実はHONDAのCB400SF verRからYAMAHAのGX250に乗り換えていました。

 

HONDA CB400SF verR
YAMAHA GX250

CB400SFの高回転からの伸び、低回転のトルクの弱さ(ぶっ壊れてるんじゃないかというくらい弱くて愛おしかったです笑)などなど気に入っていた部分は沢山あり、初めてのバイクであり思い出も盛りだくさん…!
当初は車検まで乗れていればいいと思っていたのに愛着湧きすぎて涙の別れでした。

乗り換えの理由

乗り換えた理由はいくつかあるのですが、一番はもっといろんなバイクを乗ってみたいという気持ちからでした。
車検が切れるギリギリまで悩んだのですが、CBだけにこだわってしまってはダメだと思い別れを決めました。

乗り換えるにあたり、免許を取る前から憧れていた丸目ネイキッドが欲しいと思いました。
また、CBがHONDAの水冷だったので次はHONDA以外で空冷が欲しいなあと思っていました。
丸目ネイキッドで空冷となると気に入るものは旧車ばかり…値段的にも手が出そうにないです笑

SRやエストレヤなどもありますが、単気筒は原チャがあるからとあまり考えていなかったです。
色んなバイク屋さんを回り、当初、見た目重視でZRX、スペック重視だとZR-7を考えていました。
そんな中GXに出会いました。在庫を見るとGX750とGX250が在庫有でした。

YAMAHA GX250

 

GX750のスペックが3気筒で動力伝達方式がシャフト、ものすごく気になり車輛の状態を見てみるとエンジンがかからない…!
さすがに手に負える自信がなかったので、残るはGX250。こちらは可動確認はできました。

2気筒だと整備の勉強の入り口としてはとても良いし、車検もないのでのんびり整備できるんじゃないかな?と思いました。あと車検通してもすぐ壊れたら悲しいなあと思いました笑
また、GXは400もいるのでゆくゆくはエンジンの載せ替えもできるのでありだなあと思いました。
「何より見た目が非常にかっこよい!!見れば見るほどかっこいい…!」と惚れ込んでいるうちにいつの間にか購入していました笑

 

正面はもちろん、後ろから見てスッキリ左右対称なところが気に入ってます。

そんなこんなで自分で直したいと思い購入したGX250。
整備はしてもらわずそのままの状態で引き取りました。
色々な個所の不調を直しているうちにあっという間に月日が経っていました。
今回はそのうちの1つについて書いていきます!

エンジンがかからない…

納車してから不調箇所を色々直していて、概ねやりたいことはできたので「エンジンをかけるぞ!」とセルを回したらエンジンが全くかかりませんでした。

うーん。圧縮は規定値があるかはわかりませんが、プラグホールに圧はあります。
プラグからは火が飛んでいる…ということはキャブかしら…?
などなど思いつくことをアレコレやっていると、プラグの火花が弱いように感じました。

段々火花が弱くなっていって…ついには火花が飛ばなくなりました。
点火系統の不調に直面するのは初めてだったので、試行錯誤しながらやっていきました。
まずプラグコードの抵抗値を測ると、抵抗が大きくなってしまっています。
年式が年式なのでこの機会にイグニッションコイルを変えてみました。

少し加工が必要で、はんだ付けを行いました。
この時赤いコードしか持っていなかったので両方赤色になってしまいました。
黒いコードを手に入れたら再度付け直そうと思ってました。

右側は黒いコードを手に入れたのでちゃんとどこから電気を取っているかわかります。
左側は相変わらず赤2本です。怠惰です。
イグニッションコイルを変えてみると、火花は飛ぶようにはなったのですが、こんな弱かったっけ?と言った具合です。エンジンはかかりそうでかからないです。
左側のプラグキャップがうまく入っていないのも気になるので新品に交換しました。

この状態で火花を見てみると、多少良くなった気もします。初爆はあるものの、アイドリングには至らず…。

今までの不調の原因を考えてみました。
信号待ちでエンスト、プラグが片方だけ黒く焼けているなどなど、コンデンサが不調の時の状態と一致します。
しかし点火時期も気になるところですが、点火時期は下手したら手に負えなくなりそうであんまり触りたくなかったです。
コンデンサを変えてダメだったら点火時期をやってみようと思いました。

