雨が少なく空気が乾燥している冬場は点検や整備に最適です。そこで、ぜひご紹介したいアイテムが「メンテナンススタンド」。レースで使うものでは?というイメージもありますが、日常の整備にこそ便利な用品ですよ。

1.愛車がカッコよく見える!?メンテナンススタンドの効果とは?

今回ご紹介するメンテナンススタンドについて、「レースをやらない自分には必要ない」と思っている方も多いかもしれません。実際、目にする機会と言えばサーキットでのピット作業といった印象が強いと思います。しかしメンテナンススタンドには様々なメリットがあるんです。

①点検や整備が効率的に安心して行なえる

バイクのメンテナンスで面倒な部位と言えば、タイヤを中心とした足回りです。洗車や点検の際、タイヤを一周させるだけでも面倒な思いをしている方も多いと思います。力任せに車体を浮かせてタイヤを回すこともできますが少々慣れが必要ですし車体を倒してしまう恐れもあります。

こんな時、メンテナンススタンドがあれば、タイヤの洗浄やチェーンへの注油・張りの調整など日常的なメンテナンスがとても楽に安心して行なえます。大型バイクなどの重量車ならば、センタースタンドをかけるよりもメンテナンススタンドのほうが簡単に掛けれてしまいます。力任せの作業が苦手な女性や小柄な方、メンテナンスビギナーにこそオススメしたいアイテムなんです。

②長期保管でも車両に負担をかけない

冬期の長期保管などしばらく車両に乗らない場合は、メンテナンススタンドを使ってタイヤを地面から浮かせ、車両を直立させた状態が理想です。こうすることで、タイヤの変形や空気圧の低下を抑え、乗らないことによる車体へのダメージを最小限に抑えることができます。二輪車博物館などの車両もそのほとんどにメンテナンススタンドまたはセンタースタンドが使われています。

③見た目にカッコよくモチベーションが上がる

実は、オーナー的な心情で言えば「カッコいい」というのも大きなポイント。メンテナンススタンドを掛けておくだけでスポーツバイクはレーサーバイクのように見えますし、チェーンやホイールの汚れ、ブレーキパッドの残量やタイヤの状態など、いつも以上に車両の各部に目を向けるようになります。要はオーナーのモチベーションを上げてくれるんです。

2.最も基本的なリヤ用メンテナンススタンドのかけ方とは?

写真は、様々なメンテナンススタンドを製造・販売している「J-TRIP(有限会社 森 製作所)」のリヤ用スタンド「ナローローラースタンド」です。今回は、メンテナンススタンドの種類として最も一般的なリヤ用スタンドをホンダVTR250(1998年式)に使用した場合を例にとり説明します。

<用品一覧(右写真)>

①スタンド本体
「J-TRIP ナローローラースタンド【JT-1052RD】」/税別9,000円 ※受けは別売
②スイングアームを支えるための“受け”
「J-TRIP L受け【JT-104L4】」/税別2,500円
③フロントブレーキを固定するためのパーツ
「デイトナ フロントブレーキロック 【91712】」/税別800円

<リヤ用スタンドのかけ方 ※L受けの場合>

①スイングアームの幅に合わせて“受け”の位置を調整。左右均等に“受け”をセットしたらノブボルトを指で締め、スタンド本体と“受け”を固定(左下写真)
②スタンドの高さを調整。一度スタンドアップし高さを見て、必要に応じてノブボルトの差し込み位置を上下させてもよい
②ハンドルを左いっぱいに切ってロック
③フロントブレーキをロック(右下写真)
④両手で車体を真っ直ぐに起こして左手で支える
⑤スタンドの“受け”をスイングアーム底面に当て、“受け”の位置がずれていないかを確認
⑥ナンバープレートの真横に立ち、右足でバーをゆっくり踏みスタンドをかける

<リヤ用スタンドの外し方>

①ハンドルを左に切ってあるか、サイドスタンドが完全に下りているかを確認
②フロントブレーキを解除する
③スタンドが動かないようにローラーに右足を当てて軽く突っ張っておく
④ハンドルを持って車体を前方に動かすとスタンドが外れる

なお、J-TRIPが正しい使用法を説明したムービーを制作しています。わかりやすいので、ぜひご覧ください。

3.車種や用途によって使い分けたい様々なメンテナンススタンド

さて、スタンドと“受け”には車両の構造や用途に合わせて様々なタイプがあります。今回はパイプが短めで幅も狭く、車にも積みやすい「ナローローラースタンド」を使用しましたが、この他にもスタンドアップ時に、パイプを手で握って下ろすことで安心感の高い操作ができる「ロングローラースタンド【JT-120】/税別11,000円」(上写真)もラインナップされています。

また、スタンドと接続して使う“受け”には「L受け」の他にも「V受け【JT-107A】/税別2,500円」(右写真)や「ZRX専用V受け【JT-107S】/税別4,000」などもラインナップされています。V受けで支えるために必要なフックボルト用のネジ穴があらかじめスイングアームに空いている車種もありますので愛車の構造をよく確認してから購入してください。

なお、スポーツバイクのようにアクスルシャフトが中空式になっている場合は、その穴にシャフトを貫通させることでスタンドを固定できるタイプもあります(ただしその状態でタイヤを外すことは不可)。L受けやV受けを使うよりも安定度が高く安心してスタンドアップ・解除ができます。

さらに、フロント回りの整備や点検に便利な「フロントスタンド【JT-116】/税別19,500円」(左下写真)も用意されており、こちらにも様々なタイプがありますので、愛車に合ったものを選んでください。また、オフロードタイプの車両には、車体を下から持ち上げる「モタード&オフスタンド【JT-151】/税別12,500円」(右下写真)が一般的です。これ1台でオイル交換からタイヤ交換まで、あらゆるメンテナンスをこなすことができます。

いかがでしたか。日常的な点検・整備に、長期保管にと、大活躍してくれること間違いなしです。モチベーションを上げつつ整備の腕も上げて、ぜひカッコいいバイクライフを送ってください!

■筆者プロフィール

田中 淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。

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