バイク運転中の手信号やハンドサイン、いくつ知っていますか。トラブル対応時に必要な手信号、仲間や周囲の他車に知らせるためのハンドサイン、どちらも知っておけば何かと安心、そして便利ですよ。

1. 道交法で定められた「トラブル時に必要な手信号」とは?

ウインカーランプやブレーキランプが切れた、点灯しないといった灯火類のトラブルはいつ起こるかわかりません。特に、年式の古いバイクの場合は、雨水等の浸水による突然のリークトラブルや振動や経年劣化による接点の接触不良などを起こしやすいので、こうしたバイクに乗っている方は「十分ありえる」と備えておく必要があります。

こうしたトラブル時に必要なのが手信号(手による合図)です。道交法でも定められているので、知らなかったでは済まされません。ウインカーがつかない状態で走っていれば、合図不履行違反で交通違反となる恐れもあります。これは、クルマに乗っている時でも同じです。

手信号とは、正確には「合図における手信号」として道路交通法施行令で定められたものです。手信号という言葉にはもうひとつの意味もあり、警察官らが交差点などで信号機の代わりに腕を使って交通整理をしている状態も指しますが、バイク運転中の手信号と言えば、一般的には「手による合図」を指しています。

なお、手信号は左右どちらの手を使ってもかまいませんが、バイクの運転中は右手がスロットルグリップを握っているので、なるべく左手を使った方がよいでしょう。

2. 覚えるべき手信号はたったの3つしかない!

手信号は「左折」「右折」「徐行・停止」の3つしかありません。基本的にはトラブル時の緊急対応ですから数が多くても困りますね。手信号で合図を出すタイミングはウインカー使用時とまったく同じです。ゆっくり、そろ~っと出すのではなく、ピシッと素早く出すのがコツです。ゆっくり出していると手信号だと認識されない恐れもあるので注意してください。

●左折(又は左へ進路変更)

交差点から30m手前、又は進路変更の3秒前に
方法:「左腕を水平に伸ばす、又は右腕を垂直に曲げる」

●右折(又は右へ進路変更)

交差点から30m手前、又は進路変更の3秒前に
方法:「左腕を垂直に曲げる、又は右腕を水平に伸ばす」

●徐行・停止

タイミングは特に指定されていませんが早めに出しましょう
方法:「左腕を斜め下に伸ばす」

バイクもクルマも自転車も基本的な動作は同じですが、クルマの場合は、バック(後退)も加わります。その場合は、右腕を斜め下に伸ばし、手のひらを後ろに見えるようにしながら腕を前後に振ります。また、合図を出している時は片手運転になるので危険です。無理をして合図を出して事故を起こすくらいなら控えるべきという見解もありますので覚えておきましょう(地域の警察により考え方が分かれるようです。要確認を)。

3. 挨拶から緊急の伝達まで、ハンドサインの基本

「ハンドサイン」は法律で定められたものではありません。ライダーやドライバー、自転車愛好家などの間でまかり通っている慣例のようなものです。覚えていれば、仲間や周囲の他者とコミュニケーションが取れる便利な合図ということになります。代表的なものは以下です。

●路面に障害・危険あり

落石やひび割れなどの危険を後続車に知らせます
方法:「路面の危険個所をける仕草をする」

●SAなどで休憩したい

高速道路走行中にSAやPAの案内板を指さしながら、休憩しようと伝えます
方法:「案内板に複数のPAが並ぶときは、指で順にすべてを指しながら、行きたいPAまでまた順に差し戻す」

●給油したい

ガソリンを入れたい時に仲間に伝えます
方法:「ガソリンタンクを手のひらでたたくような仕草を繰り返す」

●トイレに行きたい

休憩場所にトイレが必要な場合に便利
方法:「下腹部、膀胱のあたりを手のひらで押さえるような仕草を繰り返す」

●先に行って

後ろを走っている車両に、自分を抜いて先に行ってほしいと伝えます
方法:「右手を下ろしてアンダースローを投げるような仕草を繰り返す」

●速度を落とせ

オービスを見つけたり、対向車がパッシングして危険を知らせてくれた時などに後続車に伝えます
方法:「手のひらを地面に向けたまま腕を上下させる」

●ウインカーの消し忘れ

後続車がウインカーを消し忘れたまま走っていることを知らせます
方法:「ウインカーの高さでグーパーを繰り返す」

●ヤエー!

「道中ご安全に」と互いの安全運転を願う挨拶です
方法:基本はピースサイン。手を振るでも会釈でも可

ヤエーについてはコチラを参照してください。

https://yaeh-sticker.com/index.html

4. ハンドサインはマスツーリングで役に立つ

ハンドサインは一人で走っている時にはそれほど使いませんが、複数人でマスツーリングをしている時にはかなり頻繁に使います。参加者の全員がインカムを装備していてペアリング状態で走れるのなら必要ありませんが、全員がインカム装備ということは意外と少ないものです。ハンドサインを知っていれば、走行中でも最低限の意思疎通は図れます。

また、千鳥走行時に、前から後ろ、後ろから前へとハンドサインを伝達していくのはかなり難しく、安全運転の障害にもなり危険です。マスツーリングでは、トイレに行きたいなど意図したメンバーが先頭に立つ(又は2番手まで上がる)ことがありますが、結局は、そのやり方が確実だったりします。ツーリング開始前の集合時にそうした決め事をしておくとスムーズです。

いかがだったでしょうか。手信号は法律で定められているので必ず覚えておきましょう。ハンドサインは、複数人で走ることが多いなら、なるべく多くを覚えておきたいですね。

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■筆者プロフィール

田中淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。