わからないと不安な道路標識ってありますよね。特に、原付バイクの場合は他のバイクとは交通ルールが違うのでとまどってしまいます。安全運転のためにもいま改めて知っておきたい道路標識・標示について紹介します。

1.全国各地で重点的に取締り中! 信号機のない横断歩道


ここ数年、全国の警察がもっとも取締りに力を入れているのが横断歩道手前での減速・停止義務です。その理由は、歩行・自転車乗車中の死者の約7割が道路横断中だから。道交通法第三十八条「横断歩道等における歩行者等の優先」では、横断歩道に歩行者等(歩行者と自転車)が明らかにいない場合を除いて、横断歩道等の直前では「停止できるような速度で進行しなければならない」とあります。

つまり、横断歩道の近くに人がいれば、その人に横断歩道を渡る意思があろうがなかろうが、すぐに停止できる速度に減速しなければいけません。横断しようとしている人がいれば、横断歩道または直前の停止線で一時停止し、歩行者や自転車の横断を妨げてはいけないと定められています。なお、これに違反すると、罰則や反則金を受けることになります。

<横断歩道等における歩行者等の優先の違反>
罰 則:3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反則金:大型車12,000円、普通車9,000円、自動二輪車7,000円、原付一種6,000円
点 数:2点

これが、いま運転中に最も注意しなければならない交通ルールです。それでも、信号機のない横断歩道で止まらないクルマは約8割にのぼるという調査結果(2020年JAF調査)もあります。ここまで守られていないのには様々な理由があると思いますが、都心などを走っていて思うのは、横断歩道を知らせる標識や標示が見えにくいこともあると思います。見えにくい状況において、直前に横断歩道を渡ろうとしている歩行者を見つけて急停止すれば、後続車に追突される恐れもあります。

信号機のない横断歩道を知らせる道路標識と道路標示

筆者が心がけているのは、信号機のない横断歩道を見つけるための視点移動です。渋滞下、あるいは車間距離を詰めて走ってしまうと標示のダイヤマークはすぐに見えなくなりますし、青色三角形の標識は歩道の端にあるかと思えば、道路の真上にある場合もあります。商店街などでは、他の標識や看板に隠れていることも多く、見落としがちです。こうした点を意識しながら走るだけで、横断歩道を早めに発見でき、通過、減速、停止の判断が早めにできるようになりました。

2.原付バイクに乗るなら必修ルールの「二段階右折」


原付バイクの交通ルールで最もわかりにくいものが「二段階右折」です。どの交差点ですべきなのかわからないという声をよく聞きますが、簡単に言うと「3車線以上の交差点」で行います。交差点の30m手前までは2車線道路でも、そこから右(左)折レーンが設けられていれば、それで3車線となり、二段階右折が必要になります。

<二段階右折の方法> 出典:広島県警察サイトより

原付バイクは一番左の車線内を「キープレフト」で走ることが定められているので、こうした交差点直前のレーン状況をつかむのが難しいことが多々あります。初めて通る幹線道路や全車線が渋滞していて右折レーンが増えていたことに気づかないなど、迷ったり、つい二段階右折をし忘れたりということもあるでしょう。

左折専用レーンは直進可能

また、二段階右折をすべきか迷う状況のひとつに、交差点の直前で左折専用レーンが出てきた場合があります。この場合は、左折専用レーンをそのままキープレフトで進みます。その後は通常の二段階右折と同じ方法です。

信号機に左折矢印が点灯している場合は待機

この場合は、左折専用レーンであっても交差点へ進入できません。左折専用レーン内の左端にて待機し、信号が青(または直進矢印が点灯)になるのを待ちます。左折矢印や右折矢印で交差点内に侵入すると信号無視となります。

二段階右折禁止の交差点では小回り

T字路など左側に待機スペースが確保できない交差点や車線の多い複雑な交差点では、通常の右折(小回り)が指示される場合があります。こうした状況では、交差点の直前に二段階右折禁止の標識が設置されているのですが、見逃しやすいのが難点です。標識は歩道橋の主桁などに出ていることも多く、バスや大型トラックの後ろについてしまうと見えないことが多いので、車間距離を取るなどして備えましょう。

二段階右折禁止の標識があれば、強制的に二段階右折

車線の数などに関係なく、二段階右折の標識が出ている交差点では二段階右折をする必要があります。

<交差点右左折方法(二段階右折義務・二段階右折禁止義務)違反>
反則金:原付一種3,000円
点 数:1点
※「信号無視」となった場合は2点6,000円

3.その他に、いま注意すべき標識とは?


その他に、特にいま注意したい標識としては、全国各地に点在する二輪車通行禁止区間、高速道路や有料自動車道といった自動車専用道路の入口を示したものがあります。これらはどちらもうっかり進入するケースが後を絶たない区間・路線となっています。

①二輪車通行禁止区間
バイクブーム時のローリング族の騒音・事故問題など様々な理由で二輪車の通行を禁止している区間です。社会情勢の変化などから通行禁止が解除されることもありますが、全国にはまだ500か所以上も残っています。通行禁止の時間帯が限られている区間も多いので、標識等をよく確認しましょう。

なお、最新の情報は下記団体のサイトにまとめられています。
・日本二輪車普及安全協会「二輪車通行規制区間情報

<通行禁止違反>
反則金:自動二輪車6,000円、原付一種5,000円
点 数:2点

②自動車専用道路
最近、問題になっているのが自動車専用道路への自転車や原付一種・二種バイクの進入・走行です。デリバリー事業者が原付バイクで高速道路を走っている映像がSNSで拡散されたりと、いま改めて注意喚起が促されています。観光道路以外の有料道路の多くは自動車専用道路であり、125cc以下のバイクは走行できないことを改めて周知する必要がありそうです。

<通行禁止違反>
反則金:自動二輪車6,000円、原付一種5,000円
点 数:2点

バイク、特に原付運転時に注意しておきたい道路標識・標示についてまとめました。この他にもたくさんありますが、これだけでも覚えておけば、違反のリスクを軽減できるでしょう。

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■筆者プロフィール

田中淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。