フィーチャーバイク – Hayabusa
最高速だけではない
究極のグランドスポーツ
ZZR1100、CBR1100XXら300km/hに迫る最速ツアラーが人気を
博していた’90年代後半。沈黙を守ってきたスズキが、
1台の革新的なモデルを’99年に突如リリースした。
「アルティメット(究極)スポーツ」をコンセプトに掲げる
GSX1300R Hayabusaは、
新設計の1299cc直列4気筒を搭載し、ライバルを大きく上回る175psを発生。
多くのライダーに驚きを持って迎えられた。
曲面で構成された有機的なボディは、当初、賛否両論もあったが、卓越したエアロダイナミズムを実現するために必要不可欠の存在。ギネスブックに掲載された312.6km/hという当時の市販車最高速記録は、圧倒的な馬力と優れた空力特性の賜物である。
さらに最高速に加え、スーパースポーツに匹敵する軽快なハンドリングもハヤブサの特徴。ストリートや峠道でさえ軽々とこなす、まさに究極のスポーツモデルとして、世界中で人気を呼んだ。
2007年には初のフルモデルチェンジを敢行し、排気量を1339ccにスープアップ。馬力は前人未到の197psにまで到達する。初代のコンセプトはそのままに扱いやすさを増し、より不動の人気を得ることになった。2013年モデルでは安全性を高めるべく、ABSとブレンボ製フロントキャリパーを採用。2014年には、待望の国内仕様もデビューした。
デビュー以来、大がかりな変更は少ないものの、その性能と迫力は常に一線級。スズキ自慢のフラッグシップとして羽ばたき続けている。
型式、年式ごとの特長
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GSX1300R Hayabusa/Hayabusa1300 (1999~2007)
速度だけではなく、最高の性能を追求した万能スポーツとして’99年に投入。エンジンはGSX-R750系をベースに、直4最大の1299ccにまで排気量を拡大。最高出力は、史上最強の175psをマークした。
以降、細やかな熟成を繰り返し、2年目にFIのセッティングを変更。’01年にシートレールがアルミから鉄になり、車重が215→217kgに。メーターを350km/hから300km/hスケールに変更した。’02年にはO2フィードバックセンサー、’03年にはチタンコートを施したフロントフォークなどを獲得している。
なお、車名は2002年モデルで、GSX1300R HayabusaからHayabusa1300に改められた。 -
Hayabusa1300/Hayabusa/隼 (2008~)
デビュー9年目に全面変更を受け、第2世代に進化。エンジンは、初代をベースにストロークを2mm増し、1339ccにアップ。メッキシリンダーやチタンバルブ、3パターンの出力特性が選択できるS-DMSなど、最新技術が惜しみなく投入されている。
フレーム形状はほぼ同様ながら、各部を大幅にリニューアルし、ねじれ剛性を10%向上したスイングアームなどを採用した。カウルはやや大型化され、ライダーの快適性も向上している。
過激な特性だった先代に対し、2代目は若干ツアラー寄りにシフト。ジェントルで、直進安定性やコーナリングでの安心感も高められている。なお車名は2013年型でHayabusaに変更。国内仕様は隼(ハヤブサ)を名乗り、ETCを標準装備する。
主要諸元
()内は2014~
全長(mm) | 2,190 |
全幅(mm) | 735 |
全高(mm) | 1,165 |
シート高(mm) | 805 |
軸距(mm) | 1,480 |
車重(kg) | 260 (266) |
エンジン | 水冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 1340 |
最高出力 | 197ps/9,500rpm |
最大トルク | 15.7kg-m/7,500rpm (15.8kg-m/7,200rpm) |
タイヤ | F=120/70ZR17 R=190/50ZR17 |
※2008~2017モデル
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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。