250ccクラスのバイクが売れています。車検が必要ない。車体がコンパクトで車重も比較的軽い。カスタムパーツの価格もお手頃など魅力がいっぱいです。そこで今回は、筆者が試乗した間違いのない250ccバイクを紹介します

1.ビッグバイクでは楽しめない?250ccだからこそ楽しめる3台


軽量・コンパクトだけでなく「エンジンを回して楽しめる」のも250ccの大きな魅力です。専門誌などでは、小~中排気量車のメリットに「扱い切れる楽しさ」という言葉がよく使われます。それは、またがった時の足つき性や押し引きしている時の取り回しといった安心感だけでなく、動力性能の源であるエンジンの扱い方にも当てはまります。

発進後、1速ギヤのまま、数秒で100km/h以上に到達するメガスポーツ・エンジンの楽しさもありますが、250ccクラスには「1速から6速までギヤをまんべんなく使える楽しさ」があります。法定速度の範囲内であっても、シフトチェンジをしてバイクを操ることの楽しさが満喫できるんです。これは、一般公道に限って言えば、大型バイクでは味わえないことです。

また、オン・オフロードタイプ(デュアルパーパスタイプ)であれば、林道などでダート走行をした際に、車体の軽さと低速ギヤの扱いやすさが250ccならではの武器となります。万が一、車体を倒してしまった時に引き起こしやすいのも、このタイプの特徴です。

2.250ccロードスポーツの楽しさをフルに味わえる「カワサキNinja ZX-25R」


80~90年代を彷彿とさせる並列4気筒250ccエンジンをひっさげて、20年9月に登場した「カワサキNinja ZX-25R」。ひとことで言えば「クラスを越えたハイスペックマシン」です。大型スーパースポーツバイクにも負けないほどの装備が充実しています。特に、SEモデル(上写真)にはシフトアップ・ダウンの双方向に対応したオートブリッパー付きKQS(カワサキクイックシフター)が搭載されています。

とにかく、このクイックシフターの出来が秀逸なのです。クイックシフターとは、クラッチレバーを操作しなくてもシフトペダルの操作だけでシフトチェンジができる機構です。近年、大型スポーツバイクを中心に採用が増えていますが、同社のNinja1000SX等に搭載されるものよりも、作動条件に関する縛りが少なく(2,500回転以下では作動しない・シフトアップ時にはスロットルを開けておく・シフトダウン時にはスロットルを全閉にしておく)、シフトフィーリングの良さに驚かされます。


クイックシフターは、元々はレーサーマシンのために開発された機構ですが、ツーリング時に上手に使えば、疲労軽減にも大いに役立ちます。慣れてしまえば、クラッチレバーを使うよりも素早くシフトチェンジでき、スムーズな加速や減速を実現し、よりスポーティな走りを楽しむことができます。


Ninja ZX-25R SEは、このクイックシフターと4気筒エンジンの組み合わせが絶妙なのです。レッドゾーンが17,000回転からという高回転型のエンジンは、前述したように、250ccならではの「1~6速の全てのギヤをクイックシフターで思いのままに操作できる」快感を味あわせてくれます。クラッチレバーを握らなくていいだけで、ハンドルに余計な力がかからず、バイクが自分で曲がろうとする力(セルフステア)を妨げないのもクイックシフターの恩恵です。

ちなみに、高速道路での100km/h巡航は6速10,000回転くらい。新東名高速道路で試してみましたが、120km/h巡航でも11,500回転くらいでした。それ以上の回転数では、さすがにエンジンが頑張ってる感が出てきますが、基本的には振動が少なく、下から上までシルキーに吹け上がる、4気筒らしく扱いやすい特性のエンジンでした。


最後に、くどいようですが、購入するならクイックシフターを搭載したSEモデルがオススメです。「大型バイクはいらないかも…」と思えてしまう、すごいバイクですよ。

〇SEモデルの標準装備
・KQS(カワサキクイックシフター)
・USB電源ソケット
・ウインドシールド(スモーク)
・フレームスライダー
・ホイールリムテープ

■DATA:
税込価格(カラー):
○Ninja ZX-25R SE(メタリックスパークブラック×パールフラットスターダストホワイト)/ 913,000円
○Ninja ZX-25R SE KRT EDITION(ライムグリーン×エボニー)/ 913,000円
○Ninja ZX-25R(メタリックスパークブラック)/825,000円
サイズ(mm):全長 1,980×全幅750×全高1,110
シート高:785mm
エンジン:水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列4気筒249cc
最高出力:33kW(45PS)/15,500rpm ※ラムエア加圧時34kW(46PS)/15,500rpm
最大トルク:21N・m(2.1kgf・m)/13,000rpm
車両重量:183kg ※SE/SE KRT EDITIONは184kg
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
タイヤサイズ:前110/70R17M/C 54H 後150/60R17M/C 66H
URL:https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/ninjazx-25r/

