCB72と言えば純スポーツモデルとされているのだ。「乗りたいなぁ」という気持ちがどんどんと大きくなってきた。

復活の手はず

では走らせるには何が必要だろう。
タンクのサビ取り、キャブOH、電気系のチェック、といういつものプロセス。
シンプルな構造だしツインだし、そんなに難しくはないかもしれない。

ただ「カラー期」の絶版車に比べると「モノクロ期」の絶版車は世の中に情報が圧倒的に少ないのだ。
つまらないところでつまづいたり、肝心な部品が手に入らなかったりということが十分考えられる。
ヘタにバラバラにしてしまってから自分の手には負えないということになったら大変。ここはひとつ、最初からプロに任せた方が良いだろうと判断した。

では誰に任せたら良いのか。これが難しい。
だって60年代のバイクだし、スポーツバイクであるナナニーである。
やっぱりちゃんと直して、ちゃんとそのスポーツを感じたい。
ということで、特別ナナニー系を得意とするわけではないけれども、広く絶版車を手掛ける馴染のお店にお願いしてみた。

通常の手順とツマズキポイント

お願いしたショップは絶版車に精通しているだけあって、ナナニーだからといって断ったりはせず「やってみよう」と言ってくれた。
入庫してバッテリーを繋いだらなんとセルが回る。そう、こんなに旧いモデルなのにセル付なのだ。
セルが回るというだけでなんだか前向きな気持ちになり、「じゃ、任せます」と置いてきた。

作業内容としてはタンクのサビ取りや燃料コック、キャブレターのオーバーホール、プラグ交換、オイル交換、燃料ホース関係など劣化したゴム部品の交換、エアクリーナーの交換、ポイントの確認、そしてタイヤ/チューブ、チェーンも交換してもらった。
ここまでは一般的な車両の復活劇とあまり変わらないだろう。一通りやったらエンジンはあっけなくかかったようだ。

ところがどうしてもうまくアイドリングしない。
走り出せば普通に乗れるのだが、キャブレターの調子がもう一つつかめない。
ショップのご主人、「旧いキャブで、なんだか謎の穴があったりするんだよなぁ。ここはちょっと欠品もあるような気もするし……。安心して乗るなら社外のキャブにしちゃった方が良いかも」との提案。

CB72なのだからできればフルオリジナルとしておきたいという気持ちも大きい。
でもちゃんと乗れないんじゃあそもそも所有している意味もない。
「じゃあ純正キャブはとっておいて、とりあえずは社外キャブでちゃんと走るようにしてください」とお願いした。
ほぼ絶版車専門店とも言えるお店でさえ、ちょっとした所でつまずいちゃうのはさすが「モノクロ期」のバイクである。

かくしてCB72は実働復帰を果たした。
こういった旧いバイクは乗り続けることで少しずつ調子が上向いてきたりするもの。
しばらく付き合っていこうと自賠責も5年で入っておいた。

やはり納得いかない部分

60年代のモノクロバイク、しかもナナニーを走らせているというのはなかなか特別な気持ちにさせてくれるものだ。
さっそく接骨院に乗って行くと、先生は「おおおー!」と喜んでくれた。
「やっぱり4ストの音だよ!」とのコメントに、当時の仲間たちはまだまだ2ストも多かったのかな?なんて連想した。

ただしばらく乗っているうちに、始動性がイマイチなのと、高回転域がもうひとつ気持ちよく回っていかないなぁ、というのが気になりだした。
また見た目的に新品でピカピカの社外キャブは浮いて見えて、雰囲気が損なわれている気がしてならなかった。
普通に走れてはいるものの、「もう少しできるはずじゃないか」という気持ちが大きくなってきたのだ。

意を決してお願いしたのは、CB72の専門店とも言える神奈川県のお店。
初めからそこにお願いすればよかったのではないかという話ではあるのだが、何せ茨城県在住の筆者からすると神奈川県は遠い……。そして専門店というのはどこか敷居が高いというか……。実際はそんなことなかったのだが。

予約をして持ち込んで、気になる部分をお伝えする。
①キャブを純正に戻したい。
②ちゃんとアイドリングをして、ちゃんと高回転も回って、専門店の目で見ても「このぐらい走ればナナニーとして十分でしょう」というところまで仕上げて欲しい。
③キックのシャフトのスプラインがナメてしまっているので、何とかしてほしい。
④プロの視点から見て気になるところがあれば修正してほしい。
というものだ。

さすが専門店である。車両を一目見るなり「64年式ですね。一番いい頃ですよ。初期のはやはりそれなりに荒削りな部分がありますし、64年以降はコストカットが始まりますから」と教えてくれてすっかり気持ちよくなった筆者である。
さらに車体をよく見て「ボルト類もみんな純正。車体番号とエンジン番号も近いからエンジンは一度も降ろされてないでしょう。
ウインカーは別車種だけれど同年代のヤマハ車だから違和感もないし、全体的にオリジナル度の高い良い車両だと思います。
国内仕様というのもポイントです。」とお墨付き。もう舞い上がってしまったのは言うまでもない。

①②に関しては専門店である。「お任せを」だ。
③については「そこはナメちゃうんですよ……。よくある症状なので当店オリジナルの対策部品を作ってあります」。なんと心強い。
そして④は、「マフラーのステーが間違ったものがついていますね。ウチにある在庫に付け替えておきます」「タコメーターの取り出し口からオイル漏れしてますね。ここのOリングもウチで作ってるので付け替えておきます」「クラッチワイヤーが別車種のもので長すぎますね。これも純正に戻しておきましょう」と様々な部分で精度・純度を高めてくれたのだ。


汎用ステーでついていたウインカーは専門店によると「本来CB72のものではないけれど、同年代のバイクからの流用だから違和感はないですね。このままでOKでしょう。ヤマハ系かな?」とのこと。このウインカーも内部のハンダが剥がれていて点かなかったため修理してもらった。

かくして最高に!

