カウリングはライダーを風から守ったり空気抵抗を減らしてくれるパーツとして多くのバイクに採用されています。

そんなカウリングはいつ頃生まれ、どんな風に進化してきたのでしょう?

初のカウリングが登場したのは100年前

出典 Sie sind hier
カウリングがバイクに取り付けられるようになったのは1920年代です。
当時はバイクやクルマだけでなく飛行機のレースも盛んでした。

空気抵抗を減らすことがとても大事だった飛行機がエンジンや脚をカバーで覆うようになり、こういった考え方がバイクにも広まっていったようです。

出典 Pioneers of flight
1950年代になるとロードレースの世界でストリームライナーと呼ばれる大型のカウリングを装着したバイクが登場します。

空気抵抗を減らして最高速度をあげるこのカウリングは当時のレーシングマシンの特徴的な部分と言えるでしょう。

出典 iomtt

市販車にもカウリングの時代が到来

70年代になるとストリートを走るバイクにもカウリングが取り付けられるケースが徐々に増えていきます。
レースで優勝したマシンのレプリカも登場してきました。

これは72年に登場したドゥカティの750SS。
イモラ200で優勝したレーシングマシンのレプリカです。

出典 STUART PARR
ヨーロッパ製のバイクは高速で走ることを考え、BMW R100RSのように少し前傾したポジションとカウリングを組み合わせたバイクが多く生まれました。

出典 MCN
アメリカのハーレーは長距離ツーリングでライダーの疲れを低減させる為にカウリングを装着したモデルを作っていました。

出典 Motorcycle Specifications

カウルが認められなかった日本の70年代

この頃、日本ではカウリングのついたバイクは認可されていませんでした。

国産車でカウリング付きなのはカワサキZ1RやホンダCB1100Rといった輸出モデルだけ。

だから多くのライダー達にとってカウリングのついたバイクは憧れの的。

いくつかのショップがアフターマーケット用のパーツとしてカウリングの販売をします。
その中でも爆発的な人気になったのがモータープロダクトヤジマ。

カフェレーサーブームの中にセパハン、フルカウリング、シングルシートを作って色々なバイクをヤジマ仕様にしました。

写真提供 モータープロダクトヤジマ

ただし、今とは比べ物にならないほど改造に対しての規制が厳しかった当時、ヤジマ仕様に改造されたバイクは合法ではありませんでした。

当時のお話をうかがうとお客さんには「信号待ちで一番前に出るな」とアドバイスしたそうです。
検問をやっている時、赤信号で止まっていると目立って捕まりやすくなるからだとか。

遂にカウリングが純正で標準装備に

そんな日陰の存在だったカウリングが遂に市販車に標準装備されることになったのが82年のこと。

ホンダから遂にCBX400インテグラが発売されます。

「やっとカウリング付きのバイクが出た」って騒ぎになりましたが、400ccクラスは血気盛んな若者達の乗り物だった為か、あまり売れませんでした。
「オジさん臭い」って思われてしまったんですね。

けれどその後にスズキから出たRG250Γは、レーシングマシンそっくりのスタイルで大変な反響を呼びました。

このバイクをキッカケにして他のメーカーもカウリング付きのレーサーレプリカを次々に投入。

レプリカブームが始まることになります。

カウリングから生まれた新しいデザイン

その頃、ヨーロッパはどんなことになっていたかといえばフルカバードされたマシンなどが登場して、新しいバイクのスタイルが生まれていました。
これはビモータdb-1。

出典 SILODROME
BMWはK1を発売。
この頃は近未来のバイクと言われるほど斬新なスタイルでした。

イタリアのジレラではロケットタイプのハーフカウリングを装着したサトルーノが生まれてレトロなカフェスタイルが話題に。

出典 Sumally.com
これも近未来バイクと言われたジレラのCX125。

前後片持ちのサスペンションでした。

出典 Sumally.com
その後は現在のようなスーパースポーツやツアラーなどが登場するようになります。

しばらくするとカウリング付きのバイクなんて当たり前、という感じになってくるわけですが、MVアグスタが2000年に入ってから発売されたF4のデザインの美しさは世界中のバイクマニアの間で大変な話題となりました。

鬼才・マッシモ・タンブリーニのデザインは、その後のバイクのデザインにも大きな影響を与えることになります。

このようにカウリングには長い歴史があり、バイクを大きく変えてきました。
そして現在も様々なカウリング付きのバイクが登場しています。

もしかしたらまた、斬新なカウリングが登場してバイクの世界に革命を起こすのかもしれません。

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