バイクのエンジンは様々な仕組みが組み合わさった集合体。
どれもエンジンにとって必要な働きをしてくれていますが、実際乗っただけではどれが何をしているのかなんて想像もつきません。
今回はライダー直接操作することが多い、クラッチについて解説していきます。

クラッチはケースの中


クラッチはバイクに跨った状態でエンジンの右側、クランクケースカバーを外したところにあります。
これはカワサキのエストレア250(FI 2016年)の右側ケースを外した図。
開けるためにはまずオイルを抜いてマフラーを外し、ステップを取り外してようやくケースが外せる状態になります。


そしてこの丸いのがクラッチ。
真ん中に出ているシャフトが外したカバーの内側についているこのシャフトに引っかかります。


クラッチレバーを握るとシャフトが回転することでクラッチ側のシャフトを外側に引っ張り、クラッチが切れます。
これはラックアンドピニオンというタイプのクラッチ。
ラックアンドピニオン以外にもシャフトを押し込んで切れるパターン、レリーズ式という反対側からシャフトを押し出すパターンなど様々あります。

クラッチスプリングはさらに奥


クラッチを握ったとき、元の位置に戻ろうとする反発の力があります。
それはクラッチスプリングによるもの。
クラッチ内部にあるパーツです。


これが縮まることでクラッチが切れ、反発する力によってクラッチが繋がります。
このあと出てくるクラッチ板同士を押し付けているのもクラッチスプリングの仕事です。

これがクラッチの全貌だ!


スプリングを外すとネジで止まっていたカバー(クラッチプレッシャープレート)も外れ、ついにクラッチ板が露わになります。
バイクによって違いますが、基本複数枚重なっているので同じ部品で組むときはこの板の順番も重要です。


これがクラッチ板の全貌!
組まれていたままの状態で広げました。
クラッチ板は大きく分けて2種類あり、素材の違う板同士が重なっているのです。


クラッチプレートはこの金属の板のこと。
注目してほしいのは内側にギザギザが切ってあること。
外側には引っかかるところはありません。


このギザギザがクラッチの内側の部分に引っかかります。


対してもう一種類のプレートの正式名称はフリクションプレート。
金属とコルクなどの素材が組み合わさって作られています(成分はメーカーによって異なります)。
クラッチが滑る、というのはこのプレートの凹凸が無くなって平になっている状態。
この凸凹がフリクションプレートに押し付けられ、クラッチが繋がるのです。


フリクションプレートは内側にギザギザがなく、外側にあるのでクラッチのこの部分に引っかかります。
なので、引っかかる場所が内側と外側で違うプレートが交互に重なっているのがクラッチの正体なのです。

クラッチを握ると板同士に隙間ができる


これはクラッチ部分につながっている歯車の図。
赤い印がついているのはエンジンの心臓部分、クランクシャフト。
ピストンがつながっているので、エンジンがかかっている時は常に回転しています。
それがクラッチの外側のギアと噛んでいるため、エンジンが掛かっている時は常にクラッチも回転しているのです。
しかしクラッチを握るとシャフトが引っ張られて板同士に隙間ができるため、外側には繋がっていないフリクションプレートとクラッチプレートが別々に動き、クラッチが切れます。
ちなみにフリクションプレートはミッションに繋がっているため、シフトアップダウンのときクラッチを握らないとギアが変わらないのはこのためです。

まとめ

こういうのって実際自分の手で分解してみないと仕組みがわからないもの。
しかしクラッチをバラすって素人じゃ結構ハードル高いです。

なので、この記事で仕組をなんとなく理解してもらえればと思います。
次回は最近のバイクには大体付いている、スリッパークラッチについて解説していきます。

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