その専門店から帰ってきたナナニーは、本当に最高になっていた。
セルによる始動性は抜群だし、修復されたキックでも一発始動。
社外キャブでは苦しげだった高回転域も元気に回り、これが当時のホンダのスポーツバイクか! としっかり感動できた。


最初の復活の時には社外のキャブをつけて実働復帰したが、せっかくノーマルのキャブを持っていたので専門店でノーマルキャブをOHしてもらいフルノーマルにまた一歩近づけた。世界的にマニアやコレクターがいるため、コネクティングチューブなどゴム部品は手に入るそう。

またワイヤーの取り回しなど細かな部分を詰めてくれたおかげで全体的にルックスもシャキッとした。
機能がしっかりするとますます愛情が湧くもので、磨きにますます精が出るというものだ。

当然ながら追加でお金はかかった。
が、「専門店だから」とビビっていたほどではなく、仕上がりの良さを考慮すればむしろ格安とも言える請求額だった。
最初の実働復帰整備と今回の仕上げ整備を合わせれば余裕で新車の125ccスクーターをもう一台買える金額にはなったものの、おかげで64年式の、オリジナル度の高い、名車CB72が、絶好調コンディションで自分のものになったのだ。
逆に言えば125スクーター2台分の金額でコレが手に入ったのなら安いという考え方もできる。
だってCB72は今や世界中で認められる名絶版車、というか日本の大切なバイク遺産なのだから。

乗ってどうなのか

そんな旧いバイク、乗ってみてどうだったのか。
初めに言っておきたいのは、これだけ旧いバイクとなると乗り味云々はともかくとして、ちゃんと走るってだけでモウケモンという感覚は確かにある。
まぁ絶版車全般そうだろう。旧い機械がちゃんと機能しているというだけで感動があるのだ。

初めて乗る完調のナナニーは、カブとCB400フォアを足して割ったような感覚だった。
180°クランクの「タイプワン」は高回転域が得意とされてはいるものの、そうはいっても旧いツインでしかもSOHCである。
調整がされているとはいえヘッド周りからのメカニカルノイズも少なくなく、あまり高回転を多用するのは憚れる。

ところがギアが4速しかないため、各ギアである程度は回してあげないと次のギアに入れた時の繋がりが悪いのだ。
そのサジ加減を掴むのには慣れが必要だったが、各ギアを上手く繋げられるようになればそれなりにキビキビ走らせることも可能だ。
ただ当時はスーパースポーツだったとはいえ今の感覚では牧歌的であり、全体的に実用車感も残っていて、それがどこかカブっぽいと感じさせる。

対する車体はなかなかにスポーティだ。
前後の細身の18インチホイールと幅の狭い一文字ハンドル、ストロークが少ない前後サスで車体の芯に乗ってスパーッと寝かせていく感覚はCB400フォアを連想させてくれた。
左右への切り返しも素早く、「スーパースポーツ」の名は24馬力のエンジンよりもこのハンドリングを指したものではないかと思える。4速ミッションを上手に繋ぎながらワインディングを快走していると、本当に「やたらスポーティなカブ」という感覚を覚えるのは、真のナナニーファンの方々に失礼だろうか……。

専門店ではブレーキ周りもチェックしてもらっており、リアはシューも新品にしたおかげで、ブレーキ性能含めて不満がないナナニーだが、唯一スポーティさに水を差すのはバンク角の少なさ。
気持ちよく走っていると特に左側はすぐにセンタースタンドを擦ってしまいそれ以上のバンク角を許さない。
センタースタンドを外せばさらにその先のスポーツも楽しめそうなため、近々外してみようと思っている。


フロントにはツーリーディングのドラムブレーキ。意外なほど良く効くためスポーティなマインドも刺激してくれる。

晴れて「絶版車乗り」

イヤラシイ話、絶版車に乗るというのはどこか「ドヤ!」的要素があろう。
こんな旧いバイクに乗っていて、カッコ良いだろう!凄いだろう!と。
しかもそれが「Z2乗ってる」だとか「500Γ乗ってる」だとか、絶版車の中でもよりプレミアムなものになればなるほど「ドヤ」要素は高まるのは事実のハズだ。

しかしCB72はそういう世界の外にいる感覚も個人的には好きだ。
王道の「カラー期」絶版車よりも旧いという意味ではより貴重ではあるだろうが、そうはいっても250ccで特別速いわけではないし、市場価値も「王道・カラー組」ほど高くはなく「ドヤ」感はかなり少ない。
それなのに「何に乗ってるんです?」と聞かれた時に「シービーナナニーです」と答えればどういうわけか絶版車乗りからもエンスーからも「へー!」という前向きなリアクションを得られるのだから面白い。

あぁ楽しい。あぁ気持ちが良い。旧いバイクを愛でるというのはこういうことか。みんなが応援してくれている気がする。この好調を維持すべく、接骨院に行くときはもちろん、それ以外の時でもなるべくしょっちゅう乗るようにしているナナニー。いつでも胸を張って走らせたくなる名車なのである。

ひょんなことから手に入れたモノクロ期絶版車。こうして手元にやってきたナナニーとしばらく付き合っていきたいと思う。

筆者プロフィール

ノア セレン

絶版車雑誌最王手「ミスターバイクBG」編集部員を経たフリーランスジャーナリスト。現在も絶版車に接する機会は多く、現代の目で旧車の魅力を発信する。青春は90~00年代でビッグネイキッドブームど真ん中。そんな懐かしさを満たすバンディット1200を所有する一方で、最近はホンダの名車CB72を入手してご満悦。