フィーチャーバイク – YZF-R1 –
時代を切り開く、美しき革命児
1992年登場のCBR900RRは、軽さとハイパワーを追求した「スーパースポーツ」(SS)という新たなジャンルを開拓し、大ヒットを記録。他社もライバルを送り込むが、CBRの独壇場が続いていた。このジャンルに革命が起きたのが1998年。ヤマハが完全新設計のYZF-R1を送り込んだのだ。まず圧倒的だったのが、最高出力150ps、乾燥重量177kgのスペック。同年にフルチェンジしたCBRの130psを大きく凌駕し、車重もR1の方が3kg軽かった。さらにGPレーサー譲りのディメンジョンや、切れ長の吊り目をした妖艶なデザインが話題に。走りは、コーナーの斬れ味が鋭く、開発テーマである「ツイスティロード最速」を十全に達成。まさにセンセーショナルなデビューであった。
以降、2年ごとに大改良を続け、4代目となる2004年型で初の全面刷新を敢行。172psと大幅に出力を向上し、トレンドのセンターアップマフラーも獲得した。2007年の6代目で5→4バルブ化、2009年の7代目でモトGP直系のクロスプレーンクランクを投入する。
これ以後、世界不況などの影響でR1をはじめとする国産SSは大きな進化を止め、代わりに外国車勢が台頭する。だが、またも革命を起こしたのはR1だった。2015年、沈黙を破り、2009年以来となるフルチェンジを実施。直4SSトップ級の200ps&装備重量199kgのスペックに電子制御を満載し、再び最強SSの座を奪還したのである。
2018年で20周年を迎えるR1。歴代ごとに強烈な個性を放ち、各年式にファンが存在する。しかしながら、美しさとヤマハハンドリングに裏打ちされた速さは共通。そして、常に革新性を追求する姿勢は変わることがない。
型式、年式ごとの特長
1998年型(初代)

全長(mm) | 2,035 |
全幅(mm) | 695 |
全高(mm) | 1,095 |
シート高(mm) | 815 |
軸距(mm) | 1,395 |
車重(kg) | 177(乾燥) |
エンジン | 水冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 998 |
最高出力 | 150ps/10,000rpm |
最大トルク | 11.0kg-m/8,500rpm |
タイヤ | (前)120/70ZR17(後)190/50ZR17 |
2004年型(4代目)

全長(mm) | 2,065 |
全幅(mm) | 720 |
全高(mm) | 1,105 |
シート高(mm) | 835 |
軸距(mm) | 1,395 |
車重(kg) | 172(装備) |
エンジン | 水冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 998 |
最高出力 | 172ps/12,500rpm |
最大トルク | 10.9kg-m/10,500rpm |
タイヤ | (前)120/70ZR17(後)190/50ZR17 |
2009年型(7代目)

全長(mm) | 2,070 |
全幅(mm) | 715 |
全高(mm) | 1,130 |
シート高(mm) | 835 |
軸距(mm) | 1,415 |
車重(kg) | 206(装備) |
エンジン | 水冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 998 |
最高出力 | 182ps/12,500rpm |
最大トルク | 11.7kg-m/10,000rpm |
タイヤ | (前)120/70ZR17(後)190/55ZR17 |
2015年型(9代目)

全長(mm) | 2,055 |
全幅(mm) | 690 |
全高(mm) | 1,150 |
シート高(mm) | 855 |
軸距(mm) | 1,405 |
車重(kg) | 199(装備) |
エンジン | 水冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 998 |
最高出力 | 200ps/13,500rpm |
最大トルク | 11.5kg-m/11,500rpm |
タイヤ | (前)120/70ZR17(後)190/55ZR17 |
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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。