フィーチャーバイク -Ninja400-
公開日:2020.02.19 / 最終更新日:2020.04.14
進化し続けるミドルフルカウルの代表格
ラインナップが減少した400ccクラスにおいて、存在感を放ち続けているフルカウルスポーツがNinja400シリーズだ。
初代がデビューしたのは2010年。Ninja250Rの登場から2年後、兄貴分としてリリースされた。ベース車はNinja650R。この並列2気筒を400ccへスケールダウンしており、トラスフレーム、右側にオフセットしたレイダウン式のリヤショックなど、250と異なる個性を持つ。アップハンドルと素直な走りでオールマイティなキャラクターが魅力。ビッグバイクと共通の大柄な車体による抜群の所有欲も人気を後押しした。
さらに2014年、フルチェンジでNinja400に車名を変更。二重パイプのペリメターフレームでより個性的なデザインとなり、スタイルに磨きをかけた。同時に、車体剛性や足まわりを一段とオールマイティな設定に変更。エンジンの出力特性もスムーズになった。
そして2018年型で全てを一新し、大胆な手法を取り入れた。フルチェンジした3代目Ninja250と共通のダイヤモンド式トラスフレームに399cc並列2気筒を積み、圧倒的な軽さを実現。車重は前作に比べ、なんと44kg減の167kgを達成した(先代ABS比)。エンジンも4ps&0.1kg-m増となり、まさにスーパースポーツと呼ぶに相応しい1台に仕上がっている。
スタイルは250と同一で、逆スラントしたノーズと吊り上がったLED2眼ヘッドライト、シャープなフルカウルを与えられた。
簡単に走行インプレにも触れたい。大柄な車体に必要十分なパワーでツアラー的な特性が強いのが2017年型以前。穏やか、かつ低中回転域を重視したエンジンにより気負わず走り出すことが可能だ。ハンドリングは安定しており、コーナーでも不安感は少ない。特にツーリングが得意とはいえ、日本の道路環境によく似合うマシンだ。
一方、2018年型以降はとにかくスポーティ。脈動感を伴いながら軽やかに回転が上昇し、先代より圧倒的にパワフルだ。そして、コーナーでは軽快な250の感覚でヒラヒラと操れる。バイアスタイヤの250に対してラジアルを履き、乗り心地も上質に。この恩恵は、普段走りはもちろん、ツーリングでも受けられる。
世代によって外観と性格は大きく変われど、
ヨンヒャクらしい万能さは共通。
街乗りからワインディング、ツーリングまで
何でも1台でこなしたい人に、ぜひオススメしたい。
型式、年式ごとの特長
2010~2013年型 Ninja400R(EX400C)

高い防風効果を発揮する大型の段付きスクリーンや、自然で疲れにくいポジション、空気抵抗を減らすフロントカウル中央のダクトなどツーリングに適した機能も多数揃える。
生産は初代から一貫してタイカワサキ。コストダウンを実現しつつ、入念な管理で高品質を両立している。
全長(mm) | 2,100 |
全幅(mm) | 760 |
全高(mm) | 1,200 |
シート高(mm) | 790 |
軸距(mm) | 1,410 |
車重(kg) | 203 |
エンジン | 水冷4スト並列2気筒 |
排気量(cc) | 399 |
最高出力 | 44ps/9500rpm |
最大トルク | 3.8kg-m/7500rpm |
燃料タンク容量(L) | 15 |
タイヤ | (前)120/70ZR17 (後)160/60ZR17 |
※2010年型
2014~2017年型 Ninja400(EX400E)

さらに快適度もアップ。ハンドル幅をワイド化したほか、シートの面積&厚みを増加、スクリーンは工具を使って3段階の調整が可能になった。
デザインも先代を踏襲しながら、一段とシャープ化と高級感をアップ。大柄な車格はそのままに、一段とビッグバイクらしい雰囲気を醸し出している。
全長(mm) | 2,100 |
全幅(mm) | 770 |
全高(mm) | 1,180 |
シート高(mm) | 805 |
軸距(mm) | 1,410 |
車重(kg) | 211 |
エンジン | 水冷4スト並列2気筒 |
排気量(cc) | 399 |
最高出力 | 44ps/9500rpm |
最大トルク | 3.8kg-m/7500rpm |
燃料タンク容量(L) | 15 |
タイヤ | (前)120/70ZR17 (後)160/60ZR17 |
※2014年型ABS仕様
2018年型~ Ninja400(EX400G)

スイングアームピボットを廃し、プレートで剛性を最適化した鋼管トラスフレームを採用。これはカワサキの旗艦であるNinja H2譲りの構造で、徹底的に軽量化を追求している。同時にホイールベースは先代から40mmもショート化された。
エンジンは400専用の新設計。クランクケースが250と共通だが、他のパーツはほぼ専用品だ。バルブは吸気=φ27.5mm、排気=φ23.5mmと250より大径化したほか、カムチェーンをエンジンの外側に、プライマリーギヤを内側に配置することで、全高を抑えながら、後方がスリムなエンジン形状とした。
新生代のスーパースポーツとして高い評価を受けており、カスタムしてさらにポテンシャルを引き出すのもいい。
全長(mm) | 1,900 |
全幅(mm) | 710 |
全高(mm) | 1,120 |
シート高(mm) | 785 |
軸距(mm) | 1,370 |
車重(kg) | 167 |
エンジン | 水冷4スト並列2気筒 |
排気量(cc) | 398 |
最高出力 | 48ps/10000rpm |
最大トルク | 3.9kg-m/8000rpm |
燃料タンク容量(L) | 14 |
タイヤ | (前)110/70ZR17 (後)150/60ZR17 |
※2018年型
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■筆者プロフィール

沼尾宏明
1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。