今月のフィーチャーバイク

z1000

z1000

「ストファイ」の金字塔として名高い現代版Z

z1000

1977年型でデビューした空冷直4のZ1000の車名を受け継ぎ、新世代のZとして2003年に投入されたモデルがZ1000だ。
最大の特徴はスタイル。初期型は、跳ね上がった4本マフラーにエッジの利いたボディデザインを採用し、大反響を巻き起こした。ベースはスーパースポーツのZX-9Rで、走りは過激かつ俊敏。当時は欧州を中心に、鋭い走りとルックスを兼ね備えたカスタムネイキッド「ストリートファイター」が流行の兆しを見せていた。いち早く「ストファイ」のトレンドを取り入れたZ1000以降、この新ジャンルは大きなブームを巻き起こしていく。
2007年には、車体を大幅リファインした2代目に進化。大型シュラウドを与えるとともに、より安定志向で扱いやすくなった。
ライバルが数多く出現する中、2010年型で初のフルチェンジを敢行。ストファイというカテゴリーは、スーパースポーツをネイキッド化し、バーハンドルをセットするのが一般的だが、やはりストリートでは低中速トルクや前輪荷重が不足しがち。そこで、公道での刺激と快感を重視して、ゼロからエンジンと車体を作り上げた。953→1043ccに排気量をアップし、136psにまで最高出力を増強。専用アルミフレームも獲得した。パンチのある走りに回帰し、前方にカタマリ感のあるデザインがまたも大きな評判となる。
2014年型では、「凄み=SUGOMI」をコンセプトに、よりスタイルを過激化し、走りを熟成した4代目が登場。カワサキ初のLEDヘッドライトなどで、ノーマルとは思えないほど低くコンパクトになった顔がインパクト抜群だ。さらに吸気系やカムプロファイル、2次減速比を低中速寄りに改め、加速感とレスポンスを向上させている。足まわりもショーワ製SFF-BPや大径ディスクで強化した。

歴代を通じて、低く構えたフォルムとエンド部4本出しのマフラーがアイデンティティ。走りは代ごとに異なるとはいえ、一貫して公道でのスポーティさを追求している。特に2014年以降の現行型は、公道での刺激と扱いやすさを兼備した走りが楽しい。パワー特性がフレキシブルで、トップギアでさえも低回転からスムーズな加速を見せるほど。ワイルドな吸気音を伴いつつパワーが盛り上がり、7000rpm以降でさらに力感を増すのが堪らない。サスはやや硬めだが、車体は安定感に溢れ、ニュートラルで信頼感のあるハンドリングを味わえる。トラコンなどの電子制御を敢えて持たないのも硬派だ。
人気ジャンルとなったストファイの火付け役であり、現在でも代表格として君臨し続けるZ1000。往年の名車ネームに恥じないシリーズである。

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型式、年式ごとの特長

Z1000(2003~2006年型 ZRT00A)

T-MAX530
久々にカワサキのビッグブランド「Z」の名を全面に押し出したモデルとしてデビュー。心臓部には、ZX-9R譲りの水冷直4を899→953ccにスープアップして搭載。車体は専用のスチールダイヤモンドフレームとしたが、キャスター角24度や1420mmのホイールベースはほぼZX-9Rと同じ。φ41mm倒立フォークやピギーバック式リヤショックなど足まわりも充実していた、バーハンドルを与え、エンジンには専用セッティングも施しながら、スーパースポーツ寄りの性格が際立つ。
斬新なスタイルは、マツダで初代ロードスターなどを手掛けたデザイナーが担当。デザインに往年のZ1000との関連性はほぼないが、4本出しマフラーがZ1を彷彿とさせる。
全長(mm) 2,080
全幅(mm) 770
全高(mm) 1,055
シート高(mm) 820
軸距(mm) 1,420
車重(kg) 198(乾燥)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 953
最高出力 123ps/10000rpm
最大トルク 9.7kg-m/8000rpm
燃料タンク容量(L) 18
タイヤ (前)120/70ZR17 (後)190/50ZR17

