季節を問わずに悩まされるのが「ヘルメットシールドの曇り」です。曇ったり水滴ができたり、前方が見えづらくなりとても危険な状態となります。視界を確保するためには、メガネのレンズも含めた対策をしましょう。

1.ヘルメットの曇り止めとは? そのメカニズムを知ろう


ヘルメットのシールドが曇ることはよくあることですが、このようなシーンが代表的です。

①冬場など外気温が低い時に自分の吐いた息で曇る(停止時・走行時を問わず)
②寒い日に、コンビニの店内など暖かい場所に入った瞬間に曇る
③夏場などエアコンで冷えた室内から蒸し暑い屋外に出た瞬間に曇る

シールドが曇るという現象は、冷蔵庫から出した缶ビールに水滴がつく(結露する)のと同じ原理です。空気中の水分が比較的多い夏場は、エアコン等で冷やされたシールドに暖かい外気が触れて結露し、空気が冷たく乾燥している冬場は、自分がはいた息(暖かくて湿度の高い水蒸気)によってシールドが結露して曇ります。

これらは、表面結露と呼ばれる現象で「表面温度が低いもの(シールドやメガネの表面にある空気)」と「水蒸気の多い空気(夏場の外気や冬場の息など)」が触れ合うことで、水蒸気が多いほうから少ないほう(シールド表面の空気)に動き、冷たいものの表面に曇りや水滴といった結露を発生させるものです。

「曇ってしまったら拭き取ればいい」と思いますが、走行中や信号停止の瞬間など、いつ曇るのかは予測が難しく、普段からの対策がとても重要です。

2.ヘルメットシールドの曇り対策は大きく2つ


ヘルメットシールドの内側が曇った時は、どうしますか?
①シールドを少し開けたりエアインテークを調整して、走行風を当てて曇りを取る
②グローブ(指)で曇り(水滴)を拭き取る

こんなところだと思います。

ですが、固定式のシールドだと走行風が当てられませんし、グローブでシールドを触ると傷がつく可能性が高いのでオススメできません。やはり、走行前にしっかりと対策をしておきましょう。代表的な対策は2つです。

1.曇り止めスプレーなどのケミカル剤をシールドに塗る

シールドの内側に曇り止めを施します。スプレータイプでなるべく小さなものが携帯に便利です。こうしたケミカルはとても有効ですが、2週間くらいで効果が弱まるものが多いので定期的に施しましょう。また、曇り止めと一緒に、シールドの外側にはっすいスプレーを施せば、雨天走行でも不安がありません。

■DATA
品 名: LAVEN(ラベン)「くもり止め 100ml」
価 格: 950円(税込)
サイズ: 100ml
■DATA
品 名: LAVEN(ラベン)「はっ水剤 100ml」
価 格: 950円(税込)
サイズ: 100ml
●問合せ先: 株式会社ラベン
電 話: 0120-80-9400

なお、シールド用の曇り止めスプレーをメガネに使うというのはオススメできません。効果がないわけではありませんが、成分によってはメガネのレンズやフレームといった素材を傷める恐れがあります。また、ケミカル剤の中には臭いがキツイものもあるので、その点にも注意が必要です。あくまでも非常用と考えましょう。

2.ピンロックシートを装着する

ピンロックシートは、ヘルメットシールドの内側に装着することで、冷たいシールドと暖かい息が触れないように断熱層を作り、曇り(結露)を防いでくれます。ピンロックシートを装着するときはシールドの内側を脱脂してきれいにし、ピンロックシートをたゆませながらロック部に固定することでシリコンシールをシールドの内側と密着させます。シリコンシールが劣化してきたら(密封性が弱まってきたら)シートの交換時期です。ピンロックシートはヘルメットメーカー各社から発売されていますが、ヘルメットやシールドによっては用意されていないものもあります。

■DATA
品 名: アライヘルメット VAS-V MVピンロック120
※VAS-V MVシールド、プロシェードシステム専用ピンロックシート
価 格: 2,800円(税別)
カラー: クリアー
URL: https://www.arai.co.jp/jpn/fullface/a-x_top.html

上記2つの対策は、下記に詳しく書かれていますので参考にしてください。

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3.メガネ着用ライダーはメガネの曇り止め対策も必須!

