今バイク業界では、親子で人の密集を避けたコミュニケーションが取れる方法として「親子タンデム」が注目され始めています。
愛車の後ろに乗せたお子様と、同じ景色を見てふたりだけで過ごす時間。おんぶとは一味違う、頼もしいお父さんやお母さんの背中に身体を預けて走る瞬間は、ストレス解消だけではなく、親子の絆も深まりますよね。
そうはいっても実際は「何からはじめたらいいのか?」「子供はどう思っているんだろう?」など、ハードルを感じてしまうのも正直なところ。

この記事では、これから親子タンデムを始めたい方への第一歩として、楽しく安全に始めるためのコツや注意点を、親子タンデムの第一人者であるフリーライター村上菜つみさんへインタビューした様子をご紹介します。

インタビュアーは、「パパツー(=パパとツーリング)プロジェクト」を推進するバイク王イメージキャラクターのつるの剛士さんです。ゲストと一緒に終始明るく盛り上がったインタビュー内容を会話形式でお伝えします。

前編はコチラ


「#パパツー」プロジェクトとは
「パパと楽しむツーリング」のこと。
バイクといえば父親が一人で楽しむものというイメージが大きいと思いますが、親子が一緒に楽しむこともできる素敵な乗り物です。
また、父子だけにとどまらず、全ての親子に贈るメッセージでもあります。家族のかけがえのない思い出となり、バイクの楽しさが永い世代へと受け継がれていくことを願って、私たちはこの活動を全国に広げていきたいと考えています。

ラストにはつるのさんのお子様も夢中になっているという「電動キッズバイク」や、子供用のかわいいヘルメットやブーツも登場します!

それでは、さっそく後編スタートです!

ご参加いただいた皆様

村上菜つみさん

プロフィール
Natsumi Murakami (二輪モデル/モーターサイクルジャーナリスト)
ツーリング雑誌の編集を経て、二輪媒体を軸に活動。長年の自走取材で培った全国各地のツーリング情報を基に、「読んで役立つ旅情報」やマシンインプレ・用品インプレなどを二輪各誌、Web、SNSで配信中。
〇FB:facebook.com/natsumi0606
〇Instagram:instagram.com/mi_natsu66/
〇Youtube:「あの空を君に」で検索

ノッチさん

佐々木優太さん

インタビュアーのつるの剛士さん

指示は目視で確認しながら

つるのさん:事前準備ができたら、いよいよ一緒にバイクに乗るわけですが・・・!
村上:はい、いざバイクに乗る前に分かっておきたいことは、子供はバイク用語が分からないということです。たとえば「タンデムステップに足を載せて」と指示を出しても分からないんですね。「そこの銀色のとがった棒に左足を載せるんだよ」と、実際に目線を向けながら教えてあげることが大切です。

つるの:確かに。バイクに慣れてくると、サイドスタンドを上げているのに勢いよく乗ってきたりします。バランスを崩して危ない!となるので、指示は乗る前から出してあげたほうが良いですね。
村上:乗る時の合図を決めると良いですよ。肩を2回叩いたら「乗るよー」の合図にするとか。
佐々木:子供がシートに飛び乗ってくるパターンは、子供乗せ自転車でも同じことが起きますよね。あれがバイクだと思うと怖いですね。
ノッチ:あとマフラーも熱いですからね。そういった危険も事前に教えてあげたいですね。

バイクの挙動を説明しておく

村上:例えば、バイクの挙動として「加速すると身体が後ろに流れて、減速すると身体が前に倒れる」がありますよね。こういった基本的なことでも、子供は分からないので事前に教えてあげたいですね。
つるの:これは大人でも言えますね。大人同士のタンデムでも、バイクに乗らない人は倒れる方向と反対側に身体を傾けたりします。子供であればなおさら教えてあげたほうが良い。
ノッチさんは、何かこれに関しておもしろエピソードありますか?

ノッチ:えーっと、ウチの嫁が、タンデムするときに必ず私のステップに足をかけます。だからいつもオレの乗るところがない。
つるの:・・・話、作りましたね?
ノッチ:作ってないよ!
つるの:すみません、こんな無茶なフリにちゃんとエピソードを出していただいて・・・ありがとうございます。

走り出したら、常にコミュニケーションを取る

つるの:走行中は、どんな配慮をすると良いでしょうか。
村上:はい、いざツーリングへ走り出したら、常に子供とコミュニケーションを取りましょう。いくら親の背中に抱きついているとはいえ、何も声が聞こえないと子供も飽きてしまいます。「あの山の名前は〇〇だよ」「あの鳥の名前はなんだっけ?」など、走りながら見えたものを細かく共有するのも良いです。「おなか空かない?、トイレ大丈夫?」と体調にも気を配ってあげて、「どこ行きたい?」「今のどうだった?」と感想を聞いてあげたりもします。

