ライダーズブログ

初めてのキャンプツーリング その1:食事と道具選び

2016.07.13

キャンプシーズンの到来です。そこで今回は「キャンプツーリングを始めたいけど何だか難しそう」という方向けに初めの一歩とも言える食事について紹介します。ストーブを使って、まずは即席食品から始めましょう!

キャンプで食べると、なぜかいつも以上に美味しい!?

「キャンプツーリングってどうなの?」とよく聞かれます。「宿代を抑えられる」「旅先の自然を肌で感じられる」「自分(たち)の時間を楽しめる」など様々なメリットが挙げられますが、その一方でバイクに乗るのと同じように“暑い、寒い”といったデメリットや不便にさらされる行為でもあります。特に、普段から料理をしない方の場合、食事を自分で作るということがとてもハードルの高いものであるのは確かです。

そこで今回は、ストーブ一つで手軽に作れるメニューを紹介します。即席のものが多いので、「そんなの料理じゃない」という意見もあるでしょうが、まずはストーブやコッヘルといった器具に慣れ、キャンプの夜のひと時を気軽に味わうことを目指しましょう。キャンプで誰もが感じることの一つに、「いつもと同じものを食べてもいつも以上に美味しく感じる」ということがあります。それは即席料理でも例外ではありません。

ストーブ選びのポイントは、ゴトクの安定感と使用燃料

さて、キャンプの調理器具と言えば、ストーブ(バーナーとも呼ぶ)です。お湯を沸かす、焼く、煮る、その全てはこのストーブを使って行います。その形状や使用燃料などによって様々なタイプがありますが、キャンプツーリングでは“最少最軽量”を求める必要はありません。それよりもコッヘル(鍋やフライパンなど)を置いた時にしっかりと安定するものが良いでしょう。上の写真で言うならば、左のポケットサイズのものより右のものがお勧めです。

なぜならアルミやチタンなどで出来ているコッヘルは非常に薄くて軽く、ちょっとした風でも転がってしまうほどで、調理中の安定感もよくありません。よってコッヘルを乗せるゴトク部分は少しでも大きいほうが良いのです。「バイクは荷物がたくさん積めないから」とポケットサイズのストーブを選ぶことは実用的ではありません。

また、使用燃料も選択のポイントです。一般的なものは、ガス(ガスカートリッジかガスボンベ)またはガソリン(ホワイトガソリン、ケロシンなど)を使うものです。それぞれにメリットとデメリットがありますが、筆者がお勧めしたいのはガス、それもガスボンベ(カセットコンロの燃料)を使用するタイプです。なぜなら、日本全国どこに行っても離島でさえも手に入るからです。また、ガスボンベ自体が安く比較的燃費が良いのもメリットです。ちなみに、ガスカートリッジやガスボンベは国内生産されているものであれば規格が統一されていますので、ストーブ本体と違うメーカーのものでも装着・使用は可能です。

ちなみに、ストーブの自動点火機能は必須ではありません。それよりもロングノーズタイプかつターボライター(写真右側)にしておくと強風時でも点火でき便利です。

なお、ガソリンストーブの中には一般的なホワイトガソリンのほかに、無鉛レギュラーガソリン(赤ガスと呼ばれる)が使えるタイプ(写真★)もあります。これならば、燃料切れの際にバイクのガソリンを抜き取って使うこともでき、連泊時や長期間キャンプツーリングを続ける際に便利です。また、ガソリンタイプはガスタイプに比べてランニングコストを抑えることができます。

コッヘル選びのポイントは、サイズと収納性、そしてフライパン

調理器具と食器を兼ねているのがコッヘル(クッカーとも呼ぶ)です。様々な素材や形状、サイズがあって悩んでしまいますが、筆者が選ぶポイントはサイズと収納性、そして構成されるコッヘルセットの中にフライパンがあるかどうかです。

サイズの基準は、袋入りのインスタントラーメンが入ること。保存が効き数分間で出来上がるインスタントラーメンは馬鹿にできません。これが丸ごと入れられるコッヘルであれば、他の料理をするときにも十分な容量であると言えます。また、収納性とは、コッヘルの各鍋を重ねた際にどれだけコンパクトかつ綺麗に収まるかということです。筆者がお勧めするのは丸型(写真左)よりも、ツーリングバッグへの収まりも良い角型(写真右)です。

