知らない地域へツーリングするうえでナビゲーションは欠かせません。
多くのライダーがスマホマウントを使ってハンドル周りにスマホを付け、ナビゲーションアプリで道案内している事が多いと思います。

しかし、スマホよりも多くの機能を持ったバイク用のスマートモニターが近年注目を集めています。
ただ便利なだけでなく盗難対策としても使える機能も備えているモデルも。

今回はスマートモニターがどういったものなのか詳しく解説していきます!

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バイク用スマートモニターとは

バイク用スマートモニターとは、バイクのハンドル部、またはステム周りにモニターを設置し、スマホと無線接続することでナビゲーションアプリを含めたスマホ機能の一部が使えるというアイテム。
質の良いカーナビのバイクバージョンというのがわかりやすい例えかもしれません。

その他にもドラレコと連動したスマートモニターや、インカムと連動して音楽再生、音声操作を可能にする機能を持った製品もラインナップされており、ライダーの用途に合わせて選ぶことができます。

バイクに乗るうえでマストのアイテムではありませんが、あったら今よりもっと便利に、快適にバイクに乗れるようになるのがスマートモニターです。

バイク用スマートモニターのメリット

スマートモニターを愛車に取り付けると様々なメリットがあります。
ここからは取り付けた際のメリットを解説していきます。

スマホを守ることができる

バイク用スマートモニターというものが登場するまでは、スマホホルダーを使用してスマホをマウントし、ナビ代わりに使うのが一般的でした。
しかし、手軽に使える反面様々なリスクがあり、トラブルにあったというライダーの声も少なくありません。

一番多いのはバイクの振動によってカメラが故障してしまうこと。
他にも突然の雨によって濡れてしまったり、直射日光とエンジンの熱によって熱暴走してしまい、スマホに悪影響が出たりバッテリーが弱ってしまったということもあり得ることです。

スマホはあくまで手に持って使う想定で設計されているため、バイクに取り付けるというハードな環境には対応しきれないモデルも多いです。

現代の生活においてスマホは必需品であり、買い替えると言っても最新モデルは20万円以上することも珍しくないため簡単ではありません。

スマートモニターを使えばスマホはポケットやリュックに入れたまま走ることができるため、様々なリスクからスマホを守ることができます。

バイクライフが快適になる

スマホと比較して大きな画面のモデルが多く、見やすく操作しやすいというのもスマートモニターのポイント。
タイヤ空気圧や温度の監視に対応しているモデルもあるため、メンテナンスや突然のトラブル防止にも役立ちます。

中にはバックモニターによる後方異常接近警告や、追い抜きされる際に警告を発してライダーに次起こることを予測させてくれるという機能を持ったモデルも。

ただ単に便利というだけでなく、安全運転に貢献する機能を搭載しているモデルも多いため、事故防止という観点からも期待できるアイテムです。

バイク用に設計されている

バイク用スマートモニターはスマホと違ってバイクに取り付けて使えるように設計されているため、エンジンによる振動への対策はもちろん、防水防塵もしっかりされているモデルが多いです。
バイク用の専用設計なので、バイクが原因で使用中に壊れてしまうということも少ないでしょう。

グローブを装着したままでも操作できるモデルもあり、ライダーがバイクに取り付けて使うシチュエーションが広く想定されています。

旧いバイクにも最新機能を導入できる

一部の絶版車や旧車と呼ばれる年式が旧いバイクには、現代のバイクで見るような便利機能は一切ありません。
しかし、スマートモニターなら取り付けスペースさえ確保できれば様々な旧車に取り付けることができ、旧いバイクに最新の機能を導入することができます。

特に旧いバイクだからこそ管理しておきたい部分もあるので、最新モデルとほぼ同等の機能が後から付けられるというのはかなり便利と言えるでしょう。

バイク用スマートモニターのデメリット

様々なメリットがあるバイク用スマートモニターですが、いくつかのデメリットも存在します。

高額な製品が多い

バイクでの使用を想定した耐久性と保護性能を持ったモニターは、モニター本体だけで数万円単位の費用になることも。
機能を全て発揮するためにドライブレコーダーやインカムも必要になるモデルなどもあり、全て揃えるとかなり高額になってしまうケースもあります。