常に子供の気持ちや体調に気を配る

村上:自分ひとりで走っていると「寒い、暑い、おなか空いた、眠い、トイレ行きたい」と思っても、目的地まであと少しであれば我慢をしますよね。でも子供には我慢させずに、なるべく早めに対応してあげましょう。あんまり我慢させてしまうと、次からバイクに乗るのを嫌がってしまうことがあります。
つるの:ちなみに、お子様とのツーリングで一番の長距離はどのくらいですか?
村上:信州まで200kmくらい・・・です。
一同:お~!!

村上:初めて高速に乗ったのですが、ウチの子は虫がシールドに当たるのがいやだったみたいですね。

安全な場所で確実な意思疎通を

村上:走行中に子供から「おなかが痛い」「足が痛い」と言われた場合ですが、急に公道の端っこなどに停車するととても危険ですよね。落ち着かない場所だと、子供の話をちゃんと聞いてあげられない可能性もあります。体調不良のシグナルを感じたら、まずは広い場所にバイクを停めて、しっかり子供の身体を見てあげることが大切です。子供が不安を抱えたまま走らないよう、愛情を持って接しましょう。

つるの:そうですね。ツーリングで目的地が決まっている場合は、多少遠回りでも、停車ポイントがある安全な道を選びたいですね。

つるの家の御用達!キッズバイクも登場!

つるの:これ、息子が乗っている電動バイクです。
ノッチ・佐々木:え?電動!?

つるの:電動キッズバイクです。最高速21kmくらいまで出せるんですよ。でも親がスピードを設定できるようになっていて、子供は勝手に変えられない設計なので安全です。息子が毎晩乗ってます。おかげで寝不足です。

つるの:これがヘルメットです。軽いでしょ。
ノッチ・佐々木:軽い!
つるの:これでフルフェイスに慣れてもらってます。靴もあります。

一同:かわい~!

ヨツバモトmeow
https://www.yotsubakids.jp/
※ヘルメットは自転車規格の為、公道でのタンデムにご使用はできません。



ここで開発・製造元の株式会社ダートフリーク担当者の伊藤さんも登場

伊藤:はじめはヨチヨチと乗り始めた息子さんが、いまではエンデューロライダーみたいですね。
つるの:そうなんですよ。フロントアップしたり、丸太乗りこえたり、芝山をグイグイのぼっていきます。
伊藤:このキッズバイクはスピードに頼らない遊び方ができます。ちなみに、もしアクセルを開けた状態で倒れても、エンジンは自動で停まります。また、車体を起こしたときに勝手に走り出さないよう、一度アクセルを戻さないと走らないように設計されています。

佐々木:へ~!考えられてますね~!
伊藤:実際にお子様がいる親御さんや、お子様と一緒に考えながら開発しています。
つるの:キッズバイクを入門編として子供にバイクの興味を持ってもらい、それから親子タンデムに誘うって順番がものすごくいいのかな、と思います。ぼくは順番が逆になってしまったので、これからの方々には、先にキッズバイクに乗せてあげるのもおススメです!

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前編と後編まとめ

✔ まず第一に、家族からの同意を得る。
✔ 次は子供の気持ちを訊いてみる
✔ タンデムに必要な用品を調べて揃える
✔ 指示は目視で確認しながら。
✔ バイクの挙動を説明しておく。
✔ 走り出したら、常にコミュニケーションを取る。
✔ 常に子供の気持ちや体調に気を配る。
✔ 安全な場所で確実な意思疎通を。
✔ 電動キッズバイクを入門編とするのもアリ。

親子タンデムは、大人同士では気づけないような細かい配慮をお子様にしてあげることが大切ですね。家族の同意を得たあとは、常にお子様を気遣いながら安心できるツーリングを実現していきましょう!
安全性が高まることはもちろん、お子様の「乗りたい!」も増えて末永く親子でバイクと付き合っていけるのではないでしょうか。
楽しく安全な親子タンデム・キッズバイクで、バイクライフの楽しさをどんどん広げていきたいですね!

キッズイベント準備中!

バイク王では、これから親子でバイクを始めたいご家族を応援するため、2021年4月頃にキッズイベントを現在準備中です。

※画像内容と実際のイベントは異なります。

開催日や開催店舗など、詳細が分かり次第こちらのBikeLifeLabや各SNSにて随時紹介していきます!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

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