今月のフィーチャーバイク

最速にして上質、威風堂々のフラッグシップ

カワサキのフラッグシップは、GPZ900RからZZ-R1100へと至り、1990年代に「最強最速マシン」として不動の地位を獲得した。だが、96年にCBR1100XX、99年にGSX1300Rハヤブサと強力なライバルの出現により世代交代を余儀なくされる。その地位を名実ともに奪還したのが、2012年に投入されたNinja ZX-14Rである。
ベースとなったのは、2006年デビューのZZR1400。水冷直4ユニットは排気量を1352→1441ccに拡大するなどの全面改良で、190psから驚異の200psに到達した。この数値は2011年型のZX-10Rと並び、当時の市販バイク史上最強レベル。さらに車体や足まわりを強化し、3段階+オフの予測型トラクションコントロールシステムや2段階式パワーモード、スポーツABSなどの電子デバイスも獲得した。

ZZR1400は190ps、宿敵である初代ハヤブサは187psと数値ではZZRが超えていたが、実力は伯仲。しかも2008年にはハヤブサが2代目に進化し、197psを達成するなど躍進した。だが、ついに14Rはこれを上回ることに成功したのだ。ハヤブサが概ね上回っていたゼロヨンタイムに関しても、14Rが逆転。発表時のプロモーション映像でゼロヨン対決が披露され、AMAドラッグレース王者がアタックしたところ、ハヤブサは10.11秒、14Rは9.74秒と圧倒。世界中にセンセーションを巻き起こした。
パワーフィールは、新幹線に乗っているようにスムーズ。常用する中速域からダイレクトかつシルキーに加速し、この感覚が超高速域まで持続する。コーナーでは、迫力ある外観とは裏腹に、一回り小さいバイクに乗っているような軽快さを見せる。
スーパーチャージャー搭載のH2が登場し、今後の動向が注目されるが、その洗練された走りと迫力ある外観は今なお唯一無二である。

型式、年式ごとの特長

2012年型~

エンジンは「量産車最速の加速性能」を目指して開発。ZZR1400のボア84×ストローク61mmに対し、ストロークを4mm伸ばして1352→1441ccに。吸排気ポートの改良やシリンダー間のバイパス設置など徹底してリファインが施される。最大トルクは15.7→16.6kg-mに増強され、特に4000rpm以上での加速性能が増した。さらにラムエア過給時には210psオーバーを発生する。
アルミモノコックフレームの車体は、約60%の面積で剛性を強化。スイングアームは剛性を強化しつつ+10mmとして安定性向上を図った。足まわりは、φ43mm倒立フォーク+ラジアルマウントキャリパーで武装する。
ZZR1400から継承する6眼ヘッドライトは、レンズが4枚→2枚となり、目ヂカラがアップ。走行風を効率よくテールへ流すサイドカウルの大胆なフィンも特徴だ。
2016年型で排ガス規制のユーロ4に対応するとともに、ハンドルを約13mm上方&手前に移動。オーリンズ製リヤショックとブレンボ製キャリパーを奢る「ハイグレード」仕様を追加した。
全長(mm) 2,170
全幅(mm) 770
全高(mm) 1,170
シート高(mm) 800
軸距(mm) 1,480
車重(kg) 265[268](装備)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 1441
最高出力 200ps/10,000rpm
最大トルク 16.6kg-m/7,500rpm
タイヤ (前)120/70ZR17(後)190/50ZR17

※2012モデル [ ]内はABS仕様