複数台バイクを同時所有して使い分けている場合も、全てのバイクの取り付けると高額な費用が発生してしまいます。

新品スマホよりは安いかもしれませんが、それでも安価ではないためどの製品を取り付けるかはしっかり吟味して選ぶと良いでしょう。

また、取り付けるバイクのハンドル形状によっては取り付けできないケースもあります。
後付のマルチバーを使って設置場所を確保しても、製品によってはモニターの重量でマルチバーが破損してしまう事も考えられます。
取付面でも自分の愛車に安全に取り付けられるかどうかチェックして慎重に選びましょう。

取り付け難易度が高い

スマートモニターの取り付けは電源の取り出しが必須となり、配線の数も多いため電気系統や配線の取り回しに関する知識と技術が必要になります。
車種によっては配線を通すためにタンクを取り外したり、配線を通すために穴あけ加工が必要な場合や、配線を通す場所によってはエンジンからの熱対策が必要なため、メンテ知識のない初心者ができる作業内容ではありません。

整備に慣れていない方が自力で取り付けようとした際、次のようなリスクが考えられます。

・外装パーツを破損させてしまう
・目線移動の大きい箇所にモニターを設置してしまい運転に影響が出る
・ハンドルを切ると配線に負荷がかかってしまう
・モニターや配線が他のパーツに干渉してしまう
・カメラの位置が悪くよく映らない

また、取付時に誤ってモニター本体を落として壊してしまったりしたら、せっかく買った高価なパーツが使えなくなってしまう事も。
整備経験の少ないライダーはバイク販売店やバイク用品店に取り付けを依頼するのが安心です。

全てのスマホ機種に対応していない

製品によってはスマホのバージョンや特定のメーカーから発売されているスマホに対応していないケースがあります。
購入前に目当てのモデルは自分のスマホに対応しているかどうかも調べておきましょう。

バイク用スマートモニターを選ぶ際のポイント

様々なメリット・デメリットがあるスマートモニター。
自身のバイクに取り付けができて、手持ちのスマホに対応しているスマートモニターを選びましょう。
ここからは選ぶ際のポイントを解説していきます。

違法スマートモニターを選ばない

スマートモニターを選ぶうえで最も重要なのが、違法スマートモニターを選ばないということ。
日本の屋外での使用が認められているスマートモニターは電波法に適合しており、使用基準を満たしていない製品を使用すると電波法で罰せられる可能性があります。

通販サイトには日本での使用基準を満たしてない安価なスマートモニターも販売されていますが、こういったものの購入、使用は避けましょう。

違法スマートモニターに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

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値段だけで選ばない

スマートモニターを選ぶ際に重要なのが値段だけで選ぶのではなく「なぜその商品がその価格なのか」ということを踏まえて、製品そのものに目を向けて選ぶということ。

安くても性能、品質が低い可能性があったり、付属の取扱説明書に日本語の記載がない、そもそも説明書が付いていないということも。
屋外で使用する製品なので耐震、耐水、防塵、放熱性は非常に重要であり、安い海外製品はどれかが欠けている可能性も大いに考えられます。

良いものであれば値段は張るかもしれませんが、それだけ長く使える期待感も高まるため、値段だけを見て安いものを買って後から買い直すよりも、最初から良いものを使うのが一番安く長く使える方法かもしれません。

また、スマートモニターはドライブレコーダーの有無によって製品価格や取り付けに必要な工賃が大きく変動します。
海外メーカーの格安品でもドラレコが付いているモデルもありますが、有名メーカーの製品と比較して極端に安いものには注意しましょう。

モニターの品質

スマートモニター自体のモニターの品質も重要なポイントです。
モニターの大きさや液晶の品質、明るさや視野角、操作性など中身が良くても実際目にするモニターが粗悪だと活かしきれません。

モニターによって操作してからの反応が遅いというものもあるので、レスポンスにも注目して選びましょう。

搭載機能

スマホとスマートモニターを接続して使用する上でCarPlayやAndroidAutoに対応しているかどうかは重要な判断基準になります。
対応していればかなり多くの使い方ができるようになるため、その他の機能も含めて自分が求めている機能が搭載されているかどうか確認して選びましょう。

自分の使用環境にあっているか事前に確認する

自分の使っているスマホが目当てのスマートモニターに対応しているかどうかも選ぶ際に重要なポイントです。
古いスマホや一部メーカーのスマホには対応していないケースがあります。