また、コッヘルセットにフライパンが含まれているかどうかもポイントです。フライパンは炒める、焼くといった手軽な調理に欠かせない器具です。フライパンが無くてもコッヘルの鍋の底で炒めたり焼くこともできますが、もともと薄手の鍋のため焦げ付きの原因となるほか後片付け(掃除)が非常に面倒です。よって、スミフロン加工などのフライパンが一つ欲しいのです。なお、多少大きく重くなってしまいますが、深底タイプのフライパンは、炒める、焼くのほかお湯を沸かす、煮ることもでき万能です。

コッヘルセットとは別にフライパンだけ購入することもお勧めです。使い勝手が良くタフなフライパンは調理の幅をぐっと広げてくれるのです。

調理・食事・片付けの際にお勧めのアイテム

これらは調理や食事中、片付けの際に持っていると便利なアイテムです。左から説明します。

●卵携帯ケース/2個用、6個用などあります。卵があるとゆで卵やスクランブルエッグ、目玉焼き、ラーメンに落としたりと様々に使え、スタミナもつきます。
●十徳ナイフ/様々なタイプがありますが、ナイフ、缶切り、栓抜きがあれば十分です。ナイフは包丁代わりにもなります。
●調味料ボトル/キャンプに持っていきたい調味料は人それぞれですが、油(サラダオイル)、塩コショウは必須です。油があればフライパンの焦げ付きを防げます。
●ウォーターボトル/水を汲んでおくものです。いちいち炊事場に行かなくて済みます。プラスチック製タンクより2ℓ程度のビニール製が軽量・コンパクトでお勧めです。
●カトラリー/フォーク、スプーン、ナイフなど。この他に箸があれば十分です。
●洗浄用具/環境に配慮したアウトドア洗剤、小さく切ったスポンジ2種(洗い用、コゲ落とし用)、食器の汚れを拭き取るためのキッチンペーパー

アウトドアでは、食器の汚れや油は拭き取ってから洗うのが鉄則です。食べ残しや廃油を流してしまうと、キャンプ場の設備によっては河川の富栄養化を招き環境破壊につながってしまいます。米の研ぎ汁を流すことも良くないのでキャンプでは無洗米を使うのがベストです。

まずは即席食品で手軽に雰囲気を味わおう

キャンプだからと言って普段作り慣れていない料理を作ってもなかなかうまくできません。お米を炊くこと一つ取っても、コッヘルや飯ごうでご飯をふっくら炊くことは実に難しいものです。キャンプで美味しい料理を食べたい、仲間に振る舞いたいという気持ちはわかりますが、キャンプ初心者であれば、食事にこだわって失敗するよりも即席料理で美味しいお酒を少々頂き、キャンプの雰囲気を味わいながらほろ酔い気分のなか慣れないテントで熟睡するというくらいでちょうど良いのではないでしょうか。

下の写真は、「インスタントラーメンに卵とコンビニ野菜、フリーズドライのねぎ、七味を落としたもの」「レトルトご飯とレトルトルウのカレーライス」「フライパンを使っての、コンビニ野菜とコンビニウインナーの塩コショウ炒め」「インスタントのドリップコーヒー」です。お湯を沸かす時間も含め、全て調理時間は10分以内です。即席料理のコツは自分なりの“ひと手間”を加えること。具を一品足す、香辛料を使う、そんなことで十分です。最大の調味料は、アウトドアでキャンプをしているということ、それ自体だったりするのですから。

疲労や荒天、トラブルに備えてアルファ米を常備しよう

キャンプ場というのは、山奥など少しへんぴな所にあるものです。管理棟に着いた時にはほうほうの体、テントを張るだけでも精一杯ということもあります。また、台風の直撃など荒天の時や発熱で体調がすぐれない時など調理をしている場合ではないということもあります。そんな時に役立つのがアルファ米や缶詰、ソーセージ、ビスケットなどの常備食です。乾燥させたアルファ米(写真①)はお湯で15分、水で60分漬け置くことでふっくらとしたご飯に戻り(写真②)、とても美味しいご飯がいただけます。5年間の長期保存が可能であり災害食としても知られる食品なので購入しておいて損はありません。こうした常備食は万が一のことを考えて携帯することをお勧めします。

さて、キャンプに何を求めるのか? は人それぞれです。酒を飲むこと、仲間と語らうこと、星空の下に身を置くこと。その目的はさておき、キャンプをツーリングに取り入れることはツーリングの行程に深みを与え、旅する心をきっと豊かにしてくれます。変に気負うことなく自分のやり方でやってみる。まずは、それで良いのだと思います。

ライダーズブログ一覧へ