フィーチャーバイク -V-Strom650-
公開日:2018.09.19 / 最終更新日:2020.04.14
まさに万能、日本に最適なミドルアドベンチャー
平日は日常の足、週末は峠道を楽しむアルペンマイスターとして活躍できる――2003年、欧州でデビューしたクロスオーバーモデルのV-Strom(ストローム)650は、現地で大ヒットを記録した。2011年には初のフルモデルチェンジを敢行し、さらに魅力をアップ。日本には逆輸入車として入荷されてきたが、国内では今ひとつマイナーな存在だった。
ところが、2013年になり、状況が一変。初めて日本仕様が導入されことに加え、アドベンチャーバイクのブームも重なり、一挙にメジャーな存在となった。
2017年には、スタイルのブラッシュアップとともに、クラス初のトラクションコントロールも搭載。濡れた路面やスポーティな走りでの安心感が一段と増した。
特色は、リッターバイク並みの車格を誇りながら、軽量かつ扱いやすい点だ。エンジンは、ミドルネイキッドのSV650を源流とする645ccの90度Vツインで、国内モデルの大型バイクでは最も小さい排気量となる。加えてアルミツインスパーフレームの採用により、装備重量212kg(2017年型)という圧倒的な軽さを実現している。
この軽量な車体と、低回転で粘るエンジン特性のため、街中での小回りも、ちょっとしたダートへの寄り道も気負わずにこなせる。それでいてエンジンは軽快に吹け上がり、高速ツーリングも得意だ。フロント19インチはハンドリングが素直な上に、しなやかな特性の前後サスで衝撃吸収性とコーナリング性能にも優れる。肝心のロングランにおける快適性も抜群。アップライトなポジションとクッション性の高いシートによって、実に快適だ。
リッター級のビッグアドベンチャーに対し、より手軽で疲れにくく、俊敏な走りのV-Strom650。日本にベストマッチするクロスオーバーの1台と言えるだろう。
型式、年式ごとの特長
2013~2016年型

Vツインエンジンは、1スロットルボディに2つのバルブを配したSDTVで力強く扱いやすい出力特性を実現。さらにECUのセッティングや吸排気系の見直しにより燃費を10%アップし、可変スクリーンとタフなイメージのデザインも獲得した。新たに軽量なABSも採用されている。2013年に発売開始された国内仕様は、海外モデルの2011年型がベースだ。
翌2014年にはワイヤースポークホイールとクチバシ状カウルを備え、オフロードに強い「XT」も追加された。
全長(mm) | 2,290 |
全幅(mm) | 835 |
全高(mm) | 1,405 |
シート高(mm) | 835 |
軸距(mm) | 1,555 |
車重(kg) | 214(装備) |
エンジン | 水冷4ストV型2気筒 |
排気量(cc) | 645 |
最高出力 | 66ps/8,800rpm |
最大トルク | 6.0kg-m/6,500rpm |
燃料タンク容量(L) | 20 |
タイヤ | (前)110/80R19 (後)150/70R17 |
※2013年型 国内仕様
2017年型~

ウインドスクリーンは、従来型から+9mmとし、防風性能を向上。シートまわりをスリムにすることで、シート高の数値以上に足着き性をアップするなど快適性も強化されている。スポークホイールとガード類を備えたXT仕様も用意。
全長(mm) | 2,275 |
全幅(mm) | 835 |
全高(mm) | 1,405 |
シート高(mm) | 835 |
軸距(mm) | 1,560 |
車重(kg) | 212(装備) |
エンジン | 水冷4ストV型2気筒 |
排気量(cc) | 645 |
最高出力 | 69ps/8,800rpm |
最大トルク | 6.2kg-m/6,500rpm |
燃料タンク容量(L) | 20 |
タイヤ | (前)110/80R19 (後)150/70R17 |
※2017年型 国内仕様
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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。