他にも取り付ける車体側に取り付けができるスペースがあるかどうかも判断基準。
同じメーカーから販売されているスマートモニターでも画面の大きさが違うものが販売されていることがあり、車体側の取付サイズにあったモニターを選びましょう。

物理ボタンやリモコンの有無

タッチ操作に対応していることが多いスマートモニターですが、雨で画面が濡れたりするとタッチ操作に反応しにくい場合があります。
そんな時に便利なのがモニターとは別にハンドルスイッチ部に取り付けるボタン操作ができるリモコンや物理ボタン。

これがあれば雨の中のライディング中でも、雨の影響を受けずに操作できるため役立ちます。

タイヤ温度・空気圧監視機能の有無

スマートモニターの中にはタイヤに専用のバルブを装着することで、タイヤの空気圧や温度をモニター上で確認することができる機能を持った製品があります。
本来目視では空気圧も温度も把握することはできないため、スマートモニターを取り付けるメリットとも言える機能です。

タイヤの空気圧、温度は非常に重要で、特に温度は走り始めなどからタイヤ温度をモニタリングできるため、予期せぬスリップや転倒を予防するライディングができます。

空気圧も日々の空気圧管理が簡単になるだけでなく、万が一走行中に釘を踏んで徐々に空気圧が減ってしまっていてもいち早く気付くことができます。

後方検知機能の有無

スマートモニターの機能としてリアカメラを使用して後方検知を行い、運転をサポートする機能を搭載したモデルがあります。
モニター越しに後方の確認ができ、後方の死角から車が接近してきた際にモニター上にアラートを表示するなどメリットは様々。

この機能は後方から近づいてくる車両をAIで自動検知するものと、ミリ波レーダーを使用して検知するものがあります。

製品によって性能が異なるため一概には言えませんが、ミリ波レーダーを使用したほうが精度が高いと言われることもあり、後方検知機能付きのスマートモニターを探しているなら、AI認識かミリ波レーダーを使っているのか、仕様をチェックしてみてください。

ドライブレコーダーの品質

今となってはバイクにも装着が一般的となったドライブレコーダー。
安全意識の高いライダーであればドラレコ機能もこだわりたいポイントだと思います。

この際に「ただ写って録画できれば良い」ではなく、ドラレコの性能にも目を向けるのがおすすめです。
スマートモニターにドラレコ機能が搭載されているモデルもあり、一見するとドラレコ付きスマートモニターの方がお得に感じるかもしれません。

しかし、ドラレコ単体の機能として考えたときに、大きな差が出るケースも少なくありません。
比較する上で次の項目を重視して選んでみてください。

・振動補正性能
・防水、防塵性能
・解像度(ナンバープレートが識別できるか)
・カメラの視野角
・フレームレートが27.5FPSで信号に対応しているか
・夜間や悪天候時の性能
・Gセンサー(衝撃センサー)
・GPSが搭載されていて位置情報が記録されるか

また、スマートモニターによってはただ映っているだけで録画機能はないというモデルもあるため注意が必要です。

スマートモニターとドラレコのセット商品を購入するか、スマートモニターとドラレコ別々に買うか、自分が欲しい性能をよくチェックして購入しましょう。
スマートモニターはドラレコの有無によって本体価格、取り付け工賃に差があります。

アフター対応

スマートモニター自体高価な製品のため、保証がついているかは重要なポイントです。
品質に自信を持っているメーカーほど保証をつけている傾向にあります。

またファームウェアアップデートの有無も使っているうちに良さが別れていくるポイント。
アップデートによって新しい機能の追加や不具合の修正が行われていくため、長く使い続けられるかどうかも判断しやすいポイントです。

自分に合ったスマートモニターを選ぼう

スマートモニターは様々な種類がありますが、購入するうえで重視しておきたいポイントは様々あります。

バイク用スマートモニター自体高価なアイテムなので、できるだけ購入前に展示を行っているバイク用品店やバイク販売店で実物を確認するのがおすすめ。
安いという理由で通販サイトの海外製格安スマートモニターを購入すると後々失敗するケースが考えられるためおすすめできません。

自分の使い方、欲しい機能、デザイン性、アフターサポートなど総合的に判断し、自分に合ったスマートモニターを使うことで、今よりもっと快適に、便利なバイクライフを楽しみましょう!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

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