※2003年型

型式、年式ごとの特長

Z1000(2007~2009年型 ZRT00B)

T-MAX530
2代目のB型は、初代のエンジンを踏襲しつつ、車体を一新。エンジンマウント位置を後方に下げ、エンジン横にアルミサブフレームを採用した。同時に、キャスターを24.5度に寝かせ、ホイールベースを25mm増加したことで、より落ち着いた走りを獲得している。
デザインは、シュラウドを大型化し、ウインカーを内蔵としたのが特徴。シュラウドは以降のシリーズでも踏襲されるアイテムとなった。ヘッドライトはやや大型となり、釣り目に。片側2本ずつの4本出しマフラーも継承するが、サイレンサーが上下一体型となっている。
全長(mm) 2,090
全幅(mm) 780
全高(mm) 1,065
シート高(mm) 820
軸距(mm) 1,445
車重(kg) 205(乾燥)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 953
最高出力 125ps/10000rpm
最大トルク 10.1kg-m/8200rpm
燃料タンク容量(L) 18
タイヤ (前)120/70ZR17 (後)190/50ZR17

※2007年型

型式、年式ごとの特長

Z1000(2010~2013年型 ZRT00D)

T-MAX530
完全新設計を受けた3代目。専用となった心臓部は、ボア×ストロークを先代の77.2×50.9mmから77×56mmとし、90cc増の1043ccにまでアップした。
フレームは、アルミ製ダイヤモンドを採用。剛性を従来より30%向上するとともに、3kgの軽量化に成功した。また、メイン部がエンジン上部を通るバックボーンフレームに近い形状で、スリムな車体に貢献している。カワサキお得意の水平リンク式リヤショックもZシリーズとして初投入。低くなったハンドルと相まって、走りは一層シャープさを増している。
もちろんスタイルも刷新。一段と低く構えた顔と、凝縮感のあるマスフォワードデザインで、躍動的なフォルムを体現した。新たにアンダーカウルを獲得したほか、車体色=マルーンに前代未聞の蛇柄シートを採用したことでも話題になった。
全長(mm) 2,095
全幅(mm) 805
全高(mm) 1,085
シート高(mm) 815
軸距(mm) 1,440
車重(kg) 218(装備)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 1043
最高出力 136ps/9000rpm
最大トルク 11.2kg-m/9600rpm
燃料タンク容量(L) 15.5
タイヤ (前)120/70ZR17 (後)R=190/50ZR17

※2010年型

型式、年式ごとの特長

Z1000(2014年型~ ZRT00F)

T-MAX530
凄み=SUGOMIをコンセプトに正常進化。デザインと走りをさらに過激化した。心臓部は従来型をベースに、カムタイミングやエアボックス、ECUを変更したほか、等長エアファンネルなどでパンチのある加速とダイレクトなレスポンスを入手した。
フロントフォークは、従来のショーワφ41mm倒立に対し、同径のSFF-BPを投入。左でプリロード、右で伸圧ダンパーの調整が可能で、軽さと優れた減衰力特性を持つ。さらに従来より大径のφ310mmペータルディスクに、トキコ製モノブロックキャリパーでブレーキを強化。水平リンク式モノショックはホイールトラベルを135→122mmに抑制した。
シート高は変わらないが、ハンドルも従来より若干低めとなり、スポーティに。メーターも新作となった。
デザインは、歴代で最も低く構えた顔が特徴。新採用された4眼リフレクターLEDヘッドライトが生物のような表情を見せる。
従来まで海外仕様のみだったが、2017年から国内仕様が登場。また海外向けにオーリンズリヤショックとブレンボキャリパーで武装したRエディションも追加された。
全長(mm) 2,050
全幅(mm) 790
全高(mm) 1,055
シート高(mm) 815
軸距(mm) 1,440
車重(kg) 220(装備)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 1043
最高出力 141ps/10000rpm
最大トルク 11.3kg-m/7300rpm
燃料タンク容量(L) 17
タイヤ (前)120/70ZR17 (後)R=190/50ZR17

※2020年型

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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。