さて、メガネ着用ライダーならばもうひとつ、メガネの曇り対策も必要となります。シールドが曇らなくてもメガネが曇ってしまったら元も子もありません。シールドと違ってメガネの曇りは走行中に拭き取ることが難しいので確実な対策が必要となります。

今回テストしたのは、お馴染みのブランド「クリンビュー」のメガネ用曇り止めです。スティックタイプの「メガネクリンビューくもり止めクリーナー」とシートタイプの「メガネクリンビューくもり止めシートクリーナー 30包くもり止め クリーナー」の2つを使ってみました。どちらも携帯性に優れ、ジャケットのポケットにも入る大きさです。ちなみに、この2つの製品はヘルメットのシールドやゴーグルレンズ、さらにはサングラスにも使えます(※視界の邪魔にならないところでテストして問題がないことを確認のこと)。

■DATA
品 名: メガネクリンビューくもり止めクリーナー
価 格: オープン価格
容 量: 10ml ※約120回分
製品サイズ: W80 × D25 × H130mm
URL: https://www.ichinen-chem.co.jp/business/consumer/cleanview/items/view/93

両製品には特殊くもり防止剤が配合され、曇り止め効果が長続きするように設計されています。指紋による皮脂汚れや油汚れも落とせるので、クリーナーとしての効果も高いのが特徴です。

■DATA
品 名: メガネクリンビューくもり止めシートクリーナー 30包
価 格: オープン価格
容 量: 30包 ※約1か月分
製品サイズ: W62 × D50 × H130mm
URL: https://www.ichinen-chem.co.jp/business/consumer/cleanview/items/view/91
問合せ先: 株式会社イチネン ケミカルズ
電 話: 03-5446-3142(月~金 9:00~17:00)

効果を試すために、ぐつぐつと沸騰し水蒸気がもうもうと吹き上げているやかんの上に、両製品を塗布したメガネをかざしてみました。これほどの水蒸気にさらされるシーンはないと思いますが、メガネのレンズは全く曇りません。これでもかとかざしていたら、水蒸気が滴ってきて、やり過ぎ状態に。それでもレンズのきわに至るまで少しも曇らないのには驚きました。

これほどの性能ならば、冬場や雨天のライディングでも安心して使えます。また、春先の花粉の時期など、マスクをしながら運転するライダーにはとても心強いアイテムとなってくれそうです。

なお、同社製品にはメガネケアのためのアイテムが豊富に揃っています。ライディングでは想像以上にメガネを酷使してしまうので、レンズやフレームのメンテナンスにもオススメです。

■DATA
品 名: メガネフレームシートクリーナー
価 格: オープン価格
内容量: 10枚入り
製品サイズ: W140 × D22 × H230mm
URL: https://www.ichinen-chem.co.jp/business/consumer/cleanview/items/view/137
■DATA
品 名: メガネクリンビューレンズ汚れクリーナー
価 格: オープン価格
内容量: 10ml
製品サイズ: W80× D25 × H130mm
URL: https://www.ichinen-chem.co.jp/business/consumer/cleanview/items/view/92

4.タンデム時には子どものシールド、メガネにも対策を


子供用のヘルメットにはピンロックシールドが用意されていないこともあります。シールドの曇りに対してお子さん自らが対処することは難しいので、走行前に曇り止めスプレーなどでしっかり対策しておきましょう。また、曇り止めを塗布した後、大人と違ってどうしてもシールドの塗布面をベタベタ触ってしまうので、大人よりも頻繁にケアしてあげてください。また、同時にシールド外側へのはっ水処理も行い、クリアな視界を確保してあげましょう。

いかがでしたか? 安全運転のため、楽しいツーリングの思い出のため、シールドとメガネの曇り対策はとても重要なメンテナンスです。出かける前には必ず気にかけるようにしてください。

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■筆者プロフィール

田中淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。