みなさんこんにちは。BLL研究員のえぬこです。
先日、川崎祥吾(かわさき しょうご)くんという若きバイクレーサーにインタビューをさせていただいたわけなのですが…

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なんと、祥吾くんの通う日本体育大学荏原(えばら)高等学校のご厚意により、
教頭先生へのインタビューもご許可いただきました!
祥吾くんがバイクレースで頑張っていることについて、そして、それにより学校を休まざるを得ないことについて。教頭先生の思いと、学校の方針についてなど、さまざまなことを聞いてみたいですね。

さっそくではありますが、祥吾くんと、小安教頭先生にお話を伺ってきましたのでご覧ください。

3月中旬のある日@日本体育大学荏原高等学校

祥吾くんと駅で待ち合わせて、学校へ。
この時期は春休み。部活に励んでいる生徒と、補習にきている生徒たちがいるとのことでした。

そもそも日本体育大学荏原高等学校とはどういう学校なのか。
慈育厳教という教育理念のもと、スポーツだけではなく勉強にも力をいれている学校です。
難関大学現役合格を目指す「アカデミックコース」、アスリートを目指す「体育コース」、幅広い選択肢の中から適正・興味を導き出していく「総合コース」など、細分化された学習コースが整備されています。

校舎につくと、生徒たちが「こんにちは!」と挨拶を投げかけてくれるのが印象的でした。
校舎を飾る垂れ幕には、「祝 日本代表」「祝 優勝」など、スポーツ競技の戦績がズラリ。
さまざまなスポーツ種目において、強豪校であることがうかがえます。

そんな日本体育大学荏原高等学校に通う祥吾くん、そして、そんな祥吾くんの入学を快く承諾し活躍を応援している学校サイドの声を、今回のインタビューで聴くことができればと思います。

それでは、いってみましょう!

@日本体育大学荏原高等学校 会議室

左:日本体育大学荏原高等学校 小安教頭先生、右:川崎祥吾くん

えぬ「こんにちは」
教頭先生しょ「こんにちは!」

えぬ「さっそくですが、なぜ祥吾くんはこの学校に入学を決めたのですか?」

しょ「そうですね…。バイクを続けながらも、学校生活を送れる高校を探していました。 バイクのレースや練習の兼ね合いで欠席が多くなることはわかっていたので、それを何とか認めてくれる学校である必要があったんです」

えぬ「そうですよね。それで下調べしてこの高校に問い合わせたのですか?」

しょ「いや、実はそうではないんです。高校受験を控えた中学生と保護者を対象とした、高校の合同説明会という場があるんですけど…。そこでたまたまこの学校の“旗”に「体育」の文字が見えて。なんとなく、バイクのレース活動について親身になって聞いてくれる気がしたんです」

えぬ「たまたま…それはすごい…ほんと“縁”というやつですね…」
小安教頭先生は、祥吾くんのレース活動事情を初めて聞いたとき、どう感じましたか?」

教頭先生「まず、かわいそうだなって思ったんです。たぶん、うちが入学を許可しなければ、祥吾くんのような優秀で素晴らしい生徒でも全日制高校の入学を許可されず、ごく普通の高校生活を送ることができなくなってしまうのかと。ホームルームがあって、クラスメイトがいて――それらはとても重要なことだとわたしは考えているんです。それが、「バイクを頑張っているから」という理由で剥奪されてしまうのはかわいそうで」

ご両親も祥吾くんも、学校へ通う必要のない通信制の高校に通うつもりはなかったとのこと。
「バイクだけ」ではなく、クラスのみんなと学び舎で勉強もしっかりやって、レース活動と学校生活を両立させることを望んでいたのだとか。

教頭先生「祥吾くんが「バイクだけ」というスタンスでなかったのは大きいです。ちゃんと勉強もしたいという思いはもちろん、合同説明会で成績を見せてもらったときにこれは伸びる!と確信したんです。これは、うちの学校にとってプラスになるだろうと。学校全体として、ネガティブな意見は一切なかったですね」