3. コース走行から冒険ツーリングまで、間口の広い「ホンダCRF250Lシリーズ」


ホンダのオン・オフロードモデル「CRF250L」「CRF250RALLY」が20年12月にフルモデルチェンジしました。ひとことで言うと、前モデルに比べて「よりオフロードでの走破性を高めたモデル」となっています。特にCRF250L(上写真はSタイプ)のデザインは、CRF450L(生産終了モデル)のようなレーサーマシンに近い、より戦闘的なものとなりました。

フルモデルチェンジということで変更点は多岐に渡りますが、新設計のフレームを採用したことで車体のディメンションすら変わっているので、試乗した印象で言うと、もう別物です。

特に、前モデルでハンドル周辺に感じていた全体的な重さがずいぶん軽減されていたことに驚きました。これには、ハンドル直下のボトムブリッジを鉄製からアルミ製に変更するなど、ハンドル周り全般の軽量化が影響しているようです。ハンドル周辺の重さは、路面が荒れるほどライディングに悪影響を及ぼすので、これは嬉しい改良です。

また、エンジン搭載位置を変更したことで前モデルより30mmも高い最低地上高を実現しています。こうすると、普通は足つき性が悪くなるものですが、実際にまたがってみると1Gでの沈み込みも手伝って、足つき性はむしろ良くなったような感じさえします。この辺は、絞り込まれたシート幅や足をついた時でも干渉しないステップ位置など、車体づくりの妙を感じます。


そのほか、エンジンの出力特性を変更して、市街地や林道などで多用する低中回転域を強く、扱いやすくしたり、新設計マフラー採用による軽量化、マス(車体重心)の集中化も行われています。

走行時に実感しやすい所では、急なシフトダウン時にリヤタイヤのホッピング(暴れ)を防いでくれるアシストスリッパ―クラッチの採用が大きく、これにより、クラッチレバーを小さな力で握れるようになり、手指の疲労低減に直結しています。実際に、人差し指や中指1本だけでもクラッチレバーが軽く握れ、シフト操作が楽にできました。これは長距離林道を走るような時には、特にありがたみが実感できる機能です。


〇ロングツーリング特性を高めた「CRF250 RALLY」
一方のCRF250 RALLY(下写真)は、CRF250Lの車体をベースとしつつ、CRF450 RALLY(ラリーレイド参戦用のレーサーマシン)のデザインイメージを踏襲したモデルです。いま流行りのアドベンチャーモデルとして扱われることもありますが、車体性能的には、本格的なラリーをこなせるほどの純然たるオフロードモデルです。

フルモデルチェンジでの主な改良点は「長距離移動をより快適に」といった所で、ガソリン容量を増やした12ℓ大型フューエルタンク、振動を減らしてくれるハンドルウェイト、ステップラバーなどを採用し、ロングツーリング性能と快適性を向上させています。


〇ローダウンモデルがスタンダードになった
また、CRF250Lシリーズと言えば、オフロードバイクの足つき性の悪さを考慮し、シート高をあらかじめ下げた「ローダウンタイプ(Type LD)」がラインナップしていましたが、今回からは、ローダウンタイプのほうがスタンダードとなりました。これは、街乗りや林道走行をメインとする方、小柄な方にはうれしい展開です。

レースにも使いたい、体が大柄でスタンダードでは窮屈といった方には別途<S>タイプが用意されています。サスペンションストロークを前モデル比でフロント10mmアップ、リヤ20mmアップするなどし、オフロード走行時の衝撃吸収力や乗り心地を向上させています。


なお、CRF250Lシリーズは前後にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を標準装備していますが、後輪ABSは任意でキャンセルできます。これにより、ブレーキターンなどオフロード特有のライディングもできるようになっています。

■DATA:()はSタイプの数値
税込価格(カラー):
○CRF250L/(S)(エクストリームレッド)/ 599,500円
○CRF250 RALLY/(S)(エクストリームレッド)/ 741,400円
サイズ(mm):
○CRF250L/(S) 全長2,210×全幅820×全高1,160 (2,230×820×1,200)
○CRF250 RALLY/(S)全長2,200×全幅920×全高1,355 (2,230×920×1,415)
シート高(mm):
○CRF250L/(S) 830 (880)
○CRF250 RALLY/(S) 830 (885)
エンジン:水冷4ストロークDOHC 4バルブ単気筒249cc
最高出力:18kW(24PS)/9,000rp
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/6,500rpm
車両重量:
○CRF250L/(S) 140kg
○CRF250 RALLY /(S) 152kg
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
タイヤサイズ:前80/100-21M/C 51P 後120/80-18M/C 62P
URL:https://www.honda.co.jp/CRF250L/

250ccクラスで間違いのない3台を紹介しました。どちらも、250ccでしか味わえない魅力が満載です。レンタルバイクなどで乗ってみれば、必ず欲しくなりますよ!

●カワサキプラザレンタル(カワサキ車のレンタルバイク)
https://www.kawasaki-plaza.net/rental-service/

●HondaGO BIKE RENTAL(ホンダ車のレンタルバイク)
https://hondago-bikerental.jp/

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■筆者プロフィール

田中淳磨
46歳・男性・北海道札幌市出身
二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。