いま、サイドバッグが見直されています。かつては、シートバッグ、タンクバッグと共にロングツーリングの必需品だったサイドバッグですが、昨今のキャンプツーリングブームもあって再び注目が高まっています!

1.サイドバッグの用途とメリット、需要の変化とは?


サイドバッグというアイテムは、元々は、ロングツーリングやキャンプツーリングのための補助的なバッグという位置付けでした。メインとなる容量45~70ℓくらいのシートバッグに加えて、片側の容量が8~20ℓくらいのサイドバッグ(かつては振り分けバッグとも呼称)も装着するという用途が一般的でした。特にキャンプツーリングの場合は、テントや調理器具といった重量物をシートより低い位置に収納することで、バイクの重心が高くなることを防ぐことができ、運転上の大きなメリットとなっていました。

では、なぜ見かけなくなってきたのでしょうか。理由の一つは、大型バイクの普及と共にパニアケース(ハードケースとも呼称)の装着が一般的となり、サイドバッグの出番が少なくなったこと。さらには、バイクのシートカウルが極端に小さくなったことで、サイドバッグを装着するスペースがなくなってきたという物理的な問題もあります。

また、キャンプツーリングブームもあって、大容量(~80ℓ)で機能的なシートバッグが多数開発され、サイドバッグを使う必要もなく荷物が収納できるようになったほか、ポリカーボネート製ケースの採用により、サイドバッグ自体がセミハード化し“サイドケース”となったことで“バッグ”と呼べるようなタイプが少なくなったことも理由でしょう。

しかし、サイドバッグのメリットは荷物の低重心化だけではありません。クラシックやネオクラシック系、アメリカンやクルーザー系のバイクなどは、レザー、ナイロン、コットンといった素材のサイドバッグを常時装着することがファッション性を高めることにもつながります。本革や厚手のコットンならば、使い込むほどに味も出てきます。

なお、アメリカンやクルーザーといったロー&ロングな車体に適合するサイドバッグは「サドルバッグ」とも呼ばれます。一般的には本革、合成皮革といった素材のものが多いのですが、欧米の用品メーカーではナイロン製のバッグにも広く使われている呼び方です。サドルバッグは、元々は馬具としての呼び名であり、馬に乗せた鞍の後方に設置した革製のバッグをサドルバッグと呼んでいたため、その名残りと思われます。

2.スポーツ志向による進化! 近年の傾向とトレンドとは?


パニアケースの普及により、需要の減っていたサイドバッグですが、近年は、スポーツバイクやアドベンチャーバイクの運動性を損なわないような縦型タイプも登場し、その進化は続いています。かつては少なかった防水タイプのサイドバッグも珍しくなくなり、ターポリン等の生地を使うことで防水性と耐久性を両立したものはロングツーリングでは頼もしいアイテムとなります。

※ターポリン…ポリエステル製の布を軟質合成樹脂ではさんだビニー ル素材の生地

また、車体への装着方法も改善されています。かつては、振り分けバッグと呼ばれる通り、シートの上に乗せるだけのものでしたが、現在はシートにベース(ベルトなど)を固定することで、左のバッグだけ、右のバッグだけといった装着ができるものも増えています。

さらに、サイドバッグの難点でもあった、積載時にバッグが極端な「ハの字」になってしまう、マフラーにあたってバッグが溶けてしまうといった問題も汎用サポートステーのラインナップにより改善しています。

●RY59192 トライアングルサイドバッグサポート ダブル ※左右セット

サイドバッグ装着時の「ハの字問題」のほか、バッグと擦れることで車体に傷がつく、マフラー熱でバッグが溶ける、バッグがタイヤに接触するといった問題を解決してくれる汎用ステー。横から見ると二等辺三角形ですが、車体から逃げるように張り出しています。

■DATA:
価 格:メッキ3,800円(税別)、ブラック4,800円(税別)
カラー:メッキ、ブラック
素 材:スチール
サイズ:片側H250×W133×D(ステーの出っ張り具合)60mm
問合せ先:株式会社ラフアンドロードスポーツ
URL:https://rough-and-road.weblogs.jp/news/2016/10/ry59192.html

3.用途やデザインなど、多彩なサイドバッグの世界


それでは、お勧めのサイドバッグをカテゴライズしながらご紹介します。サドルバッグも含め、実にバラエティに富んでいます。

 