えぬ「ありがとうございます。それでは続いてレース活動について教頭先生にお伺いしたいのですが、祥吾くんのレース活動についてどういった印象をお持ちですか?」

教頭先生「何よりもまず、見てみたい!そんな気持ちです」
えぬ「お~~!ずいぶんとポジティブな意見ですね」
教頭先生「やっぱり、こう、“うまいんだろうなぁ”って思うんですよ。それを間近で見てみたい。」

祥吾くんがバイクでサーキットを駆け抜ける姿を、ぜひ見てみたいと笑顔で語る教頭先生。

教頭先生「でも、それはさておき。その分その間の勉強は遅れるわけじゃないですか」
えぬ「ええ、そうですね…それを補うために、御校ならではのサポート体制等はあるのですか?」
教頭先生「ええ、これです」

見せてくれたのはiPad。この端末には独自のアプリがインストールされていて、先生・生徒間での課題のやりとりや連絡などなど、さまざまなことがこのアプリで管理・実施できるのだとか。 IT技術の進化により様変わりする教育現場を目の当たりにして、かなり衝撃を受けました。

教頭先生「とはいっても、これで学習を完璧にサポートしているというわけではないんですよ」

えぬ「?…といいますと?」
教頭先生「あくまで、“繋がっている”という安心感から勉強へのモチベーションを保つためのコミュニケーションツールなんです」

例えば遠征先からでも、 「これやっておいてね」と先生からの課題が届いて。そしてそれを生徒から先生に提出して――。こういった何気ない先生・生徒間のやりとりが、生徒たちの“繋がっている感”を醸成しているのだとか。 とても素敵な取り組みだと感じました。

日本体育大学荏原高等学校には、祥吾くんのほかにも、競技活動に専念し学校を欠席せざるを得ない生徒たちが5名ほどいるとのこと。 そういった生徒たちとのコミュニケーションの手助けになっていると語ってくださいました。

余談ですが、祥吾くんは、てっきりアスリートを目指す「体育コース」に属しているものだと思っていたのですが、なんと難関大学を目指す「アカデミックコース」に属しているとのこと(!)。
さらに言ってしまえば、成績優秀者である「特待生」として入学したとのことで驚きが隠せません。
学年でも上位を争う成績優秀者ということで、学校側からの期待を背負い、バイクだけではなく勉学にも全力で取り組んでいます。

えぬ「ありがとうございます。祥吾くんに聞きたいのですが、どうしたらそんなに勉強も頑張れるの?」

しょ「うーん。そんなに特別なことはしていなくて、授業をちゃんと受けているだけです。あとは欠席したときに関しては自主学習をするくらいですかね」

話を聞いていると、普段の自主学習もリビングで一時間ちゃちゃっとやるくらいとのこと。 卓越した集中力があるからこその勉強スタイルかもしれません。
このスタイルで、入学当初より成績はどんどん伸びているのだとか…。
やらなきゃという使命感、授業に出られていないという危機感、そして、成績上位者であることをキープしたいという思いから、勉強を頑張れているそうです。

えぬ「素晴らしいですね。 ありがとうございます。 ちなみに、学校にいるときはクラスメイトの子たちとはどういった形で接しているのですか?」

しょ「普段はたわいもない話をしたり、テスト前は教え合いをしたり…ごくごく普通だと思いますよ(笑)」

クラス委員長でもあり、生徒会にも属しているという祥吾くん。
学校生活を十分に謳歌していますね。
教頭先生曰く、祥吾くんの勉強と競技を両立している姿勢は、ほかの生徒にも好影響を与えており模範となっているとのことでした。

えぬ「ありがとうございます。ちょっと質問の趣向が変わりまして、バイク寄りの話を。
教頭先生がはじめに「バイク」や「バイクレース」と聞いたときにどんな印象を受けましたか?」

