初めてのフェリーを利用したツーリングで知っておきたいポイント解説!
公開日:2026.08.05 / 最終更新日:2026.08.05
お盆休みなどの長期連休を利用して、北海道や九州へのロングツーリングを計画している方も多いのではないでしょうか。
広大な自然の中を駆け抜ける旅はライダーの憧れですが、本州から自走で何百キロも走り続けるのは体力的に非常に過酷です。
そこで強い味方になるのが、人とバイクを一緒に運んでくれる「長距離フェリー」です。
ここでは、初めてフェリーを利用してバイク旅に出る方に向けて、チケットの取り方から乗船・下船の手順、大切な愛車を船内で固定する際の注意点、そして日本全国を結ぶ主要なフェリー路線までを詳しく解説します。
なぜロングツーリングにフェリーが最適なのか?

フェリー最大のメリットは、「移動しながらしっかり休める」という点に尽きます。
高速道路を走り続けての移動だと、目的地に着く頃には疲労困憊。
肝心のツーリングを楽しむ余裕がなくなってしまうこともあります。
その点フェリーであれば、バイクを積んでぐっすり眠っている間に、船が目的地まで運んでくれます。
到着した日の朝から体力MAXの状態でツーリングをスタートできるのが最大の魅力なのです。
乗船券の取り方と料金の注意点
フェリーに乗るためには、事前の予約が必要である場合が多いです。
とくにお盆休みなどの大型連休は「超繁忙期」にあたり、事前の準備が明暗を分けます。
予約は「発売開始直後」を狙う

ゴールデンウィーク、お盆など長期休暇が重なる時期のフェリー乗船券は、毎年熾烈な争奪戦になります。
航路やフェリー会社にもよりますが、目安として乗船日の2,3ヶ月前にウェブサイトや電話で予約が開始されることが一般的です。
とくに二輪車の積載枠は四輪車に比べて少ないため、人気の路線は発売当日の数時間で売り切れることも珍しくありません。
そのため、本来であれば「発売開始と同時に予約を完了させる」のがベストな立ち回りです。
しかし、「今年の夏はもう出遅れてしまった…」という場合でも諦めるのは早計です。
乗船日が近づくにつれて、予定変更によるキャンセルが発生することがあります。
とくにキャンセル料が変動するタイミング(乗船の1週間〜数日前など)は空き枠がポロッと出やすいため、諦めずに各フェリー会社のウェブサイトで空席照会をこまめにチェックしてみるのが、直前乗船の最大のコツです。
バイクの排気量区分と運賃
フェリーの運賃は「人間の乗船料(部屋のグレード)」+「バイクの運送代」の合計で構成されます。
バイクの運送代は排気量によって細かく分けられており、各フェリー会社ごとに「125cc以下/125cc超」や「125cc未満/400cc未満/750cc未満/750cc以上」といった区分が設けられているのが一般的です。
エンジンの仕様に関わらず、フェリーの料金はこの排気量(cc)の枠で決まります(サイドカーやトライクなどは車体形状によって別区分になる場合があります)。
誤った区分でチケットを購入してしまうと、当日乗船を断られたり差額の支払いで慌てたりすることになるため、車検証などで正確な排気量を確認しておいてください。
お部屋の選び方

船室は、完全個室から、カプセルホテルのようなドミトリー(寝台)、大広間で雑魚寝をするタイプまで様々です。
プライベートな空間を確保でき、セキュリティ面でも安心なドミトリー以上のクラスを選ぶのが、長旅の疲れを癒やすためにはおすすめです。
乗船前の準備:荷物の「仕分け」が超重要!

フェリー旅で最も重要なテクニックが、乗船前の荷物の仕分けです。
一度バイクを船の車両甲板に停めて客室エリアへ上がってしまうと、防犯や安全上の理由から下船時までバイクの場所には絶対に戻れません。
そのため、船内で使うアイテムはあらかじめ別のバッグ(エコバッグや小さめのリュックなど)にまとめておき、バイクを停めたらサッと持ち出せるようにしておく必要があります。
【船内に持ち込むべきアイテム例】
- 着替え・部屋着:リラックスできるジャージやTシャツ。
- サンダル(スリッパ):船内をライディングブーツで歩き回るのは非常に疲れます。100円ショップの軽いスリッポンやサンダルが、フェリー旅最強のアイテムです。
- 洗面用具・タオル:長距離航行フェリーを利用する際、大浴場を使うための準備。タオルは船内の売店でも購入できます。
- モバイルバッテリー・充電器:個室以外はコンセントの数が限られている場合があります。
- 酔い止め薬:船酔いしやすい方は、乗船前に余裕を持って飲んでおくのがおすすめ。
乗船から下船までの手順と「バイク固定」の注意点
初めてのフェリー乗船は少し緊張するかもしれませんが、手順を覚えれば決して難しくありません。
ここでは大切な愛車を船に積む際の重要なポイントを解説します。
① ターミナルでの乗船手続き
到着・手続き時刻は会社や港、繁忙期によって異なりますので、予約後に各社の案内を確認し、指定時刻までに到着しましょう。
到着後は窓口や自動発券機で予約番号を伝え、乗船券を受け取ります。
最近は、事前にウェブで決済を済ませ、スマートフォンのQRコードでそのまま乗船できるシステムも増えています。
② いざ乗船! 甲板のスリップに注意
案内放送が流れたら、係員の指示に従ってバイクごと船内の車両甲板へ乗り込みます。
このとき、乗船用のスロープや船内の鉄板部分は非常に滑りやすいため最大限の注意が必要です。
急発進、急ブレーキ、急なハンドル操作は避け、両足をつける態勢でゆっくりと一定の速度で進みましょう。
③ 【重要】バイクの固定とシートの凹み対策

