自動二輪免許を取得したら、バイクで通勤・通学をしたりツーリングを楽しんだりと、バイクの活用シーンや楽しみ方は無限に広がっていきます。今回は、バイクに乗るうえでの基本ともいえる「街乗り」についてお届けします。どこへ行くにも、まずスタートは街乗りです。そこで、街乗りで気をつけるべきポイントや、上達のためのコツをご紹介します。

街乗り走行時のポイント3選

まず、街乗りの際にスムーズなライディングをするための主なポイントを3つご紹介します。

【ポイント1】割り込み、急停止、駐停車に注意

交通量の多い道路では特に、コンビニなどの駐車場から突然車線に入ってくる車両や、急に車線変更をしてくる強引な車両がいたりします。目の前を走っているタクシーがお客を見つけて急停止などということも。また、道路脇への駐停車も非常に多く、停まっている車両のドアが突然開いて、降りてきた人と衝突といった事故にも注意しなければなりません。

【ポイント2】道路の流れを見極めよう

当然ですが、道路の状況は時と場所によって大きく変わるもの。例えば別の道路と左側で合流するときは左車線が、前方に右折レーンがあるときは右車線が渋滞しがちです。バイクでスムーズに走るには、走行中の道路の先の状況まで考え、より流れるであろう車線を選ぶことも重要です。また、時間帯によって走行レーンが変わる道路もあったりするので、よく利用する道路のことはしっかり頭に入れておくのがポイントです。

【ポイント3】標識の見落としは大失敗のもと

街なかの大きな道路は交通量が多くてそちらに気をとられたり、道幅が広いこともあり、つい標識を見落としてしまうこともあるかもしれません。一方通行を逆走してしまったり、Uターン禁止のところで転回してしまったら、それは完全な交通違反。めったにありませんが、一般道でも都内のアンダーパスなどで二輪が通行禁止といった道もありますので、画像の標識「二輪の自動車および原動機付自転車通行止め」の有無を必ず確認しましょう。

よくある街乗りトラブルと、その対処法

あまり遭遇したくはないですが、街乗りでも時にはトラブルが起きることもあるでしょう。そこで、よくあるトラブルを3つ、予防や対処方法とともにご紹介します。

【トラブル1】つい油断してガス欠に

幹線道路にはあちこちにガソリンスタンドがありますが、都市部の中心地に向かえば向かうほど、地価が高くなるなどの理由でガソリンスタンドの数が少なくなりがちです。「この先にもあるだろう」と思っていると、ガス欠になるまで見つからない可能性も。また、ガソリンスタンドが見つかっても、都市部は郊外に比べてガソリンの価格がかなり割高ということもよくあること。たとえ街乗りでも、給油はこまめに、お早めに。ちなみに、以前公開した記事のマメ知識コーナーで紹介しましたが、ガス欠を回避する手段のひとつが「RES(リザーブ)」機能です。詳しくは「落ち葉で滑って大転倒! 先輩の失敗からツーリングの注意点を学ぼう」の記事のマメ知識コーナーをご覧ください。

【トラブル2】市街地の細い道で、うっかり迷子

幹線道路だけで目的地に着ければよいのですが、いつもそうはいきません。大きな通りから市街地の細い道に入った際に、思わぬところで一方通行に出くわすなんてことはよくある話。そして回り道をした結果、道に迷ってしまうこともあります。しかし、たとえ大きな道路でも、うっかり目的地を過ぎてしまい、戻りたくてもUターン禁止でどんどん先に流されて、気がついたら目的地はどこへやら。「ここはどこ?」といった状況に陥ることもあるでしょう。また東京都内では、道幅が狭く、分岐も激しく、さらにスピードも速い首都高も慎重に走りたいところ。誤って目的の方向ではない路線に入って、まったく知らないエリアにたどり着いてしまうといったことも十分にありえます。道に迷ってしまったとき、急いで対処しようとするとかえって危険です。幹線道路ならコンビニなどの駐車場、首都高ならパーキングエリアといった安全な場所にバイクを停めて、地図やスマホで現在の位置やルートを再度確認しましょう。

