近年、バイクのカスタムで最も流行しているスタイルが「カフェレーサー」です。バイクメーカーもこぞって新車やデモ車を発表するほどの人気ぶりです。そこで今回は、カフェレーサー風のカスタム事例をご紹介します。

1.カフェレーサーを印象付けるハンドル回りのカスタムとは?


そもそも「カフェレーサー」とは、1960年代、イギリス・ロンドンの「エースカフェ」に集まった若者たち「ロッカーズ」が公道レースをするために改造したバイクのスタイルを指しています。もともとのベース車両はノートンやトライアンフ、BSAといったブランドであり、忠実に再現しようとすると、ハンドル回りにとどまらず、細身のガソリンタンクやバックステップ、ロケットカウルなど当時のレーサーマシンに近づいていくため、とてもハードル、費用の高いカスタムとなってしまいます。

そこで、ハンドル回りの最小限のカスタムで、カッコいい「カフェレーサー気分を味わおう」というのが今回のカスタムの目的です。

車両は、ホンダVTR250(1998年式)で、すでにシート表皮が変更されていますが、他はノーマルのままです。VTR250は、ヨーロピアンスタイルのデザイン・フォルムなので、カフェレーサーの雰囲気にマッチすると思いますが、さぁ、どうでしょうか。


なお、カフェレーサーカスタム定番のセパレートハンドル化は、各種ホース・ケーブル類の付け替えなど、とてもお手軽とは言えない内容ですので、今回はバーハンドルのブラックアウト化で渋い印象を狙います。ホース・ケーブル類はノーマルのものをそのまま使いたいので、比較的純正ハンドルに近いコンチネンタル形状のハンドルを選びました。

コンチネンタルハンドルは、バーエンドの絞りがゆるくなり(バーエンドが少し遠くなり)、さらにわずかに高くなるものです。なお、純正ハンドルの寸法は意外と調べにくいのですが、ハンドル製作メーカーがとても詳しいのでぜひ活用してください。ハンドルの寸法はかなりシビアなので、ミリ単位の誤差のせいで、取付けできない、ケーブルが合わないなどトラブルの元となります。自分でいい加減に計ることは危険ですよ。


さて、コーナートップの写真が今回の主なカスタムパーツと必要な用品です。

①ハンドル/ハリケーン: BMコンチ 1型 (P7/8インチ) ブラック 約3,500円
②グリップ/ノーブランド 約800円
③グリップボンド/キタコ:グリップボンド7g 約300円

④バーエンドミラー/デイトナ:HIGHSIDER バーエンドミラー コネロ(汎用アダプター付属) 税抜価格9,500円×2個
http://www.daytona.co.jp/products/single-96692-genre

⑤ビレットレバー/SSK:アジャストレバー 3D可倒式 税抜価格12,000円
http://www.k-ssk.com/shopdetail/000000002893/ct4819/page1/brandname/

上記だけで、総費用は約35,600円となっています。
それでは、まずはハンドルとグリップの交換を説明します。

2.【工程1】まずはハンドルとグリップを交換する


それでは、手順をご紹介します。バーハンドルの交換はそれほど難しくありませんが、車種によっては加工が必要なので、それに備えての準備は必要です。サービスマニュアルやパーツカタログ等でパーツの構成を調べておけば安心です。また、ハンドル回りはやってみないとわからない部分も多いので、交換・調整作業が1日で終わらないこともあります。時間には余裕を持ってのぞんでください。

①タンクを保護する

ハンドル回りの作業で必ずと言っていいほどやってしまうのが、工具や外したパーツ類でタンクに傷をつけてしまうこと。これを防ぐために毛布やバスタオルなどでタンクを覆っておきます。※写真はコーナートップ

②ミラーを外して、ブレーキレバーとマスターシリンダーのホルダーを外す

③スイッチボックスを外し、グリップをはがす

グリップを新品に変更する場合は、先にカッター等で切ってはがしておくと簡単です。グリップを再利用する場合は、パーツクリーナー等をグリップとスロットルホルダー(又はハンドル)の間に注入し、グリップボンドを溶かしつつ、マイナスドライバー等でこじると外れます。

④スロットルホルダーを外す

スロットルホルダーに付着した古いグリップボンドは、ラベルはがし等を吹き付けた後、スクレイパー等でこそぎ取ります。

⑤クラッチレバーホルダーやスイッチケースなど、クラッチ側も同様に外す

⑥ハンドルクランプを外し、ハンドル本体を外す

クランプボルトのキャップを外す時は精密ドライバーや毛抜きなどが便利です。

⑦新ハンドルを仮固定し、角度や高さを見る

バイクにまたがってハンドルを握り、ライディングポジションの状態で違和感がないか確認します。

⑧必要ならば、スイッチボックス固定用の穴を開ける

車種によっては、スイッチボックス固定用の突起(写真の赤丸部)がついています。純正ハンドルの穴の位置を計ったり、仮組みをするなどして穴の位置を決め、電動ドリルでハンドルに穴を開けます。

⑨バーエンドミラーが装着できるように、仮組みの段階でバーエンド部のゆとりを確認

アクセル側は、スロットルホルダーの端からハンドルバーが見えるくらいに余裕を持ってスイッチボックスの固定位置を決めます。クラッチ側も同様に余裕を持たせておきます。

⑩本組みの前に、各部のメンテナンスを行う

スイッチボックス内部の端子をきれいに掃除したのち接点復活剤を塗っておきます。また、スロットルグリップの内側が当たるハンドル部分や各部のワイヤーにグリスを塗っておきます。

⑪グリップボンドを薄く塗布し、新グリップを差し込み、接着・固定する

グリップ装着時にはハンドルのバーエンドが少し見えている(余裕を持たせてある)ことを確認。こうしておかないと、バーエンドミラーをうまく装着できない恐れがあります。
※グリップには左と右があるので注意。内径が大きいほうがアクセル側(右)
※グリップボンドが完全に固まるには24時間程度が必要

⑫プラスチックの退色を磨いて【工程1】終了

ハンドルとグリップの交換が終わりました。プラスチックパーツ(ABS樹脂)が白く退色していたので、プラスチック光沢復活剤を使って、黒色を光らせてから終了です。

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後編では、いよいよバーエンドミラーとビレットレバーの装着を行います。お楽しみに!

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■筆者プロフィール

田中 淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。

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