①ライダーが動きやすくスポーティ「縦型サイドバッグ」

●RR9114 テールフィンサイドバッグ

縦型デザインにより、スタンディング状態で腰を引くといったシート上での大きなアクションが可能です。装着は、シート上部のフラップだけではなく、シートの下にもベルトを通しており、タンデムステップやステーとも固定できるので走行中のズレがなく安心です。オフロード、アドベンチャータイプのバイクと特に相性のよいサイドバッグです。

■DATA:
価 格:19,800円(税別)
カラー:ブラック
素 材:バリスタークロス(1680デニールポリエステル)
容 量:片側12ℓ(ポケット容量込み)
サイズ:片側H410×W400×D100mm
問合せ先:株式会社ラフアンドロードスポーツ
URL:https://rough-and-road.weblogs.jp/news/2018/01/rr9114.html#nogo

 

②普段使いも楽しい「お手軽ナイロンタイプ」

●K3 タクティカルサイドバッグ TC02

キジマの「K3(ケースリー)」ブランドとしてラインナップされているミリタリーテイストのナイロン製サイドバッグです。米軍の防弾ベストなどでも採用されているウェビングに様々な小物も装着できます。車体への装着は、Yベルトでのタンデムシートへの巻き付けのほか、ループベルトによるリヤキャリア等への吊り下げも可能です。

■DATA:
価 格:7,800円(税別)
カラー:ブラック、オリーブグリーン、ネイビー、レッド
素 材:ポリエステル、PVC
容 量:片側13ℓ
サイズ:片側 H300×W350×D120mm
問合せ先:株式会社キジマ
URL:https://www.tk-kijima.co.jp/k3/tc02.html

 

③日本一周などロングツーリングにもお勧め「強靭+完全防水タイプ」

●RR5613 AQA DRY サイドバッグ

走行中の防水性を完璧にするために作られたのが「AQA DRY(アクアドライ)」シリーズのサイドバッグです。荷室は丈夫な完全防水素材ですが、それだけだと使い勝手が悪いので、大型フラップにはポケットまで装備しています。いつ雨に降られても安心なので、日本一周などロングツーリングでの愛用者も多いのも特徴です。

■DATA:
価 格:19,800円(税別)
カラー:G-ブラック、ブラック
素 材:バリスタークロス(1680デニールポリエステル)、ターポリン
容 量:片側20ℓ
サイズ:片側 H320×W420×D150mm
問合せ先:株式会社ラフアンドロードスポーツ
URL:https://rough-and-road.weblogs.jp/news/2008/06/rr9201navi-bce6.html

 

④キャンプに最適! 収納物を整理しやすい「セミハードタイプ」

●モトフィズ MFK-250 ツアーシェルケース2

サイドバッグの概念を大きく変えたのが「シェルケース」シリーズです。ポリカーボネート製の大きなハードケースを採用し、パニアケースのような使い勝手を実現しています。小物をひとまとめにできるインナーポーチを使えば、キャンプ道具もかさばらずに収納でき、シートと固定するイージーベースにより左右のバッグを独立して脱着できます。

■DATA:
価 格:33,000円(税別)
※アクティブオレンジ(MFK-257)は33,500円(税別)
カラー:カーボン柄(MFK-250)、ブラック(MFK-248)、
ヘアラインシルバー(MFK-249)、アクティブオレンジ(MFK-257)
素 材:ポリカーボネート、1680Dポリエステル
容量:片側20ℓ
サイズ:片側 H300×W420×D220mm
問合せ先:株式会社タナックス
URL:https://www.tanax.co.jp/motorcycle/product.php?goods_id=6996

 

⑤伝統と風格! ファッション性が抜群「レザーサドルバッグ」

●レザーサドルバッグ SB-55

革製品に強い国内用品メーカー、デグナーから発売されているオシャレな牛革製のサドルバッグです。荷物の量に合わせてバッグの厚みを変えられるほか、ウインカーと干渉しないようにバッグ上部をオフセットデザインにするなど同社のノウハウが凝縮された逸品です。経年変化によるシワやヒビも味となり、長く使えるのが本革バッグの魅力です。

■DATA:
価 格:27,000円(税別)
カラー:ダークブラウン(SB-55-DB)、ブラック(SB-55-BK)
素 材:牛革
容量:片側最大12.5ℓ
サイズ:片側H340×W360×D140mm
問合せ先:株式会社デグナー
URL:https://www.degner-online.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000002084&search=SB-55-DB&sort=

いかがでしたか? 低重心でライダーのアクションを妨げないのがサイドバッグの良い所です。いま人気のスーパースポーツバイクにもお勧めですよ! ぜひ、その良さを体感してみてください。

■筆者プロフィール

田中淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。