所定の位置にバイクを停めると、係員が専用のロープ(タイダウンベルト)で車体を船体にしっかりと固定してくれます。
船の揺れでバイクが前後に動かないように、停車後のギアの入れ方やハンドルの向きは、必ず係員の指示に従ってください
また、固定作業の都合でハンドルをまっすぐにするよう指示されることがあるため、ハンドルロックは係員から指示されるまでかけないようにしましょう。
ここで注意したいのが、ロープの張力による車体への影響です。
フェリーでは転倒防止のため、シートの上からロープを通したり、フレームやステップ周りにベルトをかけて強く引き下ろすように固定します。
そのため、ロープの圧でシートのスポンジが一時的に深く凹むことがあります。
大半の場合は下船後にしばらく乗っていれば元の形状に戻りますが、ウレタンが劣化している絶版車や、デリケートなカスタムシートの場合は跡が残ってしまうリスクがあります。
これを防ぐためには、ロープとシートの間に挟むための厚手のタオルやグローブ、専用の養生パッドなどを自前で用意しておくのが最適解です。
係員が固定作業に入る際に「これをシートの間に挟んでください」と手渡せば、快く対応してくれます。
また、フルカウル車の場合はカウルにロープが干渉して傷がつくのを防ぐためにも、ウエスなどの緩衝材を持参しておくと安心です。
④ 下船時の注意
目的地に到着し、車両甲板へ戻るアナウンスがあったら愛車のもとへ向かいます。
この時、周囲の車やバイクが外に出るまでは絶対にエンジンをかけないでください。
密閉空間である甲板で一斉にエンジンをかけると、排気ガスが充満して非常に危険です。
前方の車列が動き出し、自分の出発の番が近づいてからエンジンを始動するのがマナーです。
北海道から九州まで! おすすめ国内フェリー路線

最後に、バイクでのロングツーリングで定番となっている国内の主要な長距離路線をいくつか紹介します。
【北海道方面】
- 大洗(茨城)〜 苫小牧(商船三井さんふらわあ) 首都圏のライダーにとって最もメジャーな北海道ルート。夕方に出発し、翌日の午後には北海道に到着します。仕事終わりにそのまま乗船できるアクセスの良さが魅力です。
- 新潟 / 敦賀 / 舞鶴 〜 小樽 / 苫小牧東(新日本海フェリー) 関西・中部・北陸エリアからのアクセスに優れています。船の巡航スピードが速く、日本海をあっという間に縦断できるのが特徴です。
- 仙台 / 名古屋 〜 苫小牧(太平洋フェリー) 「海上のホテル」と称されるほど、豪華な設備が魅力。少し時間がかかっても、優雅なクルージングを楽しみたい方にぴったりです。
【九州方面】
- 横須賀(神奈川)〜 新門司(福岡)(東京九州フェリー) 関東から九州へ直行できる画期的な航路。約21時間で九州に到着するため、自走で行くよりも圧倒的に時間と体力を節約できます。
- 大阪 / 神戸 〜 別府 / 大分 / 志布志(さんふらわあ) 関西から九州へ向かう大定番のルートです。とくに阿蘇や湯布院をツーリングの拠点にするなら、別府や大分に到着する便が非常に便利です。
- 大阪 / 神戸 〜 新門司(阪九フェリー・名門大洋フェリー) 瀬戸内海を航行するため、外洋に比べて波が穏やかで、船酔いの心配が少ないのが特徴です。
フェリーを利用して快適で楽しいツーリングを計画!

フェリーは単なる「移動手段」ではなく、旅の充実度を格段に上げてくれる素晴らしい選択肢です。
初めての乗船は少し緊張するかもしれませんが、一度経験すればその快適さと便利さの虜になるはずです。
お盆休みなどの大型連休はチケットの確保が最大の関門ですが、無事に予約できれば最高のロングツーリングが約束されたようなもの。
バイクを固定する際のちょっとした対策や、乗船時の注意点をしっかり押さえて、安全で思い出に残るバイク旅を存分に満喫してください。