【トラブル3】やっぱり怖い、交通事故

3つのポイントにも書きましたが、街乗りだと突然の割り込みや急停止、対向車の急な右折など、事故のもとになる要素がたくさん潜んでいます。事故は自分のミスだけでなく、相手のミスでも起こるもの。そうした「もらい事故」に遭わないためには、自分の存在を車に認識してもらうのが重要です。特に車には死角があるため、前を走る車のバックミラーに自分が映るような位置で走るのがポイント。自ら死角に入らないようにしましょう。また、バイクは車に比べて車体が小さいため、実際の位置よりも遠くにいるように見えてしまいます。対向車線で右折しようとしている車がいたら「自分がまだまだ遠くを走っているように見えているかも」と考え、スピードを落とすなどして車の急な右折にも対応できるようにしておきましょう。

街乗りを少し便利にしてくれるアイテムたち

長距離を走るツーリングだけでなく、街乗りでも注意すべき点がたくさんあることがおわかりいただけたかと思います。そんな気をつけるべきポイントの多い「バイクの街乗り」を少しだけ快適にしてくれるアイテムを3つご紹介します。どれも珍しいものではないですが、街乗りでもツーリングでも、お役立ち度は満点です。

スマホマウント

行き先までのルートを調べる際や道に迷ってしまったとき、皆さんもスマホの地図アプリを活用しているかと思います。そのスマホをスマホマウントでバイクに装着すれば、簡易GPSのできあがり。わざわざポケットから取り出す手間もありません。ちなみにスマホマウントでありがちなトラブルもご紹介しておくと、スマホを挟む部分がちょうど電源ボタンに当たり、走っているときの振動でボタンが長押しされて電源が落ちるといったことや、真夏の炎天下、スマホマウントにスマホを装着して長時間ナビを起動していると「高温注意」といった表示が出てスマホが操作できなくなるといったことがあります。スマホマウントは間違いなく便利なアイテムですが、そういったトラブルもあるので注意しましょう。なお、スマホ画面の確認や操作はあくまで停車時に行ってください。走行時の使用は絶対にNGです。

レインウェア

便利というより、必須アイテムといえるのがレインウェア。これさえあれば、急な雨で体がズブ濡れに、などということもありません。たかがレインウェアとあなどるなかれ。実はこのレインウェアのお役立ちシーンは雨の日だけではありません。天気予報が外れて、思ったよりも気温が上がらなかったとき。出先の用事が長引き、日中に帰る予定が夕方になってしまってグッと冷え込んだとき。長時間の走行で体が冷え切ってしまったとき。レインウェアは防寒にもなるので、街乗りはもちろん、バイクに乗るときには必ず携帯したいアイテムです。

タンクバッグ

バイクを運転するときは、できればリュックやショルダーといったバッグを背負わず、身軽な格好で乗りたいですよね。特に街乗りで「ちょっとそこまで」といったときは、身ひとつで乗りたいもの。そこで便利なのが、バイクの燃料タンクの上に固定する「タンクバッグ」。磁石式、ベルト式、吸盤式などがありサイズも形状もさまざまですが、目の前にバッグがあるのでとにかく荷物の出し入れがラクラクです! タンクバッグを選ぶ際は、雨天時の考えて、防水性の高さやレインカバーの有無をチェックすることもお忘れなく。

まとめ

街乗りは交通量も標識も多く、気をつけるべきポイントがたくさんあって、最初は緊張するかもしれません。でも慣れてくれば、その街の個性的なお店や面白そうなスポットなどに気がつく余裕も生まれてきて、街乗りが楽しくなってくるはずです。「ツーリングは楽しいけれど、街乗りはちょっと」などとは思わず、ぜひ街乗りに出かけてみてください。ただし、余裕が出てきたからといって、キョロキョロと脇見運転するのは厳禁ですよ!

マメ知識コーナー

世界初のバイクの開発者は、ドイツの高級自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」の生みの親でもあるゴットリープ・ダイムラー氏と言われています。1885年8月、ダイムラー氏は「乗用車」の特許を取得したのですが、その乗用車というのが内燃機関(エンジン)で駆動する二輪車だったのです。バイクの名前は「リートワーゲン」。補助輪のようなものがついていたため、厳密には「4輪のバイク」でした。ちなみに最高時速は約12km/hだったようです。

■筆者プロフィール

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