教頭先生「実は前任校で、F1レーサーを目指している子がいて。だから抵抗なく、すんなりと受け入れられましたね(笑) 正直バイクのことはわかりませんが、車は好きなので、興味関心がわきました。
危なそうだな、とかも思わなかったですね。(ライディングが)うまいんだろうなぁ~って思うので。 学校としても、マイナスな意見は出なかったです」

えぬ「ありがとうございます。ちなみに御校では、バイク通学や免許の取得などは許可しているのですか?」
教頭先生「いや、許可していないですね。今後もたぶんそういった話にはならないでしょう」
えぬ「やはりそれは危ないからですか?」
教頭先生「そうですね…。祥吾くんが、バイクの公道用の免許を持っていないのは好印象です」

えぬ「なるほど。ありがとうございます。
ちなみに、そういったバイクに対する危ないというイメージを払拭するには、どういった業界努力が必要だと感じますか?」
教頭先生「バイクに限る話ではないんですけれど、16歳、17歳、18歳という年齢は、できることが増え、活動範囲がどんどん広がっていき、いろんなことに対して「もっとやりたい」「もっとしたい」という気持ちが芽生えていくんです。そして、心にブレーキがかけられない。そんな時期なんですよ。
バイクが悪いわけでは決してないのだけれど、そういった「心にブレーキがかけられない」時期にある生徒たちが、最も死に近づいてしまう乗り物がバイクなのかなと。しょうがない部分はあるかなぁと感じます。だから、もっと少年少女たちの、心の部分の啓発ができればいいんじゃないかな、と考えます」

えぬ「なるほど…その発想はなかったです。教頭先生ならではの、貴重なご意見だと感じました。ありがとうございます。今後のBike Life Lab運営に活かしていきます」

えぬ「最後になりますが、祥吾くんには将来的にどういった人になってほしいですか?」
教頭先生「人との縁を大切にして、世界で活躍してほしい。そして、応援しに行きたい。 何より、見たい!!」
えぬ「熱い思いをありがとうございます(笑) それを受けて、祥吾くんはどういった人になりたいですか?」
しょ「もちろん、世界で成績を残したいですね

そんな祥吾くんですが、将来は教育学について学びたいとのこと。この日本体育大学荏原高等学校からいい影響を受け、それを還元したいという気持ちは先生方にとっても嬉しいのではないでしょうか?

大学にも通いつつ、レースでも活躍したいという祥吾くん。川崎祥吾くんの今後の活躍から、目が離せないですね。

取材にご協力いただいた、日本体育大学荏原高等学校、小安教頭先生、そして川崎祥吾くん、ありがとうございました!

プロフィール

川崎 祥吾 (かわさき しょうご)
2002 年9 月12 日生まれ (16 歳)
身長162cm 体重52kg
日本体育大学荏原(えばら)高等学校 在学 2年生

【2019年スケジュール】

Round 1 Dal 30 marzo 2019 Al 31 marzo 2019 Misano World Circuit “Marco Simoncelli” Misano
Round 2 Dal 27 aprile 2019 Al 28 aprile 2019 Autodromo Internazionale del Mugello Mugello
Round 3 Dal 29 giugno 2019 Al 30 giugno 2019 Autodromo Enzo e Dino Ferrari di Imola Imola
Round 4 Dal 27 luglio 2019 Al 28 luglio 2019 Misano World Circuit “Marco Simoncelli” Misano
Round 5 Dal 21 settembre 2019 Al 22 settembre 2019 Autodromo Internazionale del Mugello Mugello
Round 6 Dal 5 ottobre 2019 Al 6 ottobre 2019 Autodromo Vallelunga “Piero Taruffi” Vallelunga

【2018年リザルト】
イタリア選手権

第1戦 予選:30位,レース1:21位,レース2:20位
第2戦 予選:27位 レース1:21位,レース2:21位
第3戦 予選:33位 レース1:21位,レース2:21位
第4戦 予選:31位 レース1:転倒リタイア,レース2:21位
第5戦 予選:31位 レース1:23 位,レース2:転倒リタイア
第6戦 予選:24位 レース1:21 位,レース2:27位

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