今月のフィーチャーバイク

SR400

独特の“らしさ”に満ちた
リアルなビンテージバイク

現代のバイクながら、外観はクラシックなモデルを「ネオレトロ」と呼ぶ。しかし、SR400は一味違う。1978年のデビュー当時からほぼ変わらない姿を守り続け、今も販売されているからだ。

SR400は、オフロードモデルであるXT500のSOHC2バルブ空冷単気筒とセミダブルクレードルフレームを転用して登場。発売当初、セールスは振るわなかったが、徐々に人気を獲得し、レーサーレプリカブームが終焉した1990年代にはスタンダードバイクとして不動の地位を築いた。同時に、年を追うごとに熟成され、基本的なスタイルはそのままに使い勝手を向上させている。

ビッグシングルと言えば、「振動が激しい」と思いがちだが、SRは思いのほかスムーズ。トコトコと地面を軽快に蹴るフィーリングが楽しく、ギャップ通過時もしっとりとした乗り味を見せる。

スターターにセルを装備せず、キックのみとするのもSRの特色だ。難しそうだが、慣れれば簡単に始動でき、SRならではの味わいに一役買っている。

そして造形美も大いに魅力的。美しいティアドロップタンクや空冷エンジンが織り成す調和の取れたスタイルは、時代を超えて高い支持を受けている。シンプルゆえに、カスタムのベースモデルとしても優秀だ。

見てよし、乗ってよし、イジってよし。長い歴史に磨かれたSRは、多方面に魅力を発揮する。

型式、年式ごとの特長

  • 1978年~

    1978年、軽快なシングルスポーツを求める声に応え、初代SRが発売。フロントに19インチタイヤとディスクブレーキを備え、オンロード向けのキャブレターなどを装備した。翌年、ホイールをスポーク→キャストとし、チューブレスタイヤを与えたSPが登場。スポーク仕様は、1982年に限定で復活し、翌年からSPとスポーク仕様が併売された。

  • 1985年~

    1985年からフロント18インチのスポークホイールとなり、前後ドラムブレーキに変更。フォークブーツや、バック気味のステップも採用した。1988年にはキャブレターを強制開閉タイプから負圧式に変更し、扱いやすさを向上。大型エアクリーナーボックスなども備えた。1993年にはCDIユニットの変更などで電気系を強化、1996年にはライポジを見直した。

  • 2001年~

    2001年には排ガス規制に対応し、エアインダクションシステムやBSR33キャブレターを採用。再びフロントにディスクブレーキが導入された。2003年型では点火時期の最適化を図るスロットルポジションセンサーも装着。一段と強化された排ガス規制のため、2008年の30周年記念モデルで一旦生産終了となる。

 

  • 2010年~

    存続が危ぶまれたが、2009年12月に復活。FI(フューエルインジェクション)化ほか、多くをリニューアルしたが、SRらしいフォルムと乗り味を堅持した。FIに必須の燃料ポンプは、シルエットを崩さないようサイドカバー内側に設置。これに伴い、バッテリーをシート下に移動し、エアクリーナーボックスを新作とするなどの変更を行った。触媒を装着するため、エキパイとサイレンサーも新型となる。最高出力は、キャブ仕様より1ps減の26psとなるが、低速のトルク感や安定感はむしろ向上している。

主要諸元

全長(mm) 2,085
全幅(mm) 750
全高(mm) 1,110
シート高(mm) 790
軸距(mm) 1,410
車重(kg) 174
エンジン 空冷4スト単気筒
 排気量(cc) 399
 最高出力 26ps/6,500rpm
 最大トルク  2.9kg-m/5,500rpm
 タイヤ  F=90/100-18 R=110/90-18

※2010~2016モデル

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■筆者プロフィール

沼尾 宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。