コンデンサを変えてみると、今までで一番良い火花が飛んでいます。
それでもエンジンはアイドリング10秒くらいしてストールしました。

いよいよドキドキ点火時期です。
マニュアルやネットで点火時期の調節をやっている人の記事を読んでいくと、
①ポイントギャップ(隙間)の調節
②点火時期の調節
③点火時期の確認及び進角の確認
の順番でやっています。
そのまえに進角(エンジンの回転数に合わせて点火時期が進む状態)の調節をしてくれるガバナという装置があるのですが、グリスアップしたほうが良さそうなので同時にここのグリスアップを行います。

ポイントです。
ガバナに到達する為、ポイントは外していきます。
配線を外すと時間がかかりそうなので外さずに配線に負荷をかけないように置いておきます。

最悪の場合、最初の状態に戻せるように合いマークを付けておきました。

車体からガバナを外して、部品と部品が合うところにグリスアップをしていきます。
遠心力によってガバナが開き、進角する仕組みらしいです。
スプリングの隙間が少し広いような気もしますが、基準がよくわからないし、以前乗ってみた際に高回転時は走れていたのでとりあえずこのままです。

合いマークをしていたことを忘れ、ポイントもきれいにしようと思ってパーツクリーナーを噴いたら合いマーク消えちゃいました;;;
オイルフェルトと呼ばれる肌色の部品にもグリスを染み込ませました。

ポイントギャップの調節を行います。
シックネスゲージが必要なのですが、持っていないので厚紙でやってみます…。
まずクランクを回してギャップが一番開くところに合わせて、隙間の調節を行います。

丸のネジを緩めて左右それぞれ調節していきます。
ポイントが中々動かなかったのでマイナスドライバーを使って、ポイントの面が傷つかないようにして調節しました。

次に点火時期の調節です。
タイミングライトが必要なので借りました。

大きなネジを外し、ポイントなどがくっついている丸い台部分(ローター)を動かしてまずは左側の点火時期を合わせます。
タイミングライトで点火時期の確認を行い、LF(Left Fire)に合うように行います。
左が合ったら同様に右を行います。

右はこちらのネジを緩めて微調節する感じです。

右側を見ています。
合いマークとずれてる状態です。
右がどうしても合わなかったのでポイントギャップをやり直したらうまくいきました。

左右の点火時期があったら、今度はアイドリング状態の点火時期を確認し、次に3000prm時の点火時期の確認を行いました。
3000prmのとき、進角は最大状態になっていて上死点前36°に合っていれば点火時期は良好です。
こちらも合いマークで確認します。

点火時期を合わせ、エンジンをかけてみると…かかりが半端なくいいです。
これが調節されたバイクかあ…と感動しました。
アイドリングも安定しています。少し高めなのでマニュアル値になるよう調節します。
試走してみようと思い、しばらく暖気していると、段々回転数が落ちていき、ストールしました。
点火時期でも駄目だったので正直お手上げ状態でした。
キャブは以前清掃したのでなんとなく電装系な感じがします。
もしかして充電できていない…?と思い充電電圧を測ってみますが、回転数を上げると電圧も上がるので大丈夫そうです。

インターネットでいろいろ見てみると、コックの劣化が原因でエンジンがうまく回らないという記事を発見しました。コックは新品に変えてるのであまり該当しない気がします。
なんとなくキャブが気になったので一応清掃をすることにしました。

清掃をして再度エンジンをかけてみました。
が、やはりエンスト。
先ほど見つけたコック関係の記事を思い出し、コックをリザーブにしてエンジンをかけてみると、エンストせず、エンジンは回り続けてくれました!!!!!
なんと原因はガソリン不足…!!

フィルターが透明になっているので随時確認はしていましたが、ONの状態では賄い切れていなかったようです。

エンジンが暖まるというより、フィルター部分の燃料がなくなるとエンスト。しばらくするとフィルターに燃料が溜まり、キャブに流れるのでエンジンがかかるというような状況だったようです。

まとめ

今回は点火についてでした。
CB400SF verRに乗っていたときは常に絶好調で自分でバイクを触る機会があまりなかったのですが、
古いバイクとなると不具合が多々あり、知識も経験もない中、試行錯誤でやりましたが動いた時の感動は半端ないです!!

良い圧縮、良い混合気、良い火花がエンジンがかかる3大要素ですが、
それぞれが本当に役割を全うできているか、揃っていてもタイミングが揃わなければあっという間にかからなくなるんだなあと身を持って体験出来て良かったです。

自分で学んだ知識を実験的にできたのがすごく楽しくて、多くの経験ができてよかったと思いました!

筆者プロフィール

イギリスパン

バイク王で働きながら整備学校に通い、二級自動車整備士を目指しています!