今月のフィーチャーバイク

セロー225/250

フィールドを自在に駆け抜けるカモシカ

バイクブームに湧く1980年代前半、レーサーレプリカと同様、オフロード車も過激化が進んだ。一方でビギナーを中心に、扱いやすいオフ車を望むユーザーも増加していた。こうした声に応える形で、1985年、ストリートユースから林道トレッキングまで自在にこなす“マウンテントレール”の世界を提唱したセロー225がデビューを果たす。
排気量は、XT200の空冷単気筒200ccをベースに、223ccへアップ。これは200ccよりパワフルで、250ccより軽快な走りを狙った、こだわりの設定である。車体は、軽量コンパクトと低シート高、51度の大きなハンドル切れ角を実現。粘り強い低速トルクをはじめ、クセのないハンドリング、高い走破性が徐々にファンを獲得していく。

1993年6月には、リヤディスクブレーキを採用し、車名をセロー225Wに変更。以降もタンク容量アップなど頻繁に熟成が進められた。2005年には、ついに初のフルチェンジを敢行し、セロー250に刷新。250cc化によって、扱いやすさはそのままに、高速道路の巡航性能などが大幅に向上した。

普段は日常の気軽な足として活躍し、休日はツーリングをこなしつつ、未舗装路にも気軽に踏み込める相棒がセロー。「カモシカ」を意味する車名のとおり、フィールドを限定せず、しなやかに駆け回れる。登場から30年以上が経った今も多くのファンを生み出し続けている名車だ。

型式、年式ごとの特長

  • セロー225/W/WE

    初心者でも乗りやすい新感覚トレールとして1985年に登場。フレンドリーな路線ながら、スタンディングでのトライアル性能を追求するなどベテランも満足できる野心作だった。当初は軽量化のため、セルを装備しなかったが、1989年にセルを標準装備。1993年に大型ヘッドライトやリヤディスクブレーキを備えたセロー225Wにモデルチェンジした。1997年には新型キャブレターやチューブレスのリヤタイヤ、フロント2ポットキャリパーなどを採用し、セロー225WEに車名を変更。2000年には、排ガス規制をクリアするとともに、サイドスタンドスイッチの採用など様々な熟成を施した。最高出力は20psのまま初代から不変である。
    人気バイクアニメ『ばくおん!!』では、メインキャラクター「天野恩紗」の愛車として登場する。彼女は“バイク部がある”という理由だけで高校を選んだほどのバイク好きで、初登場時にはすでに二輪免許を取得していた。バイクに関してかなりの知識を持っており、時折解説やうんちくを披露している。

  • セロー250

    デビュー20年目となる2005年に初の全面刷新を受け、セロー250にリファイン。マウンテントレールの世界を継承しながら、「操る楽しさナンバーワン」をキーワードに開発された。高速道路の制限速度変更や2人乗り解禁を受けて、トリッカーをベースとする250ccエンジンを新搭載。極低速での扱いやすさはそのままに中高域の出力特性を向上した。車体は、新フレームと軽量サスにより安定感が増し、トータルバランスに一段と磨きをかけている。デザインも従来の角形フォルムから流線形状となり、高級感がアップした。
    2008年には、キャブレターからFIに変更。最高出力は21→18psにダウンしたが、トルク感は増している。

主要諸元

数値は225W []内は250

全長(mm) 2,070 [2,100]
全幅(mm) 800 [805]
全高(mm) 1,160
シート高(mm) 810 [830]
軸距(mm) 1,350 [1,360]
乾燥重量(kg) 106 [119]
エンジン 空冷4スト単気筒
 排気量(cc) 223 [249]
 最高出力 20ps/8,000rpm [18ps/7,500rpm]
 最大トルク  1.9kg-m/7,000rpm [1.9kg-m/6,500rpm]
 タイヤ  F=2.75-21 R=120/80-18

※1993~1996モデル (250は2008~2016)